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02月26日-01号

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  1. 岡山県議会 1993-01-01
    02月26日-01号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    平成5年 2月定例会 ◎知事(長野士郎君)  本日は,皆様御多用のところを御参集いただきまして,まことにありがとうございました。  この機会をおかりしまして,去る1月1日に逝去されました故伊藤大孝議員の長年にわたり県勢の発展と県民福祉の向上に尽力されました御功績をたたえ,ここに生前をしのびまして,心から哀悼の意を表し,謹んで御冥福をお祈り申し上げます。  伊藤議員は,昭和26年県議会議員に初当選を果たされた後,10期35年の長きにわたり県勢の発展に日夜献身され,岡山県の農業県から工業県への移行,瀬戸大橋開通による中四国交流の拠点としての大きな飛躍といった戦後から現在に至るまでの岡山県政の歴史とともに歩んでこられました。  この間,県議会議長を初め数々の要職を歴任され,豊かな経験と卓越した識見をもとに,21世紀の岡山を見据えながら,大局的な観点から郷土づくりに情熱を注がれ,瀬戸大橋や岡山空港の建設,山陽自動車道など道路網の整備,商工業や農林漁業の振興など,県政全般にわたり輝かしい御功績を残されました。昨年秋には勲三等旭日中綬章を受章されるなど,その御功績は全国的にも高く評価されておるところであり,このようなかけがえのない指導者を失いましたことはまことに痛恨のきわみであります。今後,私どもは,御遺志を体して渾身の力を注ぎ,郷土岡山の発展のためにさらに努力を重ねなければならないと存じております。  さて,今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,今後の県政の推進に関する所信の一端を申し述べ,県議会並びに県民皆様方の深い御理解とより一層の御協力をお願いする次第であります。  平成時代もはや5年目を迎え,21世紀も目前に迫ってまいりましたが,現在私どもを取り巻く世界の情勢は,新しい秩序を模索しながら大きく揺れ動いており,平和と安全の確保や世界経済の安定に向けての適切な対応が求められております。また,国内においても,景気対策,政治改革や行政改革の推進,依然として続いている東京一極集中の是正と多極分散型国土の形成などが重要な課題となっているところであります。  特に,我が国経済は引き続き低迷を続けており,今後の見通しについても確固たる展望を持ち得ない状況にあります。このような厳しい状況の中で,本県におきましても,県民生活や行財政への影響が懸念されるところであり,これに対して適切な対応を行っていかなければなりません。  21世紀において「活力ある成熟社会」を実現するため,これからは効率や利便性に偏った視点をいま一度見直し,美しさやゆとりなど経済を超えた視点からの新たな価値観のもとで,私ども1人1人が豊かで活力のある地域社会を築いていく努力を積極的に進めていかなければならないと思うのであります。  これまで「美しく豊かな郷土づくり」を目指して,第4次岡山県総合福祉計画の積極的な推進を図ってまいりました。来年度はその第3年次として,いわば折り返し点を迎えるわけでありますが,この間,昨年末に落合―江府間の開通を見た中国横断自動車道岡山米子線を初め,岡山空港の機能強化や山陽自動車道の建設促進が図られるなど,岡山県の飛躍のかぎとも言える広域交通網の整備も,おかげをもちまして着実な進展を見ておるところであります。  今後さらに,これら21世紀の岡山県を支える施策事業を積極的に推進し,東西及び南北の広域交通網の結節点としての優位性を一層高めるとともに,国際交流の促進や教育・文化・研究開発,情報発信等の機能の集積を進め,全国,世界の人々が集い,交流する一大拠点としてより一層の飛躍を図り,中四国の新たな経済文化圏の形成に向けて役割と責任を果たしてまいりたいと存じます。  同時に,広域交通網の整備によってもたらされるよき効果を県下全域に及ぼすとともに,それぞれの地域において拠点となる施設の整備,活用や地域みずからの創意工夫を生かしながら,表情豊かで個性と特色のある地域づくりをさらに積極的に進めていかなければなりません。  特に,農山漁村地域においては,地域の資源と特性を生かした産業の振興や,美しく豊かな自然及び景観を守りながら生活環境の整備を進めるなど,定住促進や都市との交流のための施策を推進し,その活性化に取り組んでいきたいと存じます。  また,年齢を重ねることが幸せに結びつき,長寿が真の喜びとなるような社会として,来るべき長寿社会を迎えるために,お年寄りの知識,経験,能力が積極的に活用されるとともに,障害を持つ人々が地域の中で生きがいを持って生活でき,すべての人々がお互いを支え合いながら,健康に安心して暮らしていける温かい人間関係に支えられた地域づくりに向けて,さらに努力を重ねたいと存じます。  近年,自由時間が増大し,ライフスタイルが多様化する中で,生活の質や豊かさに対する人々の関心が高まっています。自己啓発や社会参加などにより充実した時間が持てるよう,学習,文化活動,スポーツ等多様なニーズに対応し得る場づくりを進めるとともに,美しい町並みや公園,質の高い住宅など,快適で美しい生活環境の創造や社会奉仕,温かい地域づくりなどを通して,真の豊かさが実感できる郷土づくりを進めていかなければなりません。  また,県民皆様との対話を積極的に進めるとともに,感性に富んだ,きめ細かな広報に取り組むため,県政レディ(仮称)の制度を創設するなど,わかりやすい県政の推進に努めたいと考えております。  あわせて,昨年度よりCI(コーポレート・アイデンティティ)の導入について検討を進めておるところでありますが,近くそのマスタープランを取りまとめたいと考えております。これに基づき,岡山県の活性化やイメージアップについて積極的な対応を図ってまいりたいと存じます。  平成5年度は,このような基本的考え方のもとに,第4次岡山県総合福祉計画に盛り込まれた施策事業の積極的な推進に全力を傾けてまいる所存でありますので,県議会並びに県民皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。  次に,第4次岡山県総合福祉計画の施策体系に沿って,平成5年度における県政各分野の施策事業の概要について申し述べたいと存じます。  その第1は,「豊かな社会と人づくり」についてであります。  高齢化社会の到来,女性の社会への積極的参加,核家族化の進展等,近年の家族の形態や社会環境の変化に適切に対応しながら,明るい家庭づくりや愛と奉仕の心に支えられた地域社会の形成に努めてまいりたいと存じます。  お年寄りの経験や能力を十分生かしながら,シルバー人材センター等の活用により,雇用や就労の促進を図るほか,生きがいづくりや社会参加活動の促進に取り組むことといたしております。また,地域住民の1人1人が福祉の担い手となる地域ぐるみの高齢者福祉のむらづくり事業を積極的に推進するとともに,ひとり暮らし老人が生きがいを持ち,安心して暮らすことのできるよう,具体的な支援方策について新たに検討してまいりたいと考えております。  さらに,新総合福祉会館の整備に取り組むほか,民間社会福祉施設の活動の活発化,福祉マンパワーの養成・確保,ホームヘルプサービス,ショートステー,デーサービス等在宅福祉サービスの充実を図るなど,地域福祉の一層の推進に取り組みたいと存じます。  本年4月から社会福祉施設の入所決定に係る権限が町村へ移譲されることに伴い,当該業務の円滑な運営を図るため,町村との連携の強化や適切な指導に努めてまいる所存であります。  障害を持つ人々が自己の特性を最大限に生かし,就労できるよう,障害者能力開発促進プログラム事業を実施し,その自立と社会参加の促進に努めてまいりたいと存じます。  県民すべてが生涯を通じて健康に生活できるよう,健康増進中核拠点施設の整備促進,寝たきり老人ゼロ作戦,エイズストップ作戦などの健康づくりの推進や,精神障害者手帳の発行により精神障害者の社会参加への支援に努めるとともに,救急・僻地医療体制の整備,看護職員の能力を十分発揮できる職場づくりや,院内保育所への支援,県立看護研修センター(仮称)の整備に取り組むなど,医療体制の充実にも力を注いでまいる所存であります。  また,高齢者の視力,聴力等の機能低下に対する相談事業や,在宅寝たきり老人等を対象にした訪問歯科診療事業に新たに取り組むことといたしております。  平成6年4月からの岡山市の保健所政令市移行が円滑に行われるよう体制整備など準備を進めたいと存じます。  スポーツやレクリエーションの振興では,備前テニスセンターの増設や津山陸上競技場の整備について,平成5年度中の完成を目指すとともに,美作ラグビー・サッカー場の拡張,健康の森,新野球場などの建設を進めるほか,新たに大佐山地区においてオートキャンプ場の建設に着手してまいりたいと存じます。  また,平成17年の国民体育大会の本県での開催につきましては,先般中国5県の体育協会の合意が得られ,その実現に向けて大きく前進したところであります。今後,四国及び九州ブロックとの調整に鋭意取り組むとともに,施設整備計画など基本構想の策定に向けて諸準備に着手したいと考えております。  地域文化の振興を図るため,岡山県芸術祭30周年記念事業等すぐれた芸術文化の鑑賞や創作活動の発表・交流の機会の拡大,庄屋屋敷の改修整備による伝統文化の体験の場づくりなど,地域文化施設の整備促進に取り組みたいと存じます。  また,生涯学習推進センターを初め,県民が気軽に交流できる場を兼ね備えた県立図書館・文書館の整備を進めるなど,生涯学習社会の形成を目指してまいる所存であります。  国際交流につきましては,中国江西省に続き,南オーストラリア州との間においても友好協定を締結し,幅広い分野での活発な交流を展開するとともに,インドネシアバリ州につきましても引き続き交流を進めてまいりたいと存じます。また,国際交流センターの早期完成に向けて整備の促進に努めたいと存じます。  岡山の将来を担う人づくりについてでありますが,個性を生かし,豊かな心を育てる教育を推進するとともに,学科の新設,改編や新設の養護学校の整備を進めるなど,学校教育の充実を図ってまいる所存であります。また,私学教育につきましても,運営費の助成の充実に加え,新たに特色ある教育を行うための施設整備の支援や,専修学校生徒に対する奨学金制度を設けるなど,個性と特色のある教育の推進に努めたいと存じます。  公私協力方式で設立した吉備高原学園高等学校及び他の県内高等学校の卒業生で,特定の分野において学術,技術の修得が見込まれる者を受け入れ,大学教育を実践しようとしている倉敷芸術科学大学(仮称)の教育方針を評価し,支援を行ってまいりたいと考えております。  県立大学につきましては,おかげをもちまして本年4月に予定どおり開学の運びとなりました。現在,学生の選考など最終的な準備を進めておるところでありますが,今後さらに,多様な社会的,時代的な要請に対応できる学術研究の振興と有為な人材の養成にふさわしい大学として整備を進めてまいりたいと考えております。  また,青少年の主体的な活動の促進を図る場として,笠岡市梶子島で新たな青少年の島の整備を行うため,関係者と協議を進めたいと存じます。  第2は,「美しく快適な環境づくり」についてであります。  まず,広域交通網の整備でありますが,岡山空港につきましては,来月25日には滑走路2,500メートル化及び国際線旅客ターミナルの供用が開始され,また運用時間も近く延長されるなど大幅な空港機能の強化が図られることとなっております。今後さらに,新規路線の開拓や既存路線の増便に取り組むとともに,貨物ターミナル,航空機整備基地の建設や滑走路3,000メートル化に向けての取り組みを積極的に進めてまいりたいと存じます。また,岡南飛行場につきましては,県民の触れ合いの場としての機能をあわせ持つ西日本の小型航空機の拠点として整備をさらに促進することといたしております。  高速道路についてでありますが,山陽自動車道では,岡山ジャンクションと岡山インターチェンジ間が来月末に開通の運びとなっているところであり,さらに平成5年度中の県内全線開通を目指すことはもとより,中国横断自動車道につきましても,早期の全線開通に向けて用地買収及び工事の促進を図りたいと存じます。さらに,これらと一体となって県内を循環する高速道路網を形成するため,美作―岡山間道路の整備に着手してまいる所存であります。  また,均衡のとれた地域づくりを進めるため,「IC30」構想,「エアポート60」構想を推進し,国道2号,53号等のバイパスや中部縦貫道(国道484号など),備北新線,吉備新線など地域間連絡道路の整備に努めてまいりたいと存じます。一般県道の主要地方道への昇格につきましても積極的な取り組みを行っておるところであります。  新交通システムにつきましては,関係機関との具体的な調整を進めるなど,早期事業化に向けて取り組みを行ってまいりたいと考えております。  本年4月10日には瀬戸大橋が開通して5周年を迎えますので,記念式典を開催するとともに,瀬戸大橋を利用した健康マラソン,ブリッジウォークなどのイベントを実施し,瀬戸大橋の一層のPRと利用促進を図りたいと考えております。  鉄道につきましては,井原線,智頭線の建設促進を初め,JR津山線の近代化や吉備線の電化の早期実現に向けて引き続き積極的な対応を図るほか,日本海から瀬戸内海を経て太平洋に至る中四国横断新幹線の建設促進に向けて取り組みを強化してまいりたいと存じます。  苫田ダムにつきましては,ダム建設を前提とした奥津町地域総合振興計画(案)について,県,奥津町がそれぞれの議会及び下流受益市町に協議,説明を行っているところであり,了解が得られ次第,国とも協議しながら早急に成案としてまとめ,奥津町の振興を図ってまいりたいと考えております。  いまだダム建設に御理解をいただいていない地権者に対しても,今後とも誠意を持って対応し,すべての方々の御理解が得られるよう努力してまいりたいと存じます。  環境の保全についてでありますが,社会問題となっております産業廃棄物について,処理に関する基本計画や適正処理体制づくりに取り組むほか,地球に優しい環境づくりを行うための行動計画の策定や,食用廃油を活用した石けんづくりを一層支援するなど,資源の有効利用や地域レベルでの具体的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。  回収ウラン転換実用化試験につきましては,先般,環境放射線専門家会議から動力炉・核燃料開発事業団の対策が実施されれば安全は確保できるとの意見を得たところであり,これらの対策の確実な実施方策について同事業団と協議を行い,結論を出してまいりたいと存じます。  児島湖につきましては,若干ながら水質改善の兆しが見られているところでありますが,引き続き底泥しゅんせつ事業,合併処理浄化槽の設置促進,児島湖流域下水道事業の推進を図るなど,環境の保全に努めることといたしております。  多発する交通事故を防止するため,特に若者や高齢者に対して交通安全意識の啓発を図るとともに,県民皆免許時代にふさわしい総合的な機能を有する運転免許センターを本年中に完成をさせることとしております。  また,県民の暴力排除機運が高まる中で,暴力団対策課を新設し組織体制の整備を行うなど,暴力団の壊滅に向けた総合的な対策を推進するとともに,派出所へのテレビ電話システムの導入など,安全で平穏な生活環境の確保を図ってまいる所存であります。  農山漁村につきましては,緑豊かな自然と調和した集落のたたずまいや棚田などの田園風景の保全に努め,美しい村づくりを推進するとともに,集落排水施設や生活道路の整備など,快適な生活環境づくりに取り組みたいと考えております。また,都市との交流施設の整備などに積極的に取り組み,中山間地域における活性化を図るなど,活気にあふれ,温かい人情にはぐくまれた郷土づくりを進めてまいりたいと存じます。  農業の大切さを理解しながら,生産者と消費者が気軽に交流できるファーマーズ・マーケットやフルーツ・フラワー公園事業の推進に努めるとともに,県民総参加による美しい森林づくりを進めることといたしております。  都市などの整備についてでありますが,津山市などの市街地再開発事業の推進や街路事業の促進など,都市基盤の整備を進めるほか,ケアつき公営住宅の導入,クリエイティブTOWN岡山の普及拡大に努め,ゆとりと潤いのある快適な都市・住宅づくりを推進してまいりたいと存じます。  吉備高原都市につきましては,今年度をもって前期計画の基盤整備が完了の運びとなりましたので,平成5年度から後期計画に着手すると同時に,センター区を中心としてにぎわいと活気あふれる魅力的な都市づくりを促進したいと存じます。  また,後楽園来園者の憩いの場となる外苑館が来月オープンすることとなっておりますが,周辺地区の整備につきましても,岡山市との連携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。  地方拠点都市につきましては,津山地域の早期指定に向けて国への働きかけを引き続き行いますとともに,関係市町村に対して,基本計画の策定などについて積極的な協力を行ってまいる所存であります。  第3は,「ゆとりあるくらしの基礎づくり」についてであります。  勤労者を初めとして,県民の方々も憩い,楽しむことのできる,勤労者総合福祉施設の整備に取り組むとともに,新たにレディスフェスティバルの開催など,若い女性の社会活動への参画機会の拡充と,女性の幅広い活動推進のための拠点づくりの調査を進めたいと存じます。  今日,農業は,担い手の減少,高齢化の進行,農産物の輸入自由化などの課題に直面しております。国際化に対応し,安定的な水田農業を維持していくため,超低コスト稲作営農など新しい技術の普及や営農集団の育成等により低コスト生産を進めるとともに,意欲ある若い農業者への助成金制度の創設等により,規模拡大を促進してまいりたいと存じます。また,市町村,関係団体と一体となり,就農希望者の掘り起こしを積極的に行い,新規参入者など新たな担い手の確保に努めてまいりたいと存じます。さらに,21世紀を展望した農業経営の基本方針,地域の実態に即した営農モデル等の策定にも取り組みたいと考えております。  農産物の生産振興につきましては,優良米の生産拡大を初め,地域ぐるみで取り組む有機無農薬の里づくり,新品種の実証栽培や新たな果樹団地づくり,主要な野菜の生産拡大を図るための新産地の育成,地域特性を生かした花の産地拡大,受精卵移植による和牛の改良・増殖や超高能力牛の導入などにより,付加価値の高い岡山ならではの農産物づくりを推進するとともに,アンテナショップ等による県内外へのPRと販売促進,消費拡大等にも積極的に取り組みたいと考えております。  また,農道や林道を初めとする農林業の基盤整備,県産材の需要拡大,水産業ではつくり育てる漁業の振興等に努めることといたしております。  商工業についてでありますが,本県における産業分野の研究開発拠点として整備を進めておる岡山リサーチパークにつきましては,引き続き研究所等の誘致を進めるとともに,新工業技術センター及びテクノサポート岡山の平成6年度のオープンを目指し,建設を促進してまいりたいと存じます。  工業団地につきましては,現在造成中の団地の早期完成に努めるほか,流通や居住機能も備えた新たな工業団地の整備に着手するなど,高速道路沿線に「1インター1工業団地」を目標とした団地整備を進め,県北流通センターの整備,総合流通センターの機能強化とあわせ,広域交通網の整備に対応した産業集積拠点の形成に努める所存であります。  産業高度化の中核となる高度加工組み立て型企業の育成を図るほか,繊維や耐火物等の既存産地の活性化,医用工学関連産業の育成など,地域的,業種的に均衡のとれた産業構造の確立に努めてまいりたいと存じます。  昨今の景気動向を踏まえ,景気浮揚と地場企業の経営安定を図るため,貸付金の融資枠の拡大等を行うとともに,商店街についても魅力づくりや活性化の支援に努めることといたしております。  中国,東南アジア地域における活動の拠点となる岡山県香港事務所の開設や中国への経済ミッションの派遣等により,地場産業の国際化への取り組みを支援するとともに,国際会議の開催やマレーシアとの国際共同研究など,海外との経済交流を積極的に進めたいと考えております。  観光についてでありますが,広域観光に対応するため,新しく設定した県内観光地の滞在型周遊ルート「吉備の国新発見コース」のPRやアジア諸国に対する誘客対策を充実するほか,本年5月,広島県と共同で観光立県推進会議を開催し,来春には全国に向けて大型観光キャンペーンを展開したいと考えております。  リゾートの振興では,蒜山美作リゾート構想につきまして近く国の承認が得られる見込みとなっているところですが,承認後においては,地元市町村と一体となり,計画の具体化や県内外へのPR等に積極的に取り組みたいと考えております。また,農村型リゾートについては,新規地区の指定や施設の充実を図るほか,西部アグリスポーツ公園,津山酪農試験場跡地,下津井地区拠点施設の整備等を進めたいと存じます。  チボリ公園事業につきましては,土地利用についてのクラボウとの協議が大筋で調うとともに,マスタープランの見直しについてもデンマーク側との調整が進められており,先般,このような状況を踏まえまして,今後の事業の具体化に向け,事業の全体構想や資金調達の枠組み等についての概案が取りまとめられたところであります。  県としても,チボリ・ジャパン社の増資への応分の対応等,チボリ公園事業の実現のために必要な措置を講じてまいりたいと考えており,県議会及び県民皆様の御理解を賜りながら,チボリ・ジャパン社,倉敷市,経済界等関係者との連携を密にして県内外の企業への協力要請を進めるなど,事業の早期実現に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,今回提案いたしております諸議案につきまして御説明を申し上げます。  まず,予算案件についてでありますが,予算編成の前提となります国の一般会計予算並びに地方財政計画について,その概要を申し上げます。  国の一般会計予算は,今後急速に進展する高齢化や国際化に弾力的に対応していくことを基本として編成され,その規模は72兆3,548億円と,前年度に比べまして0.2%の伸びとなっております。  地方財政計画も国と同一の基調に立って策定をされ,その規模は前年度に比べて2.8%増の76兆4,152億円となっております。  次に,本県の財政状況と平成5年度当初予算の編成方針について申し上げます。  平成5年度の本県財政を展望いたしますと,景気の低迷が続く中で,法人関係税など県税収入が大幅に落ち込む見込みであるなど,まことに厳しい状況にあります。  このような状況下ではありますが,平成5年度の当初予算の編成に当たりましては,景気対策に特に配慮しつつ,県民生活に直結する道路,下水道,住宅等,社会資本の整備の一層の充実を図るとともに,県政の重要課題である高齢者・障害者等の福祉の向上,国際化への対応,岡山からの情報発信力を高める中枢機能の集積,安全で快適な生活環境の整備等に積極的に取り組むことといたしました。  また,21世紀へ向けて各地域に活力がみなぎり均衡ある県土の発展を期するため,交流・拠点施設の適正配置に努めるとともに,中山間地域の活性化,活力ある農林漁業,商工業の振興などに重点を置き,積極的に計上したところであります。  以上により編成いたしました平成5年度の当初予算は,一般会計において7,361億4,000余万円,特別会計において722億余万円,合わせて8,083億4,000余万円,企業会計において170億500余万円となり,一般会計予算の規模は平成4年度当初予算に対し104.3%となっております。  一般会計予算の内容を性質別に申し上げますと,義務的経費1,105億8,000余万円,公共事業費1,122億8,000余万円,国庫補助事業費421億1,500余万円,基準行政運営費2,622億3,700余万円,単県行政施策費2,089億2,600余万円であります。  以下,その概要を申し上げます。  まず,一般会計歳入予算についてでありますが,県税収入については,4年度当初予算に対して6.0%減の1,973億2,400余万円を,地方交付税については1,731億1,900万円を計上いたしました。また,地方譲与税151億9,200余万円を計上したほか,県債管理基金130億円を取り崩すなど,一般財源は総額4,082億2,200余万円を計上しております。  特定財源といたしましては,国庫支出金1,365億300余万円,県債764億8,000余万円を計上したほか,長期投資準備基金151億3,600余万円を取り崩すなど,合わせて3,279億1,800余万円を計上いたしました。  なお,使用料手数料につきましては,負担の適正化の見地から,一部のものについて改定したいと存じますので,関係の皆様の御理解を賜りたいと存じます。  次に,一般会計及び特別会計の歳出予算の主なものについて申し上げます。  まず,県民生活基盤の確立を図るため,一般公共事業費562億円のほか単県公共事業費260億円など道路等社会資本の整備に要する経費として994億円,また児島湖流域下水道建設費34億4,100万円など下水道等の整備促進に要する経費として57億3,000余万円,県営住宅建設費18億8,300余万円など住宅の建設促進に要する経費として47億3,300余万円,千屋ダム,津川ダムの建設費95億8,200余万円など水資源の確保と治水に要する経費136億100余万円,衛星通信を利用した防災行政無線や水防テレメーターの整備費など災害の防止に要する経費として47億1,600万円を計上いたしました。  次に,高齢者・障害者などの福祉向上対策といたしましては,今回新たに県北地域へ眼科,耳鼻科,歯科の巡回相談チームを派遣する健やか生活相談事業費700余万円,在宅寝たきり者歯科診療モデル事業費400余万円,障害者能力開発促進プログラム事業費2,000万円,民間社会福祉施設活性化対策事業費1億5,000万円,痴呆性老人施設介護支援事業費1,000余万円,新設養護学校整備費5,700余万円などを計上したほか,岡山県高齢者福祉基金積立金5億円,地域ぐるみの高齢者福祉のむらづくり事業費9,700万円,老人福祉施設整備費25億8,900余万円などを計上いたしました。  また,依然として厳しい経済情勢を踏まえ,景気浮揚対策に特に配慮することとし,単県公共事業費を30%増としたのを初め,地方振興事業調整費30億円,中小企業金融対策費306億3,400余万円,持家促進臨時特別資金貸付金43億9,000万円を計上するなど,4年度当初予算に比べまして大幅に増額をいたしました。  さらに,岡山の拠点性を高め,21世紀へ向けての飛躍の基盤づくりを進めますために,中四国横断新幹線建設促進費800余万円,岡山空港滑走路3,000メートル化調査費500万円,岡南飛行場整備費45億8,600余万円,新工業技術センター整備費92億5,100余万円,県立大学建設費68億2,800余万円,県立図書館・文書館建設費4億7,200余万円,新野球場建設費54億2,900万円,県北流通センター建設費2億5,800余万円,健康の森整備費8億1,700余万円,チボリ公園事業促進費1,000万円などを計上いたしました。  また,県下すべての地域が個性的で活力にあふれ,均衡のとれた発展を遂げるよう,それぞれの地域の活性化方策を診断・研究するための地域活性化アセスメント作成費2,000万円を初め,県境町村等振興事業費6億1,000万円,吉備線・津山線近代化等推進活動費700万円,智頭鉄道整備促進資金貸付金8,100万円,美作岡山間道路建設事業費2億円,瀬戸内沿岸道路整備調査費1,000万円,高梁地区,井原地区など8地区の内陸工業団地造成事業費66億1,600余万円,大佐山のオートキャンプ場建設費5億8,400万円,津山陸上競技場整備費21億900余万円,勝英地域スポーツ施設整備費4億9,000余万円,東備地域スポーツ施設整備費4億5,900余万円,津山の県酪農試験場跡地,笠岡のアグリスポーツ公園,下津井の拠点施設などリゾート拠点整備推進費3億8,500余万円,灘崎町,勝央町のファーマーズ・マーケット建設費18億1,700余万円,岡山空港近隣のフルーツ・フラワー公園整備費3億3,100余万円,宇野港日比地区のマリーナ施設整備費6億円などを計上をいたしております。  活力ある農林漁業の振興対策としましては,新規就農を促進するためのニューファーマーズ確保対策事業費1,300余万円,超低コスト稲作営農推進事業費1,000余万円,若手就農者への農地流動化を助成する農地はつらつ集積事業費1,200余万円,乳用種肉牛価格安定事業費1,300余万円を初め中山間地域都市交流活動促進事業費300万円,中山間地域集落活性化プランニング事業費1,200余万円,中山間ミニ農業基盤整備事業費1億円などを計上いたしました。  商工業の振興対策としましては,景気対策の観点から中小企業金融対策を充実したほか,香港に県事務所を設置する経費1,400余万円,商店街整備など商業活性化推進事業費1億6,700余万円,マレーシアとのゴムの共同研究経費6,200余万円,岡山医用工学国際フォーラム開催経費2,700万円,中小企業集積地域発展支援事業費9,000余万円などを計上しております。  環境保全対策といたしましては,産業廃棄物処理施設等建設促進費3,700余万円,公共建設残土土捨場建設費8,900万円,下水汚泥処理処分対策調査費1,000万円,清流保全総合対策費1,500余万円,児島湖環境保全対策費1億200余万円,美しい森林づくり事業費1億7,000余万円などを計上しております。  国際交流につきましては,南オーストラリア州や中国江西省との友好交流事業費8,900余万円,国際交流センター建設事業費2億9,300余万円などを計上しております。  学校教育につきましては,私立学校における特色教育を推進するための施設整備補助を新設したほか,専修学校を奨学金貸与事業の対象に加えるなど,私学助成費75億3,400余万円,県立高等学校施設整備費23億1,800余万円などを計上をしております。  勤労者・女性のための施策といたしましては,勤労者総合福祉施設整備費1,500万円,女性活動推進拠点機能調査費500万円,育児・介護休業者生活資金貸付金1,600万円,院内保育事業運営費補助800余万円,県立看護研修センター整備事業費900余万円などを計上いたしております。  その他主な施策を申し上げますと,岡山県芸術祭30周年記念事業費2,100万円,生涯学習推進センター等建設推進費600万円,エイズストップ作戦事業費3,100余万円を初め,蒜山大山有料道路を平成5年7月1日から無料開放するための補助金11億5,500万円,瀬戸大橋開通5周年記念事業費1,800万円,CI推進費3,700万円,新たな時代の要請に対応した組織機構の整備等,行財政改革に取り組む経費1,000万円,派出所にテレビ電話を新設する地域警察強化費1,100余万円,岡山西警察署新築工事の設計等に要する経費3,500余万円,運転免許センター建設費38億7,300余万円などを計上しております。  債務負担行為につきましては,倉敷芸術科学大学(仮称)設置助成費など新たに債務を負担しようとするもの65件であります。  地方債につきましては,いずれも今回の歳出予算の財源として予定いたすものであります。  次に,事件案件についてでありますが,当せん金付証票の発売額を定めようとするもの1件,本州四国連絡橋公団への出資,財団法人岡山県国際交流協会への出捐など,出資,出捐についてのもの9件,児島湖流域下水道の維持管理費用の市町負担額の一部変更についてのもの1件,鳥取県,岡山県蒜山大山有料道路の管理に関する事務の委託に関する規約の廃止についてのもの1件であります。  最後に,条例案件についてでありますが,岡山県職員等定数条例の一部を改正する条例,岡山県中山間地域保全基金条例など17件であります。  以上,今回提案いたしました諸議案につきましてその概要を申し上げた次第でございます。何とぞ慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようにお願いを申し上げます。  以上でございます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  ただいま追加上程されました平成4年度の補正予算案及びその他の諸議案について御説明申し上げます。  まず,補正予算案についてでありますが,国庫補助の確定に伴う関係経費などについて,それぞれ所要の補正措置を講ずるとともに,財源の年度間調整を図り,今後の財政運営に資するため,財政調整基金の取り崩しを取りやめるなどの措置を講じております。  以上により編成いたしました補正予算の額は,一般会計において50億9,300余万円の減額,特別会計において47億300余万円の減額,合わせて97億9,600余万円の減額,企業会計において5,200余万円の減額であり,補正後の一般会計予算の総額は,歳入歳出それぞれ7,504億8,800余万円であります。  一般会計歳入予算につきましては,県税収入を128億9,900余万円減額し,これに伴う減収補てん債など県債201億500余万円を発行することとし,財源振りかえを行うほか,国庫支出金を15億500余万円減額するなど,それぞれ所要の補正措置を講ずるとともに,財政調整基金105億6,900余万円及び長期投資準備基金47億400余万円の取り崩しを取りやめることとしております。  歳出予算につきましては,県債管理基金積立金20億円,財団法人岡山県アイバンクへの助成金3,700余万円などを計上したほか,利子割市町村交付金を32億1,100余万円減額するなど,それぞれ所要の補正措置を講ずることといたしました。  繰越明許費につきましては,用地買収及び補償交渉の難航などにより115件359億5,900余万円を繰り越ししようとするものであります。  債務負担行為につきましては,一般公共事業の国庫債務負担行為に係るものなど4件,岡山県信用保証協会に対する損失補償など債務負担行為を変更しようとするもの3件であります。  特別会計につきましては,岡山県中小企業近代化資金貸付金特別会計など12会計において,それぞれ所要の補正措置を講じております。  また,企業会計につきましても,岡山県営電気事業会計など3会計において,それぞれ所要の補正措置を講ずることといたしました。  次に,事件案件につきましては,岡山県信用保証協会などへの出捐についてのもの2件,道路改良(田益トンネル)工事の工事請負契約を締結しようとするもの1件,児島湖流域下水道浄化センター建設工事など工事委託契約を締結しようとするもの2件,岡山県立笠岡工業高等学校危険校舎改築及び産業教育施設整備工事の工事請負契約を変更しようとするもの1件,岡山リサーチパーク用地造成工事の工事委託契約を変更しようとするもの1件,公有財産の取得及び処分に関するもの2件,土地改良事業に係る市町村負担金等についてのもの2件,河川法の規定に基づく一級河川の指定同意についてのもの1件であります。  以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第でございます。何とぞ慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。  以上でございます。 ◆50番(有可洋典君)  おはようございます。平成5年度岡山県予算編成時に当たり,自由民主党を代表し,通告に従い順次質問をさせていただきます。  質問に先立ち,ことし元旦に御逝去されました,県議会に35年余にわたり席を置かれ,県勢の進展に御尽力をいただいた故伊藤大孝先生に対し,議員各位とともに心から御冥福をお祈り申し上げます。議席57番に座られ,質問と答弁にじっと耳を傾けておられた,あのお姿には二度と接することはできません。痛恨のきわみであります。  質問の第1は,長野知事の政治姿勢についてであります。  その1つは,変化変革が求められている時代への県政の取り組み方であります。御周知のごとく,アメリカでは,去る1月20日に第42代目の大統領としてビル・クリントン政権が誕生したのであります。多くのアメリカ国民は,選挙の際,変化・変革(チェンジ)を求め,訴えたクリントン氏を選択したものと察します。クリントン氏は,大統領の就任の演説の中で,変革を11回,再生という言葉を8回も使われ,強調され,また反面,変革に伴う犠牲も国民に求めているのであります。この変革を,アメリカ国民の味方としたクリントン政権のもとに,自己変革を目指すアメリカに対して,日本も従来の内向型の政治形態から脱皮し,これからは大胆な変革する形態を求められるときが訪れたと言っても過言ではないと思われます。宮沢総理も,今国会を通じ,しばしば変革ある社会を求め,その変革への対応,心構えを国民に求め,問いかけておられるのであります。この変革,変化が強く求められているとき,来年度予算編成に際し,県民に対し知事の姿勢として,いかような心配りと基本的な考え方で臨んでおられるのか,まず伺っておきたいのであります。  その2は,県民の声を県政への反映の仕方,手法についてであります。長野知事は,昨秋10月末,6選に当たり記者団に対し「選挙の結果は意外だった,これからは誤解を生じないためにも大いに言いたいことは言わせてもらう」と強気の姿勢を見せられたと報道されたのであります。私は,言動を控えておられたために県民に誤解を与えた,それが一つのゆえんとは解してなく,むしろ県政の進展に結びつくことは今までも案外大胆に申されたと察します。あわせて「外に出て多くの県民の声をあまねく聞き,県政に反映させたい」と申されておられますが,毎年開催されている「知事と話し合うつどい」など一考を要するものと思います。この「つどい」は,各振興局単位で開催され,平成3年度で23回,379人,平成4年度で21回,373人から意見聴取を知事みずからがされておられます。仄聞によりますと,各局と管内市町村と,事前に参加者の人数,メンバー──主として長がつく顔ぶれ,その上質問内容を局と協議すると伺っているのであります。一体,この形の集いで県民の底辺の声が県政に反映できるのかどうか,いささか疑問に感じるのであります。また,県市町村連絡会議も各振興局単位で開催,平成3年度で8局,69市町村長,平成4年度で4局,38市町村が集い,協議されたそうでありますが,全くかわりばえのない同じ形式とうわさされていますが,底辺の声を聴取する点で,あり方につき,かなり工夫を要するものと思います。県民の声に耳を傾ける知事の姿勢の一つとして御所見を伺っておきたいのであります。  次に,平成5年度当初予算案に係る諸問題についてであります。  景気低迷の長期化に伴う企業収益の悪化が地方財政にも大きな影響を及ぼし,岡山県でも,本年度の税収は,昨年度実績額に対し,率にすると9.1%,額にして約198億円という厳しい落ち込みが見込まれております。我が党といたしましても,10兆7,000億円に上る総合経済対策や,6次にわたる公定歩合の引き下げ効果による早期の景気の立ち直りを願っているところでありますが,現状においては景気の先行き不透明感はぬぐえず,来年度の税収も多くは期待できない状況であります。  このように,歳入面から見ると,平成5年度は極めて厳しい予算になると察していたところでありますが,長期投資準備基金約151億円,県債管理基金130億円,合計約280億円に上る基金の取り崩しや地方債の積極活用や弾力運用により,国の予算の伸び率0.2%,地方財政計画の伸び率2.8%をも上回る対前年比4.3%増の一般会計総額で7,361億4,000余万円と,かなり積極的な予算を提案されたのであります。また,その内容も21世紀をにらみ,行政全般にわたり工夫を凝らしたものとなっており,我が党も大いに評価するところでありますが,当面の最重点課題である景気対策について,知事はどのような方針で予算編成に臨まれたのか,地財計画との関連を踏まえ御所見を伺っておきたいのであります。  2点目は,基金運用と中期財政試算についてであります。さきにも触れましたが,税収の伸びが期待できないことから財源不足を大幅な基金の取り崩しで賄うなど,平成5年度予算はまさに綱渡りの編成であったと思うのであります。確かに,こうした財政運営のための基金は,大プロ事業や不測の事態に対処するため積み立てられたものと思いますが,一挙に吐き出すことにより,6年度以降の財政運営に支障を来さないかと危惧するものであります。税収が厳しい中にあって,各県とも積極予算を組むため多額の基金を取り崩しているようでありますが,本県の基金積立額は2月補正後でどうなるのか。また,仄聞によりますと,近県に比べて少ないようでありますが,基金運用について,今後どのような方針で臨まれるのか,まず知事に伺っておきたいのであります。  また,一昨年第4次総合福祉計画の計画期間にあわせ策定した中期財政試算についてでありますが,一転した税収環境の悪化に加えて,公債費の増高や新たな行財政需要の発生など,策定当時とは大きくさま変わりしてきたと思うのであります。健全な財政運営のもとで,第4次総合福祉計画を着実に進めていくためには,中期展望に立った財政運営が極めて重要であり,早急に試算の見直しが必要と考えますが,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次に,行政組織機構の改革についてであります。生活大国の実現に縦割り行政の改善や行政と民間の役割分担の見直しなど,行政機構の抜本的な見直しが,首相の諮問機関である臨時行政改革推進協議会で本格的に審議されているのであります。本県では,第4次総合福祉計画のもとに広範な施策が展開されておりますが,事業の多くは複数の部局にまたがるものであり,事業成果は調整機能がどう発揮されるかに大きなウエートがかかっているのであります。限られた人員で,増大する住民ニーズに適切に対応するためには,複数の業務を兼務する現在の体制もやむを得ないと思われますが,今議会に提案された平成4年度の2月補正予算に見られる年間予算総額のおおむね5%にも相当する約360億円もの繰り越しは,国の予算措置のおくれが主要な原因であるとはいえ,半ば慢性化している繰り越しを考えると,必ずしも適正な組織体制,あるいは人員配置とは言えないのではないかと思うのであります。効率的な行政を推進するためには,権限移譲も含め可能なものは市町村に任せ,民間との役割分担の可能な業務は,業務の委託をさらに検討する必要があると思うのであります。県民にわかりやすい行政とするために,またより機能的な組織体制とするためにも,抜本的な改革が必要と考えるのでありますが,行政改革に取り組む知事のお考えと決意のほどを伺っておきたいのであります。  次は,チボリ公園事業についてであります。  先日の県議会チボリ公園特別委員会で,来年度事業着手という具体的な計画内容を示したチボリ公園事業構想が公表されました。チボリ公園の推進について全面的に支援してきた我が党といたしましても,一日も早い公園の建設を願っているところでありますが,今回公表されましたチボリ公園事業概案について,幾つか知事の御所見を伺っておきたいのであります。  まず第1点目は,チボリ公園事業の全体計画についてであります。平成3年3月に公表されました岡山チボリ公園の事業計画に比べ,総事業費や入園者数などはかなり縮小された計画となっております。そのうち建設費については60億円も少ない計画となっており,これでデンマーク・チボリ公園の理念を生かした真のチボリ公園建設ができるのかどうか,危惧いたしております。また,入園料に影響を及ぼす入園者数についても年間300万人程度と,倉敷美観地区の観光客数から見ると非常に慎重な予想がなされておりますが,このことが逆に入園料を約2倍と高いものにしているのではないかと思われます。チボリ公園は,県民,市民を初め,多くの人に何回でも足を運んでもらえるような魅力ある施設が必要であり,そのためには入園料はできる限り安くすることが肝要であると思います。そこで,このチボリ公園計画の事業概案の変更は,いかなる見通しのもとで作成されたのか,その基本的な考え方を伺っておきたいのであります。  2点目は,チボリ公園事業への県のかかわり方についてであります。資金調達計画によりますと,チボリ・ジャパン社への30億円の出資,また70億円の低利融資,さらにクラボウとの地代やNTT資金の損失補償など思い切ったチボリ公園事業への参加,協力を打ち出されておられます。民間主導といいながら,実質的には県が主導的に事業に大きくかかわることになり,公共性文化性の高いチボリ公園となりますが,今後の展開によっては大きな財政負担を伴うことが十分考えられます。そこで,今後のチボリ公園事業への県のかかわり方,また役割について基本的なお考えを伺っておきたいのであります。  3点目は,資金調達についてであります。チボリ・ジャパン社への資本金増資分100億円のうち県出資の30億円を除く70億円は,チボリ公園事業に賛同し経営に参加する企業が出資することになっております。また,市中銀行からの借入金が70億円,NTT資金の借入金が50億円と予定されておりますが,経済の低迷が続き,銀行が貸し出し等に慎重な対応をとっている厳しい状況の中で,出資企業と借入金のそれぞれの見通しはどのようになっているのか,また今後県下の市町村への出資を依頼するつもりがあるのかどうか,あわせて伺っておきたいのであります。  次に,スペイン村計画についてであります。用地取得のおくれとバブル経済の崩壊などで計画の見直しを求められていた玉野市のスペイン村建設計画が,先月初め資金調達計画の見通しが立たないことを理由に,さらに1カ年以上のおくれを発表したのであります。さらに,既に採用が内定していた新入社員13人の採用中止と,大幅な人員削減というショッキングなニュースが伝わり,当事者の受けたダメージはもちろん,県と玉野市が参画した第三セクターへの信頼を失い,今後の事業推進に大きな影響が懸念されるのであります。同時に,この計画を核として推進されている大型商業施設アルハンブラモールを初め,宇野駅移転を含めた区画整理事業など,地盤沈下の著しい玉野市が活性化に取り組む主要事業への悪影響が心配され,先の見えない地元の不安を払拭するためにも明確な方針が求められているのであります。もはや県の積極的な支援体制なくして実施が危ぶまれていると思うのでありますが,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次は,本陣山等ゴルフ場開発問題についてであります。ゴルフ場開発は,自然環境を破壊するとして最初から否定する声もありますが,一方では地域振興の観点から積極的に誘致を進めるべきとの声があることも事実であります。こうした中で,報道されております本陣山ゴルフ場開発に係る問題は,警察の捜査段階であり,あえて言及を避けますが,県民の不信を招いたことは甚だ残念であり,一日も早い信頼回復への努力を改めて重ねる所存であります。しかしながら,本来地域の振興発展を願う議員としての活動は当然であり,そのことまで否定されるものではないと思うのであります。もちろん,議員としても評価に値する活動が求められるものであり,正すべきは正すことは当然であります。また,最近の一連のゴルフ場に係る諸問題は,厳正かつ公正さを基本とする行政への警鐘でもあり,県土の無秩序な開発を防止するために市町村との連携を密にし,協力体制を強化するなど,より積極的な指導体制が求められるのでありますが,どのように取り組んでいかれるのか,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次は,苫田ダム問題についてであります。  さきに知事の提案説明にもありましたが,一昨年の8月,奥津町からダムの建設を前提として提出のあった奥津町地域総合振興計画(案)について,建設省,県,奥津町の3者による行政連絡協議会としての調整案の取りまとめがなされたところであり,県を初め関係機関の方々の御努力に感謝をいたすところであります。  さて,このほど取りまとめられました調整案については,早期に成案化し,真に奥津町の振興,活性化が図られるよう,県としても具体化に向け最大限の努力を払っていくべきものと考えるものであり,まず最初は調整案の内容についてお尋ねいたします。  町から提出されました計画案は691項目に及ぶ膨大なものでありましたが,このほど示されました調整案では306項目に縮小されており,地元奥津町民の意向が十分酌み取られているのかどうか,不安も残るところであります。現に,ダムの建設により町の中心部が水没する奥津町では過疎化が急速に進んでおり,過疎の歯どめとなる強力な目玉となる対策が急務であります。国並びに県独自の振興策を打ち出すべきと考えますが,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  第2点目は,今後のスケジュールについてであります。このほど取りまとめられました調整案では総額1,369億余万円とのことであり,事業推進には,起業者である国はもとより,県も下流受益市町と一体となり積極的に取り組んでいかなければならないと考えます。振興計画の策定は2段階方式により進められているところでありますが,過疎,高齢化の進展の折から,一日も早い事業化が求められているのであります。平成5年度の国の当初予算は間もなく決まり,6月ごろからは6年度予算の編成に向けての事務作業も始まることと思いますが,事業化に向けてのスケジュール,また水特法に基づく事業スケジュールについてもあわせて伺っておきたいのであります。  第3点目は,補償交渉についてであります。補償交渉については,現在も28世帯の方々の同意が得られないわけでありますが,ダム建設を前提とする奥津町地域総合振興計画の策定など状況変化を踏まえ,地権者との交渉を急がれる必要があると思いますが,この取り組みについて知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次に,待望の開学を間近に控えた県立大学の諸課題についてであります。  高齢化,情報化,さらには国際化など,時代の要請に対応できる有為な人材育成を目的とした県立大学が来月いよいよ開学を迎えますことはまことに喜ばしいことであります。注目された応募状況は,他の国公立との併願が可能としても予想を超えるものがあり,特に県外からの多数の応募に期待の大きさがうかがえ,同時に,時代の要請に向けた若者の意欲に意を強くするものであります。地元では,学園都市の構築に大きな期待を寄せており,総社市を初め,周辺町村や団体で大学と地域の交流を考える組織づくりなど受け皿づくりが進められておりますが,一方では課題も多いのであります。1学年で430名,軌道に乗る3年後には約1,500名,その半数あるいはそれ以上と予想される県外の学生を主とする住宅の確保のために,総社市では新たに助成措置も設けておりますが,今のところ期待どおりには進んでいないのであります。勢い岡山,倉敷方面に住居を求め,そこからの通学が多くなることが予想されますが,ここでもまた通学の足となるJR吉備線の電化の問題があります。長年の懸案であります吉備線の電化の促進は地元の願いでもあり,大学の開学を機に推進機運に弾みをつけていただきたいと思うのでありますが,地元調整等の現状と,県としてどのような支援を考えておられるのか,また大学開校に当たり記念事業を実施されるようでありますが,いつ,どのようにされるのか,あわせて知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次に,産業廃棄物処理対策についてであります。  厚生省の発表によりますと,企業の事業活動に伴って排出される産業廃棄物は,昭和60年度に3億1,200余万トンであったものが,平成2年度では約3億6,000余万トン──推計でありますが──と,この5年間で15%もふえているのであります。これに対し,肝心の処理施設は,地価高騰による用地の取得の難航や周辺住民の反対などによる整備のおくれで絶対的な不足状態にあり,処分場を求めての広域的な移動や不法投棄が続発するなど,産業廃棄物の処理は年々深刻さを増していると言えるのであります。  こうした現状を踏まえながら,まず第1点は,産業廃棄物処理対策に対する県の取り組みについてであります。産業廃棄物の処理については,廃棄物処理法により排出企業みずからに適正処理が義務づけられているところでありますが,処分場の減少などからして不法投棄など不適正処理も絶えないところであります。排出企業の指導,監視体制の強化など適正処理に向けた対応が求められるところでありますが,産業廃棄物処理に対する県のこれまでの取り組み状況や今後の対応方針を伺っておきたいのであります。  第2点目は,処分場の建設についてであります。県では,年々増加傾向にある産業廃棄物に対応するため,最終処分場の建設を目指し,各振興局ごとに1カ所の候補地を選定すべく調査を開始したやに聞いております。処分場建設についての現在の進捗状況と,あわせて今後のスケジュールを伺っておきたいのであります。  また,昨今では,全国的な処分場減少傾向の折から,新たな処分地を求めて非常に広範囲な搬送が行われるようになっており,新たに建設される処分場へも他県からの多量な産業廃棄物の持ち込みも懸念されるところであります。処分場の運用方法などにつきあわせて伺っておきたいのであります。  次は,高齢者福祉対策についてであります。  国は平成元年,高齢者保健福祉推進十箇年戦略を策定し,また町村におきましても,平成2年の老人福祉法等社会福祉関係8法の改正による措置権の移譲で,これまで実施していた在宅福祉サービスとともに,新たに施設福祉サービスも所管することとなり,総合的かつ効果的な高齢者福祉サービスの提供を目指し,体制整備を進めているところであります。こうした中,先般,県が発表した平成4年10月の毎月流動人口調査結果によりますと,65歳以上の高齢者人口は30万人を突破して過去最多となっており,高齢化率が25%を超える市町村も前年より9町村ふえて30町村に及ぶなど,県下では既に半数近くの町村が他地域に先駆け超高齢化社会を迎えていると言えるのであります。  こうした社会状況を踏まえながら,まず第1点は,老人福祉施設の整備についてお尋ねいたします。県内の特別養護老人ホームは59施設,定員4,334人となっており,施設の整備率では全国平均を上回る状況にあるものの,急速な高齢化の進展や特異な社会的条件などからして,これら施設への入所を待っている者は1,000人を超える状況となっており,施設の整備状況は2年前に比べ定員規模で480人増と促進が図られてはいるものの,入所待ちをしている人はさらに500人余りも増加するなど,老人福祉施設は絶対的な不足状態にあります。高齢者人口に即応する地域的バランスや収容能力を勘案しながらの早急な対応が求められるところでありますが,老人福祉施設の整備についての御所見を伺っておきたいのであります。  第2点目は,痴呆性老人対策についてであります。高齢化社会を迎え,ますます深刻さを増している問題が痴呆性老人問題ではないかと思います。厚生省の発表によりますと,在宅の痴呆性の出現は65歳以上の老人で4.8%と言われており,この傾向は年代とともに高まり,85歳以上になると2割に達すると報じられております。痴呆性には,これといった抜本的な治療方法が確立されていない現在,施設での介護は3割程度で,大半の人が家庭で家族の介護を受けているところでありますが,これら家庭で行う昼夜分かたぬ看護には心身ともに想像を絶する,まことに厳しいものがあり,これら介護者に対するきめ細かな支援が求められているところであります。専門施設の整備促進や相談,指導体制の充実強化など体制整備が期待されるところでありますが,痴呆性老人対策についての御所見を伺っておきたいのであります。  次は,観光対策の視点から見た天下の名園・後楽園及び周辺整備についてであります。御承知のごとく,後楽園は日本でも三名園の一つとして国内外の多くの来訪及び旅行客から親しまれ,我が県民の唯一の誇りとしているところであります。年間の入園客数は約120万人とも言われ,それでも倉敷美観地区の460万人にはほど遠いのであります。客数が伸びない理由の一つとして,周辺の橋梁を含む道路整備にあると思います。正面入り口に通ずる鶴見橋も,観光バス通行にはとても狭隘で,また東から出入りする蓬莱橋と,それに併設する歩道橋もとても狭く,バス駐車場もしかり,あわせて対岸の浜地区内の蓬莱橋東詰めの道路整備など,名園の周辺整備としては観光地の体を備えていないと思われます。瀬戸大橋時代の後楽園の園内及び周辺の整備を,言いかえれば21世紀の名園・後楽園のあるべき姿を県下全域に及ぼす後楽園効果を考えるという視点から,見直し検討すべきであると思われるのであります。旭川の河川管理者である岡山河川工事事務所,岡山市など,関係機関と県がよく協議をし,国内外に誇る名園としての整備にいかに取り組むのか,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  また,園外にあり,多く方々から親しまれた荒手茶寮を県が買収し,貴賓を主として招く迎賓館としてはどうかと思うのでありますが,あわせて御所見を伺っておきたいのであります。  次は,農林業問題で,その一つは水田営農活性化対策についてであります。これまでの水田農業確立対策を踏まえ,昨年の11月19日,平成5年度から3カ年間の米の生産調整計画である水田営農活性化対策が決定されました。これによりますと,転作等目標面積は,既に岡山県でも昨年度暮れ各市町村に対し配分がなされているところでありますが,それと同時に,この水田営農活性化対策は,昨年の6月に農水省が打ち出した「新しい食糧・農業・農村政策の方向」いわゆる新農政プランを最初に具体化したもので,水稲作と転作とを適切に組み合わせ,多様な需要に対応できる生産性の高い水田営農の確立を目指したものであります。県では,こうした方向を受けて,来年度予算において超低コスト稲作営農の確立や農地流動化の促進,さらには中山間地域対策など国の施策はもちろんのこと,県独自の新たな施策を随所に盛り込み,我々も大変力強く感じておりますが,これを着実に推進させていくためには,生産者や農業団体の一層の主体的な取り組みと,これまで以上の行政のバックアップが必要と思うのであります。本県農業の基幹である水田農業の将来を見据え,知事は,来年度からの水田営農活性化対策について今後どう進めていかれるのか,御所見を伺っておきたいのであります。  その2つは,ラ・レインボーカントリー倶楽部の保安林の無断転用の件についてであります。御案内のとおり,保安林は災害から国土を守るとともに,水源函養や良好な自然環境等の保全を目的とした重要な森林であります。しかし,近年,ゴルフ場を初めとした林地開発が各地で行われる中で,これを無断で伐採するといった違法行為が後を絶たないのであります。特に,今回のように目に余る悪質な違法行為がまかり通るようであれば,行政に対する県民の不信は募るばかりか,他への影響もはかり知れないものがあります。厳正な手続と監視体制の強化を望むとともに,復旧命令の履行には法的措置も辞さないといった毅然とした強い姿勢が必要と考えますが,知事の決意のほどを伺っておきたいのであります。  次に,道路網の整備についてであります。  昨年12月,中国横断自動車道岡山米子線のうち,落合以北の,いわゆる米子自動車道が県北地域活性化の大きな期待を担って開通しました。さらに,山陽自動車道も平成5年度中の県内全線開通が確実となり,中国横断自動車道岡山米子線の北房以南のルートも,平成8年度ないしは9年度の供用開始を目指して測量や用地買収などが進められております。このように,本県はあと四,五年で名実ともに本格的なハイウエー時代を迎えることになり,そのよき波及効果を県内各地域に及ぼすためには,来年度からスタートする第11次道路整備5カ年計画の期間中に道路網をいかに整備していくのか,極めて重要かつ緊急の課題となってくるのであります。  そこで質問の第1点は,第4次岡山県総合福祉計画において道路整備の一つの指針として打ち出されているIC30及びエアポート60構想についてであります。これからは県内各地から高速道路のインターチェンジへ30分以内で,また岡山空港へ1時間以内で到達できるようにしようとするものでありますが,現状では県土面積と人口のおおむね何%をカバーできているのか,知事にお伺いいたします。  さらに,中国横断自動車道岡山米子線の全線開通の時点ではどの程度の達成率を見込んでおられるのか,あわせて知事に伺っておきたいのであります。  また,IC30構想等の早期実現のため,国道53号を初めとする地域間連絡道路の整備に今後どのように取り組んでいかれるのか,知事の御所見を伺っておきます。  第2点は,美作―岡山間道路計画についてでありますが,これは縦貫道と山陽道を直結し,県内を循環する高速道路網を形成することにより,県土の均衡ある発展に大きな役割を果たすことが期待されているものであります。知事は,かねてから平成5年度の事業化ということを表明されておられますが,過去4年間の各種調査結果を踏まえ,今後どのように進めていかれるのか,整備手法,ルート,整備スケジュール等について伺っておきたいのであります。  次は,岡山空港に関する諸問題についてであります。  現空港は,去る昭和63年3月11日に開港し,既に満5年を迎え,各便の利用客も順調と伺っているところであります。また,平成3年6月3日から待望の岡山―ソウル間の国際定期便が就航するなど,また3月25日からジャンボジェット機も離着陸できる2,500メートル空港となり,ターミナルビルの増築もあわせ国際空港としての体を整えつつあることは,県民ひとしく喜ばしく思っているところであります。  質問の一つは,今日の国内線各便,国際線──ソウル便でありますが──またチャーター便など,利用状況を伺っておきたいのであります。  その2つは,本田航空についてであります。本田航空は,岡山空港を西日本一帯の中核的基地と定め,ビジネス機の運航及び整備などコミューター事業への進出をねらいとして,平成2年末,県と協定書を締結し,空港エプロンの西隣に格納庫と管理棟を約3億2,000余万円をかけて建設したのであります。その後,平成3年7月「バブル経済の崩壊の影響を受け,経営内容が相当厳しく,協定書に沿って展開することは困難である」との旨を県に申し入れ,またことし2月初めには正式に延期要望の申し出があったそうであります。一方,旧空港の岡南飛行場は,小型機専用の飛行場として国の支援と指導のもとにスカイパーク構想による飛行場となるため,今整備が進められているところであります。その整備への準備のさなかに,県は何ゆえをもって岡山空港への格納庫の設置許可を本田航空のみに与えたのか,また本田航空も何億円という巨額を投じ岡山空港に進出してきたのか,その背景をあわせて伺っておきたいのであります。  本田航空は点在する事業所を閉鎖したり,相当の赤字を抱えているそうでありますが,誘致から今日までの交渉経過と今後の方針について明確に御答弁願いたいのであります。  その3は,遊休県有地の活用と空港都市づくりについてであります。今や,空港周辺は,リサーチパーク,フルーツ・フラワーパーク,果樹生産団地,工業団地など,地域活性化のための基盤づくりが着々と進められているところでありますが,空港に隣接する周辺地域の整備についても地元要望にこたえる積極的態度が肝要と思われます。すなわち,空港周辺には障害切り土などの跡地約23ヘクタールという広大な県有地が遊休しており,これを十分に活用し,子供たち,若者にも夢を与える,老人にも幸せ感を与える,スポーツ施設や娯楽施設などを含む一つの都市をつくるべきものと思います。この都市づくり構想実現が,国際空港都市のイメージアップにもつながり,人口集積の少ないと言われる隣接の吉備高原都市の発展にもよき効果を与えるものと思います。知事の御所見を伺っておきたいのであります。  その4は,滑走路3,000メートル構想についてであります。知事は,岡山空港の優位性を生かして航空貨物の基地とするためには,3,000メーターの滑走路の必要性をしばしば力説しておられます。岡山空港が,今建設中の関西新空港の補完的役割を果たす空港となり,国際空港時代の訪れに備え,西日本一帯のハブ空港として発展していくためにも,どうしても3,000メーターは不可欠であります。知事は,最近のある後援会で「やろうと思えばいつでもできる」と大見えを切っておられます。しかし,空港拡張整備には,地元関係者の強い協力が最も大切であり,整備構想に対し親切な対話で事に当たるべきであると察します。3,000メートル構想はいつでもできると申されますが,地元への協力要請について今後どのように取り組んでいかれるのか,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次は,業者テストについてであります。  この問題の事の起こりは,埼玉県教委に端を発した業者テストの偏差値追放の見解であり,高校入試の改善について検討していた文部省の高等学校教育の改革の推進に関する会議,入試部会は,業者テストを高校入試や中学校の進路指導から徹底追放することを盛り込んだ報告書を,去る1月26日文部省に提出したときからであり,特に,昨年,前鳩山邦夫文部大臣が指摘したことから教育的また社会的問題となったのであります。鳩山前文部大臣の,ある機関紙の対談で,その言をかりますと「業者テストや偏差値の在存を否定しているのではなく,業者テストによる偏差値で,中学校と私立高校との間で裏取引が行われ,振り分けられている,このことを直ちにやめるべきと言っている」と力説され,その上「業者テストは授業時間中,教師の手によって行われている。業者テストに公的性格を与え,文部省が黙認することは教育改革に反するとし,学歴偏重社会は依然として在存し,この巨大な怪物はまだ笑っている。しかし,今回のような対応が,アリの一穴となることで学歴偏重社会を崩す可能性を見つけたい」と申されているのであります。学歴偏重社会を根本から改めない限り,偏差値は依然として根を絶つことは不可能と思われるのであります。企業の採用試験に当たっては,特定大学,学部,学科を指定したり,俗に言う青田買いなどを取りやめ,学歴偏重社会を企業みずからが率先して打ち破り,範を示すぐらいの意識の改革と勇断が最も大切と思われます。県教委は,去る2月23日の文教委員会で「業者テストはあってはならないものと考えるが,教育現場や保護者の混乱も考えられるため,協議が必要」と見解を示されているのであります。私は,今回の文部省の業者テスト徹底追放に理解と支援を示す判断であります。2月22日付で文部省から正式に通知が出されたと伺っておりますが,今後の処置を,各市町村教委と協議の上,いかにされるのか,竹内教育長の御所見を伺っておきたいのであります。  改革改善には,多大の苦痛と犠牲が伴うものであります。その克服の末に進歩と新しい評価が与えられるものであります。県教委の大英断を期待いたしたいところであります。  また,偏差値なき,全員が寮生活をすることにより,全人教育を通じすぐれた人材を社会に送り出すことを目途とした,吉備高原学園高校設立の提唱者であった長野知事の業者テストの有無が教育にもたらす影響について,御所見を伺っておきたいのであります。  次は,学校校則のあり方についてであります。兵庫県立神戸高塚高校の校門圧死事件で,去る2月10日,神戸地裁は業務上過失致死罪に問われた元教諭に対し,執行猶予つきの有罪判決を下したのであります。判決では,学校側の安全に対する心遣いに言及したことへの評価は一応できるものの,危険な行為に対する適切な指導処置をとることなく,横目で見ながら長く継続させてきた学校運営の管理者である学校長にも業務上過失責任が問われるべきところを触れられなかったとか,また門扉の閉鎖を認めてきた多くの教諭側にも教育上の責任が重大であるとか,さまざまな批判と意見が,この事件をめぐり寄せられているのであります。竹内教育長の,この事件が教える問題点と,判決への見解をお聞かせ願いたいのであります。  この事件をきっかけに,今全国の高校,中学校あたりで学校校則のあり方が問題となっておりますが,文部省の調べによりますと,この事件の後,全国の高中学校の73.8%が校則の見直しを行ったと報道されておりますが,この数字は,とりもなおさず事件を深刻に受けとめた学校の多い一つの証左と理解したいのであります。と同時に,学校教職員による職員会議で定められた規則を,ただ単に生徒に上から守らせるという硬直した管理方法による生徒指導がいかに行われていたかを物語っている数字でもあると察しられます。校則は,人格を有した生徒たちと教師との円満な人間関係の上に成り立つものであり,強引に押しつけたり対立したりするところに存在するものではないものと思われるのであります。県での公私立の高校において,事件後どの程度校則の見直しをされたのか,校則の実態とこれからのあり方につき,また中学校については各市町村教委などを通じ,この事件を契機としていかに指導されていくのか,長野知事と竹内教育長の御所見を伺っておきたいのであります。  次は,交通安全対策についてであります。  平成4年中の県下の交通事故による死者は,前年より50人多い256人のとうとい命が奪われ,県警本部を初めとする交通関係者の努力にもかかわらず非常に残念な結果となっております。死亡事故の主な特徴は,最高速度違反による事故が全体の過半数を占め,夜間における事故,若者や高齢者が事故に遭うケースなどが多く,いずれも前年を大きく上回っており,年々ふえる傾向にあります。第2次交通戦争と言われている中で,死亡事故の原因を徹底的に調査分析し,いま一度現在の対策を見直していく必要があると思うのであります。今や行政の最重要課題となっている,この交通事故防止対策について今後どのような決意で取り組んでいく所存なのか,平沢県警本部長の御所見を伺っておきたいのであります。  また,昨年暮れに岡山ブルーハイウェイで痛ましい死亡事故がありましたが,その原因として,中央に分離帯を設けるなど道路の構造面の安全対策,誤解を招く「ハイウエイ」という名称の変更などが指摘されております。その後の事故防止対策はどのように進んでいるのか,知事の御所見を伺っておきたいのであります。  最後の質問は,暴力団対策についてであります。暴力団対策法も,ことし3月で施行されて1年が経過しますが,この間,岡山県暴力追放運動推進センターが活動の中心となり,暴力相談活動や離脱組員の就労あっせん等の施策を行うとともに,暴力団犯罪の取り締まりを強化するなど,ハード,ソフト面での積極的な取り組みが行われ,暴力団対策は着実に前進していると信じているのであります。暴力団を,社会から完全に締め出すことが県民すべての願いであり,今後の暴力団壊滅に向けた取り組みを県警本部長に伺っておきたいのであります。  以上,幾つかの質問を取り上げましたが,おのおの明快な御答弁を期待して,私の自由民主党の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  有可議員の自由民主党の代表質問にお答えいたします。  まず,予算編成の基本的な考え方でございますが,国内外の環境の変化に対応いたしまして,本県におきましても,これからは効率や利便性に偏った視点を見直しまして,地方の主体的な地域づくりを進め,豊かで活力のある地域社会を築いていく必要があると考えております。このような考え方のもとで,平成5年度におきましては,景気対策に特に配慮しながら,道路,下水道,住宅等の一層の整備を図りますとともに,県政の重要課題である高齢者,障害者などの福祉の充実,快適な生活環境の整備,また均衡ある県土の発展を期するために交流拠点施設の適正配置,中山間地域の活性化,農林漁業,商工業の振興などに重点を置きまして予算編成を行ったところであります。  次に,県民の声の反映の仕方についてでございますが,各種の会合にできる限り私も出席をいたしまして,県民皆様の生の声をお聞きするとともに,お話のありました「知事と話し合うつどい」や振興局単位の県市町村連絡会議のほかに,はがきによる提案制度とか女性県政アドバイザー制度とかいろいろ実施をしておるわけでございますが,そのやり方につきましては,これまでも幅広い人から自由な御意見がいただけるように,またそれらが県政に反映されるようにいろいろと工夫を重ねてきたところでありますけれども,今後とも,その一層の改善に努めてまいりたいと考えておりますので,どうぞ御理解を賜りたいと思うのであります。  景気対策ですが,平成5年度の予算編成に当たりましては,県政の最重要課題として取り組み,単県公共事業費の30%増額,また道路等生活関連社会資本の一層の整備などを図りますほかに,中小企業に対する金融対策の充実,個人住宅の新築等に対する低利融資枠の拡大など大幅な増額を図ったところでございます。ちなみに,単独事業費の伸び率は地方財政計画を上回る12.5%となっております。  2月補正後の基金の積立額でございますが,県債の積極的な活用を図ることによる財政調整基金及び長期投資準備基金の取り崩し中止のほかに,県債管理基金の積み立てによりまして,平成5年度当初において財政調整基金約114億円,長期投資準備基金約67億円,県債管理基金約65億円となる予定でございます。この額は,必ずしも十分とは申せませんけれども,事業の計画的な推進を初め,今後の行政需要に対応してタイムリーな有効活用に努めてまいりたいと考えております。  それから,中期財政試算でございますが,景気の低迷によりまして税収が大幅に減少しておりますけれども,これにつきましては,国におきましても原則として地方財政措置が講じられることになっておりまして,現試算で想定している所要財源は,総体として確保できるものと考えております。したがいまして,当面,現試算の中で適時情勢の変化に応じた調整を図りまして,的確な財政運営に努めてまいりたいと考えております。  それから,御指摘のありました事業繰り越しにつきましては,これはおっしゃいますように国の予算成立のおくれに起因するものが大きいわけでございますけれども,来年度の執行体制の整備に当たりましては,用地取得など公共事業の執行体制の強化,あるいはまた設計積算業務の充実のための職員定数の再配置などにも努めてまいりたいと考えております。  また,これまで4次にわたりまして抜本的な行財政改革を行ってまいりましたけれども,特に新年度は,高齢化社会あるいはまた社会情勢などの変化に対応するために,行財政懇談会(仮称)を設置をいたしまして,組織機構のあり方を含めまして本県の行財政はいかにあるべきかということについて審議をしていただきまして,改革に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  それから,チボリ公園の全体計画でございますが,土地利用についてのクラボウとの協議が大筋で調いますとともに,マスタープランの策定についてデンマーク側との調整が進められている状況を踏まえまして,先般,今後の事業の具体化に向けて事業の全体構想や投資規模,資金計画等の基本的な枠組みについての概案が取りまとめられたところであります。この概案の取りまとめに当たりましては,デンマーク・チボリ公園のデザインとノウハウを導入した,子供からお年寄りまであらゆる世代の方々が憩い楽しめる文化性の高い公園の建設を目指すことを基本としながら,最近の経済情勢や他のテーマパークの運営状況を踏まえまして,今後の円滑な建設,あるいは運営の基礎となる現実性のある計画となるように検討がなされたところでございます。  入園者数につきましては,最近における他のパークの状況等を踏まえた専門機関の意見をもとにいたしまして,堅実な予測として300万人程度を見込みますとともに,投資規模につきましては,入園者数の予測や資金調達の見通しをもとに,施設の魅力を維持できるように配慮しながら,敷地面積等も勘案しまして,施設規模等についての調整を行い,建設費310億円程度,開業前費用を含めて440億円程度と設定をいたしておるのであります。  また,入園料につきましても,事業の採算性を勘案しながら,できるだけ低廉なものになりますように,大人2,000円程度を予定しておるものでございます。  今回の案は,最近の経済情勢の中で現実性のある見通しを踏まえまして,魅力のある施設づくりを進めていくための最善の案と考えておりまして,県議会の御理解を賜って実現に取り組んでまいりたいと考えておるところでございますので,何とぞよろしく御理解を賜りたいと思います。  それから,県のかかわり方でございますが,今回の案につきましては,チボリ公園の公共的な性格の確保,また公園の採算性確保等の観点から,チボリ・ジャパン社への出資,あるいはまた事業資金の一部の低利融資,用地の借用やNTT資金の借り入れに当たっての損失補償等を予定をいたしておるところでありますけれども,これらによりまして事業の円滑な運営が確保されるものと考えておりますので,このような限度で県が事業に関与することについて県議会の御理解をいただき,県内外の企業への協力要請等を進めまして,現在予定している県の支援協力の範囲で公園の建設運営が行われますように,事業主体の体制の整備の確立を図りたいと考えておるのであります。  それから,資金調達の見通しについてでありますが,お話のとおり経済情勢が厳しい面もありますが,関係者との連携を密にいたしまして,今回の事業計画の概案をもとに県内外の企業にチボリ公園の意義,内容,魅力や県の立場について説明しながら協力要請を行い,増資所要額の確保を図ってまいりたいと考えております。  また,借入金につきましては,調達可能と見込まれる額を予定しておるものでありますが,さらに関係機関との具体的な調整を進めてまいりたいと考えております。  県下の市町村の出資につきましては,各市町村の主体的な判断にゆだねることが適当と考えておりまして,県から出資を要請することは考えておりません。  スペイン村計画でありますが,経済環境の悪化に伴いまして事業計画の見直しを行う必要がありますことから事業着手がおくれることになり,また,それに対応するために体制縮小が図られることになったわけでございまして,こういう経済情勢のもとで事業を着実に進めますためにこのような措置がとられることは,ある程度やむを得ないものと考えておるところでございます。  県としては,このスペイン村計画は,地盤沈下が憂慮される玉野地域の活性化にとって欠かすことのできないものであるという認識のもとに,これまで2億円の出資を初めとして積極的な協力を行ってきておりますが,今後におきましても,地元玉野市との連携を強化し,緊密にしながら,現在,株式会社スペイン村で行っておりますところの入場者数や事業規模など実施計画の見直し作業が適切になされまして,計画が実現に向かって早期に動き出せるように,可能な限り協力を行ってまいりたいと考えております。  それから,本陣山等のゴルフ場の開発問題で,県土の無秩序な開発の防止ということについてのお話でございますが,本県では昭和48年に全国に先駆けまして県土保全条例を制定いたしますとともに,都市計画法,森林法などの関係法令の適正な運用,さらには環境アセスメント制度の導入などによりまして自然環境との調和が図られた適正な開発が行われるように努めてまいったところであります。しかしながら,最近こうした法令に違反した開発が相次いだことはまことに遺憾なことでありまして,現在,関係法令に基づきまして原状回復等の必要な措置を講ずるように指示をいたしておるところでございますが,今後このような事態が起きませんように,市町村や関係機関と連携をとりながら違法開発の未然防止に努めるとともに,悪質な違反事例に対しましては刑事告発を含めた法的措置をとるなど関係法令の厳正な運用に努めてまいりたいのであります。  苫田ダムにつきましては,行政連絡協議会調整案は,奥津町が独自に作成した地域総合振興計画(案)をもとに建設省,県,奥津町の3者で構成する行政連絡協議会において協議をいたしまして,今後10年間で実施すべき事業の規模,あるいは概算事業費を取りまとめたものでございます。  今回の調整案は,奥津町の過疎化の進行を食いとめ,町全体の振興を図る観点から,生活基盤や産業基盤の整備に重点を置いており,この調整案が実施されますならば,県下市町村の上位にランクされることになるものと考えておるのであります。こういった意味でも,おおむね妥当な計画になっておるものと考えております。  今後のスケジュールでありますが,今回,県議会及び奥津町議会においてそれぞれ御審議をいただいた調整案をもとに再度3者で調整をいたしますとともに,下流受益市町の御意見をお聞きしながら,早期に成案となるように最大限の努力をしてまいりたいのであります。  県としましては,調整案の了解が得られました段階で,鏡野町分とあわせた水源地域対策特別措置法に基づく整備計画案を作成をいたしまして,国土庁を初め関係機関に協議をしていくことといたしておりまして,できるだけ早く事業化ができるように努力をしてまいりたいのであります。  補償交渉でありますが,本年2月末現在までに476世帯の同意を得ておりまして,いまだダム建設に御理解をいただいていない28世帯の地権者に対しましては,今後とも誠意をもって対応いたしまして,すべての方々の御理解がいただけるように,さらに努力をしてまいりたいと考えております。  それから,吉備線の電化につきましては,昨年来地元経済界等で構成する吉備線電化促進期成同盟会と一体となりまして,JR西日本に対しまして早期事業化を強く働きかけますとともに,県としても事業の具体化に向けましての課題について協議調整に努めてきたところでございます。JR西日本としては,採算性を特に問題にしておりまして,岡山市,総社市と事業費の地元助成策について協議を重ねております。  お話のように,県立大学の開学に伴いまして,乗客の増加や利便性の向上への対策が求められますことから,今後,地元の熱意を背景に,一層積極的にJR西日本との調整に努めまして,電化の早期の実現を図ってまいりたいと考えております。  それから,県立大学の開学記念事業でありますが,開学後の5,6月ごろに大学建設にお世話になった方々や,学生の保護者,教員等を招いて,キャンパス内で開学記念式典を開催いたしますとともに,学内施設紹介などを行いたいと考えておりますが,また一連の事業として,地元住民や学生たちを交えてキャンパス外周の緑地帯への記念植樹も考えております。さらに,地元でも,開学にあわせまして学生を温かく迎えようといういろいろな行事が計画されつつありまして,それらとも連携をとりながら,有意義な記念事業を行いたいと考えております。  産業廃棄物に対する取り組みでありますが,御指摘のように排出事業者の責任の自覚と適正処理意識の高揚がとりわけ必要でありまして,現在,排出事業者の組織化を進めておるところであります。  不法投棄対策としましては,適正処理推進員制度による通報体制の整備のほか,より一層監視を強化するために,平成5年度からセスナ機による上空からの監視を予定をいたしております。また,平成5年度には産業廃棄物実態調査を行うことにしておりまして,次期産業廃棄物処理基本計画を策定し,長期的に対処してまいりたいのであります。  それから,産業廃棄物の処分場の建設につきましては,本年度,地方振興局単位に1カ所程度の候補地を選定することにいたしまして,現在,45カ所の現地調査を終了して最終の絞り込み作業を行っておるところであります。5年度には,このうちで4カ所程度を選んで概略設計及びボーリング調査を行うよう予算を計上いたしております。  また,他県からの廃棄物の持ち込みにつきましては,本県では昭和52年度から事前協議制をとりまして,適正処理が図られるように厳重にチェックをいたしております。なお,現在進めております処分場は,基本的には地元で排出される廃棄物の受け入れ施設として運用されることが望ましいと考えております。  それから,老人福祉施設の整備は,地域における施設の整備状況や入所需要の動向などを勘案しながら,特別養護老人ホームなどの入所施設,デイ・サービスセンターなど在宅福祉の拠点となる施設,これらの整備に積極的に取り組んでおるところであります。今度とも,老人福祉施設につきましては,在宅福祉サービスの充実とあわせまして計画的にその整備を進めてまいりたいと考えます。  家庭で介護することが困難な痴呆性老人を受け入れるための特別養護老人ホームや老人保健施設での受け入れ態勢を整備するとともに,痴呆性老人の在宅介護を支援するため,市町村が行う特別養護老人ホームを活用したショートステー,あるいはデイ・サービス事業を積極的に推進するほか,医療機関が行うデイケア施設の整備促進を図っておるところでございます。また,来年度には,新たに小規模なデイケア施設に対しましても助成をすることにいたしております。  次に,家族介護者に対する相談,指導体制としましては,痴呆性老人介護相談コーナーあるいは老人性痴呆疾患センターなどを設置いたしまして,専門家による介護,医療相談を行うとともに,正しい介護の方法や知識を習得してもらいますための介護研修や県民に対する普及啓発を実施しておるところでございます。  後楽園及びその周辺の整備でございますが,道路の整備や周辺地区での魅力づくりを初めとして多くの課題を御指摘のように抱えておるところでございます。このような観点から,整備を進めてきた外苑館につきましては近々開館の運びとなっております。また,蓬莱橋につきましては,現在,岡山市において欄干の修復や路面のカラー舗装等が行われております。拡幅につきましても,その方法や構造などの検討を行っておると聞いております。さらに,現在,岡山市と共同して後楽園周辺整備基本計画の策定を行っておりまして,後楽園を核とした周辺地区での魅力づくりを図り,観光客の回遊性を高めるための方策として,町並みや道路の整備,にぎわいの核となる拠点施設の整備などについて検討を進めておるところであります。  次に,迎賓館整備ということでございますが,内外からの賓客を,本当に岡山らしい雰囲気の中でもてなしできるような施設ができれば望ましいことであると考えておりますけれども,一方で,民間との役割分担,あるいは具体的な管理運営方法などを検討する必要がありますので,今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。  それから,農業問題で,水田営農活性化対策でありますが,「朝日」「吉備の華」「せとこがね」「雄町」など,特色のある優良米づくりを基本にいたしまして,これまでの転作の成果と経験を踏まえまして,地域の特性に合った花や野菜や果物など,収益性の高い作物を組み合わせました水田農業の振興に努めてまいりたいと考えております。とりわけ国際化が進展する中で,大幅な生産コストの低減が何より重要でありますことから,稲作の新しい栽培技術の実証普及に努めますとともに,新たに農地の借り手や農作業の受け手への助成金制度を設けまして,規模拡大を促進してまいりたいと考えます。特に,中山間地域では,付加価値の高い棚田天然米や有機無農薬農産物の産地拡大を進めるなど,質の高い水田農業の実現に向けまして総合的な対策を実施してまいりたいのであります。  保安林の無断転用の問題でございますが,ラ・レインボーカントリー倶楽部の保安林の無断転用につきましては,去る2月4日付で復旧命令を行いまして,確実に実施するように指示をしたところであります。命令どおり実行しない場合には,さらに厳しい法的措置を講じまして,厳正に対処してまいりたいと考えております。  また,無断開発はあってはならないことでありますが,これまでも厳しく監視してきたところでありますけれども,林地開発が各地で行われておりますことから,ゴルフ場を主体に,その開発状況の総点検に取りかかったところであります。今後,さらに重点監視地域の設定でありますとか,森林保護巡視員の再配置,保安林標識の増設など監視体制の一層の強化を図りますとともに,市町村や関係機関との連携を密にいたしまして,無断開発が行われないように厳しい姿勢で対応してまいりたいと考えております。  それから,道路網の整備でありますが,IC30,エアポート60の構想につきましては,ネットワーク型の県土の形成を目指した道路の主要な目標の一つとしてその推進に努力をしておりますが,本年度末の達成率は,IC30につきましては県土の約85%,人口の約95%,エアポート60につきましては県土の約50%,人口の約80%となる状況であります。さらに,中国横断自動車道岡山米子線が全線供用される時点では,IC30につきましてはほぼ目標を達成をし,エアポート60につきましては県土の約65%,人口約95%の達成率となる見込みであります。これらの構想の早期実現を図りますために,今後とも高速道路の整備とあわせまして,国道や中部縦貫道など地域間を連絡する道路につきましては交通混雑区間,未改良区間など整備強化を念頭に置きながら,効率的計画的に事業を促進してまいりたいと考えております。  美作―岡山間道路計画につきましては,本年度までに地域や交通の現況,また路線整備に伴う効果,概算事業費,事業手法の検討,一部区間の概略設計,環境現況調査等を実施してきたところであります。事業手法につきましては,補助事業,単独事業,有料道路事業等を総合的に活用することについて検討しております。また,ルートにつきましては,地形,地質等の自然条件や土地利用の現況等の社会条件を考慮しまして,地域振興を支援し,最も経済的かつ効果的な路線となりますように検討を進めております。さらに,整備スケジュールにつきましては,この道路計画が多額な費用と長い期間が必要なことから,幾つかの区間に区切って事業を実施することになると考えられます。今後,ルートや道路構造や事業手法などについて関係機関と協議を進めますとともに,平成5年度中には一部の環境影響評価を終了し,ルート発表,中心ぐいの設置等事業に着手をしてまいりたいと考えております。  岡山空港の利用状況でありますが,平成4年度の定期便の全体の状況は,2月末現在,利用客総数は54万8,000人,利用率は61.9%となっております。国内線の各便の利用状況は,東京便が34万3,000人,利用率59.8%,鹿児島便4万人,57.8%,那覇便6万4,000人,71.6%,札幌便5万9,000人,70.7%という状況であります。国際線のソウル便の利用状況は4万人,59.8%となっております。また,国際チャーター便については,2月末現在で101便,約1万4,000人という状況でありまして,行き先は韓国,中国,香港,ニュージーランド等のほか,新たにロシア,ハンガリーも加わりまして,10カ国に運航されるなど各方面にわたっております。  それから,本田航空でありますが,岡山空港を拠点としてコミューター事業,ビジネス機事業及び航空機整備事業を行いたいとの申し出がありましたが,この事業の使用機材は岡南飛行場では就航できませんために種々協議,検討を重ねた結果,岡山空港で事業展開ということで平成2年の12月に本田航空と協定を締結いたしました。この協定に基づいて,本田航空から事業実施に必要な工作物設置許可申請が出されまして,平成3年1月に格納庫の設置を許可したものであります。  本田航空が岡山空港に進出してきた背景ということですが,当時本田航空は埼玉県と熊本県を拠点として全国的規模で事業実施しておりまして,岡山をその後の西日本の中核基地に位置づけて進出してきたものであります。誘致から今日までの交渉経過でありますが,平成3年7月に本田航空から事業延期の申し出を受けまして,本県としては,事業実施に向けて再三にわたり会社側と協議を重ねてきましたが,御案内のように本年の2月に事業開始の延期の申出書が提出されました。今後の方針につきましては,一定の見通しが立った段階で事業再開に向けて協議していきたいと考えておりますが,事業展開前に他の航空会社がコミューター事業等の参入をより有利な条件で希望すれば,本田航空との協定は解除いたしまして,他の航空会社の参入を認めていくことにもしたいと考えておるところであります。  それから,空港都市づくりでありますが,第4次岡山県総合福祉計画におきましては,岡山空港の周辺地域を国内のみならず国際的な交流の拠点として位置づけまして,周辺の緑豊かな環境との調和に配慮しながらリサーチパークやフラワーパークなど,総合的な地域整備に努めておるところであります。  また,空港周辺の県有地につきましても,障害切り土跡地としての制約がございますけれども,一部その利用計画について地元の方々と協議中であります。全体的には,今後の空港機能の拡充と周辺地域の開発状況ともあわせまして,総合的な立場から利用計画を策定していきたいのであります。  それから,滑走路3,000メートル構想についてでありますが,将来の岡山県の発展にぜひとも必要でありまして,事業実施に当たりましてはこれまで同様,国の指導を得るとともに,地権者を初め地元の皆さんとも十分協議をいたしまして,御理解と御協力を得ながら円滑に推進をしてまいりたいと考えておりますので,県議会におかれましてもぜひとも御理解と御協力をいただきたいのであります。  次に,業者テストの問題でありますが,テストは生徒の能力の一部しかはかれないものであると思います。本来,学校教育におきましては生徒1人1人の能力や適性等を重視して,個性を伸ばしていくことが大切であります。今回の業者テスト問題は,これからの学校教育のあり方や,学歴重視の社会の風潮等に対する警鐘であると考えております。  市立学校の校則の関係でございますが,生徒の自主性を涵養する方針のもとに,かねてから生徒会や保護者の要望も聞きながら校則の見直しに取り組んできておりますが,御指摘の兵庫県での事件以降を見れば,23校中13校において服装の規制の緩和等の改定を行っております。今後とも,時代の進展等を踏まえまして,各学校において適切な取り扱いがなされるように指導してまいりたいのであります。  ブルーハイウェイにおける事故防止対策でありますが,道路利用者のマナーとともに構造面での安全対策の向上が重要であることから,道路管理者として昨年12月の事故以来,高速道路ではなく,最高速度60キロメートルである旨の注意を喚起する大型の標識や道路照明や減速を促す路面標示,すべりどめ舗装などを必要な箇所に新設または増設をいたしておるところであります。また,中央分離帯につきましては,道路の構造上分離帯を設置することが現状では困難でありますが,見通しの悪いカーブ区間などにつきましては,ポストコーンやゾーンセパレーターなどの簡易な分離施設を関係機関と協議しながら設置してまいりたいと考えております。  名称につきましては,2月に実施しました利用者のアンケート調査を現在集計中でございますが,現時点でも高速道路と紛らわしいという意見もかなりあることも踏まえまして,名称を変更することについても前向きに取り組んでまいりたいと考えておりますので,御了解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  有可議員の自由民主党代表質問にお答えをいたします。  まず,業者テストについてでございますが,お話のように,この問題の背景には,学歴を重視する風潮や意識の問題など社会的な要因がございまして,これを契機として社会全体として考えていかなければならない課題であると,このように思っております。  文部省の通知では「中学校は,業者テストの実施に関与することは厳に慎しむべきであり,授業時間中及び教職員の勤務時間中に業者テストを実施してはならないし,また,教職員は業者テストの費用の徴収や監督,問題作成や採点に携わることがあってはならないこと。そのため,学校の管理運営及び教職員の服務の適正が図られるよう直ちに改善すること。」と,このように示されておるのであります。これを尊重し,対処してまいりたいと考えておるところでございます。  また,そのためには,各中学校における進路指導体制の一層の充実を図ったり,生徒や保護者の不安を解消したりする必要がございますので,当面,1学期間は自粛をさせ,その間に,市町村教育委員会や中学校の校長会などと具体的な対応などについて協議をしてまいりたいと考えております。  次に,校則のあり方についてでございますが,まず兵庫県立神戸高塚高等学校の校門圧死事件とその判決につきましては,生徒との信頼関係に基づいた指導のあり方,とりわけ校則の運用や学校の安全への配慮の重要性につきまして改めて考えさせられた事件であったと思います。  最後に,公立高等学校における校則の見直しなどについてでございますが,校則は,本来生徒がよりよい人格を形成していくための指針となるものでございまして,生徒自身が自主的に守るようにしていくことが大切であると,このように考えております。  公立高等学校の校則の見直しにつきましては,時代の進展,学校や地域の実情,保護者や生徒の考え方などを踏まえたものとなるように指導をしてきているところでございます。昭和63年7月の見直しの通知以後,すべての公立高等学校が見直しを行い,その結果,昨年度までに約80%の学校が改定をしているところでございます。中学校につきましても,市町村教育委員会を通じて同様の観点から指導してきておるところでございまして,この判決を機に,校則やその運用を含めた生徒指導の改善充実がより一層なされるように指導してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  有可議員の自由民主党代表質問にお答えいたします。  まず,交通死亡事故抑止対策についてでございますけれども,昨年の県下の交通死亡事故につきましては,御指摘のとおり大変残念な結果に終わったわけでございまして,私どもといたしましては,こうした事態を深刻に受けとめまして,交通死亡事故の抑止,これを暴力団の壊滅とあわせまして県警の最重要課題に掲げ,現在全力で取り組んでいるところでございます。  具体的には,本年1月から日々発生する交通事故をリアルタイムに分析できるシステムを導入いたしまして,事故の多発している時間帯や場所に合わせた効果的な取り締まりを行っているところでございます。  そのほか,シートベルトの着用の徹底,あるいは高齢者用の交通信号機や,夜間でも見やすい道路標識,こうしたものの整備充実にも力を入れていきたいと考えているところでございます。  しかしながら,交通死亡事故の抑止といいますこの問題は警察だけの努力では限界があるわけでございますので,今後とも,関係機関,団体,あるいは県民の皆さん方の御協力もいただきながら,効果的な対策を検討してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  次に,暴力団対策についてでございますけれども,これにつきましては,現在,あらゆる法令を駆使して,組員の徹底検挙と資金源枯渇対策を強力に推進しているところでございます。具体的には,暴力団白川組が絡んだ金甲山無許可開発事件,あるいは暴力団池田組と深い関係にある企業の車庫飛ばし事件などを摘発し,暴力団への資金源の遮断を図っているところでございます。  いずれにいたしましても,警察といたしましては,暴力団は絶対に壊滅させるとのかたい決意のもとに,引き続きこれまでの対策を強力に推進していく所存でございますけれども,同時に,暴力団排除活動につきましても,暴追センターを中心に一層力を入れていきたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆58番(河崎展忠君)  私は,民主クラブを代表いたしまして,このたび提案されました予算案を初め,倉敷芸術科学大学など重要案件及び本陣山ゴルフ場開発問題等,当面する諸問題など16項目にわたりまして,知事並びに教育長,県警本部長に質問いたしたいと存じます。  質問に先立ち,天野議員から心のこもった追悼の言葉が述べられました故伊藤大孝議員に対し,民主クラブといたしましても,この際,改めてありし日をしのび御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。  さて,バブル経済の崩壊によって景気は極端に冷え込み,低迷が続いておりますが,国においては昨年の3月に緊急経済対策を立てられ,8月には総合経済対策を決定されるなど,景気浮揚のため懸命の努力をされているところであります。一方,本県におきましては,国の施策を先取りする形で,昨年の9月に公共事業を中心とする補正予算を組み,その後12月にはゼロ県債を導入して,単県事業を中心に補正予算を組まれたのであります。このたび5年度当初予算におきましても,厳しい財政状況の中でありますが,景気対策に特に配慮され,道路,住宅を初め,県民生活に直結した社会資本の整備と,高齢者や障害者に対する福祉向上対策,農林漁業,商工業の振興による地域活性化対策に力を入れられ,21世紀において活力ある成熟社会を実現するため,きめ細かい諸施策を打ち出されており,知事のこの積極姿勢を高く評価するものであります。  ところで,今や自治体は,高齢化,国際化,情報化のますます進む中で,環境問題や東京一極集中に対応していかなければなりません。環境問題は,廃棄物の増大,自動車の排気ガス等の身近な問題から,フロンガスによるオゾン層の破壊,地球の温暖化といった地球規模の問題までさまざまの課題が生じております。この解決のためには,国レベルでの対応とともに,地域レベルでの取り組みが大切であると考えます。また,東京一極集中の是正と多極分散型の国土の形成を図っていく上で,21世紀の岡山県を支える基盤の整備を積極的に推進するとともに,県内における均衡ある発展を進めていくことが必要であると思うのであります。今後,これらの問題について,知事はどのように取り組まれるのか,所信をお伺いするものであります。  次は,財政問題についてお尋ねいたします。このたび提案された諸施策を着実に推進するため,県民1人1人の理解と協力はもとより,執行体制の整備や所要財源の確保が何より必要であります。予算案を見ますと,地方財政計画が2.8%の伸びを見込んでいる中にあって,一般会計においてこれを上回る4.3%の伸びとなっており,特に単県施策費は10.1%と非常に大きな伸びとなっております。しかしながらその財源は,景気の低迷を背景に,法人関係税を初めとする県税収入は対前年度比マイナス6%,1,973億円余と大幅な落ち込みとなっており,また地方交付税の伸びもわずか3%,1,731億円余と多くを期待できず,この財源不足の穴埋めとして県債管理基金130億円や長期投資準備基金151億円と,いわば貯金の取り崩しを行うとともに,県債765億円発行という借金により何とか収支を保つという苦しいやりくり予算となっているのであります。  そこで,お尋ねいたしますが,低迷する景気の中で,平成3年度に策定された中長期的視野に立った財政指針ともいうべき中期財政試算の見直しを行うお考えはあるのかどうか。また,今後の財政見通しをどのようにお考えになっているのか,伺っておきたいと思います。  次に,当面の課題として,景気動向に大きく左右される法人事業税を初め,県税収入の見通しをどのように見ているのか,予算計上額に不安はないのか,お尋ねをいたします。  県債については,財源に占める割合が10.4%と昨年の9.6%を上回り,依然として借金体質に変化はなく,今後健全な財政運営をどのようにされようとしているのか,その方針をお尋ねいたします。  国の一般会計の伸びがわずか0.2%の中で,投資的経費にかかわる地方単独事業の伸びが,本県の場合12.5%といった大きな伸びを示す景気浮揚策に対し,国は地方にどのような財政措置を講じようとしているのか。また,県は,財源確保のため国に対し今後どのような働きかけをしようとしているのか,地方財政の健全性の確保の観点から知事のお考えをお伺いするものであります。  次は,急に提案されました倉敷市連島に建設される倉敷芸術科学大学への30億円建設費補助についてお尋ねいたします。倉敷市に新たに芸術大学ができるそうでありますが,倉敷市が芸術の町であるだけに,大変ふさわしく喜ばしいことだと思うのであります。市長は元同僚の渡辺さんでありますだけに,一日も早い開学を心からお祈りする次第であります。したがいまして,これに県が助成をされるということは結構なことだと思うのでありますが,ただ,芸術大学とはいっても,言ってみれば私大で,民間企業と同じことでして,そこへ30億円という巨費を支出するということに問題はないのか。いささか疑問を感ずるのであります。同時に,今まで県内各大学に建設過程で一度たりとも補助した前例がありませんのに,このたびだけに限ってということは,何か特別の理由があるのか,お伺いするものであります。  加えて,吉備高原学園高校生を大量に推薦入学させる等の条件つきだという話でありますが,これは吉備高原学園高校にとっては大変結構なことでありますが,他の県内高校との関係で公平が期せられるのかどうか問題があると思うのであります。この案件は,会派といたしましていま一つ納得がいきかねているものであります。賛成すべきかどうか知事の答弁次第でありますので,明快なる御説明をお願いいたします。  次に,蒜山美作リゾート構想についてお尋ねいたします。  津山市と真庭郡,苫田郡の1市15町村を対象とする蒜山美作リゾート構想については,平成2年3月に総合保養地域整備法に基づき基礎調査を国に提出し,平成4年8月に国に正式申請を行っており,この構想は県北地域の美しい自然環境や歴史,文化,産物を活用して地域の活性化を図るものであり,過疎と高齢化に悩む対象地域の住民の方々からは大きな期待が寄せられております。特に真庭地域においては,昨年12月に中国横断自動車道落合―米子ルートのうち落合―江府間が開通することにより,京阪神,山陰と高速道路で結ばれるなど,今まさに地域の発展にとって重要な時期であると考えます。このような時期に蒜山美作リゾート構想が国の承認を得られれば,地域の活性化にとって大きな追い風となることができると考えますが,承認に向かっての状況はどうなのか,お伺いいたします。  一方,中国横断自動車道というビッグプロジェクトの波及効果を地域の隅々まで行き渡らせる努力が必要であると考えます。中国横断自動車道の開通により観光,商工業など各分野にわたって地元の期待は大きく高まってきている反面,京阪神からの観光客が米子,松江など山陰に直接流れ,湯原温泉や蒜山地域が単なる通過地域に終わるのではないかという不安も強く,こうした不安を解消するためにも受け入れ態勢の充実を一日も早く図る必要があります。しかし,昨今の経済環境の悪化から,民間開発計画のおくれが懸念されるところであり,承認後における計画の推進について県としてどのように進めていくのか,お伺いいたします。  また,リゾート開発の推進は,自然環境に配慮した適切な開発でなくてはならないところでありますが,現実には,全国各地においてゴルフ場をめぐる環境破壊や大量の農薬散布による汚染の問題などが発生しており,さらには将来リゾート客が多く県北地域に入り込んだときの大気汚染や騒音などの環境悪化の問題も予想されるところであります。このような事態に対処し,良好な自然環境を保全していくためには,県としても適時的確な対応が必要と考えますが,どのように対応するのか,知事の御所見をお伺いいたします。  次は,動き出したチボリ公園事業についてであります。昨年夏,チボリ公園特別委員会のメンバーが知事とともにデンマークのチボリ公園を視察しましたが,私にとって23年ぶりのチボリは,以前にもまして大変なにぎわいで,子供から若者,勤労者,お年寄りに至るまで皆さんがくつろいでいるありさまは本当にすばらしく,公園というよりもむしろ自分たちの庭のような意識で楽しんでいるという印象を強く受けたのであります。また,視察を終えての帰途,コペンハーゲン空港では,我々日本人客に対しコペンハーゲン市当局が観光アンケートを行っており,私も日本語の話せる女子学生アルバイトからコペンハーゲンの印象や市民のもてなしぶりについて質問を受けたのでありますが,その際,彼女はチボリ公園を非常に誇るとともに,日本にチボリ公園がいつできるのか,ぜひ訪問したいなど,倉敷での計画に関心と期待を寄せておりました。  先般,チボリ公園事業の全体構想や資金調達を織り込んだ事業概要が発表されたのであります。私どもも,県民市民に愛され,親しまれる公園づくりに大いに期待しているところでありますが,この際,気がかりとなっている点に絞って知事の明快な御所見を伺っておきたいと思います。  まず1点目は,県の支援内容であります。今回の事業概要では,県の支援としてチボリ・ジャパン社への出資30億円,低利融資70億円,地代及びNTT資金の損失補償等が挙げられているところであります。県の出資額は現在5億円でありますが,今回,増資目標額100億円のうち県が30億円をも受け持つという根拠がいま一つ理解できないのであります。  また,チボリ・ジャパン社の借入金190億円のうち,市中銀行から70億円,県低利融資70億円,NTT無利子資金50億円とされているところでありますが,可能な限りNTT資金や市中銀行資金とするのが筋ではなかろうかと考えるのでありますが,なぜ県が1%の低利貸し付けを行う必要があるのか,お聞かせいただきたいのであります。  さらに,地代とNTT資金に関し,県がクラボウなり日本開発銀行と損失補償契約を結ぶようですが,当面の持ち出しはないとはいえ,万一事業が失敗した場合を考えますと,第三セクターといえども一株式会社のリスクを公共団体が負うことはいかがなものか,あわせて御所見をお聞かせいただきたいのであります。  次に,入り込み客数についてであります。チボリ公園が公共性の高い公園であるとはいえ,将来とも円滑な運営がなされるためには採算性が重要でありますが,その大きな前提の一つは入り込み客数であろうかと思います。昨年2月の定例県議会において,我が会派の質問に対し,知事から「入り込み客数は投資規模や施設内容,運営ソフト等とも密接に関連いたしますので,今後事業計画を煮詰める過程で十分検討される必要があると考えている」との答弁がなされたところであります。今回の事業概要によりますと,入り込み客数を300万人程度とされておりますが,どのような方法で予測したのか,また岡山操車場跡地の際の入り込み客数に比べ100万人という大きな隔たりがあるのはなぜかを具体的にお聞かせいただきたいと思います。  次に,動きがとまったスペイン村計画についてお尋ねいたします。当初のスペイン村計画は,スペインの町並みを再現し,スペインの文化の紹介や伝統工芸品や美術品等を展示するなどして,本物のスペインが満喫できるものをつくろうというもので,平成3年に着工し,コロンブスの新大陸発見500年目に当たるとともに,バルセロナオリンピックの開催の年でもある平成4年夏に開業する予定でありました。総事業費約200億円,年間入場者数約200万人,新たな雇用創出者数約800人,地元への経済効果も年間約100億円から200億円に上るということであり,宇高連絡船の廃止等により地盤沈下の著しい玉野地域の活性化に大いに寄与する計画と期待いたしていたところであります。しかしながら,国鉄清算事業団用地取得のおくれなどから,開業が平成6年7月に延期され,昨年11月には経済環境の悪化から実施計画の見直しが必要となり,開業時期がさらに1年以上延期されることが明らかにされました。地域開発には行政主導,農協,商工会などの地域組織主導,地域住民主導によるものがありますが,いずれの場合でも地域からの積み上げによる住民が参加した計画づくりが伴わないと,往々にして実施段階でつまずくこととなるようであります。これまでスペイン村計画は住民の参加がなく,一方的に進められたため,地に足がつかない計画になってしまい,つまずきかけている状況なのではないでありましょうか,知事の御所見をお伺いいたします。  また,株式会社スペイン村は,現在入場者数や事業規模等について実施計画の見直しを行っているようでありますが,入場者数や事業規模が下方修正されることが懸念されるのであります。もしそうなれば,スペイン村計画は玉野地域の活性化の一助にはなるかもしれませんが,到底起爆剤とはなり得ないのではないかと思うのであります。株式会社スペイン村の出資者の立場である知事はどのように考えられますか,お伺いいたします。  そして,チボリに対する県の支援内容は30億円の出資,低利融資70億円,地代及びNTT資金の損失補償等の手厚いものとなっており,まさに至れり尽くせりでありますが,一方同じように県が出資している第三セクターの株式会社スペイン村については,宇野港の改修や港湾緑地を初めとする公園などの周辺整備はなされるものの,出資は2億円のみであります。出資という面で比較いたしますなれば35対2であり,余りにも隔たりが大きいと言わざるを得ません。第4次岡山県総合福祉計画にも,岡山県における観光・リゾートの拠点として,また国際交流の拠点として,チボリ公園と並んでスペイン村の整備が位置づけられているにもかかわらず,なぜ県の支援内容にこのような違いが生ずるのか,御説明を賜りたいと存じます。  また,スペイン村側から新たに支援要請でもあれば,それに応ずる用意があるのかどうか,お伺いしておきたいと思います。  次は,最近問題になっております内定取り消し問題についてお尋ねいたします。去る2月,玉野のスペイン村でも就職内定を取り消すという事態が発生し,物議を醸しております。この内定取り消しというのは,会社側の都合という一方的理由によるもので,卒業間近い学生にとって大変な問題であります。希望から失望へとまるで暗い谷底へ突き落とされたも同然で,本人にとりましては人生が大きく狂う一大事件であるわけであります。  スペイン村では,ある女子学生がテレビのインタビューに答えて「冗談じゃない」と怒りをあらわにしておりました。内定取り消しについて,昭和54年7月の最高裁判決では,内定ということは解約権留保つき契約が成立しているものであって,取り消しを無効だとして学生側の雇用関係確認の訴えを認めているのであります。この判決からもわかりますように,入社前の学生だからといって人事権を軽々に行使することは間違いであると思います。私は,取り消す企業は県への届け出を義務づけるとか,何らかの歯どめが要るのではないかと思うのであります。企業が当面のコスト削減のため内定取り消しでその場をしのごうとするならば,経営者の判断の甘さを露呈したようなものであり,対外的信用を失います。そして,社内モラルも低下させ,ついには将来は新卒採用が困難となり,人的資源を悪化させるのであります。私は,内定者取り消しは間違いであり,採用することが当然のモラルであって,それこそが社会正義に合致するものと考えますが,知事は内定取り消し問題につき一体どう考えておられるのか,お伺いいたします。  次は,本陣山ゴルフ場開発問題等についてお尋ねいたします。本件につきましては,各会派満場一致により調査特別委員会が設置され,熱心な集中審議が行われているのであります。その結果はいずれ元浜委員長より報告がなされますが,問題点は明らかになったと思うのであります。ただ,審議の過程で,県は外圧は一切受けていないとの答弁を繰り返されたのでありますが,あれだけ多くの規制緩和を何もなしに県が率先してされたとはどうも考えがたいという印象が残るのであります。外圧というより双方話し合って,ある一定のところで緩和に向けて妥協されたというのが実は真相ではないかと私は思うのでありますが,正直なところを知事から御説明を願えないかと思うのであります。  なお,この本陣山ゴルフ場の許可についてでありますが,問題点をすべてクリアされ,許可条件を満たしておられるようでありますが,逮捕者が出たり,関係者である現職県会議員が自宅を強制捜査されるなど,県内はもちろんのこと,全国に悪名をとどろかせた,いわばいわくつきのゴルフ場であります。しかも,これから先さらに警察当局の捜査は拡大されるとの様子であります。どうにもならなくなる前に本件は取り下げるよう業者に働きかけてはいかがなものかと思うのでありますが,知事のお考えをお伺いいたします。  そして,本件との関係から,私どもの現地調査によりまして,県内ゴルフ場あるいは残土の捨て場等いろいろ問題点が出てまいりましたが,これらいずれも県の行政指導の甘さに起因するものが多いようであります。こうしたことから,県は監視体制を強化されますと同時に,もっと毅然とした態度で臨まれる必要を痛感いたしますが,知事はどう考えておられるのか,お尋ねをいたします。  次に,景気対策との関係で地価監視区域制度についてお尋ねいたします。この制度は昭和62年に土地の投機的取引を抑制するために設けられたものでありますが,最近,不況を背景に業界や自民党サイドなどからこの制度の廃止または緩和を求める声が強まっております。  1月28日の衆議院予算委員会において,自民党の石川要三氏が「廃止する考えはないか」とただされたのに対し,井上孝国土庁長官は「都道府県と相談して弾力的に取り扱っていきたい」と答弁され,また同日,藤原良一国土庁事務次官も記者会見で,「時期はいつかとは言えないが,緩和する方向が今の情勢だ」と答えておられます。この監視区域の廃止または緩和の動きについて,知事はどう思っておられるのか,お伺いいたします。  また,同制度がもともと5年以内の期限つきの臨時的措置であり,平成2年の同庁の運用指針では,2年以上継続して地価の下落傾向が見られ,再上昇のおそれがない地域については速やかに監視区域の指定を解除することとしておりますが,それらに該当する地域が本県の場合あるのか,あわせて伺っておきたいと思います。  次は,知事が力を入れておられます高齢者福祉対策についてお尋ねいたします。  日本は長寿社会が実現し,今日人生80年時代を迎えております。このことはまことに喜ばしいことであります。平成4年には65歳以上の老齢人口が1,625万人に達し,総人口の13.1%を占めるに至っておりますが,今後,老人人口はさらに増加し,平成12年には2,170万人となり,総人口の17.0%となって,現在の西欧諸国の人口高齢化の水準に達するのであります。さらに厚生省では,平成37年には3,244万人となり,総人口の25.8%になるとの見方を示しております。そうだといたしますと,日本はこれまでどこの国も経験したことのない高い水準の高齢社会を迎えることとなるのであります。かかる状況とあわせ,高齢者の多くは体が不自由になっても住みなれた地域社会で住み続けることを希望いたしております。したがいまして,これからの高齢者福祉対策は,高齢者の在宅生活の維持向上を支援することを基本に据え,一層の充実を図っていかなければならないと思うのでありますが,知事の御所見を伺いたいと思います。  加えて,この際,在宅福祉の3本の柱について,その進捗状況について伺っておきたいと思います。  1つには,ホームヘルパーですが,平成3年度の460人を,平成4年度までには80人ふやして540人にするということでありましたが,増員計画は達成されたのかどうか。  2つ目は,ショートステイでありますが,ベッド数平成3年度329であったものを89増設して,4年度には418にするということでしたが,増設は達成されたのかどうか。  3つ目は,デイ・サービス事業ですが,平成3年度50カ所であったものを,10カ所ふやして4年度では60カ所にするということでしたが,それぞれ目標は達成されたのかどうか,お伺いいたします。  それから,平成5年4月から老人保健福祉計画を年度内に立てることが義務づけられましたが,本県の場合,去る2月12日計画策定懇談会を設置され,さすが既に取り組みをスタートされたようでありますが,その基本方針について伺っておきたいと思います。  次は,保健所業務の見直しについてお尋ねいたします。このことについて,厚生省は,地域の保健サービスを抜本的に見直すことにし,公衆衛生審議会内に研究会を設け検討を始めております。保健所の改革はこれまでも何度か試みられてきたわけですが,3万4,000余の保健所職員の処遇などが絡んでなかなか抜本改革ができないでいるのであります。しかし,今回は地域保健全体を見直すことにしており,これが実現したら昭和22年に新しい保健所法が制定されて以来の大改革となるのであります。この背景には,人口の高齢化,疾病構造の変化,住民の要望の多様化があります。保健所は結核などの伝染病予防からがんや心臓病などの成人病予防に重点が移り,ただいまでは廃棄物など生活衛生への要望がふえてきているのであります。国の動きや地域の実態にあわせたものにするため,岡山県でもことしは保健所業務の見直しが要るのではないかと考えますが,どのように思っておられるのか,その方針と具体案をお伺いいたします。  次に,院内感染について,医師でもある環境保健部長にお尋ねいたします。最近,病院や老人保健施設でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌,つまりMRSA──マーサによる院内感染が大きな社会問題になっております。MRSAはほとんどの抗生物質が効かないため,手術後の体力の弱った患者さんや高齢者の方々など,免疫力の弱っている人に感染しやすく,一度感染しますと死亡したりするケースが見られるなど,恐ろしい菌であります。  先日の和歌山医大の調査によりますと,279病院中144の病院がMRSAによる患者を出しており,患者の方の総数は817名にも上っているとのことであります。このニュースを見て,一体本県ではどうなっているのであろうか,大丈夫なのであろうか,心配になってきたのであります。岡山県の場合,実態調査をされていると思いますが,患者数,病院数を明らかにしていただきたいと思います。  厚生省はようやく感染防止対策に乗り出されましたが,その対策の主なるものは,抗生物質の過剰投与を抑制すること,医師や看護婦,保健所職員らの教育研修を行うこと,病院など施設の環境を整備することとなっておりますが,本県の場合,どのような防止対策で,どの範囲,いつごろ指導されたのか,また指導後点検をされたか,お伺いいたします。  入院してその病気は治ったが,MRSAという病気にかかって死亡したというようなばかげた話が許されていいはずがありません。しかし,現実には泣き寝入りさせられているのであります。これは病院内で最も大切なはずの患者が実はなおざりにされている証拠でもあります。患者中心の医療を確立する意味からも,この院内感染防止対策は早急に,しかもきちっとされてしかるべきと考えますが,知事からの御所見も伺っておきたいと思います。  次は,新規事業の一つでもあります香港事務所開設についてお尋ねをいたしたいと思います。21世紀を間近に控え,人や文化や経済などあらゆる分野で国際化の波が目に見え,肌に感じられる形で地域や個人レベルにまで押し寄せております。岡山県においても県や市町村の友好提携や人的交流が着実に積み重ねられており,地場企業のアジア地域を中心とした海外への進出や海外企業との技術提携も近年目立ってきております。今後も,このような人的交流や文化,経済のボーダーレス化は一層拡大していくのが時代の潮流であり,今や地方における地域づくりにおいても,世界を視野に入れた発想と取り組みが必要であると考えます。こうした国際化時代において,岡山県が来年度中に香港に県事務所を開設する方針を決められたことは適切な措置であると思いますが,香港を選定された主なる理由は何か。さらに,同事務所に期待し得る機能について知事の御所見をお伺いいたします。  次に,岡山空港の貨物基地についてお尋ねいたします。岡山空港は昭和37年に第3種空港として開港されたものであります。開港当時は滑走路の延長がわずか1,200メートルで,東京行き2便が飛ぶ程度のものでありました。それが今や大きく発展し,場所も日応寺地区に移り,東京4便を初めとして那覇1便,鹿児島1便,札幌週4便,ソウル週4便となり,また香港,韓国,中国,グアム,サイパン,シンガポール,タイ,オーストラリア,ニュージーランド等へ国際チャーター便が就航しております。その後,県がさらに進めておりました滑走路500メートルの延長工事が完成し,来る25日から中国地方初の2,500メートル滑走路の空港として供用を開始し,増築工事を行っていたターミナルビルも同日オープンするなど,空港施設の整備は着々と進んでおります。また,空港の運用時間も現行の11時間30分から13時間に延長される見通しであると聞いております。空港機能につきましても一層の充実が図られておるところでございます。このような空港の施設及び機能の拡充に加え,将来は滑走路3,000メートル化も目指しておられるわけであり,知事の実行力を評価するところであります。  こうした中,中四国はもとより,西日本の広域高速交通網の結節点として岡山の優位性を生かし,県勢をさらに発展させるため,空港の隣接地において航空貨物基地の整備事業を推進されておりますが,その現状と今後の航空貨物の動向を踏まえての整備方策についてどのようにされるのか,伺っておきます。  次は,業者テストについて教育長にお尋ねいたします。業者テストの偏差値によって生徒の進路を決める進路指導のあり方は間違っているという観点から,長い間改善へ向けて努力がなされてきたところでありますが,一向に改めることなく今日に至ったのであります。  こうした中,過日,鳩山文部大臣の「業者テストは禁止すべし」とのいわゆるツルの一声によってにわかに改善の方向に向かって大きく動き出したのであります。文部省では,このたび高校教育の改革の推進に関する会議の報告を受けて,教師が業者テストに関与することを禁止することを決められ,正式に各県教委に対し業者テストを即時禁止することを徹底するよう通知されたのであります。  さて,問題は,これで業者テストがなくなるかどうかということであります。なぜかと言えば,文部省はこのような業者テスト禁止の通知を過去3回出されたにもかかわらず,3回とも禁止は実現しなかったという苦い経緯があるからであります。つまり,文部省の通知を県教委や市町村教委がなおざりにして実施しなかったのであります。したがいまして,今回県民や多くの現場教師は本当に禁止が実現するのだろうかと半信半疑で見守っているのであります。文部省も今回は本腰のようではありますが,県教委としてはいかがされるのか,その決意のほどをお伺いいたします。  そして,禁止されるとすれば即時なのか,その時期と具体策についてお伺いをいたします。  次に,同じく教育問題の県立図書館についてお尋ねをいたします。待望久しい県立図書館が関係者皆さんの御努力によっていよいよできることとなり,まことに喜ばしいことと存じます。ところが,県立図書館の場所を今の日銀のところではなく,もっと広々としたスペースの取れるところ,緑したたる閑静なところへと移してほしいとの強い意見が出されているのであります。意見は,今の場所はなるほど日銀は保存できて一石二鳥かもしれないが,そのため図書館の機能を発揮する内容のものは場所が狭過ぎて到底できないということであります。設計図から考えられますが,日銀の保存はできても,美しい姿は覆い隠されて見えなくなるのであります。結局アブハチ取らずになるのではないかということであります。いま一つの意見は,図書館をつくるのに,単に場所のみとはいえ,教育委員会に任せないで知事が決定したのではないかという指摘があります。決められた場所が仮に図書館にふさわしいところであったとしても,それは越権であるという見解であります。およそ教育に関することは中立性を保たさなければならないと言われております。したがって,教育には金は出してもくちばしは出さないというのが為政者の務めでありますが,知事は場所決定にかかわったのではないか,任せておけばよいものを多忙な身でなぜかかわったのか,かかわらざるを得なかった理由があるとすれば御説明をいただきたいと思います。  いずれにいたしましても,どうしても場所は動かせないと言われるのなら,立派な図書館にして,後でいらぬことを言ったと,そう言われるようにぜひしていただきたいと思うわけでございます。同時に,中身は県立にふさわしいもの,また岡山県らしい特色のあるものにしていただきたいと思いますが,いかなる構想か,具体案について教育長にお伺いをいたします。  最後に,警察行政について県警本部長にお尋ねをいたします。  県警には,現在本陣山ゴルフ場開発の疑惑をめぐって,文書偽造と農地の所有権移転をめぐる不正事件や,現職県議が関与した車庫とばしで強制捜査に踏み切ったり,暴力団が関与する開発会社による金甲山ゴルフ場の不法開発事件を検挙するなど,大変熱心に活動されておられますことにまず敬意を表するものであります。  このうち本陣山ゴルフ場開発問題は,本議会に調査特別委員会を設置し,集中審議を行い,その疑惑解明に全力を挙げていることは御承知のとおりであります。しかしながら,県民は,最終的には警察の捜査により本件が徹底的に追及され,解決されることを強く望んでいると思うのであります。本日,状況をお尋ねいたしましても,目下捜査中なのでお答えいたしかねるとの答弁かと思いますので,今後,県政の健全なる発展を図るためにも,この際,疑惑に関与した者はもとより,その疑惑を生じしめる背景となった行政上の要因についても徹底的に解明され,県政の将来に禍根を残さないよう強く要望しておきたいと存じます。  ただ,そうは申しましても,一体本件についていつごろになったら解明されるのか,多くの県民の関心事であるわけでございます。そこで,そのめどと申しますか,およそいつごろに結論を出せる,その見通しについて,あるいはその時期についてお伺いをいたしておきたいと思います。  次は,暴力団対策についてであります。昨年は暴追センターを設立し,暴対法によって組織の指定や中止を行い,県民を暴力団から守るため大きな成果を上げられたわけで,心から感謝する次第であります。  ところで,県警では近く捜査二課を分割され,新たに暴力団対策課を設置されるようですが,このことは暴力団対策に一層力を入れようという意気込みを感じさせ,ありがたいことだと思うのであります。しかし,そのことで従来一丸となって捜査に当たっていた体制も分割され弱体化するようなことがあっては困ると思うのでありますが,かかる心配はいらないのか,お尋ねをいたします。  また,県警では昨年,「外勤警察」という呼び方を改められ「地域警察」にされたわけでありますが,それはそれなりに県民に親しまれよろしかったと思います。しかし,最近,勤務制度の改革とか仕事の合理化によりともすれば派出所が不在がちと聞くのであります。県民の側からすれば派出所にいつも警察官の姿が見えればそれで安心できるというものですが,限られた人員でパトロールや事件処理があるわけですから,なかなか困難なことであります。そこで,こうした状況に対応するため,このたびハイテク交番なる施設を設け,テレビ受信機によって警察官不在のときをカバーしようとのねらいがあるようでありますが,このシステムは一体どういうものなのか,初めてのことなのでお聞かせをいただきたいと思うのであります。  以上16項目をもちまして民主クラブの代表質問といたしますが,知事は6選後初めての予算議会でございます。力強い御答弁を期待申し上げまして,私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  河崎議員の民主クラブの代表質問にお答えを申し上げます。  まず第1に,環境問題でありますが,廃棄物の増大から地球温暖化に至るまでいずれも我々の日常生活や産業活動に起因したものでありまして,社会経済システムやライフスタイルを環境保全型に転換することが求められていると考えておるところでございます。県では昨年5月に「岡山県における地球環境問題への取り組み方針」を定めまして,引き続き12月に,県事業を環境保全型に転換するため「地球環境保全に配慮した県事業等の指針」を策定をいたしまして,庁用自動車のフロンの回収,あるいはエコマーク商品の活用などの行動を進めることにいたしておりますが,今後は,県民1人1人が地球に優しい環境づくりを行うための行動計画を策定をいたしまして,その着実な推進を図ってまいりたいと考えておるところであります。  東京一極集中を是正して多極分散型の国土の形成を図りますためには,東京圏に対抗し得る広域的な新たな経済文化圏の確立をすることが必要でありまして,かねてから中四国経済文化圏の考え方を提唱いたしまして,中四国各県との連携を図っているところであります。また,あわせて,県内においても,各地域がそれぞれ異なった輝きを放つ個性と特色のある地域として発展していくことが重要と考えておりまして,21世紀の岡山県を支える基盤の整備と均衡発展構造の構築に取り組んでいるところでありますが,今後とも,総合交通体系の整備や地域内連携の強化,あるいは拠点施設の適正な配置などを進めまして,均衡のある県土の発展が図られるように努力をしてまいりたいと考えます。  次に,中期財政試算でありますが,当面,現試算で対応できるものと考えておりまして,適時情勢の変化に応じた調整を行って,的確な財政運営に努めてまいりたいのであります。また,今後の財政見通しについては,景気の動向に明かりが見えない中で,社会資本の整備,福祉の充実等今後の多大な財政需要を勘案いたしますと,非常に厳しい状況がなお続くものと考えられるわけでありまして,引き続き国に対しまして地方税財源の充実強化を強力に働きかけますとともに,各種の基金を活用するなどいたしまして,財源の確保に最大限の努力を払ってまいりたいと考えておるところであります。  それから,平成5年度の税収でありますが,企業収益の減少や金利の低下などによりまして法人事業税や利子割県民税が大幅な減収となる見込みであります。このために当初予算計上額は地財計画の伸びを若干下回る,前年度当初予算比94%としておるところでありまして,今後とも,この税収の動向を慎重に見きわめてまいりたいのであります。  県債の問題でありますが,これは世代間の負担の公平化を図りながら,社会資本の整備を進めていく上で必要なものでありまして,5年度におきましては景気対策に特に配慮して,地方債の積極的な活用によりまして,道路,下水道,住宅等の整備を一層進めることにいたしたところであります。県債の活用に当たりましては,地方交付税の補てんがある良質な資金の導入に努めるなど,将来の財政の健全性に十分配慮してまいりたいと考えております。  それから,国の地方財源措置についてでありますが,国におきましては,景気対策の観点から地方単独事業の積極的な推進を図りますために,ふるさと農道,林道の緊急整備事業の創設のほか,臨時地方道整備事業等の地方債の充当率の引き上げと交付税の充実などの措置が講じられておりまして,本県におきましても,地方債の弾力的な運用について今後とも強く働きかけてまいりたいと考えております。  それから,倉敷芸術科学大学(仮称)への助成についてのお尋ねでありますが,これは現代教育のさまざまなひずみが言われておる中で,新たな人間教育の取り組みに対して支援をしようとするものでありまして,吉備高原学園高校は既存の学校になじめない生徒や特定の技能等の習得意欲を持つ生徒を対象とした一つのチャレンジでありまして,それだけに卒業生の進路をどうするかということは設立時から関係者の間で大きな課題であったわけでございます。このたび,この高校の運営に参画している加計学園が倉敷市に大学を新設することになりましたので,県と加計学園と協議したところ,大学側では吉備高原学園高校生,さらに他の県内高校生について同数の推薦枠を設ける方針とされたところであります。私どもとしては,これを一つの新たな試みと考え,そして支援しようとするものでありますので,御理解を賜りたいのであります。  いずれにしても,本県としては,21世紀を間近に控え,人材養成のために教育にできるだけの力を注いでまいりたいと考えておりますが,この4月には県立大学をスタートさせることとし,また新年度の予算におきましては,専修学校を含めた私学助成を強化したところでもあり,今回の助成も多様な教育振興の一つとしてぜひ受けとめていただきたいと思う次第であります。  それから,蒜山美作リゾート構想については,既に国の関係省庁との実質的な協議を終えておりまして,近く承認が得られる見通しとなっております。御指摘のように経済環境の悪化による民間開発計画への影響は避けられないものと思われますが,昨年12月には中国横断自動車道の落合―江府間が開通するなど,構想の推進にとって有利な条件変化もありまして,熟度に応じて順次構想の具体化が図られていくものと考えております。  承認後におきましては,関連道路などの公共施設の整備を進めますとともに,地元市町村との連携を密にしてPRに努めるなど,計画推進のための積極的な取り組みを行ってまいりたいと思います。  また,良好な自然環境を保全することは,リゾート開発に当たっての基本であると考えておりまして,従来から県土保全条例に基づく開発許可制度や環境アセスメントなどの制度の適正な運用によりまして,自然環境との調和に努めてきておりますが,本構想の推進に当たりましても,地域の持つ美しい自然や恵まれた景観と十分調和したものになるように最大限の努力をしてまいりたいのであります。  チボリ公園事業に対する県の支援内容についてのお尋ねでありますが,県の出資につきましては,事業の採算性の観点から,できるだけ有利な資金を確保することを基本として,全体で100億円程度の増資を予定する中で,事業の公共的性格を確保するという見地から,また民間からどの程度調達可能かを検討いたしまして,新たに30億円の出資を予定しておるものでありまして,県の熱意を示すことで県内外の企業の協力が得られやすいと考えております。  また,低利融資の問題につきましては,全体の資金調達所要額や他の資金での調達可能性の見通しを勘案しながら,採算性の向上,また借地上に建設することに伴う担保力の不足の補完という観点から70億円程度を予定をしておるものであります。  用地の借用やNTT資金の借り入れに当たりましての損失補償につきましては,地代が安全,確実に確保できることを希望するクラボウの基本姿勢や,公的資金の運用に当たって十分な担保が必要であるとする関係機関の考え方から必要やむを得ないものとして予定をしておるものでありまして,現実に損失の補てんを行うことはないと考えておりますが,今後の事業の具体化に当たりまして,事業の円滑な運営が確保できる計画づくりと,それから事業主体の体制の確立に努めてまいりたいのであります。  それから,入り込み客数の予測でございますが,倉敷の立地条件は岡山操車場跡地に比較してまさるとも劣らないと考えておりますが,昨今の厳しい経済情勢の中で,全体として確実性のある計画づくりを行うことが必要であります。そこで,入り込み客数につきましても,最近における他のテーマパークの状況等を踏まえた幾つかの専門機関の予測をもとに,着実性のある予測として年間300万人程度としたものであります。  次に,スペイン村計画でありますが,この計画は三井造船株式会社などの民間事業者が中核株主となりまして,玉野市及び県がこれを支援するという形で進められてきたものであります。その過程において必要に応じ地元説明会を開催するなど,住民の方々の意見を聴するとともに,玉野市の広報紙等を通じてPRにも努めてきておると聞いておりますが,スペイン村の開業が平成6年7月の予定からさらに1年以上延期されることになったのは,これはバブル経済の崩壊によりまして経済環境が急激に悪化したことに伴い,それに対応できる計画といたしますために,入場者数や事業規模等実施計画を見直す必要が生じたことによるものと承知しております。  次に,入場者数や事業規模につきましては,現在株式会社スペイン村が行っている実施計画の見直し作業の中で検討がなされておりますが,計画の見直し後においてもスペイン村の事業が玉野地域の活性化の起爆剤となり,また県全体の観光・リゾートの先導的な事業となるように,株式会社スペイン村と十分協議調整をしてまいりたいのであります。  また,チボリ公園とスペイン村に対する県の支援内容に大きな隔たりがあるのではないかということでございますけれども,チボリ公園はいろいろな経過がありましたが,御承知のように県と経済界が中心となって事業の推進を図ってきておるのに対しまして,スペイン村は当初から三井造船株式会社などが独自の企画を樹立をいたしまして,民間資本を中心として事業を進めておるわけでありまして,県は支援の立場から出資等の協力を行ってきておるものであります。そういう意味で,それぞれの経緯なり推進体制に基本的な相違があることを御理解を賜りたいのであります。  いずれにしましても,スペイン村の計画は玉野地域活性化のためには欠かすことのできない事業でありまして,株式会社スペイン村による実施計画の見直しの状況を見きわめながら,地元玉野市とも十分連携を図り,この事業が円滑に推進されますように,今後とも積極的な協力を行ってまいりたいと考えておりますが,具体的な対応につきましては,玉野市や事業主体と十分協議しながら今後検討をしてまいりたいのであります。  新規学卒者の採用内定取り消しは,お話にもありましたように,本人と家族にはかり知れないほどの打撃と失望を与えることはもとよりでありますが,社会全体に対しましても大きな不安を与えるものでありまして,このような意味で極めて重要な問題であると認識をしております。県としては,企業に対して,新規学卒者に係る説明会などにおいて,採用内定の取り消しを行わないように指導してきたところであります。今後とも,学校や経済団体などと連携を密にいたしまして,雇用情勢の的確な把握に努めまして,安易な採用内定の取り消しが行われないように,企業に対して一層の指導を行ってまいりたいと考えております。  それから,本陣山ゴルフ場の計画をめぐる一連の県の対応等につきましては,現在県議会の特別委員会で調査いただいておるところでありますが,これまでも申し上げておりますように,県議会議員からの一定の要望等はありましたものの,総量規制の基準の見直し,農振除外の問題,また移動土量の指導についての一連の県の対応はそれぞれ明確な理由をもって,また関係法令や基準に即して厳正公平に進められてきたものと考えております。  本陣山ゴルフ場の許可申請の取り扱いについてでありますが,現在本件に関しましては警察当局によります捜査が進められておりまして,その推移を見きわめる必要があることから,審査を中断をしておるところであります。今後の本件の取り扱いについては,捜査の結果を見きわめ適切な判断を行ってまいりたいと考えております。  監視体制の強化ということにつきましては,自由民主党の代表質問にもお答えしましたように,県土の無秩序な開発を防止するために,本県では昭和48年に全国に先駆けまして県土保全条例を制定するとともに,都市計画法や森林法等の関係法令の適正な運用,さらには環境アセスメント制度の導入などによりまして,自然環境との調和が図られた適正な開発が行われるように努めてきたところであります。しかしながら,最近こうした法令に違反した開発が相次いだことはまことに遺憾なことでありまして,現在関係法令に基づきまして原状回復等の必要な措置を講ずるように指示をいたしておるところでございます。今後,このようなことが起きないように,市町村や関係機関と連携をとりながら違法開発の未然防止に努めますとともに,悪質な違反事例に対しましては刑事告発を含めた法的措置をとるなど,関係法令の厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。  それから,地価監視区域でありますが,御指摘の国土庁長官や事務次官の発言につきましては,国土庁からは,最近における地価動向を踏まえて,そう遠い将来ではない時点で検討がなされるという意味であって,現時点において直ちに緩和,解除が必要であると,そういう認識を示したものではないというふうに聞いておるところでございます。県としては,地価は鎮静化したものの,高騰前に比べて依然として高水準にあることなどから,現時点においては引き続き監視区域制度を活用して適正な地価の形成を図ることが必要と考えておりまして,先般国土庁とも協議の上で,予定期間が満了した県南の監視区域について再指定を行いますとともに,リゾート法に基づく重点整備地区についての新規指定を行ったところであります。  また,国土庁の運用指針には「2年以上継続して地価の下落傾向が見られ,再上昇のおそれがない場合には速やかに監視区域の指定を解除すること」とされておりますけれども,県南の監視区域の再指定に当たりましては,このような要件に該当しないことから,従前の区域全体について再指定を行ったところでありまして,御了解を賜りたいと思うのであります。  それから,在宅福祉サービスの充実でございますが,お話がありましたように,多くの高齢者は住みなれた地域や家庭で生活することを望んでおりますから,家庭で生活しながら介護などが受けられる在宅福祉サービスの拡充が特に重要であると考えております。このためにホームヘルパーの派遣,ショートスティ事業,デイ・サービス事業などの在宅介護の基本をなす公的サービスの充実を図りますとともに,家庭介護を支援するための相談,指導などを行う在宅介護支援センターの整備を進めておるところでございます。また,地域ぐるみで高齢者を支え合うむらづくりにも積極的に取り組んでおりますほか,地域の活動の拠点となるデイサービスホームの整備も進めておるところであります。特に,来年度はホームヘルパーの増員対策に積極的に取り組むこととしておりまして,今後とも,より一層の在宅福祉サービスの充実が図られますように市町村を指導してまいりたいのであります。  お尋ねの在宅福祉の進捗状況でございますが,本年度末でホームヘルパーは計画どおりの540人,ショートステイ用ベッドは,これも計画どおりの418ベッド,デイサービス施設は計画を上回る61カ所が確保できるものと見込んでおりまして,そういう意味でおおむね当初の計画が達成できるものと考えておるところであります。  老人保健福祉計画についてでありますが,この計画は,住民に身近な市町村で,保健福祉サービスをきめ細かく一元的に実施する体制づくりを推進するために,県及び市町村が策定をするものであります。県計画は,市町村計画を踏まえまして,広域的な観点から保健福祉サービスの目標水準やその提供体制の確保策などについて定めるものでありまして,その策定に当たりましては,在宅での保健福祉サービスの拡充,保健・医療と福祉の連携の強化,マンパワーの養成,確保,地域で支え合う福祉の充実などを基本として県民の福祉ニーズに対応した特色ある計画としてまいりたいと考えております。  保健所業務の見直しでございますが,保健所を取り巻く状況は御指摘のように人口の高齢化や疾病構造の変化,環境問題への住民意識の高まりなどから大きく変わろうといたしておりますが,このような状況に対応いたしまして,高齢者保健福祉推進10カ年戦略が着実に推進されまして,福祉と連携して保健サービスが効果的に提供されますためには,県と市町村との役割分担を明確にし,保健と福祉の所管区域を一致させるなど,時代に即した機能の強化や保健所業務と体制のあり方を検討しなければならないと考えております。このために保健所のあり方に関しまして,平成5年度に外部の識者等による懇談会を設けまして,国の動向や他県の状況等も考慮しながら,平成6年4月を目標に見直してまいりたいのであります。また,保健,医療,福祉行政につきましては,総合調整を図って一体的に運営をされることが必要でありますので,そのための体制づくりにつきましても見直しを考えてまいりたいのであります。  それから,MRSAによる院内感染の防止対策の徹底でありますが,これは患者が病院で安心して医療サービスを受けられるための前提条件でありまして,医療現場における患者と医師との信頼関係に深くかかわる問題であると認識をいたしております。  院内感染につきましては,手洗いあるいは清潔保持,医療従事者の教育など基本的な対策を実施すれば防止できるとされておるわけでありますから,そこで県としても,これまで数次にわたりまして医療関係者の注意を喚起しておるところであります。また,2月補正予算におきましても緊急対策費を計上することにしておりまして,保健所の検査及び指導体制の強化を図ることにいたしております。さらに,学識経験者による委員会を設けまして,実態調査や対策の検討を進めまして,院内感染防止対策の一層の強化を図ってまいりたいのであります。  それから次に,香港事務所でありますが,近年ダイナミックな経済成長を遂げ,世界の注目を浴びておるアジア地域との交流を深めるということは,本県産業の国際化を進める上でも極めて有意義なことであると考えておりますが,このために,専門家等の意見によりますというと,社会,経済,文化等のアジア地域の情報が集中しておる場所,そして各種のインフラ整備も進んでおる場所として香港が最適地であるというふうな意見もありますので,そういう意見を参考にしながら選定をいたしたところであります。県内企業からのニーズが高い海外投資や貿易などの経済活動への支援はもとより,観光,物産のPR,さらには新たな国際空路の開拓など,アジア地域との幅広い交流の拠点として設置してまいりたいと考えておるのであります。  岡山空港の貨物基地についてでありますが,国の第6次空港整備5カ年計画によりますと,航空貨物の輸送量は,国内線,国際線合わせまして,平成3年から12年の10年間に220万トンから435万トンへほぼ倍増すると予測をされております。このような全国的な動向から推定をいたしますというと,岡山空港における航空貨物の需要も,広域交通網の整備と相まちまして今後大幅に伸びることが予想されるわけであります。このため,空港の日応寺地区に国内線,国際線あわせました貨物基地を整備することといたしまして用地買収を進めておるところでありますが,現在約90%が契約済みとなっております。引き続き用地買収の完了に向けて努力をしますとともに,用地造成に係る調査や設計にも取り組むことにいたしておりまして,今後の航空貨物需要の動向を見きわめながら,段階的に整備を進めてまいりたいと考えております。  最後に,県立図書館の建設についてでありますが,建設を予定しておる旧日銀跡地は,岡山市の中心部に位置しておりまして,公共交通機関の便にも恵まれており,他の公共施設,文化施設との関連や,図書館の機能性などについて,教育委員会と一体となって総合的に判断をして適地と決定したものでありますので,御了解を賜りたいと思うのであります。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  MRSAによる感染者の実態等でございますが,厚生省の全国調査によりますと,MRSA自体はほとんどの病院から検出されておりまして,皮膚表面の常在菌である黄色ブドウ球菌の60%強を占めるとされておりまして,本県でもほぼ同様の実態であると考えております。患者数につきましては,感染はしていても症状のない保菌者も多く,また他菌との混合感染や症状を呈している者などとどのように区分し,対策に役立つ調査が行えるか国でも検討が進められていると承知しております。当県といたしましては,その検討状況も踏まえまして,また県内の学識経験者の御意見も聞きながら,実態調査の実施や実効ある対策のあり方をさらに検討してまいりたいと考えております。  次に,院内感染の防止対策についてでございますが,本県におきましては,院内感染防止のため,従来から医療機関に対する毎年の医療監視において重点項目の一つとして注意を喚起してまいったところでございます。また,特に近年のMRSA感染事例の増大にかんがみまして,平成3年7月,医療機関に対し院内感染対策委員会の設置,手洗いの励行,院内の清掃等の環境整備,医療従事者への教育の徹底など防止対策の徹底を求めたところでございます。さらに最近では,昨年末,医療関係団体に対しまして改めて注意を喚起するとともに,引き続き本年2月には国が取りまとめました総合対策を受けまして,医療機関に対し防止対策の強化を求めたところでございます。今後,国と一体になりまして感染防止マニュアルの普及,研修等を行うとともに,保健所による指導,検査体制を充実させ,医療機関等での実効ある取り組みを確保してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  河崎議員の民主クラブ代表質問にお答えをいたします。  まず,業者テストについてでございますが,先ほどの自由民主党の代表質問にもお答えいたしましたように,文部省の通知では,中学校が実施に関与したり,授業時間中及び教職員の勤務時間中に実施してはならないことなど,直ちに改善するよう示されておりますので,それを尊重し,対処してまいりたいと考えております。そのためには,中学校の進路指導が,生徒の希望,能力や適性,興味や関心などに基づいて行われるようより一層の充実を図ることが必要でございます。したがいまして,当面,1学期間は自粛させ,その間に市町村教育委員会や中学校の校長会などと具体的な対応などについて協議をしてまいりたいと考えております。  次に,新県立図書館についてでございますが,まず機能につきましては,市町村図書館の支援のための図書館ネットワークの構築を初め,主題部門別閲覧制の採用,それから個人研究室や共同研究室などを整備したいと,このように考えております。また,県立図書館にふさわしい図書資料を収集することはもとより,吉備文化,交通文化資料など,岡山らしい特色ある資料の収集に努めてまいりたいと思っております。さらに,県民の新しい文化創造の拠点としての多様な交流の場を設けますなど,21世紀を展望した新しい図書館づくりを進めてまいりたいと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  河崎議員の民主クラブ代表質問にお答えいたします。  まず,本陣山ゴルフ場開発をめぐる問題についてでございますけれども,この問題につきましては,これまでにゴルフ場開発会社の社長などを贈賄の申し込み容疑で逮捕し,会社など数十カ所を捜索するなど,現在鋭意捜査を進めているところでございます。いずれにいたしましても,今後は,こうした容疑のほかにも刑罰法令に触れるような事案があるのかどうか,こうしたことも含めまして,できるだけ迅速に捜査を進めてまいりたいと考えておりますけれども,具体的な時期のめどについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。  次に,近く予定しております暴力団対策課の新設についてでございますけれども,これは暴力団対策をさらに強化するために,現在の捜査第二課にあります暴力団係を分割独立させるものでございます。今後は,新設される課が中心となって暴力団対策が進められるわけでございますけれども,もちろんこの課だけで行うわけではございませんで,県警のあらゆる所属で総力を挙げて取り組んでいくわけでございます。いずれにしましても,こうした取り組みによりまして一日も早く暴力団を壊滅に追い込みまして,県民の皆さん方の期待にこたえてまいりたいと考えております。  次に,テレビ電話による不在応答システムについてでございますけれども,このシステムは,簡単に申し上げますと,交番にテレビを設置しまして,警察官が不在中に県民の皆さんが訪ねてこられた場合には,テレビ画面を通じまして直接本署の係員と話し合いができるというものでございます。これによりまして,例えばパトロールで警察官が不在の場合でも,テレビ画面を通じまして24時間対応が可能になるわけでございまして,警察官のパトロールの強化にもつながるわけでございます。いずれにいたしましても,警察といたしましては,警察OBの交番相談員制度,こうしたものとあわせまして,こうしたハイテク交番を観光客を初め来訪者の多い交番を中心に導入いたしまして,県民の皆さん方の期待にこたえていきたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆39番(高原久幸君)  皆さんおはようございます。私は,日本社会党・県民会議を代表して,2月定例会に提案された諸議案を初めとする県政の諸課題について質問をいたします。  まず,私は,池田隆政氏と同じ町内会に住む一人として,皇太子殿下と小和田雅子さんの御婚約に対して心からお喜びを申し上げます。お二人が,国民に開かれた民主的な皇室をつくられるよう期待しています。  次は,お亡くなりになりました伊藤大孝氏に対して,心から哀悼の意をささげます。いろいろのことがあったが,「しっかりした議会が大事である」と最後に語られた言葉が耳に残っております。  まず初めは,県政の緊急課題についてであります。県民の政治参加による県政の緊急課題について,知事にお伺いをいたします。  第1の課題は,本陣山ゴルフ場開発疑惑の真相解明です。とりわけ,有力県議と県政の癒着はなかったかどうかを明らかにすることと,暴力団との関係,金の流れを解明し,責任の明確化をすることにあります。  第2は,実効性のある政治腐敗防止,県政治倫理綱領の実現です。既に私は,さきの12月県議会で1つの案を提案申し上げました。議員辞職の勧告を含めた岡山県政治倫理綱領を制定し,腐敗事件を二度と発生させない対策を徹底することであります。熊本議長あてにたくさんの申し入れ,署名が既に寄せられています。本陣山ゴルフ場開発に当たって,開発業者から門木議員に多額の現金が渡されたことが明らかになりました。県民の県政に対する疑惑と不信は極に達しています。これらの疑惑解明と政治腐敗防止は県会議員みずからの責務であります。2月定例議会でそのための方向決定をされたいと思うのであります。熊本議長の指導性と御努力を心から切望をいたします。我が6名の県会議員は,ここにその立場を表明しておきます。  以上のことについて,知事の御所見をこの際賜りたいと思います。  次に,ゴルフ場問題について,知事にお伺いをいたします。  まず,本陣山ゴルフ場問題についてお伺いをいたします。今岡山県の評判は県内外で大変厳しいものがあります。昨年知事選挙が終わって開かれた12月県議会は,本陣山ゴルフ場疑惑解明県議会となりました。本陣山ゴルフ場問題は業者逮捕へと広がっています。その1つは,開発許可申請書のチェックの仕方についてであります。業者の資産計画,地権者の同意のない文書,国土利用計画法違反の疑い,保安林解除問題などについて,いずれも信用ができない。業者のほとんど全役員が取り調べを受け,逮捕されるなど信用できない。知事の御所見を賜りたいと思います。  その2つは,2%では門前払い,3%でパスしたという総量規制についてであります。疑惑の解明が不十分であります。有力県議と県政の癒着がなかったと,知事として断言できますか,お伺いいたします。  その3つは,疑惑完全解明までは開発許可手続をすべて棚上げされることとは思いますが,明確にしておいていただきたいと思います。また,計画中止の決断をされるお考えはないか,お尋ねしておきます。  その4つは,県警本部長にお伺いをいたします。本陣山ゴルフ場開発に当たって,開発業者から県会議員ほかに多額の現金が渡されたことが明らかになりました。県民はこの件について,開発業者の依頼を受けて県会議員が国,県に対し開発基準の緩和を働きかけた結果に対するわいろだとの認識を常識的に持っています。イギリス大使館勤務もある国際派の平沢本部長を中心に,今真実解明に全力を挙げていただいています。調査されている県会議員名,告発合戦の現状,今後の対応方針,御決意をお聞かせ願いたいと思います。  次は,その他,当面問題になっている幾つかのことについてお伺いをいたします。  その1つは,あれほどしっかりした岡山県政が,最近の委員会の質問を見ても,今の岡山県政はやり得を許している。命令を出しても聞かない。まことに悪質,県を県とも思っていない者がふえている。命令を出してもこれを実行しない。完全無視。各部間の連絡調整は悪く,告発,法的措置と口では言っても生ぬるいなどの意見が出されています。知事は関係者から報告を受けているとは思いますが,まずこうした状況についての御所見を賜りたいと思います。  その2つは,新岡山カントリー倶楽部,ラ・レインボー関連の問題についてであります。保安林無断伐採,山崩れ放置,無届けゴルフ場開発などの問題があります。県の命令,告発など具体的対応を御説明いただきたいと思います。  その3つは,金甲山ゴルフ場,不法な建設残土,産廃の投棄,原状回復命令,告発など,具体的対応について御説明いただきたいと思います。金甲山ゴルフ場のオープンは絶対に許してはならないと思いますが,どのようにお考えでしょうか。  その4つは,原状回復命令についての方針についてお伺いをいたします。見せしめのためにも,厳しく法的措置を含めて高いものにつくことを思い知らせるべきであります。御所見を賜りたいと思います。  その5つは,ゴルフ場の総点検と監視体制の確立についてであります。市町村と一体となった指導,命令,対策を進めていただきたいと思います。この際,総点検実施のための特別予算の計上を提案をいたします。御所見を賜りたいと思います。  次は,財政問題についてであります。岡山県の一般会計は,平成4年度ついに7,000億円を超えました。平成4年度は知事選挙もあり,選挙の顔をした予算となりました。知事にお伺いをいたします。  第1には,岡山県の顔である予算案についての基本的なお考えをお伺いしたいと思います。平成5年度予算編成に当たって私どもは,本年1月12日,365項目の要求を知事にいたしました。私どもは,知事選挙期間中に寄せられた意見や批判を謙虚に受けとめ,全国のモデルになるような,明るく住みよい岡山県づくり,選挙公約の実現に向けた積極的な展開をお願いをいたしました。また,今日求められている憲法の理念を実現をし,経済大国にふさわしいゆとり,豊かさ,世界の平和と安定,地球環境問題など,来るべき21世紀を迎えるにふさわしい,大胆で,身近でわかりやすい施策の展開の予算編成にされたいと要求してまいりました。高齢者,障害者の福祉向上対策の目玉には,20%増を目指されたいとも要求してまいりました。平成5年度の一般会計は7,361億4,000余万円となり,厳しい状況下の中で積極的なものであり,御努力を多とするところであります。知事の御決意と御所見を賜りたいと思います。  第2には,国の予算編成と景気後退の問題についてお伺いをいたします。宮沢内閣の公約「生活大国の実現」は,成長優先から生活優先,福祉と環境型の経済に転換しなければ不可能であります。また,景気後退が予算編成に大きな心配材料になっていないかということであります。地方交付税を3年連続減額とし,国の財政危機のしわ寄せを地方に回そうとする姿勢が今回も目立ちます。お考えをお聞かせいただきたいと思います。  第3には,具体的な財源見通しについてお伺いをいたします。県は,平成3年度から平成7年度までおおむね3兆7,000億円を見込んでおります。財源確保が危惧されております。平成7年度までの財政の中期展望,一般会計の伸び率などの具体的財源見通し,対策についての御説明をいただきたいと思います。  第4には,平成4年度の状況を踏まえた平成5年度の税収の見通しをお聞かせいただきたいと思います。  第5には,県債についてお伺いをいたします。県債残高は約5,229億円となります。これは県民1人当たり28万9,000円となります。償還計画などについての御説明をいただきたいと思います。  第6には,繰越金対策と執行体制についてお伺いをいたします。新年度に361億2,900万円が繰り越されます。景気浮揚をねらって組んだ予算がこんなにも繰り越され,ねらいどおりの効果を上げていないのではないかと思われます。お考えをお聞かせいただきたいと思います。私もかつて監査委員を2年間務め,チェックをしてまいりました。いずれにしても素早い判断で弾力的な予算執行が必要であります。弾力的な予算執行ができるような予算編成の基準指針をおつくりになる考えがあればお聞かせ願いたいと思います。用地買収,地元調整など,最近の土木関係者は大変な御苦労をされております。全国トップレベルのこうした関係者の並々ならぬ努力に対するきめの細かい予算,人的対策についての現状を説明していただきたいと思います。  次は,人事問題についてであります。人事問題は難しい問題であり,重要な問題であります。さまざまな意見が出されております。知事にお伺いをいたします。  1つには,副知事問題についてであります。増員論や女性副知事登用論が他県でも話題になっております。岡山県における人選と配置についてのお考え,知事の副知事論についての御所見をこの際賜りたいと思います。  2つには,岡山県としての平成6年までの人員計画の方針についてお伺いをしたいと思います。平成5年度新規採用人員の総数と内訳,退職人員をまず説明されたいと思います。  平成6年度に向けて職員の増員について御努力をいただきたいと思います。特に今日の岡山県の発展を大きく支えてきた建設関係職員の平成6年度に向けての大幅増員が必要と思いますが,御所見を賜りたいと思います。  3つには,新規採用問題についてお伺いをいたします。新規採用には,ボランティア活動の経験を選考基準に加える問題についてであります。志願票に新しくボランティア活動の有無と内容を記入する項目を設け,面接で詳しく質問をしていく,ボランティアの種類は問わないが,学業より重く見る場合もあるとの新しい新規採用の方向を打ち出した企業があらわれております。地域貢献が求められている時代であります。そういう意識,経験のある学生が望ましいという発想であります。ボランティア活動の経験を新規採用の基本に加えることについての御所見を,知事と教育長にお伺いをしたいと思います。  次は,景気対策についてであります。景気対策について知事にお伺いをいたします。  第1には,景気浮揚対策に640億円を計上し,知事は景気浮揚に特に配慮したと提案されております。私どもも期待しておりますが,その効果についての御所見をまず賜りたいと思います。  第2には,今の不況に対して即効性のある景気対策は減税だとして,4兆円以上の所得減税の要求を社,公,民3党で提案をしております。どのようにお考えでしょうか。  第3には,内需拡大対策についてであります。日本人の労働は,ドイツやフランスなどに比べて年間3カ月も長い。7%の賃金引き上げ,年間総労働時間1,800時間の要求実現についての御所見を賜りたいと思います。  第4には,高齢者の就職,人手不足対策として,奈良などで実施しているハローワークペア就職作戦を岡山県で実施するお考えはないかどうか,お伺いをいたします。  第5には,要望の強い,県の自動車,オフィス新時代に向けてのオフィスデスクなどの更新を県内企業製品によってこの際お考えになったらいかがでしょうか,お考えをお聞かせいただきたいと思います。  次は,苫田ダム問題についてであります。苫田ダム問題については,水没される方々の痛みを自分の痛みとして,知事はもとより県議会も挙げて考えなければならない重要な時期に参りました。苫田ダム問題は大きな山場を迎えました。82年以降,水没予定地の事業を認めないという方向をとったため,住民,農民は死活問題だとして激しい闘いが展開されました。93年1月26日にも苫田ダム阻止同盟などからダム建設の即時中止が申し入れられたのであります。85年8月以降は,振興計画という提案もあり,条件闘争へと多くの方が傾きました。あめとむちと呼ばれる激しい渦の中で苫田ダムをめぐる闘争,苦難が続きました。こうしたことを総括していただきながら,知事のお考えをお伺いをしたいと思います。  1つには,過去35年の苫田ダム総括と基本的態度についてお伺いをいたします。ダムの目的が,構想発表以来くるくると変わるという批判があります。この35年のダム問題の総括,ダムの目的について,この際明確にしておいていただきたいと思います。ダム問題は特に法にかない,理にかない,情にかなうものでなければならないと言われております。愛情ある対応,冷静な対応が必要であります。県民の皆さんにもよくわかるような御説明を願いたいと思います。  2つには,調整案と町民からの要求受け入れについての問題であります。御努力をいただき,まとめ上げていただいた町地域総合振興計画。10年間で約1,370億円の調整案について,理解と御協力をいただくための対応と執行体制,基本姿勢についてお伺いをいたします。なおこの際,町民からの要望を前向きに受け入れられるべきだと思います。  3つには,調整案にある観光商工対策費約400億円はバブルの崩壊で計画が失速しないか,御所見を賜りたいと思います。  4つには,誠意と積極さが大切であります。知事を初め幹部総勢が早急に出かけていかなければなりません。町民の皆さんと話し合う機会を早急につくっていただきたい。知事の御所見を,御決意をお伺いをしたいと思います。  次は,新県立図書館問題についてであります。新県立図書館の建設問題についてはいろいろと御苦労をいただいています。すばらしい図書館づくりは県民の長年にわたる夢であります。図書館建設をめぐって,岡山県はどうしてこんなにも論争しなければならないのか,どうなっているんだ,難しいところだなあという多くの声を聞きます。そこで,この際改めて,すばらしい県立図書館建設についての決意をお伺いをいたします。知事にお伺いをしたいと思います。  第1には,総事業費についてでありますが,当初予定約80億円が170億円と2倍以上に増額されました。県立図書館と文書館計画ということもありますが,総事業費170億円についての御所見を賜りたい。93年春の開館予定が97年秋開館予定と,4年6カ月もおくれたことへの御感想をお聞かせ願いたいと思います。  あわせて,この場所にこだわるメリット,理由は何か。建物が複雑で使いにくい,安全性に大きな不安があるとの指摘がなされています。旧日銀の原形保存は意義はありますが,将来図書館として原形保存が重荷にはならないかどうか,将来展望についての御所見をあわせてお伺いをしたいと思います。  第2には,駐車場82台の計画は不十分であります。場所が場所だけにいろいろなトラブルが起こるのではないかと心配しております。この周辺への将来の地下駐車場建設計画があればお聞かせ願いたいと思います。  次は,教育長にお伺いをいたします。  1つには,教育界の責任者として,良心に従って170億円からの投資をするわけですから,この場所で,この内容で本当によかったと確信を持って言えますか,明確にお答えいただきたいと思います。  2つには,各方面,県民からの要望を入れて設計見直しを行ってきたということでありますが,その主なものをわかりやすくこの際説明していただきたいと思います。実施設計発注前に建設見直しの要望を受け,直せる部分は直したいと言っておいでですが,時期はいつごろまでですか。見直し意見の取り入れについての御決意をお聞かせ願いたいと思います。  次は,倉敷芸術科学大学への助成問題についてであります。学校法人加計学園が岡山で果たしている役割の大きさや,私学での輝かしい30年間の頑張りには,日ごろから心からの感謝をしています。さて,このたび本陣山ゴルフ場スキャンダルなど県政始まって以来の大変な時期にまことに唐突な提案があり,正直戸惑っています。95年春,倉敷市に開学予定の倉敷芸術科学大学(仮称)への推薦枠確保を条件に県が設置補助30億円を助成する問題について,知事並びに教育長にお伺いをいたします。  第1には,この助成が結果的に若者を甘やかせることにはなりませんか,お伺いをいたします。最近の若者はあきらめが早く,老化しているのではないかとよく言われております。鍛え直さなければならないとよく言われております。知事,あなたが若者の立場になって考えてください。吉備高原学園高校の建学の精神は評価しますが,大学はそれなりの決意で行くところであります。既存の教育についていけない高校生の受け皿を用意しますと言われたらどうでしょうか。情けないと思います。人間,甘やかしてはよいことにはなりません。また,作陽音楽大学は津山市から倉敷市へ,特にかわいい倉敷市へ,さらに重ねて30億円となれば,人の道にはほど遠いということがあります。県民の大方の気持ちについて知事はどのように見ておいででしょうか,御所見を賜りたいと思います。この助成が若者を甘やかせる心配の種にならないか。教育は意欲なり。教育長にお答えいただきたいと思います。  第2には,大学の公共性ということについて御説明いただきたいと思います。大学の公共性ある教育方針を評価し,助成するということですが,他大学から同種の要求が出た場合は差別なく実施されますか。県民にわかりやすい標準助成金額,30億円助成の根拠を示されたい。また,県下他大学との対話,要望,了解はどのようになっているか,御説明願いたいと思います。  第3には,憲法,教育基本法との関係についてお伺いをいたします。教育の機会均等の原則に反するという声があります。吉備高原学園高校はこの大学の予備校になるとの声があります。この問題について知事及び教育長の御所見を賜りたいと思います。  次は,チボリ公園についてであります。チボリ公園について私どもは,地方自治を尊重し,県民市民の合意を得て推進すること,またチボリ公園の経営主体は民間で対応することを基本に,常に前向きに対応してまいりました。あれほど話題になったチボリ公園問題が,さきの倉敷市議会選挙では争点にならずじまいで終わりました。今,チボリ公園問題は前途多難,先行き見えずと言われています。知事にお伺いをいたします。  1つには,チボリ公園の経営主体についてであります。チボリ・ジャパン社と言っても力がありません。中心は松下電器ですか,地元企業ですか。県内のエゴの体制では失敗をします。県外民間大手を基軸とすべきではないかと思います。御所見を賜りたいと思います。  2つには,県の事業へのかかわり方についてお伺いをいたします。チボリ・ジャパン社への県の出資30億円を実施しない場合,民間からの協力は得られませんか。クラボウの経営参加はなぜいただけないのでしょうか。重要な問題ですので明確にしておいていただきたいと思います。  3つには,チボリ公園への県のかかわり方,金の出し方についてお伺いをいたします。92年12月の倉敷市議会で,チボリ周辺整備に今後5年間で県の補助を含め134億円かかるとの試算を示しています。また,駐車場の建設,運営は県開発公社で実施するとしています。チボリ公園への県としての総投資予定額,基本的なかかわり方,加えて採算性の展望についてお聞かせ願いたいと思います。  4つには,倉敷市長は,チボリ公園の経済波及効果は3,000億円から5,000億円になる,雇用効果は一万数千人と述べていますが,少し調子がよすぎるのではないでしょうか。チボリ公園の展望を含めて,お考えをお聞かせ願いたいと思います。  次は,スペイン村計画についてであります。スペイン村計画について知事にお伺いをいたします。玉野市と県主導で,国際交流の拠点に,バルセロナ五輪にあわせて開業をと鳴り物入りで進めてきたスペイン村建設は,開業見通しは立たず,計画そのものが事実上挫折しました。赤信号のスペイン村と伝えられております。長引く不況の中で95年開業を危ぶむ声があります。スペイン村への就職内定取り消しの動きは大問題であり,よろしくありません。県が相当深くかかわってきた事業だけに,イメージ,モラルがよくありません。指導と協議が必要であります。今後の実施計画と展望,前述のような実態についての知事の御所見をこの際賜りたいと思います。  次は,高齢者対策についてであります。岡山県民の意識調査の結果,高齢化社会に暗いイメージの集約となっています。いろいろと努力はしてきていただいておりますが,もう一度原点に返った点検と重点的な対策が必要ではないかと思われます。知事にお伺いをいたします。  その1つは,福祉の基本は健康な老人をたくさんつくることにあると言われております。知事は,現行デイサービスホーム93カ所を将来500ぐらいにふやしたいと言われております。大賛成であります。そのためには年100カ所の増所作戦を立てていただきたいと思います。いかがでしょうか,お伺いをいたします。  2つには,高齢者対策についての第4次総合福祉計画の実施状況を説明されたいと思います。この第4次計画に沿って第2次岡山県地域保健医療計画を策定されましたが,目標期間に向けての財政計画の基本的な考えについてお聞かせ願いたいと思います。  次は,保健所問題についてであります。非常に重要な保健所問題について知事にお伺いをいたします。  第1には,厚生省方針の保健所を抜本改革する方針案と,岡山県の保健所の構想,基本的方向についてお伺いをいたします。厚生省は,保健所など地域の保健サービス体制を抜本的に見直す方針を決めています。現在の852カ所から350カ所程度にしたいとの考えのようです。93年秋ごろまでに岡山県における保健所のあり方について方向決定されるやに聞いております。厚生省の方針,岡山県の基本方向についての連携,対策についてお聞かせ願いたいと思います。  なお,厚生省方針は住民サービス低下が心配されますが,あわせて御所見を賜りたいと思います。  第2には,1994年4月の岡山市への保健所移管問題についてお伺いをいたします。  その1つは,岡山市は市役所南隣に94年着工,96年完成予定,地上9階地下2階建ての新庁舎を計画しております。県職員の派遣等も相当数予想されるわけでありますので,使いやすい新庁舎への注文など,県の対応についてお伺いをいたします。  その2つは,人事異動についてであります。希望尊重,現行労働条件の維持,改善を当然実施すべきでありますが,今後のスケジュール,対応について明らかにしていただきたいと思います。  第3には,倉敷市への政令市移管への見通し,邑久地域保健所の新設構想,津山保健所など古い建物の改築計画など,それぞれ保健所が中核機能を果たすための計画について,この際明らかにしていただきたいと思います。  次は,回収ウラン転換実用化試験についてであります。動燃人形峠事業所が計画している回収ウラン転換実用化試験問題について,知事にお伺いをいたします。私どもの意見を御反映いただき,専門家会議を設置され,しかもその審議を公開の場で進められ,審議の状況を広く県民に明らかにされるなど,県の御努力には敬意を表するものであります。しかし,今専門家会議の提言をもとに,知事がどのような方向を打ち出すのか,県民は大きな関心を持っています。反対の声も踏まえ,徹底した議論と県民合意への努力が必要であります。  1つには,プルトニウムをめぐる世界の動きと,これに逆らう日本の動きについてお伺いをいたします。さきのあかつき丸でのプルトニウム輸送問題で見られたように,我が国のプルトニウム政策に対して世界的な批判が出ています。プルトニウム利用にかかわる世界の動きは,計画中止,凍結の方向を余儀なくされている中での日本の立場,方向について,知事の御所見を賜りたいと思います。  2つには,安全対策についてであります。専門家会議は「動燃の対策が確実に実施されれば安全は確保できる」と提言しております。それでは,動燃の対策が確実に実施される方策について,動燃とどのような問題について協議を進めているのか,基本的な立場とあわせて,この際明確にしておいていただきたいと思います。動燃の監視測定,日常チェック体制だけでは不安であるという声があります。県民が安心できる体制,対策についてのお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。  3つには,動燃の情報公開,回収ウラン転換実用化試験の情報公開,県民の理解と協力体制づくりについてお伺いをいたします。試験が始まると,人形峠事業所は国が進める核燃料サイクルを完結する上で重要な位置を占めることになり,これまでの県の情報公開に対する前向きの姿勢とは反対に,安全のために知らされなければならない情報やチェック体制がおろそかになってしまうのではないかとの心配があるわけであります。安全のための情報公開や安全システムのチェック機能など,具体的な対策,展望をお聞かせいただきたいと思います。  4つには,回収ウラン転換実用化試験の計画を中止してほしいという五十数万人の署名者の声についての知事の御所見を賜りたいと思います。  次は,JR宇野線の高架化問題についてであります。JR宇野線の高架化は岡山の街づくりの基本であります。今年も知事を先頭に全力を挙げていただきましたが,長い懸案のJR宇野線大元駅付近連続立体交差事業が不採択となりました。まことに残念なことであります。JR大元駅周辺の踏切は,朝夕の通勤時間帯に二万数千台の車両が通過,1日173本の列車が通行している。万一の災害,救急車の出動ともなれば一大惨事が危惧されます。そこで知事にお伺いをいたします。  1つには,県の重点要望であるJR宇野線の高架化の事業採択が見送られました。92年9月開通の水島臨海鉄道後には実現できると期待していただけに残念であります。見送られた理由についての御所見を賜りたいと思います。  2つには,1994年の予算要求では何としても実現させなければなりません。そのためには今年6月までに関係者の合意,調整,方向決定に努めなければなりません。実現に向けての知事の指導力を要望いたします。我々も全力を挙げて協力したいと考えております。問題点と今後の取り組みについての御決意をお伺いしたいと思います。  3つには,岡山市への対応,要望,協力についての御所見を賜りたいと思います。  次は,岡山市の操車場跡地問題についてであります。知事にお伺いをいたします。岡山市は旧国鉄岡山操車場跡地に岡山・水と芸術の公園(仮称)を提案し,今大きな話題となっております。この跡地は何としても確保しておかなければなりません。知事は,今進めている岡山市の構想についてどのような御感想をお持ちでしょうか。岡山市長から相談があれば協力していただきたいと思いますが,御所見を賜りたいと思います。  次は,農業問題についてであります。農業問題について知事にお伺いをいたします。  第1には,米の自由化阻止の問題についてであります。我が党の赤松書記長の米関税化発言は言葉足らずで誤解を与えてしまいました。申しわけないと思っております。米市場開放阻止の我が党の方針はいささかも変化がないことをこの際明確に申し上げておきます。赤松書記長も,米市場開放阻止,日本農業再建の闘いの先頭に立つ決意を表明しております。関税化の受け入れは農業,農村の崩壊に拍車がかかり,農業の持つ国土保全,環境維持機能の低下や地域経済に重大な影響を及ぼすことは必至であります。ポストハーベスト農薬などに汚染された食料品が輸入されることにより,人体に極めて有害な食品が食卓に並ぶことが懸念されます。米の完全自給の国会決議を守らなければなりません。今渡辺外務大臣は,米の自由化反対の国会決議をほごにするような発言を繰り返しております。米の自由化阻止についての御所見を賜りたいと思います。  第2には,農業後継者対策についてお伺いをいたします。Uターンあるいは新規参入者の状況はどうなっておりますか。やる気のある人材の確保,就農希望者の掘り起こしについての積極的な決意,方針があればお聞かせ願いたいと思います。  第3には,雄町米の増産対策についてであります。酒米として知られ,評価の高い雄町米の増産体制についていろいろ御努力をいただいております。増産体制へ向けて何かよい知恵を出していただきたいと思います。そのための支援策を講じていただきたいと思います。御所見を賜りたいと思います。  次は,業者テスト問題について,教育長にお伺いをいたします。  1つには,岡山県における業者テストの実態,現状と総括についてお伺いをいたします。  あわせて,文部省が1月26日にまとめた全国の状況に対する御感想をお聞かせ願いたいと思います。  2つには,業者テスト追放問題についてお伺いをいたします。今重要なことは,業者テストの不使用,偏差値偏重教育の追放や学校週5日制に向けての努力をすることにあります。とはいえ,業者テスト,偏差値偏重の教育の是正は,長年の間にでき上がった進路指導体制の見直しを迫るだけに,現場の不安や戸惑いがあります。文部省の通知をめぐっても県教委は「業者テストを当面採用する」から「業者テスト排除」と建前と本音が揺れ動いております。こうした現状をとらえての今後の基本方向,具体的対応について考えを明確にしていただきたいと思います。  3つには,重大な問題だけに,この際思い切った予算計上をし,人事体制を確立をし,保護者を初めとし,広く関係者を集めた業者テスト対策会議(仮称)を計画されたらいかがかと思いますが,御所見を賜りたいと思います。  最後は,警察関係についてであります。  まず初めに,岡山西署問題について知事にお伺いをいたします。  1つには,現在地でとの地元の熱い要望がありましたが,移転新築の方向となりました。今県警と県民の関係は非常によい関係にあります。岡山新西署建設は,県下最大の警察にふさわしい,イメージを一新する,新しい時代に対応した建物とされたいと思います。知事の御感想,御所見があればお聞かせ願いたいと思います。  2つには,跡地活用問題でありますが,知事からは地元の心強い理解,協力に対して何とかこたえてやろうと大変気を使っていただいております。地元関係者から新しい要望も出るのではとも思いますが,この際知事のよいお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。  次は,暴力団追放と車庫とばし問題について,県警本部長にお伺いをいたします。  1つには,暴力団追放は岡山県政の柱であります。暴力団追放についての関係者の御努力に感謝を申し上げます。頑張っていただきたいと思います。最近の悪質な暴力団絡みの事件,利権に群がる業者,政治家と暴力団の影など,一連の特徴的な事件取り締まりの状況,暴力団の資金封じ込め対策などの御苦労話,成果を上げている事件について,県民にPRするお気持ちで御報告いただけたらと思います。最近の事件に対する本部長の御感想と御決意をあわせてお聞かせ願えたらと思います。  2つには,車庫とばし事件についてお伺いをいたします。門木県議や全国最大の暴力団山口組系の池田,大石組への高級乗用車の無償提供と102台分の車庫とばし,不正登記で大武興産社長らが逮捕されました。大武興産と暴力団との癒着,暴力団の資金源利用の有無,門木県議との三角関係はなかったのかどうかなど,疑惑にメスを入れていただいている状況について御説明をいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  高原議員の社会党・県民会議の代表質問にお答えを申し上げます。 県政の緊急課題についてということで,政治倫理等の問題についてお話がございましたが,本陣山ゴルフ場開発問題につきましては,現在,議会の特別委員会で真相解明の御努力が鋭意なされておるところでありまして,この調査の経過を見守っておるところでございます。 政治倫理の確立ということにつきましては,さきの12月定例議会でもお答え申し上げましたとおり,政治に携わる者にとりましては清潔な政治の実現が基本の姿勢であり,常にその実現に真剣に取り組んでいくことが必要であると考えておりますので,御了解を願いたいと思います。 それから,本陣山ゴルフ場の開発許可申請書の取り扱いでございますが,現在,本件に関しては警察において捜査が行われておることから審査を中断をしております。今後の本件の取り扱いにつきましては,捜査の結果を見きわめ,事業者の資力,信用の問題も含めて適切な判断を行ってまいりたいと考えます。 それから,癒着はなかったかとのお尋ねでありますが,県議会議員からゴルフ場開発の実現について一定の要望等があったことは確認をいたしておりますが,これによりまして,特定のゴルフ場の開発のために審査の厳正さ,行政の公正さが損なわれるようなことはなかったと確信をいたしております。 それから,開発許可手続の棚上げと計画中止の決断をとのことでございますが,先ほども申し上げましたとおりでありまして,警察当局による捜査が進められておりますから,その結果を見きわめまして適切な判断をいたしてまいりたいと考えております。 それから,ゴルフ場を初めとする各種の開発につきましては,関係法令に基づきまして適正な開発が行われるように県として努力をしてきたところでございますが,ごく一部ではありますが違法開発が行われておりますことはまことに遺憾のきわみでございまして,これらに対しましては復旧命令等の必要な措置を指示しております。今後,このような事態が起きないように,市町村や関係機関とも連携をとりながら,総力を挙げて違法開発の未然防止に努めますことはもとよりでございますが,悪質な違反事例に対しましては刑事告発を含めた法的措置をとるなど,関係法令の厳正な運用に努めてまいりたいと考えます。 それから,ラ・レインボーカントリー倶楽部の保安林の無断転用につきましては,去る2月4日付で復旧命令を行い,確実に実施するように指示しておるところでございます。 また,山崩れにつきましては,現在日本ゴルフ開発株式会社が所有地内の復旧に取りかかっておりまして,早期に完了するように,岡山市と密接な連携をとり十分指導してまいりたいと思います。 それから,金甲山での不法投棄の問題でありますが,この件につきましては,違法行為の発見後,直ちに森林法に基づき行為を中止させ,投棄物の内容を調査いたしましたところ,産業廃棄物は含まれておらず,建設残土の投棄であることが確認されたことから,去る12月14日付で復旧命令を行いまして,確実に実施するように指示をいたしておるところであります。 金甲山ミニゴルフ場につきましては,都市計画法の開発許可を受けていないので,現在岡山市が使用を中止させておりますが,今後,岡山市が適切に対応するように指導,助言をしてまいりたいと考えます。 それから,原状回復命令の方針についてでありますが,違反行為を発見した場合には早急に復旧命令など必要な法的措置を講ずることにいたしておりますが,また復旧に際しましては,速やかに森林機能が回復するように,現地に適した樹木の植栽,あるいは種子の吹きつけ,土砂の流出防止施設などを設置することにいたしております。特に公益的な機能の高い保安林の復元に際しましては,おおむね3メートル以上の高木苗木を1ヘクタール当たり3,300本以上植えることにいたしております。違法行為に対しましては徹底した指示を行いまして,県土の保全に努め,決してやり得にならないように厳正に対処してまいりたいと考えます。 それから,監視体制の確立の問題でありますが,県土の無秩序な開発を防止いたしますために,関係法令の適正な運用等によりまして開発が適正に行われますように努めてまいりましたが,最近,こうした法令に違反した開発がありましたことはまことに遺憾なことでありまして,今後,このようなことが起きないように,これは特別な予算措置をまつまでもなく,市町村や関係機関との連携をとりながら,違法開発の未然防止に努めてまいります。また,悪質な違反事例に対しましては,先ほども申し上げましたが,刑事告発を含めた法的措置をとることなど,関係法令の厳正な運用に努めてまいりたいのであります。 それから,予算編成の考え方でありますが,21世紀に向けまして,真の豊かさが実感できる郷土づくりを進めるためには,平成5年度におきましては景気対策に特に配慮しながら,道路,下水道,住宅などの一層の整備を図りますとともに,県政の重要課題でありますところの高齢者,障害者等の福祉の充実,快適な生活環境の整備,また均衡のある県土の発展を期しますための交流・拠点施設の適正配置,中山間地域の活性化,農林漁業,商工業の振興などに重点を置きまして予算編成を行ったところであります。 国と地方を通ずる財政環境はまことに厳しいものがありますけれども,これまでも,国の財政上の都合から単に地方財源を圧縮することのないように,地方財政措置の充実強化に対して国に強く働きかけてまいったところであります。このような中で,地方単独事業の地方債の充当率の引き上げによる財源措置の充実,あるいはまた地方交付税の所要額の確保などの措置が講じられたところであります。 財源見通しでありますが,景気の動向に明かりが見えない中で,社会資本の整備や福祉の充実等,今後の多大な財政需要を勘案いたしますと,非常に厳しい財政状況が続くものと考えられます。現時点で,今後の一般会計の伸び率を示すことは難しいわけでありますけれども,この中期財政試算につきましては適時調整を行うとともに,引き続き国に対しまして地方税財源の充実強化を強力に働きかけるなど,財源の確保に最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。 それから,平成5年度の税収につきましては,依然として景気の低迷が続いておりますことから,平成4年度実績の見込み額約1,970億円とほぼ同額,当初予算ベースでは94%を計上したところであります。 県債についてでありますが,5年度におきましては景気対策に特に配慮し,地方財政計画に基づいて地方債を積極的に活用することとしたところであります。県債の発行に当たりましては,交付税の補てん措置のある資金の導入に努めるなど,将来の財政の健全性にも十分配慮いたしますとともに,県債管理基金の活用を図りながら円滑な県債の償還に努めてまいりたいのであります。 繰越対策でありますが,用地買収の難航等に加えまして,国の総合経済対策予算の成立のおくれなどから多額の繰り越し見込みとなっておりますが,本県の12月末の公共事業等の契約額は,平成3年度に比べまして16.7%増の約300億円となっておりまして,かなり景気浮揚の効果を上げておるものと考えております。 予算執行につきましては,今後さらに徹底した進行管理を行いまして,また地元市町村の協力体制,事業の進捗見通しに応じた予算の弾力的な配分,事務委託の推進等を図りまして,予算の早期執行に努めてまいりたいと考えております。 用地買収業務等につきましては,関係者に特殊勤務手当を支給をいたしておりますし,また,業務量に応じた人員配置に努めておりますが,今後とも,民間委託の推進や職員の応援体制などの措置を工夫しながら,職員の負担軽減にも配慮してまいりたいのであります。 次に,人事問題で,副知事問題についてのお尋ねがありましたが,副知事の選任に当たりましては,知事の片腕として県政のトップマネージメントを担う職でありますことから,真に県勢の発展に貢献をする,その職にふさわしい識見を有する方を,これは男女を問わず選任すべきものであると考えておるところでございます。 人員計画の方針でありますが,スクラップ・アンド・ビルドを基本にいたしまして,毎年度予想される事務事業に見合った人員の適正配置に努めております。平成6年度につきましても新たな行政需要を見ながら適正に対処してまいりたいのであります。なお,平成5年度の知事部局の新規採用者は,現在の見込みでは,新設となる県立大学の教職員の増加分を除けば,大学卒約140人,高校卒約20人,現業職約25人の計185人でありまして,退職者数は約140人であります。 それから,職員の採用基準で,これまでも筆記試験の結果のみならず,職員としての能力,適性を的確に評価するという観点から,ボランティア活動やクラブ活動など幅広い分野での活動実績も参考にしてきたところでありまして,今後とも,こうした評価を積極的に行いまして,有為な人材の確保に努めてまいりたいのであります。 それから,景気対策でありますが,5年度の予算編成に当たりましては重点課題として取り組むことといたしまして,単県公共事業費の30%増額,道路等生活関連社会資本の一層の整備を図る,また,そのほかに中小企業金融対策の充実や個人住宅新築等に対する低利融資枠の拡大など,大幅な増額を図っておるところでありまして,4年度で取り組んだ景気対策に引き続きまして一層の効果があらわれるものと期待をいたしておるところでございます。 それから,景気対策としての所得税減税についてのお話がございましたが,現在政府予算案の審議の過程でいろいろな議論がなされておるところでありますから,財源や実施方法などの問題も提起されており,今後,国会において審議されるものと考えております。 労働時間の短縮でありますが,年間総労働時間1,800時間達成に向けまして,労働基準法改正案を今国会に政府は提案をされておるところであります。また,今春闘におきましては,賃金の引き上げとともに労働時間の短縮が要求されておりまして,今後の交渉に期待をいたしております。県としては,今後とも,豊かでゆとりのある県民生活の実現に向けまして,労働時間短縮の啓発を引き続きいたしてまいりたいのであります。 それから,ペア就職についてでありますが,これは高齢者が2人で1人分の仕事をこなす就労形態でありまして,高齢者にとって体力,勤務時間に無理がなく,また長年培ったキャリアも活用できるなどの利点が多いと考えられます。本県では,従来からキャリア活用会社の設立促進などに努めてまいりましたが,ペア就職につきましても検討をしてまいりたいと考えます。 県内企業製品の利用ということでございますが,従来から,庁用自動車――過去3カ年の平均が83%であります。電気製品,事務用品等の購入に当たりましては特に配慮してきたところであります。今後とも,県内産品の受注の機会の増大に努めてまいりたいと考えます。 苫田ダム問題の総括ということでございますが,苫田ダムは治水利水の両面から県政百年の大計として欠くことのできないものでありまして,21世紀を支える岡山県の基盤施設としてぜひとも実現しなければならないものと考えておるところでありますので,御了解を賜りたいと思います。 今回の調整案は,奥津町が町議会及び町民の意向を踏まえて作成した地域総合振興計画(案)をもとに,建設省,県,奥津町の三者で構成する行政連絡協議会で,今後10年間で実施すべき事業を取りまとめたものでありまして,これらの調整過程から見て,地元住民の意見は十分反映されておるものと考えております。また,今後,調整案についての関係機関の了解が得られた段階で,国土庁を窓口に関係省庁との協議を初め水源地域対策特別措置法に基づく地域指定等の所定の手続を行いますとともに,執行体制の整備等事業化に向けまして努力をしてまいりたいと考えます。 それから,苫田ダム関係の観光商工対策につきましては,奥津町の振興のために必要なものでありますし,かつ実現の可能性が高いということで調整案に盛り込まれたものでありまして,県としては,建設省を初め関係者と緊密な連携を図りながら,その実現に向けて指導,助言してまいりたいと考えます。 それから,町民との対話についてでありますが,これまでも,関係住民の方々の理解が得られますようにさまざまな形の対話に努めてきたところでありますが,今後とも,建設省や町と一体となりまして一層の努力を重ねていく所存でありますので,御了承を賜りたいと存じます。 次に,新県立図書館,文書館でありますが,総事業費が当初計画に比べまして相当増額になりました。これは,大正期を代表する洋風建築である旧日銀本館を現在地で保存し,有効に活用することにしたこと,また地下の有効利用など,建築延べ面積の大幅な増大などによるものであります。計画がまとまりますのに大変長くかかりましたが,先般基本設計ができ上がりましたので,今後は早期に開館ができるように努めてまいりたいと考えております。 建設地は,岡山市の中心部に位置し,公共交通機関の便にも恵まれており,他の公共施設,文化施設との関連や図書館の機能性などを総合的に判断をいたしまして,適地と決定をしたものであります。旧日銀本館は文化遺産としての価値も高く,そのよさを生かしながら県立図書館の新しい空間として調和のとれた利用が図られるものと思っております。 また,駐車場につきましては,公共交通機関の便に恵まれておりますので,計画台数で一応対応できるものと考えております。 それから,倉敷芸術科学大学への助成でありますが,吉備高原学園高等学校は,既存の学校になじめない生徒や特定の技能などの習得意欲を持つ生徒を受け入れまして,全寮制を通じて成果を上げつつあるところでございますが,現在の偏差値中心の大学入試制度のもとでは,進学の熱意がありましても事実上進学が困難でありますことから,この新しい全人教育の試みを全うさせるためには,さらにもうワンステップ高等教育を受ける機会を開くことがぜひとも必要であるという考えに基づいたものでございます。したがいまして,推薦に当たりましては,大学で能力をさらに高める可能性と意欲のある生徒を対象とするものでありまして,御指摘の甘やかしに通ずるものではないと考えております。また,この助成はあくまでも大学の教育方針に対して行うものでありまして,その大学がたまたま倉敷市へ新設されるということでありますので,御理解を賜りたいと思うのであります。 それから,30億円の根拠につきましては,推薦枠が入学定員予定数のおおむね3分の1でありますこと,また他県における大学誘致の際の助成例,あるいは新設大学の建設費等を総合的に検討して決定したものであります。 なお,この件につきまして,他大学とは特段のお話はしておりません。また,目下他の大学から類似の話は聞いておりませんが,もし同様の趣旨のお話があれば,その時点でケース・バイ・ケースで判断してまいりたいと考えます。 教育の機会均等の原則に反するのではないかという御指摘ですが,今回の助成は,以上申し上げましたように,既存の学校になじめない生徒などを対象にした新たな教育上の試みを支援しようとするものでありまして,むしろ,そのような生徒に対しまして実質的に教育の機会を開こうとするものであると考えておりますので,御理解を賜りたいと思うのであります。 それから,チボリ公園でありますが,経営主体に関しまして県外の民間大手を基軸とすべきではないかというお話でございますが,県議会の御理解を得まして,今回の事業計画の概案をもとに,県内外の企業にチボリ公園の意義,内容,魅力や,また県の支援内容について説明しながら協力要請を行っていきたいと考えておりますが,その中で御指南のような方策も検討しながら事業主体の体制の確立を図りたいと考えております。 民間協力に関し県出資についてのお尋ねがございましたが,事業の採算性の観点からできるだけ有利な資金を確保することを基本といたしまして,資本金につきましては,全体で100億円程度の増資を予定しておりますが,その中で事業の公共的な性格を確保する見地から,また民間からどの程度調達可能かを検討して,県としては新たに30億円の出資を予定しておるものでありまして,また県の熱意を示すことが県内外の企業の協力を得る上でも必要と考えておるのであります。 また,クラボウについてでありますが,クラボウは,今のところは地主としての立場にとどまりたいというような意向と聞いております。 県のかかわり方についてでありますが,今回の案につきましては,チボリ公園の公共的性格や採算性確保等の観点から,30億円の出資のほかに事業資金の一部の低利融資,用地の借用やNTT資金の借り入れに当たっての損失補償等を予定しておるところでありまして,このような支援協力の範囲で公園の建設,運営が行われますように,事業主体の体制の確立を図っていきたいと考えております。 また,採算性の見通しにつきましては,こうした県の措置を前提にすれば事業の円滑な運営が確保されるものと考えておりまして,試算では,開業後5年目で経常黒字に転じ,同18年目で累積損失一掃可能と試算をいたしておるところであります。 駐車場につきましては,岡山県開発公社において建設,運営する方向で検討が進められております。 なお,かねてから倉敷駅北の再開発に伴いまして整備を進めておりますところの昭和宮前線の事業は約81億円,うち県費約32億円を見込んでおります。 チボリ公園の波及効果につきましては,今回の概案では,総投資額440億円程度を予定しますとともに,県内外から300万人程度の集客を見込んでおりまして,建設投資や来園者の消費等によりまして相当大きな経済波及効果が見込まれますけれども,具体的な予測につきましては,今後の事業計画づくりと並行しまして推計作業を行いたいと考えております。 また,この効果が最大限に生かされますように,チボリ公園を核としまして瀬戸大橋,倉敷美観地区,後楽園,スペイン村,蒜山美作リゾートなど,県内主要拠点を有機的に結ぶ観光ネットワークの構築等についても検討してまいりたいと考えております。 それから,スペイン村計画でありますが,事業の着手がおくれることになりまして,また,それに対応する体制とするために体制の縮小が図られたわけでありますけれども,このような措置がとられることは事業を着実に進めるためにやむを得ないものと考えておりますが,内定取り消しまでに至ったことはまことに残念だと思っております。県としては,これまで2億円の出資を初めとして,積極的な数々の協力を行ってきておりますが,今後におきましては,地元玉野市との連携を密にしながら,現在株式会社スペイン村で行っております入場者数や事業規模など実施計画の見直し作業がなされ,計画が実現に向かって早期に動き出せるように,可能な限り協力を行ってまいりたいと考えております。 高齢者対策でありますが,デイサービスホームの整備につきましては,将来的には小学校区に1カ所程度,つまり約500カ所を目標に,また具体的には設置者である市町村と協議しながら計画的に整備を進めてまいりたいのであります。 福祉計画の実施状況ということでございますが,高齢者対策としては,在宅福祉や施設福祉の充実など公的サービスの拡充とあわせまして,元気な高齢者の生きがいと健康づくり,社会参加活動や就労対策など,幅広い事業の推進に努めておるところでありまして,特に地域ぐるみで高齢者を支える福祉のむらづくり事業への積極的な取り組みなど,今後,県,市町村,民間団体,さらには県民1人1人がその役割分担と連携のもとに,計画目標の完全達成に向けて努めてまいりたいと考えております。 第2次岡山県地域保健医療計画ですが,これは第4次総合福祉計画の部門別計画の性格を有するものでありますとともに,医療法に基づきまして健康づくりの推進や医療体制の整備等について具体的な目標を掲げておるものであります。この計画の実施に当たりましては,事業の着実な実現が図られますように,財政的にも適切に対応してまいりたいのであります。 保健所改革に関する厚生省と県の方針についてでありますが,厚生省におきましては,人口の高齢化等に対応しますとともに,生活大国にふさわしい保健サービスを提供する観点から,サービス提供の主体を市町村に移管するということや,新しい時代の保健所のあり方,保健と医療,福祉との連携の強化策などをめぐって議論がなされておると聞いております。岡山県におきましても,高齢化等の状況の変化や国の動向等を踏まえまして,住民サービスを低下させないことを基本に据えまして,保健所業務や体制のあり方を平成6年4月を目途に見直しを行いたいと考えております。 保健所の岡山市への移管についてでありますが,岡山市で新庁舎が建設されることになっておるようでありますが,市としても保健所機能等については十分研究がなされておるところでありますし,適切に対応されるものと思っております。また,円滑な保健所移管のためには,県職員の身分移管や派遣による人的な支援も必要であると考えておりまして,その前提となる職種や人数や条件等についてできるだけ早い時期に煮詰めてまいりたいのであります。身分移管または派遣に当たりましては,職員の意向を尊重するとともに,勤務条件等については現行水準を下回らないように配慮してまいりたいと考えております。 倉敷市への移管見通しについてでありますが,その後の進展は見られませんけれども,引き続き働きかけてまいりたいのであります。 保健所の整備計画でありますが,邑久町に設置する施設につきましては,平成5年度中に整備を図りますとともに,老朽化の著しい津山保健所につきましても5年度に改修を予定をしております。その他の保健所につきましても,保健所の業務及び体制のあり方を見直す中で,必要に応じて施設や設備についても計画的に整備してまいりたいと考えております。 原子力政策についてでありますが,昭和62年6月に原子力開発利用長期計画を国としては策定をいたしまして,その中でウラン資源に乏しい我が国の現状から,ウランの有効利用を推進するために核燃料サイクルを確立をし,その計画に沿って使用済み燃料の再処理等を行っておると承知をいたしております。 動燃の対策でありますが,現在安全対策が確実に実施される方策について,運転要員の訓練の充実,排気,排水処理施設の機能維持に係る検査結果の確認,受け入れる回収ウランの分析結果の報告など,7項目の同意条件を動燃に提示をいたしまして協議を進めておるところでございます。 安全のための情報公開と安全システムのチェック機能等についてでありますが,回収ウランの分析結果の報告や分析過程における第三者機関の関与,排気,排水処理施設の機能維持に係る検査結果の確認など,情報の公開とチェック機能の強化を動燃と協議中であります。 計画中止の署名については,もちろん真摯に受けとめておりまして,したがって審査に当たりましては,県民の安全と生活環境の保全を最優先する立場で,広く国際的に受け入れられている知見をもとに,内外の権威者で構成する環境放射線専門家会議を8回にわたり開催するなどいたしまして,時間をかけて慎重に実施してきたところでありますので,御理解をいただきたいと思うのであります。 それから,JR宇野線の高架化の問題でありますが,大元駅付近の連続立体交差事業が見送られました理由と問題点につきましては,高架事業の要件となっていた岡山市が実施する大元駅周辺の区画整理事業などの地元調整が進展をしていなかったこと,また従来は,将来の複線化を踏まえた単線高架化の事業採択を建設省に要求してきたところでありますけれども,岡山駅から茶屋町駅間の複線化問題が取り上げられたことに伴いまして,複線化を前提とした高架化事業の費用負担についての調整が必要となりましたが,この費用負担問題について関係者間の調整が難航いたしまして合意が得られなかったことから,採択が見送られたものと考えられます。 今後の取り組みと岡山市への対応でございますが,岡山市が実施する関連の区画整理事業を推進するよう,従来どおり積極的に指導しますとともに,複線化問題の解決に向けまして関係者との調整を図ってまいりたいのであります。また,岡山市に対しましては,地元市としての積極的な対応を求めてまいりたいと考えております。 それから,岡山市の操車場跡地問題でありますが,市が提案しておりますところの岡山・水と芸術の公園と西部副都心整備構想案につきましては,西部地区への都市機能の集積を促進する一つの方法であるとは考えられますけれども,現在岡山市において原案の検討がなされておるところでありまして,今後,岡山市から具体的な協議がなされた段階で県としても適切に対応してまいりたいと考えております。 米の輸入自由化についてでありますが,米は国民の主食であり,農業の基幹作物でありますことから,農家に与える影響も大きく,しかも国土や環境保全など多様な機能を有する水田を守る上からも,米の輸入自由化は回避すべきであると考えまして,国に対しまして再三にわたり強く要請してきたところでありまして,この考え方を堅持してまいりたいと考えております。 農業後継者対策でありますが,平成3年度の新規就農者55名のうちで34名,全体の62%が他産業からのUターンと非農家からの新規参入者であります。こうした中で,本県では,平成3年度から新規就農者の相談窓口を設置をいたしまして積極的な確保対策に努めておりますが,さらに新年度から農業体験や技術研修,農地や住宅,資金面での支援など,地域ぐるみで就農促進の強化を図り,意欲的な人材の確保に努めてまいりたいのであります。 雄町米でありますが,昭和63年度から生産振興に力を入れてまいりました結果,本年度その作付面積が267ヘクタールにまで増加いたしました。さらに,新年度から,倒伏防止につながる珪酸資材や初期の生育を助長するポット苗用の田植え機への助成を初め,推進リーダー研修会の開催,栽培技術マニュアル,実証展示圃を活用した指導などを行いまして,新たな雄町米生産団地の育成に取り組んでおります。平成8年には450ヘクタールに拡大するということを目標に生産振興を図ってまいりたいと考えております。 最後に,岡山西署についてでありますけれども,お話がありましたが,職員数や事件取扱件数,いずれも県下最大規模の警察署でありますが,建築後26年を経過しておりまして,かねてから移転を検討しておりましたが,このほど岡山市野殿東町で用地取得の見通しがつきましたので,平成5年度は当面地質調査,あるいは建物の基本設計を行うことにしておりますが,今後,専門家や関係者の意見を聞きながら,西署の果たす役割にふさわしいものになるように努めてまいりたいと考えております。 それから,跡地活用でありますが,敷地3,884平米のうちで約半分を岡山市から借りているところでありまして,立地条件等を総合的に勘案して,市民県民に喜んでいただけるような利用が図れますように市と十分協議してまいりたいと考えておりますので,御了解を賜りたいと思います。 以上であります。 ◎教育長(竹内康夫君)  高原議員の社会党・県民会議の代表質問にお答えをいたします。  まず,採用の選考基準についてでございますが,教員採用選考試験におきましては,教員としてふさわしい資質,能力を備えたすぐれた人材を確保するために,筆記試験,それから面接,実技試験など実施をして,人物,それから在学中の成績,健康などに関する資料により総合的に選考をしてきたところでございます。御指摘のボランティア活動の経験は,教員の資質にとって有益であると,このように考えておりますので,今後,選考資料として活用してまいりたいと,このように思います。  次に,新県立図書館についてでございますが,建設地は,岡山市の中心部に位置し,交通至便で利用しやすく,貴重な文化遺産であります旧日銀本館のよさを生かしながら,県民の新しい文化創造の拠点として,21世紀を展望した立派な図書館ができると,このように確信をしております。  基本設計に当たりましては,各方面の御意見や御要望を参考にして,蔵書スペースの拡大,低層階への開架閲覧室の設置,児童コーナーの設置,エレベーターの増設や駐車場の拡大などを図ってきたところでございまして,今年度いっぱいはよい御意見があればお伺いをし,来年度早々に実施設計にかかりたいと,このように考えております。  次に,倉敷芸術科学大学への助成が結果的に若者を甘やかせると,そういうことにならないかとの御指摘でございますが,この大学は一芸に秀でた者,あるいはその可能性のある者に道を開くなど,個々の多様な才能を評価すると,こういう新しい学力観に基づく入試を目指していると,このように聞いておりまして,意欲のある者に大学教育の機会を与えるものと理解をしているところでございます。  次に,教育の機会均等についてお話がございましたが,私学ではこうした推薦枠を設ける例もございますし,また今も申し上げましたように,この大学の推薦入試制度は,単に学力でははかれない隠れた才能を持つ者に対して大学への進学の道を開くものでございまして,新しい入学選抜のあり方として期待をしておるところでございます。  最後に,業者テスト問題についてでございますが,本県におきます中学校の業者テストの状況は,年平均,1年生が2回,2年生が3回,3年生が5回程度で,すべての学校で授業時間中に実施をし,学力水準の把握や志望校選択の目安として利用されております。全国の多くの県におきましてもほぼ同じような状況でございます。本県におきましては,業者テストの結果を用いた入学者選抜は行われておりませず,他県と比べまして突出した状況ではなかったと,このように思っております。  業者テストに関しましては,これまでにもお答えをいたしましたように,文部省の通知を尊重し対処してまいりたいと考えておるところでございます。そのためには,中学校における進路指導体制の一層の充実を図ったり,生徒や保護者の不安を解消したりする必要がございますので,当面1学期間は自粛させ,その間に市町村教育委員会や中学校の校長会などと具体的な対応などについて協議をしてまいりたいと考えております。  お話の対策会議につきましては,現在のところ考えておりませんので,御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  高原議員の日本社会党・県民会議の代表質問にお答えいたします。  まず,本陣山ゴルフ場開発をめぐる問題についてでございますけれども,これにつきましては,ゴルフ場開発会社の社長などを贈賄の申込容疑で逮捕するなどいたしまして,現在鋭意捜査を進めている最中でございます。したがいまして,具体的内容についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。  いずれにいたしましても,警察といたしましては,事案の全容解明に引き続き努めまして,万一刑罰法令に触れる事実がありました場合には,これを決して看過することなく,法に照らして厳正に対処してまいりたいと考えているところでございます。  次に,最近の暴力団事件に対する感想なり決意なりについてでございますけれども,暴力団対策法が施行されてからちょうど1年を迎えたわけでございますけれども,この間,各種法令を駆使しまして,暴力団員619名を検挙し,けん銃23丁を押収し,7件の中止命令を発出したところでございます。また,最近では,金甲山無許可開発事件や車庫とばし事件などを検挙して,暴力団の資金源にもかなりのダメージを与えたところでございます。しかしながら,暴力団の壊滅はこれからがまさに正念場と考えておりまして,私どもといたしましては,引き続き暴力団あるいは暴力団と関係のある者は絶対に許さないとの信念のもとに,組員の徹底検挙と暴力団の資金源枯渇対策を今後さらに強力に進めてまいりたいと考えているところでございます。  最後に,車庫とばし事件についてでございますけれども,この問題につきましても,会社社長など4名を逮捕するなど,現在鋭意捜査を進めている最中でございます。したがいまして,具体的な捜査内容についての答弁は差し控えさせていただきたいと思いますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆21番(元原敏治君)  公明党を代表いたしまして,当面する県政の課題についてお伺いをいたします。  重複する点も多々あるかと思いますが,よろしくお願いを申し上げます。  円高は日々高進を続け,これが不況に一段と追い打ちをかけ,景気好転への見通しはますます遠くに逃げていくような情勢であります。これを裏づけるように,日本を代表する企業が経営合理化案を,あるいは経営陣の交代を打ち出すなど,日本の経済の深刻さを物語っております。  県内にあっても,バブル崩壊後,景気の低迷は依然として尾を引き,立ち直りのきっかけさえ見えず,企業にあっては春の新規採用の差し控えが相次ぐなど,後遺症はまことに深刻なものとなっております。  その端的な現象として,まず歳入面においては,県税のうち法人関係税など前年を大幅に下回っていることが予測され,地方交付税にあっても厳しい事態が想定されているのであります。反面,歳出においては歳入のいかんにかかわらず,高齢化社会への対応や環境の保全,福祉の充実など,諸施策の重点的な推進が待たれており,財政収支は未曾有の厳しい局面に直面していると言わざるを得ないと思うのであります。  こうした状況の中,本県の一般会計の伸びは国の0.2%を上回る4.3%であり,施策面では昨年秋の知事の選挙公約でもあった景気浮揚や福祉の充実,農業振興などを柱として新規事業も盛り込まれ,その積極姿勢は評価されるのであります。こうした現況を踏まえながら,財政問題に関する具体的な質問に入らせていただきます。  その1は,新年度の税収見通しについてであります。この一,二年の間に,県下においては大型倒産が相次ぎ,県税,法人税等の収支見込みは極めて不透明な要素に彩られていると想定するのでありますが,知事は今後の経済動向並びに新年度の税収見通しについてはどのように観測を立てておられるのか,お伺いをいたします。  次に,こうした複合不況を乗り切るためには,行財政体制の効率的な運用を図り,組織や機構の合理化,事務委託事業の推進など積極的に取り組むことが必要と考えますが,行財政改革にどう取り組まれようとしているのか,お尋ねをいたします。  第3点は,第4次総合福祉計画の推進についてであります。厳しい財政事情の中にあっても,21世紀の岡山県づくりに向けた基盤整備の歩みを緩めることはできません。総合福祉計画もいよいよ正念場の3年目を迎えるわけでありますが,所期の目標どおり進むのかどうか,あるいは一定のスクラップ・アンド・ビルドの見直しが行われるのかどうか,御所見をお伺いいたします。  次に,チボリ公園についてお伺いをいたします。  クラボウ跡地に場所が決まったチボリ公園も,その後,動きがないまま年を越し,チボリ・ジャパン社の資本金もそろそろ底をつき,バブルのはじけた後,一体どのようになるのかといろいろな憶測が飛んでおりましたが,ここに建設に対する構想が発表されたのであります。同構想によれば,入り込み客は大幅に縮小し,300万人ということになっておりますが,倉敷の美観地区への観光客が年間450万人ということを考えれば,ある程度妥当な線ではないかと思われますが,入り込み客について知事の所感を伺いたいのであります。  入り込み客が減少すれば,入場料を高くしなければならないと思いますが,大人1人2,000円という金額については,公園の内容から見てどう評価されているのか,率直なお考えを伺いたいのであります。  入園料以外には,乗り物,食事等の出費が当然かかりますが,1人どのくらいを使うと見込み,年間収入はいかほどと見込んでおられるのか,他のテーマパークの例もありましたら,あわせてお伺いをいたします。  さて,チボリ公園に対する総投資額を440億円としておられますが,建設資金310億円,開業前費用130億円の内容について具体的に説明をいただきたいのであります。  懸案の資金調達でありますが,総投資額440億円を賄う内容として,資本金の増額,協賛金,NTT資金,県低利資金,市中借入金等が挙げられております。増資分100億円の内容と今後の調達計画についてお伺いをいたします。  また,協賛金100億円についても,あわせてお伺いいたしますとともに,NTT資金50億円の目途はついているのかどうか。中でも,県低利資金については,内容を詳しく御説明を願いたいのであります。  最後の,市中借入金等については,担保はないのでありますが,借り入れは可能なのかどうか。県も今後のかかわりとして,チボリ・ジャパン社への出資30億円,また低利資金70億円を予定されており,損失補償としてクラボウ側が地代,日本開発銀行がNTT資金50億円を県に要求すると思われるが,これについての見解も伺います。  チボリ公園は平成6年に着工,2年の建設期間が必要で,平成8年開園の予定でありますが,県内に及ぼす波及効果はどのように予測されておられますか。地代についてはどのような考えをお持ちでしょうか,お伺いをいたします。  知事は,常々申されておりましたが,チボリ公園の建設について,県のかかわりとしてあくまでも支援する立場であると言われてきました。しかし,このたびの100億円に及ぶ出資や補償はこの範囲を超え,県が丸抱えのチボリ公園との声もありますが,このような声に対し,県民の納得のいく説明を求めるものであります。  次に,倉敷芸術科学大学(仮称)に対する県費助成についてお伺いをいたします。知事は,提案説明の中で「公私協力方式で設立した吉備高原学園高等学校及び他の県内高等学校の卒業生で,特定の分野において学術,技術の修得が見込まれる者を受け入れ,大学教育を実践しようとしている倉敷芸術科学大学の教育方針を評価し,支援を行う」とのことで,この大学に30億円を平成6年から3年間で助成するとの方針を明らかにされておられます。そこで,この問題につき,数点お伺いをいたします。  まず,県は新規事業に対しては,常に先例がないことを理由に踏み切ることをちゅうちょされてきておりますが,今回の大学への助成は,まさに先例もなく,また倉敷市という一地域の,しかも一私学に対するものであります。このような大学に30億円を助成することに対し,県民は素直に納得することはできないと思うのでありますが,助成に対する明確な理由と30億円の根拠について伺いたいのであります。  また,教育の機会均等の原則から見ても,特定の一大学に助成することは問題があると思われるのでありますが,あわせてお伺いをいたします。  2点目に,知事は大学の「教育方針を評価し」と言われておりますが,このような教育方針あるいは設置計画の概要等はどこに出されているのか。30億円もの助成する事業に何も検討資料がないこと自体異様であります。このような問題は,現在,大学側と文部省で検討中であり,明確なものは出されていないのではないかと思うのでありますが,知事の言われる教育方針について伺います。  3点目は,吉備高原学園高校の卒業生70人,県内高校生70人,計140人の推薦枠を確保するとのことであります。しかし,平成10年には高校生の大学進学は,数字的には最低の時を迎え,大学の学生獲得競争が論議されてくると思うのであります。したがって,このような背景の中で,推薦枠を設ける必要があるのかどうか,疑問の残るところでありますが,お考えを伺います。  本案件については,県民の納得が得られるまで凍結してはいかがかと考えますが,御所見を伺いたいのであります。  次に,ゴルフ場開発をめぐる諸問題についてお伺いをいたします。昨年11月に発覚し,現職県議が関与した本陣山ゴルフ場開発疑惑問題は,地方版佐川事件として県民に大きな衝撃を与えましたが,これを皮切りに,暴力団の絡んだ金甲山ゴルフ場の森林法,都市計画法違反事件,さらには日本ゴルフ開発会社による森林法違反事件など,相次ぐゴルフ場を舞台にした不正摘発事件が世論の非難を買っていることは周知のところであります。リゾート法の成立やバブル経済の相乗効果で,全県内に広がったゴルフ場の開発は,長引く不況とともに大きなひずみを各地で露呈し,今や重大な曲がり角に直面しているのであります。  本陣山ゴルフ場開発問題は,現職県議を巻き込んだ汚職事件に発展する要素をはらんでおり,一方,金甲山ゴルフ場事件はゴルフ場経営で利権を手にしようとした暴力団が深くかかわっていたことが確認されており,前時代的な無許可開発に非難の声が集中しているのであります。さらに,日本ゴルフ開発による保安林をゴルフコースに転用した問題は,利益至上主義の無神経な乱開発事件であり,早急な復旧が待たれるのであります。  こうした開発のツケは,今後も各地で表面化することも予測されますが,従来の安易なゴルフ場開発容認への反省を込めて,環境問題の意識の高まりを背景に,自然と調和した県土の構築を目指しつつ,毅然とした姿勢で臨まれるよう要望し,以下質問に入らせていただきます。  まず,本陣山ゴルフ場問題につきましては,調査特別委員会が設置され,精力的な審議が進められているところであり,敬意を表するものでありますが,いかんせん法の強制力を伴わないために,調査にはみずから限界があることを認めざるを得ないのであります。本件については,事前協議の受け付けから開発許可申請の受理に至るまで,なかんずく総量規制,農振解除,また環境アセスの面において,いわゆる3点セットについて,外部の働きかけによって事が有利に運んだと考えざるを得ない側面があります。知事は外圧に左右されることなく,適正に処置されてきたとの信念については,現在も一点の曇りもないと確信を持っておられるのかどうか,まずお伺いをいたします。  次に,本陣山ゴルフ場の開発審査は現在中断しておりますが,光地所はほかにも違法で反社会的な行為が目立っており,この際,審査については白紙撤回されるべきだと思いますが,御所見をお伺いいたします。  第3に,こうしたゴルフ場開発には県や地元の自治体がいろんな権限を持っており,そこにはボスが横行し,利権が絡んで汚職の温床になりやすい体質があります。加えて,動物愛護や自然保護運動の高まりは活発化しており,今こそゴルフ場開発の凍結を宣言するときだと思いますが,知事のお考えをお伺いをいたします。  ゴルフ場開発問題の最後に,警察本部長にお伺いをいたします。本陣山ゴルフ場開発疑惑に関しては,1,000点以上と言われる物件を押収され,鋭意調査も進んでいることと思いますが,刑罰法令に触れる内容のものがあるのかどうか。一定の結論が出る時期をいつごろと見込んでおられるのか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,苫田ダムに関連した奥津町地域総合振興計画(案)についてであります。奥津町から示された振興計画をベースに,建設省,県,町の三者で構成する行政連絡協議会で調整が進められ,その結果,事業数は306に,事業費として1,370億円,今後10年の歳月をかけて進められる調整案が発表されました。現在,県議会,町議会,下流受益市町に対しその意見が求められ,再調整後,3月末の合意を目指し鋭意作業が進められているところでありますが,以下数点にわたりお伺いをいたします。  昭和32年にダム建設構想が発表されてから実に35年,住民はダム建設に容認と反対に揺れ動いたわけであります。この間,住民の町外移転は過疎に拍車をかけ,基幹産業の農林業は停滞し,観光名所である奥津温泉への客は遠のくなど,今さらのようにずっしりとその時間の重みを実感するのであります。そこで,本計画が真に地場産業や観光の振興につながる実効性あるものになるのかどうか。また,計画の早期実現を望む地元の期待感も大きいのでありますが,地元住民の意思は十二分に尊重されているのかどうか,御所見を伺いたいのであります。  2点目は,本計画を平成6年度から実施するとなれば,今年の政府予算案の概算要求時までに国との協議を進める必要があります。そのためには,本計画のすべての合意は3月末がタイムリミットであります。建設省,県,町の連携は今まで以上に緊密に,またそれぞれの深い相互理解の上に調整されるべきものと思いますが,見通しはどのようにつけておられるのか,お伺いをいたします。  3点目は,今後各種事業の具体化に伴い,事業主体や事業費及び分担などが明確化されると思います。そこで,ダム関連事業の採択をふやすことや,水特法の対象として,でき得る限り多くの事業採択を図ることなど,事業推進に対する一層の努力と決意が望まれますが,どのようになさるのか,お伺いをいたします。  次は,いわゆるMRSAによる院内感染についてであります。このたび,千葉県内の老人病院で半年間の入院患者のうち109人がMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に感染し,20人が死亡していたというショッキングな事実が明らかになりました。原因となったMRSAは,ここ数年,全国に急激に広がり始めた毒性の強い細菌で,感染による死亡例が次第に明らかになってきており,中には訴訟にまで発展してきている例もあるようであります。病気を治すために入ったはずの病院で病気になって死んでいく,こんな恐ろしい事態が現実に起こっているのであります。このMRSAについては,決して新しい問題ではなく,欧米では既に60年代から問題視され,70年代には本格的な対策が講じられ始めたと言われております。それに対し,日本の厚生省や医療機関は何ら対策を講じることなく,最近になって遺族が医療機関を相手どり,裁判所に提訴する事態になって,ようやく重い腰を上げ始めたようであります。しかし,その中身は,感染防止に関する教育研修の充実など表面的なものにとどまっており,抜本的な対策にはほど遠いものであります。このような行政指導のおくれは,医療機関以外の老人ホームなどの施設でも感染による死亡者が出るまでに拡大してきているのであります。そこで,数点にわたりお尋ねをいたします。  1点は,県下の医療機関におけるMRSAの検出率並びに院内感染対策委員会の設置状況についてであります。特に,前者については,厚生省の資料によると,黄色ブドウ球菌の中においてかなり高い割合でMRSAが検出されているのでありますが,県下の実態をどのように把握されているのか,お伺いをいたします。  実例の報告がないということが必ずしも感染例がないということにはならないのでありますので,正確な実態の把握が必要と思うのでありますが,あわせて知事の御所見を伺います。  2点目は,感染の防止対策でありますが,実効ある対策が果たして行われているのか,具体的にお伺いをいたします。  今回,厚生省から出された資料を見ますと,医療機関ならば当然行っていなければならないことが行われていない,このようなことが指摘されているように思われるのであります。果たして,こうしたことでよいのかと心配になるのでありますが,この点どのように思われますか,伺います。  3点目は,特別養護老人ホームなどの老人福祉施設における感染の実態とその対策についてもお伺いをいたします。  4点目は,一般県民についての対応であります。厚生省によると「住民が正しい対応ができるようにMRSAに関する正確な知識を普及する」と指導されているのでありますが,県としては今後どのような対策を講じられようとなさるのか,お伺いをいたします。  次に,老人保健福祉計画についてお伺いをいたします。平成2年6月に老人保健福祉法及び老人保健法が一部改正され,平成5年4月から県,市町村において老人保健福祉計画を作成することが義務づけられ,市町村においては,その作業の真っただ中にあると承知いたしております。この計画は,国のいわゆるゴールドプランを踏まえたもので,住民に最も身近な市町村において,地域の高齢者に対し,保健,医療,福祉などのサービスを総合的に提供できる体制づくりをしようとするものであります。その意味では,今後の長寿社会の柱になるもので,極めて重要なものであります。そこで,数点についてお伺いをいたします。  まず,市町村スタッフの充実についてであります。従来ならば,与えられたものを忠実に実施すればよかったものが,この計画においては自分たちのものを自分たちの手でつくり上げるという,いわば初めての経験をすることになるわけであります。その意味で,スタッフの質,量ともに一層の充実が必要になってくると思うのでありますが,現状をどのように認識されているのか,お伺いをいたします。  2点目は,市町村の特色をどこまで出せるかという点であります。データなどの集計,分析はコンサルタントに委託しているところが多いようでありますが,これこそ金太郎あめにならないかというこであります。市町村により実態がそれぞれ違うはずでありますので,その特色を生かすところに意味があろうかと思うのであります。最初の問いとも関連いたしますが,この点について知事のお考えをお聞かせいただきたいのであります。  3点目は,実態の把握についてであります。我が国では,家庭の中を他人に知られたくないという意識が強過ぎて,特にホームヘルパーなど必要であるにもかかわらず,活用しないところがあります。このような意識が続く限り,正確な実態の把握は困難ではないかと思うのでありますが,この点どのように考えておられるのか,お伺いをいたします。  4点目は,質のアップについてであります。この計画は,とりあえず高齢者のニーズと将来必要なサービスの量を明らかにすることから始まるのでありますが,一方,質のアップも重要なことであります。この質のアップについてはどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。  5点目は,市町村の財政力の違いについてであります。市町村のトップが幾ら理想を高く掲げても,財政力の裏づけがなければ何もできないわけであります。この財政力によって生じる市町村の格差についてはどのように対応されていくのか,お伺いをいたします。  次は,農業問題についてであります。昨年の12月25日に,農水省は平成3年度の食料需給表を発表いたしました。その中で,穀物需給率は30%の大台を割り29%に,またカロリー需給率も1ポイント下回って46%となり,昭和35年の調査以来最低となったわけであります。高齢化や担い手不足,輸入農産物の激増など,生産力低下の著しい日本農業の姿が浮き彫りになったわけでありますが,我が国の基幹産業として,その活性化を図ることは極めて重要な課題であります。  さて初めは,県産米について伺います。米は岡山県農業の柱であり,県としても優良5品種について,収量の安定,品質の向上,生産コストの低減を図るなど,優良米生産団地の育成を進めているところであります。  ところで,香川県ではキヌヒカリの栽培を進め,今年開かれる東四国国体に参加する役員,選手全員に提供し,おいしい讃岐米としてPRするとのことであります。2万人を超える若者の集まる国体の場をかりて,口コミによる米の売り込み戦略であります。我が県の誇る朝日米も,全国の入札価格を見るとき,その評価は低いのでありますが,こうした評価をどのように見ておられますか。また,販売戦略はどのように展開されているのか,お伺いをいたします。  2点目は,新規就農者についてであります。最近の大学構内では野菜栽培が人気を集め,これに参加するのは農学部以外の学生や女子学生が多いとのことであります。大量生産,大量消費の工業文明がいつか崩壊し,その破綻の次に何かが来るという思いが農業への関心を生み始めていると言われております。また,全国農業会議所の全国新規就農ガイドセンターには,農業をやりたいと訪れる相談者が,この4年間で1,000人を超えたと言われております。このように,農家の跡継ぎが減っている反面,農業をやりたいという人もいるのであります。そこで,こうした人々の要望にこたえるために,島根県の知夫村のように新しい移住者には雌牛か漁船を贈呈するという条例を制定したり,あるいは石見町では独身女性に「1年間在住して,ハーブ栽培や農作業をしてみませんか」と,ふろつき個室と月7万円を提供する女性版山村留学を試みております。定員6名に対し,26都府県から69名の応募があったとされ,ちなみに岡山県からは6名が応募し,うち1名が参加するとのことであります。  このように数々の工夫も示唆に富むものと思いますが,後継者は必ずしも農家の跡取りではなくて,意欲ある若者も多くいるのであります。こうした若者に宅地や住宅を提供し,月給制を採用してでも後継者の育成に取り組むことはできないのか,御所見をお伺いいたします。  また,県としても,他産業からの新規就農希望者の堀り起こしを図るため,ニューファーマーズ確保対策事業を進めておられます。その具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  3点目は,有機無農薬農業の推進についてであります。今,世界各地で有機農業,環境保全型農業,生態的農業など,その呼び方はさまざまでありますが,環境保全の立場から,長期間にわたって持続できる農業,環境にやさしい農業として生態系を重視した農業が展開されております。日本生協連は,全国3,238市町村を対象に,有機農法や農薬を少なくした農業生産の取り組みについて調査しておりますが,その結果,全体の22%の自治体が取り組み,環境保全型農業は着実に推進されているところであります。都道府県では,もちろん岡山県が49%で全国のトップであります。また,熊本県,兵庫県と続いておりますが,御承知のように,県としては昭和63年から有機無農薬農産物の生産を始め,その生産団地の育成も予定を上回るハイペースで進むなど,積極的な展開が図られております。普通栽培に比べ収量が低く,労力がかかり,その価格と販路の確保が成否のポイントとも言われております。現況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。  4点目は,有機無農薬農産物の認証制度についてであります。健康ブーム,安全志向,ブランド化が進む中,有機とか無農薬栽培をうたった農産品が出回る一方で,ラベルだけのまがいものが多いのも事実であります。このような消費者の関心の高まりにつれて,各自治体,民間団体で基準認定制度づくりが進んでおります。農水省も,昨年9月に「有機農産物等に係わる青果物等特別表示ガイドライン」を発表,この4月から実施するとしております。有機農産物のほか無農薬栽培,無肥料栽培など6種類の区分が設けてありますが,さらにこのガイドラインを基準に,有機農産物に新しい日本農林規格(JAS)を当てはめようとの法律改正の動きもあります。有機農産物が出回る一方で,基準が一定しておらず,生産流通,消費の各段階に混乱が起きているのを改善するというのがその趣旨とされておりますが,ガイドライン自体の複雑,あいまい,紛らわしいという反対の声もあり,有機農業の発展を妨げる,あるいは有機農業について,一層の混乱を引き起こすという声もあります。県としては,63年6月に全国に,先駆けて独自の認証制度を実施し,その定着を進めているところでありますが,このような動きについてはどのように対処されるのか,お伺いをいたします。  次に,中小企業対策についてお伺いをいたします。  県内産業を支える中小零細企業にとって,バブル崩壊後の経営は非常に厳しいものがあり,今頼みになるのは公的な制度融資であります。政府も第6次の金利引き下げで景気回復のてこ入れをしておりますが,市中金融機関からの借り入れもまだまだ条件が厳しいようであります。県でも,昨年9月及び12月の補正予算で中小企業へのカンフル剤として,地域中小企業緊急支援資金を100億円予算化されましたが,その利用状況はどのようになっておりますか,お伺いをいたします。  中小零細企業が制度融資を受ける場合,必ず通らなければならないところが保証協会であります。保証協会の業務内容については,少人数で多くの仕事量をこなしておられることを評価いたしますが,平成4年12月までは保証金額も大口化し,期間も長期化しております。保証承諾も,建設業,小売業を中心に卸売,繊維,サービス業は金額的に大きなシェアを占めておりますが,全体の傾向についてお伺いをいたします。  代位弁済について言えば,昨年12月までに173件8億6,000万円,前年比103.2%。この数値は全国的に見て多いのか少ないのかをお伺いいたします。  保証協会は,本当に困っている中小零細企業のための保証というよりは,金融機関の保証をしていると悪口を言う人がおります。条件の悪い企業でも,事業主の人間性を評価して,少しでも可能性を見出して保証承諾をしてもよいのではないかと思いますけれども,御所見をお伺いいたします。  次に,商店街の活性化についてであります。大型店,スーパー等の進出が各地で相次ぎ,地元商店街はかなりしっかりした対応をしなければ衰退の一途をたどることになります。消費者にとっては,よい品を安く買える,あるいは1カ所で多くのものがまとめて買えるという便利さで,大型店の進出を歓迎する面もありますが,歴史のある地元に根づいて発展してきた商店街を存続させることも,町の特色を生かす上で重要であると思われるのであります。この点についてはどのように考えておられますか,お伺いをいたします。  各地で都市再開発等により商店街は大きく変化しております。例えば,倉敷市児島には瀬戸大橋博覧会の跡地に大型店を核として新しい町が形成されつつありますが,新しい商店街と旧商店街との格差は徐々に広がりつつあるような気がいたします。新旧商店街のバランス,あるいはこうした旧商店街の格差については,どのような考えを持っておられるのか,お伺いをいたします。  また,旧商店街には後継者あるいは高齢化などの問題もあり,こうしたことが意欲を失わせているのではないかと思われます。県は,平成4年度に地域商店街後継者支援事業として補助金を交付して,新たな商店街の魅力づくりへの研究活動を支援されておりますが,選考された成羽町,勝山町,笠岡市の3団体の状況はどうであったのか,お伺いをいたします。  また,平成5年度に元気商店街づくり事業を創設して,ハード,ソフト両面から商店街再生,活性化に向けて支援するとしておりますが,その計画と展望をお聞かせいただきたいのであります。  次に,県立図書館についてお伺いをいたします。新県立図書館も平成9年の秋,オープンを目指していよいよ本格的なスケジュールに入ったのでありますが,この図書館,最後まで高層建設について意見の分かれるところであります。全国でも,土地の高騰や高度利用の立場から高層化を予定しているところもそれぞれ見られるのであります。既に建設されている愛知県図書館は5階建て,東京都町田市立中央図書館は13階建ての再開発ビルに4,5,6階の3階を使用しております。横浜市中央図書館も平成5年度に開館を予定し,現在建設中でありますが,6階建てであります。平成6年オープンの香川県立図書館は旧空港跡地に4階建てで建設中であり,1,2階が図書館,3,4階が書庫と,低い建物で,環境も非常によいのでありますが,県民の声は不便ということであります。このように,どの図書館も一長一短を持っており,県民のニーズにすべてをこたえることはできないというのが実情であります。  そこで,お伺いをいたします。多層化の弊害として指摘されることは,人員が非常に多く要るということであります。各フロアごとに最低必要人員は必ず配置しなくてはならず,広いフロアでの長所である横の面での補いは不可能であります。交代要員も含め,相当の人員が必要でありますが,このような人員に対する配慮はどのように考えておられますか,教育長にお伺いをいたします。  また,多くの図書館で閲覧席に自習禁止の札が目につきます。図書館という静かな環境で勉強をと訪れても,閲覧席のスペースが少ないために,自習禁止にせざるを得ないというのが実情であります。こうしたところに,本来の図書館というイメージも崩れてしまうということも考えられます。閲覧席のスペースは十分に確保することができるのかどうか,あわせて教育長にお伺いをいたします。  次に,文書館についてであります。平成6年オープンを目指す香川県立図書館では,文書館は4,558平方メートルで,図書館と同じ程度の規模であります。新県立図書館では1,497平方メートルであり,香川県の約3分の1であります。これでは将来ともに対応することは不可能と思われますが,いつのころまでを想定しての文書館なのか。図書館を離れての文書館では意義も半減すると思われますが,今後のお考えを知事に伺いたいのであります。  先日,随筆家内田百けんの愛用品や写真,蔵書等が郷土文化財団に寄贈されております。このような資料は,当時の時代背景や人柄をしのぶ県民の貴重な財産であります。高松市立図書館は菊池寛の記念館があり,故人にまつわる多くの展示がなされております。岡山出身の文壇で活躍した多くの先輩たちを顕彰するために,記念館の設置は計画に入れることはできないのか,教育長に御所見を伺いたいのであります。  次に,業者テストの廃止について伺います。文部省の高校教育改革推進会議・入試部会の答申を受けて,このたび高等学校の入学者選抜についての通知の中で,業者テストの結果を使った選抜はあってはならないとして,各都道府県に徹底がなされたのであります。このことによって,三十数年間にわたって使用されてきた業者テストは,公立中学校から姿を消すということになるのでありますが,現場では業者テストに見合うだけの指導策があるのかどうか,対応に苦慮されているのが実情であります。廃止に関して,率直な感想を教育長に伺いたいのであります。  平成6年度の選抜試験は,新体制で行われることになるようであります。県教委では,これからあらゆる問題点を検討し,対処されるのでありますが,結論を急がないと受験生や親の不安をいたずらにあおぐことにもなります。いつのころを目途に概要が発表されるのか,このあたりの対応もお伺いをしたいのであります。  今,専門家の間でも,現在の入試制度が続く限り業者テストはなくならないとの声も多いのであります。したがって,学校では行われないものの,塾や業者による会場テスト等が増加し,塾や業者の進路指導が強まり,資料の少ない学校側の信頼が低くなるとの指摘もあります。また,受験生も学校のテストと塾や業者テストと二重に受けることになり,負担も倍になることが予想されますが,入試制度あるいは会場テスト,テストの二重負担についてのお考えを伺いたいのであります。  これから多方面での検討が行われるのでありますが,どうか受験生の負担を軽くし,効率のよい体制が整備されることを願うものであります。  次に,交通安全対策についてお伺いをいたします。本年も,交通事故及び死者の数は依然として高いレベルにあり,今後一層の交通安全対策が望まれるところであります。交通事故の原因は,運転者の無謀運転,不注意,疲労,運転未熟等いろいろありますが,交通事故をなくすためには,ドライバーの安全運転への配慮しかありません。自分の乗っている車が刃物と同じ殺人の凶器になるもろ刃の剣であることへの教育がもっともっと必要であります。大変な仕事でありますが,安全教育について粘り強く進めていく以外にはありません。今後の取り組みについてお伺いをいたします。  交通安全施設の充実についてでありますが,交差点での信号機,さまざまな規制,案内標識,ガードレール設置等いろいろな対策が講じられております。私たちがよく受ける要望に信号機の設置があります。この信号機には,全感応式から押しボタン式まで4種類に分かれておりますが,県内で年間設置数は60基程度であり,とても数的な要望に追いつくことはできません。県警としても,さまざまなデータや状況の判断で重点的緊急度的に随時設置されているところでありますが,住民からの要望がありながら,答えが出ていないところも多いと思われるのであります。  また,平成2年度から高齢者用の押しボタン式の信号機も設置数がふえ,高齢者を交通事故から守ろうとする県警の努力に感謝するものであります。そこで,来年度の交通信号機の整備方針はどのようになっているのか,また高齢者用の信号機はどのように整備されるのか,お伺いをいたします。  次に,暴力団対策についてお伺いをいたします。まず,このたびは暴力団対策課も新設され,暴力団対策は一段と強化され,評価するところであります。暴力団壊滅に向けてますますの活動を願うものであります。  さて,暴対法が平成4年3月に施行され,4月には暴追センターも発足して,今では組織暴力団も全国16団体となり,暴力団員の75%が網にかかったと言われております。昨年,暴追センターに寄せられた県民からの相談は450件,このうち民事介入暴力が全体の36.1%135件となっておりますが,最近の相談状況はどのようになっておりますか。  また,暴対法も施行1年を迎え,暴力団壊滅に向けての限界論も論議されておりますが,このあたりも含めて,あわせてお伺いをいたします。  また,暴力団に見切りをつけ,離脱を希望する人もふえていると思われますが,離脱者の受け皿となる企業の協力も必要であります。昨年7月に暴追センター,県,県警,事業主団体の4者で結成された県暴力団離脱者就労対策協議会には,約50社から受け入れの申し込みがあり,既に6人が就職しているとのことであります。この数については,どのように受けとめておられますか。企業の参加についてもお伺いをいたします。  暴対法の命令に違反した者は,1年以上の懲役または罰金が課せられますが,今日までの状況はどのようでありましたか。  暴力団が,飲食店等に対し強要するみかじめ料は,暴対法の中でも大きく位置づけられております。この暴力団のみかじめ料を断る暴力追放店が岡山料飲旅館組合防犯協議会によって昨年11月にスタートし,岡山市内の1,235店が料飲旅館組合に加入し,このうち101店が暴力追放店に加盟しております。中四国では,こうした業者サイドからの取り組みは初めてであり,その勇気ある行動に敬意を表するものでありますが,1,235店のわずか8%の加盟という点では,県民感情として余りにも少ないのではないかと思います。暴力追放店の拡大について,取り組みを伺いたいのであります。  さて,暴力団追放の最先端である県警捜査2課及び各警察署の現場で働く警察官に深く敬意を表するものでありますが,現職のときはともかく,退職後の身の回り,家族等への安全についてはどのように考えておられるのでしょうか。  また,暴力団からのお礼参りや,これに類する嫌がらせ等はないのかどうか,お伺いをいたします。  最後に,ボーガン,エアガン等の取り扱いについて伺います。2月の上旬は矢ガモのニュース一色となり,保護され,矢が抜かれるまで,テレビ局は矢ガモに独占される異様さでありましたが,ほかにもハクチョウやガンにもボーガンに撃たれた形跡が発見されるなど,今やこうした遊びやおもしろさからくる,ちょっとしたいたずらに全国が翻弄されているようであります。こうした事故が,遊びやいたずらで終わっている間はよいのでありますが,特に人に矢が向けられるとき,非常に危険な遊具となるのであります。  こうしたボーガン等は,岡山県内にはどのくらいの同好者がおり,どのくらいの台数が販売されているのか。また,どのくらいの販売台数が掌握されているのか,お伺いをいたします。  最近,サバイバルゲームが若者の間で盛んになり,エアガンやガスガンが多く出回るようになっております。この両ガンは,常に人や小動物に向けられ,人への事故も多く発生しているところであります。この銃は,18歳未満の人への販売は禁止されておりますが,販売された後の掌握はなされておりません。したがって,使う人の良心に頼る以外にはないのであります。こうした銃の事故あるいは犯罪に使用されたときの対応はどのようになさるのか,お伺いをいたします。  いずれにしても,このような危険な遊具が一定の枠がないまま放置されるのは,一般県民にとって危険であります。そこで,どこのだれがこうした遊具を所持しているのかということを明確にするため,登録制度等を盛り込んだ条例制定を提案いたしますが,御所見を警察本部長にお伺いいたしまして,質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  元原議員の公明党の代表質問にお答え申し上げます。  まず最初に,税収見通しでございますが,本県経済の動向につきましては,個人消費,設備投資ともに依然として低調であることから,景気は引き続き低迷をいたしておりまして,今後の経済動向については予断を許さないところであります。  このような中で,平成5年度の税収につきましては,法人事業税や利子割県民税が大幅な減収となる見通しでありまして,当初予算計上額は,地財計画の伸びを若干下回る,前年度当初予算対比94%としておるところであります。  これまで行財政改革につきましては,4回にわたりまして取り組んでまいりましたが,特に新年度は行財政懇談会を設けまして,高齢化等,社会経済情勢の変化に対応しまして,本県の行財政はいかにあるべきかについて審議をいただきまして,改革に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  第4次総合福祉計画の推進につきましては,この計画は平成7年度までの県政運営の指針となっておるものでありまして,現在盛り込まれました施策事業の積極的な展開を図っておるところでありますが,平成5年度以降におきましても,厳しい財政状況が見込まれるところではございますけれども,施策事業の重要度や緊急度を勘案しながら,効率的計画的な執行に努めまして,計画の達成に向けましてさらに推進を図ってまいりたいと考えております。  チボリ公園でありますが,チボリ公園の入り込み客数につきましては,お話しの倉敷の美観地区を初め,倉敷の立地条件は岡山操車場跡地に比較してまさるとも劣らないと考えておりますけれども,昨今の厳しい経済情勢や他のテーマパークの状況等を踏まえた幾つかの専門機関の予測をもとに,堅実な予測として年間300万人程度としたものであります。  入園料につきましては,事業の採算性を勘案しながら国内の類似の施設に比べ,できるだけ低廉なものとなりますように,大人2,000円程度としておるところであります。  また,1人当たりの消費額と年間収入につきましては,概案では入園料,乗り物,飲食,物販等を合わせまして5,100円程度の消費単価といたしまして,これらを基礎に年間収入を初年度約167億円と見込んでおります。  なお,他のテーマパークの消費単価についてでありますが,東京ディズニーランドが8,700円程度,レオマワールドが7,000円程度等と聞いております。  投資額についてでありますが,入園者数の予測や資金調達の見通しをもとに,施設の魅力を維持できるように配慮しながら,敷地面積も勘案して,施設規模等について調整を行ったところでありまして,建設費310億円につきましては,建築ユーティリティー施設関係220億円,土木,植栽,外構関係30億円,ライド関係等41億円,設計管理等19億円を予定しておりまして,また開業前費用130億円につきましては,デンマークへの支払い関係28億円,クラボウへの地代あるいは保証金や公共施設負担金等38億円,その他一般管理費,人件費等を見込んでおるものであります。  資金調達についてでありますが,事業の採算性の観点からできるだけ有利な資金を確保することを基本といたしまして,資本金につきましては全体で100億円程度の増資を予定しておりますが,この中で事業の公共性の確保の見地から,また民間からどの程度調達可能かを検討いたしまして,県としては新たに30億円の出資を予定しておるものであります。民間企業からの70億円につきましては,今後関係者との連携を密にしまして,今回の事業計画の概案をもとに,県内外の企業にチボリ公園の意義,内容,魅力や県の支援内容について説明しながら協力要請を行いまして,所要額の確保を図っていきたいと考えております。  協賛金につきましては,これまでの協力要請活動の中でおおむねめどがついておる額を予定をいたしておりまして,また,NTT資金につきましては,これまでの関係機関との調整状況等を踏まえまして,調達可能と見込まれる額を予定をいたしておるものであります。  県の低利融資につきましては,全体の資金調達所要額や他の資金での調達可能性の見通しを勘案しながら,採算性の向上,また借地上に建設することに伴う担保力の不足の補完の観点から70億円程度を予定しておるものでありまして,市中借り入れにつきましてはチボリ・ジャパン社の担保力を勘案しまして70億円程度を予定しておるものであります。  また,用地の借用やNTT資金の借り入れに当たっての損失補償につきましては,クラボウの基本姿勢や関係機関の考え方から,これは必要やむを得ないものとして予定をしておるものでありまして,現実に損失の補てんを行うことはないと考えておりますが,今後の事業の具体化に当たりまして,事業の円滑な運営が確保できる計画づくりと事業主体の体制の確立に努めてまいりたいと考えております。  波及効果につきましては,今回の概案では総投資額440億円程度を予定しますとともに,県内外から300万人程度の集客を見込んでおりまして,建設投資や来園者の消費等によって大きな経済波及効果が見込まれますが,具体的な予測につきましては,今後の事業計画づくりと並行いたしまして推計作業を行うことにいたしたいのであります。  また,地代につきましては,相続税評価額の6%相当額に公租公課を加えた額を下限といたしまして,クラボウとチボリ・ジャパン社との正式な賃貸借契約締結時に協議決定をされることになっておりますけれども,チボリ公園事業の性格等につきまして御理解をいただきまして,このような水準で合意できたものと考えておるところであります。  それから,県のかかわり方についてでありますが,今回の案におきましては,増資への対応,事業資金の一部の低利融資,用地の借用やNTT資金の借り入れに当たっての損失補償等を予定をしておりますが,これらによりチボリ公園の公共的な性格を維持しながら,民間からの資金を調達して事業の円滑な運営が確保されるものと考えておりまして,そのために必要な措置として予定をさせていただいておるものであります。  県としましては,このような限度で事業に関与することを前提に,県内外の企業への協力要請等を進めまして,現在予定しておる県の支援協力の範囲で公園の建設,運営が行われますように,そして事業主体の体制の確立を図りたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。  それから,倉敷芸術科学大学(仮称)への助成の理由についてのお尋ねでございますが,これは現代教育のさまざまなひずみが言われておる中で,新たな人間教育の取り組みに対して支援をしようとするものでありまして,このたび新大学において偏差値中心の考え方にとらわれず,新たな観点から吉備高原学園高校生さらに他の県内高校生について,一定数の推薦枠を設けるという方針を固められたので,助成するものであります。  30億円の根拠につきましては,推薦枠が入学定員予定数のおおむね3分の1でありますこと,また他県の助成例,新設大学の建設費等を総合的に検討をして決定をしたものであります。  また,特定の一大学に助成することについてでありますが,今申し上げましたように,この大学におきましては,既存の学校になじめない生徒などに教育の機会を開く新たな試みとして実施しようとしており,これを支援したいとの趣旨の助成でありますので,御理解を賜りたいと思うのであります。  それから,次に新大学の教育方針についてでありますが,先ほど述べましたように,新大学では,吉備高原学園高校生さらに他の県内高校生について,一定数の推薦枠を設ける方針を固めておりまして,それを支援したいということでありまして,カリキュラムなど具体的な教育内容につきましては,今後認可申請の段階で固められていくものと伺っております。  また,推薦枠を設けることについてのお尋ねでありますが,素質がありながら既存の学校になじめない生徒などの進路確保が目的でありまして,生徒の減少期にあっても必要であると考えております。  本件を凍結してはどうかとのお尋ねでありますが,倉敷芸術科学大学は平成7年4月の開学を予定しておりまして,この4月に設置認可の申請を行うことになっておりますので,今議会に提案をさせていただいているところでありまして,その趣旨を御理解を賜りたいと存じます。  それから,ゴルフ場問題で,本陣山ゴルフ場計画をめぐる総量規制の基準の見直し,農振除外,移動土量の指導等にかかわる県の対応につきましては,現在,県議会の特別委員会で調査いただいておるところでもありますが,これまでも申し上げてまいりましたとおり,県議会議員からの一定の要望等はありましたものの,一連の県の対応は,それぞれ明確な理由を持って,また関係法令や基準に即して厳正公平に進められてきたものと確信をいたしておるところでございます。  苫田ダム問題でありますが,行政連絡協議会調整案の実効性につきましては,奥津町の過疎化の進行を食いとめつつ,町全体の振興を図る観点から,生活基盤や産業基盤の整備に重点を置いておりまして,この調整案が実施されれば,その水準は県下市町村の上位にランクされることになるものと考えておりまして,おおむね妥当な計画になっておるものであります。  地元住民の意思の尊重でございますが,この調整案には奥津町が独自に作成した地域総合振興計画案をもとに建設省,県,奥津町の三者で構成をしております行政連絡協議会において協議をし,今後10年間で実施すべき事業の規模,概算事業費を取りまとめたものでありますから,これらの調整過程から見まして,地元住民の意見は十分反映されておるものと考えております。  今後の見通しでありますが,現在3月末を目途に県議会,奥津町,町議会及び下流受益市町の了解を得るべく関係者が努力をいたしておるところでありまして,県としては,この了解が得られた段階で,国土庁を初め関係機関に協議をすることにいたしておりまして,できるだけ早く事業化ができるように努力をしてまいりたいのであります。  それから,事業推進についてでありますが,今後取りまとめが進む段階で事業主体も明確になってまいりますけれども,県としては,ダム起業者である建設省に対して,できるだけ多くの事業がダム事業として実施されることを強く要望をするとともに,水特法に基づく整備計画事業の中にできるだけ多くの事業が取り組まれますように,国土庁を初め関係機関に強く要望しまして,地元負担の軽減が図られるように最大限の努力を図ってまいる所存であります。  次に,MRSAの検出率についてでありますが,厚生省の全国調査では,ほとんどの病院から検出をされました。そして,検出される黄色ブドウ球菌の60%強であるとされておりまして,本県でもほぼ同様の実態であると考えております。  感染実態の把握につきましては,保菌者と発病者の統一的な診断基準等が国際的にもなく,厚生省においても検討中と聞いております。  また,院内感染対策委員会の設置状況につきましては,県下の100ベッド以上の病床を持つ病院では約8割が設置をいたしております。  本県におけるMRSA対策につきましては,厚生省の検討状況も踏まえまして,学識経験者による委員会で意見を聞きながら,適切な実態把握や対策を進めてまいりたいと考えております。  感染防止対策でありますが,具体的な対策としては,一般的には手や指の消毒,院内の清掃,清潔保持などの基本的な管理の励行が大切だということでございまして,同時に手術後の患者など抵抗力の弱まった人や発症者については,一般の患者と病室を分けたり,器具の消毒を行うなどの適切な管理を行うこととされております。これらは,医療機関における適切な医療サービスの前提条件でありまして,従来から指導してきたところでありますが,今後とも確実な感染防止対策を徹底してまいりたいのであります。  老人福祉施設におけるMRSA感染の実態等でありますが,先ほど申し上げました医療機関における実態把握や感染防止対策の検討結果を踏まえますとともに,近く国から示される老人ホーム等における対応策を受けまして,適切に対処してまいりたいのであります。  一般県民への対応でございますが,MRSA感染症は,一般の人の日常生活では特に神経質になる必要はないと言われております。また,病院での見舞いなどで患者と接触したときには,手洗いの励行など簡単な予防方法で感染を予防できると言われておりますので,衛生教育,健康相談などの保健所活動や保健所だよりなどの広報紙を通じて正しい知識の普及に努めてまいりたいと考えております。  老人保健福祉計画と市町村スタッフの充実でございますが,市町村の幹部職員や担当職員を対象に繰り返し研修を実施しておりますとともに,モデル市町村を指定しまして,計画づくりの手法を示すなど,積極的に指導を行ってきたところであります。  また,各市町村におきましては,専門家の助言を聞くための作成委員会の設置やプロジェクトチームの編成など計画策定に向けて体制の整備を図っておるところであります。  市町村計画における特色でございますが,基礎調査の実施に当たりましては,多くの市町村がその集計,分析を専門のコンサルタントに委託をしておりますが,基礎となる実態把握につきましては,事情に通じた市町村みずからが直接調査をいたしておるところであります。  今後,計画策定に当たりましては,地域の実態と住民ニーズを的確に踏まえますとともに,市町村自身の創意工夫により特色のある計画となるように指導してまいりたいと考えております。  実態把握でございますが,調査に当たりましては,地域の実情に通じたホームヘルパーなど福祉担当職員や保健婦,民生委員等が中心となって高齢者などを訪問をして,保健福祉サービスの制度について十分説明をするなど,できる限り高齢者の生の声や生活実態の把握に努めるように指導してきたところであります。  保健福祉サービスの質のアップの問題でありますが,この計画につきましては,保健福祉サービスの目標量や提供体制の整備などについて定めますとともに,高齢者の利用しやすいサービスの提供,マンパワーの資質の向上,あるいはまた施設サービスの充実,生きがいや健康づくりなど保健福祉サービスの質の向上についても配慮した計画となりますように,市町村を指導しておるところであります。  それから,市町村の財政力の違いによる格差についてでありますが,市町村計画は財政状況を踏まえた実効性のある計画推進を基本とするものでありますが,その標準的なサービス水準につきましては,ゴールドプランにより確保されることになっておりまして,所要財源の確保につきましては引き続き国に要望してまいりたいと考えております。  次に,農業問題でありますが,朝日米の評価は,平成4年に初めて自主流通米市場に上場することができたところでありまして,まだ出荷量も少なく,知名度も低いことから適正な評価が得られていないのが現状であります。  販売戦略につきましては,本年度は大阪での朝日米の販売フェアやラジオによるPRを初め,中部,京阪神の卸・小売業者を対象とした求評会,東京,大阪,名古屋のアンテナショップを拠点に販売促進フェアなどを実施してきたところであります。  今後とも,農業団体と一体となりまして,生産の拡大とあわせてきめ細かな販売活動の展開と県産米の知名度の向上に努めてまいりたいと考えております。  新規就農者の確保についてでありますが,本県では,平成3年度から新規就農者のための相談窓口を県内外に設置しましたところ,これまで38名の相談があり,うち2名が就農し,3名が先進農家で研修中であります。  さらに,新年度から取り組むこととしているニューファーマーズ確保対策事業につきましては,農業体験や技術研修,資金面での支援のほか,新規就農を希望し,農業士などの先進的農家で研修する若者に対しまして月給制度を導入することについても今後検討し,意欲的な人材確保に努めてまいりたいと考えております。  有機無農薬農業の推進についてでありますが,本県では,全国に先駆けまして昭和63年度から取り組んでおりまして,これまで県下70地区で910戸の農家が野菜,水稲,果樹などを約120ヘクタール栽培をいたしております。  販売面では,県下に設置しております35の取扱指定店や青空市などで販売をいたしておりまして,その価格は普通栽培に比べまして約3割程度の割高となっておりますが,安全でおいしいことなど,消費者の理解が得られまして,順調に取り引きがされておるところであります。  新年度から,新たに地域ぐるみで取り組む有機無農薬の里づくりを進め,生産量の拡大を図りますとともに,有機無農薬農産物への理解を一層深めるためのフェアの開催や生産者と消費者との交流による産直,市場流通への積極的な取り組みを行うなど有機無農薬農業の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。  有機無農薬農産物の認証でございますが,お話のように国の示したガイドラインは,農薬と化学肥料を使用しないものを有機農産物として表示するほか,農薬と化学肥料の使用を認め,その程度によっていろいろと区分表示をすることとしており,その基準があいまい,かつ複雑なことから,生産者,消費者などから反対の声が多いと聞いております。  本県の認証制度は,土づくりを基本に農薬,化学肥料を一切使用しない農産物を有機無農薬農産物とし,病害虫の発生によりやむを得ず除虫菊などの県が指定している天然資材を使用した農産物を有機栽培農産物として位置づけまして,厳格かつ明確に区分表示をいたしておるところであります。  この本県独自の制度は,既に5年を経過し,生産者を初め消費者にも広く信頼を得て定着をしているところから,今後ともこの表示を実施してまいりたいと考えております。  中小企業緊急支援資金の利用状況ですが,昨年10月の貸付開始以来,本年1月までの4カ月間で309件,約70億円と順調な利用状況にありまして,この資金による設備投資計画の前倒しなど地域経済への波及効果を期待しておるところであります。  信用保証協会の業務状況でありますが,12月末の保証承諾額は約1,162億円,対前年度同期に比べまして124.9%となっておりまして,全国の平均が117.3%でありますからこれを上回っておりますが,景気の低迷が続く中にあって,製造,小売など幅広い業種において利用が大きく伸びておるところであります。  一方で,代位弁済は約9億円でありまして,対前年度比103.2%,全国の189%に比べまして低い水準にとどまっております。岡山県信用保証協会の業務保証は順調に推移しておるものと考えております。  保証承諾についてでありますが,保証協会は信用力,担保力に乏しい中小企業者の資金需要を円滑にするために設けられておるものでありまして,昨今景気の低迷が続く中で,その役割は一層重要になっておりますことから,緊急経済対策の一環として,保証に当たっては中小企業者の実情に応じたきめ細かい対応に努めるように保証協会を指導しておるところであります。  商店街の活性化についてでありますが,地域に根差した商店街は,買い物の場としてだけではなくて,人々が集う暮らしの広場として親しまれるなど社会的文化的な役割を担ってきたところでありまして,今後とも,このような特性を生かしながら,まちづくりの中で活性化を図りまして,存続させていくことが重要であると考えております。  また,倉敷市児島地区のように都市構造が大きく変貌をしつつある地域にありましては,その実態を見ながら新旧商店街の性格づけや役割分担を明確にし,それぞれにふさわしい形で整備を進め,活性化を図っていくことが必要であると存じております。  地域商店街後継者支援事業につきましては,3つの地域の若手後継者グループが自由な発想のもとに「成羽地域の若者にアピールする商業イベント」「木材のまち勝山にふさわしい商店街」「笠岡地域の歴史を感じさせる商業空間」を研究テーマに,アンケート調査やセミナー等を精力的に開催するなどいたしまして,それぞれの商店街の新たな魅力づくりに向けて意欲的に取り組んでおりまして,現在その取りまとめを行っておるところであります。このような若手商業者の取り組みを通じまして,後継者や高齢化など課題を抱えている旧商店街の活性化への意欲が喚起されることを期待をいたしておるところであります。  元気商店街づくり事業は,まちづくりの中で再生の必要性が高く,かつ意欲ある商店街に商店街づくりプランナーなど専門家チームから成る顧問団を派遣をいたしまして,再生への方向づけと事業化のための助言を行うもので,平成5年度におきましては,とりあえず二,三カ所でモデル的に実施をしまして,商店街の活性化に役立ててまいりたいと考えておるところであります。  文書館についてのお尋ねでありますが,7階の文書館の面積は御指摘のとおりでありますが,ほかに会議室等の共用部分や書庫があり,今後30年間の収蔵スペースで計画をいたしておるものでありますので,御了解を願いたいと思います。  失礼いたしました。ゴルフ場の開発をめぐる諸問題の中で,審査について白紙撤回をすべきであるという御質問にお答えをすることをしておりませんので,補足をさせていただきますが,本陣山ゴルフ場の許可申請の取り扱いにつきましては,現在,本件に関しまして警察当局による捜査が進められております。その推移を見きわめる必要があることから,審査を中断をしております。今後の本件の取り扱いにつきましては,捜査の結果を見きわめまして,適切な判断を行ってまいりたいと思っております。  また,ゴルフ場開発の凍結を宣言するときであるとのことでありますけれども,地域振興の観点から,ゴルフ場開発への期待は依然として強いものがありますが,現行の総量規制の基準のもとで,既に旭川水系,吉井川水系につきましては,原則として新規の協議受け付けを停止しておるところであります。残る高梁川水系につきましても,ゴルフ場開発の計画構想の状況を把握しながら適切に対処してまいりたいと考えておりますので,御了承を賜りたいと思います。  以上であります。失礼いたしました。ありがとうございました。 ◎教育長(竹内康夫君)  元原議員の公明党代表質問にお答えをいたします。  まず,新県立図書館についてでございますが,資料は主題別に開架する予定でございまして,一般的サービスはもとより,専門的な調査研究にも対応できるよう必要な職員の確保に努めてまいりたいと,このように考えております。  また,閲覧席につきましては,単に自習室がわりに利用していただくわけにはいきませんが,図書資料の利用者には相当数の確保を予定しておりまして,個人研究室,共同研究室,会議室などともあわせて利用者の便を図ることにしておるところでございます。  次に,郷土出身の文壇で活躍した先輩たちを顕彰するための記念館の設置につきましては,今のところ考えておりませんが,岡山に関する出版物や本県ゆかりの作家による著作につきましては,重点的に収集をしてまいりたいと,このように考えております。  最後に,業者テストについてでございますが,本県におきましては,業者テストの結果を用いた入学者選抜は行われておりませんが,文部省の通知では,中学校が実施に関与したり,授業時間中及び教職員の勤務時間中に実施してはならないことなど,直ちに改善するよう示されておりますので,それを尊重して対処してまいりたいと考えております。  ただ,これを廃止すると,御指摘のような学校における対応,塾や会場テスト,生徒の過重負担などの問題もございますので,十分な配慮が必要であると思います。そのために,進路指導体制の一層の充実を図りますとともに,生徒や保護者の不安を解消する必要がございますので,当面1学期間は自粛させ,その間に市町村教育委員会や中学校長会などと具体的な対応などについて協議をしてまいりたいと思っております。  また,今後の入学者選抜制度のあり方につきましては,文部省の通知の趣旨を踏まえ,鋭意検討してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  元原議員の公明党代表質問にお答えいたします。  まず,本陣山ゴルフ場開発をめぐる問題についてでございますけれども,これにつきましては,現在,全容を解明すべく鋭意捜査を続けているところでございます。  警察といたしましては,引き続き他に法令違反があるのかどうかも含めまして,解明に向けて迅速かつ徹底した捜査を進めてまいりたいと考えておりますけれども,時期についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。  次に,交通安全対策についてでございますけれども,まずドライバーに対する交通安全教育につきましては,自動車教習所における教習内容の一層の充実を図るべく検討を進めているところでございます。  また,多くのドライバーを抱える会社や事業所などを対象に行っております講習につきましても,安全運転が真に身につく教育を行うべく,さらに努力してまいりたいと考えております。  次に,信号機の整備につきましては,平成3年から始まりました整備5カ年計画に基づきまして,来年度は新設60基,高齢者用10基の設置を計画しておりますけれども,御指摘がございましたように,県民の方々からはこうした計画をはるかに上回る要望が来ているわけでございます。私どもといたしましては,道路の改良や交通事故の発生状況,さらには学童や高齢者の通行実態などから総合的に判断いたしまして,重要度や緊急性の高いところから順次整備してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  次に,暴追センターにおける相談状況についてでございますけれども,本年2月末までに約540件の相談が寄せられております。暴力団の壊滅につきましては,まだまだ厳しいものがありますけれども,県民の皆さん方の御協力をいただきながら,警察が総力を挙げて取り組めば,必ず壊滅できると確信しております。  次に,暴力団からの離脱者の社会復帰についてでございますけれども,法施行後,約70社の受け入れ企業の賛同をいただき,6名を就労させたところでございます。離脱者の社会復帰には,いろいろな困難が伴いますことから,まだまだ数の上では少ないわけでございますけれども,今後とも一層こうした活動にも力を入れてまいりたいと考えております。  次に,暴対法の運用についてでございますけれども,今までに県下で7件の中止命令を発出したところでございます。この命令に違反して刑事処分を受けた者は,全国的に見ましても皆無でございまして,命令の効果があらわれていると言えるだろうと思います。  次に,暴力追放店は,先月末現在で約270店舗,約22%に達したところでございます。この活動は,業界の方々が自主的に立ち上がられたものでありますけれども,警察といたしましても,さらに加盟店がふえ,名実ともに暴力団との関係が切れますよう,全面的に支援をしてまいりたいと考えております。  次に,退職警察官などへの暴力団からの嫌がらせについてでございますけれども,今のところこうした問題は起こっておりません。  いずれにいたしましても,私どもといたしましては,暴力団の行う嫌がらせにつきましては,だれに対するものでありましても絶対に許さないというかたい決意で今後とも取り組んでまいりたいと考えております。  次に,ボーガン,エアガンなどの取り扱いについてでございますけれども,御案内のとおり,基準以上の危険性の高いエアガンにつきましては,岡山県青少年保護育成条例で販売などが規制されているわけでございまして,これに基づきまして県下のエアガン販売店に指導を行っているところでございます。  ボーガンにつきましては,県内での店頭の販売はほとんどないと聞いておりますけれども,通信販売などの方法もございますので,その実態が正しくつかめていないというのが実情でございます。  次に,これらの遊具を用いて事件,事故が発生した場合の対応についてでございますけれども,人を傷つけた場合には,傷害等の刑法犯罪として,また鳥獣等を傷つけました場合には,鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律,あるいは動物の保護及び管理に関する法律など,既存の法令を適用して対応してまいりたいと考えております。  最後に,このような遊具の実態を把握するため,条例による規制をしてはとの御提言についてでございますけれども,現在,18歳未満の青少年に対しましては,一定の危険な遊具の販売などが条例で規制されているわけでございますけれども,このほかに新たに規制を行っていくことにつきましては,社会の情勢などを踏まえまして,また関係者の方々の御意見なども伺いながら,慎重に検討してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。
    ◆17番(橘民義君)  おはようございます。一般質問のトップバッターとして,本日はまず,県立図書館・文書館について質問いたします。  このたび県教委が基本設計を発表されましたが,発注から数えると何と2年もたっています。なぜこのようにおくれてしまったのでしょうか,その理由をまず教育長にお尋ねいたします。  さて次に,知事にお尋ねいたします。設計者は芦原義信さんという,知事と非常に深い関係にある御友人とお聞きしています。どのような経過を経て設計者が芦原氏に決定したのでしょうか。県庁外部の人とも相談したのでしょうか,内部だけで決めたのでしょうか,知事が決定に大きく関係したのでしょうか,お尋ねいたします。  また,芦原氏は,最近では岡山シンフォニービルを設計してるわけですが,このビルは御存じのように障害を持つ方々やその団体関係者からエレベーター,入り口,トイレ,その他いっぱいの指摘を受け,完成してすぐに改造しなければならないというような問題点を持っていました。また,2,001という席数にこだわり過ぎた結果,ステージの奥行きが狭く,動きの大きい舞台芸術には不向きだとか,機材搬入のためのエレベーターが小さ過ぎるとか,ホールそのものにもさまざまな難点があるようです。途中で1回設計をやり直そうかという声まで内部で上がったとも聞いていますが,このようなシンフォニーホールを設計した芦原氏に,なぜまた図書館の設計を依頼したのでしょうか,お尋ねいたします。  また,図書館を建てるわけですから,図書館建築の専門家とか,いろんなところで長く図書館長をしてこられた方などの御意見も設計のときに聞くのが当然だと思いますが,その方面への働きはしたのでしょうか,お尋ねいたします。  次に,土木部長にお尋ねいたします。この地下5階という工事は本当に大丈夫なのでしょうか。すぐ近くの中銀本店工事の際,地下を掘ったとき水が出て困ったということですが,水に対する対策は具体的にはどのような方法が考えられるのでしょうか。  また,地下5階と4階の駐車場などというものは,不便なものを出せと言われたらこれ以上のものはないというくらい不便なものだと私は思います。1台の車が駐車場入り口に来てエレベーターに入り,地下5階におり,それからまたそのエレベーターが地上に上がってくるまで一体何分ぐらいかかるのでしょうか。駐車台数分,つまり82台の車が仮に一斉に外に出るとしたら何分ぐらいかかるのでしょうか,お尋ねします。  県警本部長にお尋ねはいたしませんが,ハイビジョンシアターに250人の人が入ろうとして車でやってきたら,付近の路上はパニックになるのではなかろうかと心配されます。県立図書館駐車場の使い勝手の悪さは,あの悪評高き表町地下駐車場の比ではないと想像しますが,土木部長はいかがお考えでしょうか。  さて次は,また教育長にお尋ねします。設計図によればパイプオルガンを設置することになっていますが,これはどこに置かれ,どのような利用を予定されているのか,具体的にお答えください。  また,パイプオルガンなど建設費以外の備品の購入費は幾らですか,170億円に含まれるのでしょうか。そもそも十分なスペースの県立図書館・文書館をつくるというのが本来の目的ではなかったのでしょうか。パイプオルガンもスタジオもギャラリーも,一つ一つをとれば魅力的な設備,施設でしょう。しかし,これらを詰め込むことが本当に当初の方針と一致するのですか。どんどん内容がずれていき,図書館本来の機能が低下するのではないかと心配です,御説明ください。  また,駐車場とも関係があるのですが,通常で1日どのぐらいの入館者数を予定しておられますか。本に関する利用者とそれ以外の利用者は,それぞれどのぐらいの割合だとお考えでしょうか,お尋ねいたします。  さて次は,また知事にお尋ねします。この人気の悪い土地の選定は知事がされたというのが専らのうわさというか,もはや定説になっています。先日の民主クラブ代表質問への答弁だと,教育委員会と一体となって決めたということですが,私には特にその答弁が,さらりと,しかも白々しく聞こえました。やはり,この際はっきりと,この期に及んでなおかつ用地変更を提案いたします。  その最大の理由は,建設費の問題です。1989年の11月の構想試案の段階では,地下2階,地上11階,延べ1万4,000平方メートルで工費は80億円だったものが,今回の発表では地下5階,地上8階で,延べ約2万700平方メートルになり,工費は170億円に膨れ上がっています。ある建築の専門家によれば,既存の建物の下に新たに地下室を建設するという極めて特殊な工事であるために,床面積当たりの工費単価が通常の2倍以上になっているとのことですが,そこまで無理をして,なぜ旧日銀跡地の建設にこだわるのでしょうか。一昨年開館した愛知県立図書館は,延べ床面積が1万9,600平方メートルと,岡山とほぼ同規模のものですが,総工費は70億円だったそうです。岡山より100億円安い上に,図書の収容能力は開架35万冊,書庫125万冊と,岡山より二,三割多いのです。本気で考えれば,代替地は幾つもあります。例えば,岡山駅から近く文教地区でもあり,敷地も約2万5,000平方メートルとゆとりのある県立短大跡地とか,あるいは農政局の跡地だって今の用地よりははるかによいと思います。引き返せば,確かに開館はおくれます。しかし,設計に2年もかけておいて,ようやく出てきたかと思えば同規模の図書館が優に2つも建てられる170億円もの工費がかかるというのでは,県民があきれるのも当然です。日本で最後につくるからといって,岡山県立図書館を特別変わったものにする必要はありません。設計者の自己満足のために,あるいはモニュメントとしてつくるというのも受け入れられません。まだ今なら引き返せますが,いかがでしょうか。  次に,CI計画について知事に質問いたします。県の資料の冒頭にもあるとおり,CIとはコーポレートアイデンティティーの略であります。簡単に言えば,一つの旗印のもとに,その企業の社員全員が意思統一を図り,一つの目的に向けて頑張るということです。そのためには,新しいマークをつくることも,それを広く世間に知らせイメージアップを図ることも必要でしょう。しかし,岡山県がCIを導入するとなると意味が違ってきます。そもそも県は何のためにCIを導入するのでしょうか。私は,県外に向けて岡山の魅力をPRし,観光客の誘致,また県特産物の宣伝を図ろうというのであれば,それはそれで賛成です。ただし,それならCIなどという言葉を持ち出す必要はないと思います。あるいは,今回のCI計画にも盛り込まれていますが,県庁にCIを導入し,県職員の意欲向上や県庁内部の活性化を図るというのであれば,これも渋々ではありますが特に反対まではいたしません。しかし,「岡山県の目指すべき姿のようなもの」をCIという形で決定することには反対です。そもそも岡山県民は,望むと望まざるとにかかわらず岡山県民なのです。県民であることは,ある企業の社員であることとは根本的に違います。企業に身を置くからには,企業の方針を守るべきかもしれません。しかし,岡山県民なら,岡山県はこんな県であると思いなさいというのはまことに奇異な感じがするのですが,知事はその点をどうお考えでしょうか。  さらに,岡山県がどのような方向に進むか,岡山県がどういう県であることが好ましいかなどは,県民1人1人の価値観に任せればよいことで,そこに共通の統一した言葉を持ち込むことは個人,個性,自由,ひいては人権といったものに対する無理解のあらわれと言わざるを得ません。  結局,CIとは,県の政策ではないでしょうか。もし何年か後,知事が交代したら当然のごとくCIも変わってくるものと思われます。私は,この際,CI計画から「あるべき岡山県の姿」などというものを除いて,観光PRと県庁内部のCIだけにすることを提案いたします。さもなければ,全部やめてしまってはいかがでしょうか,お尋ねいたします。  最後は,チボリ公園に関してであります。  岡山市が,初めてチボリ公園の構想を表明して,既に6年が過ぎ去りました。入学した小学生が卒業する歳月がたったわけです。振り返ってみれば,この6年間のチボリ公園物語は長く長く,そしてまた複雑でむなしくこっけいであります。堀貞一郎氏という少し変わった父親に手を引かれ,夢のパラダイス岡山チボリ小学校の校門をくぐってはみたものの,入ったところはさながらメダカの学校のようでした。だれが先生か生徒かわからない,そのうち多くのいじめが起こったとなれば,だれだって登校拒否になろうというものです。そして,とうとう倉敷チボリ小学校に転校ということになりました。入学許可がないままの通学は,耐えがたいものだったことでしょう。父親とは争い事も多くなり,その上クラスメートもなかなか温かい手を差し伸べてくれず,学級委員会などはいつも決まって騒がしいものでした。やっと卒業式が近づいたきょうこのごろ,「思い起こせば走馬灯のように」とは決まり文句ですが,この6年間は,チボリ公園という走馬灯のろうそくに,なぜかいつまで待っても火がつかない年月だったのです。温かくならないから回転しない走馬灯,明るくならないからはっきり見えない走馬灯。もう小学校の思い出は終わった。今度こそ自力で中学校の門をくぐろう,今度こそ自力で卒業しよう,だれかがろうそくに火をともしてくれなければ見えてこない走馬灯の絵ではなく,明るい日差しの中で皆が見えることのできる大きな1枚の絵こそ必要なのだ。21世紀の絵を,自力で,あくまで自力で描こう。さてさて,岡山の新しい童話チボリ公園の第2部は,果たしてどのようなストーリーになるのでしょうか。  質問の1番目は,資金調達と事業主体に関してであります。県はチボリ・ジャパン社に対し30億円の追加投資を計画しているわけですが,既に出資している5億円を加えると35億円となり,資本金150億円の約23%となります。これを見ただけでも,知事のチボリをどうしてもやりたいという意気込みが伝わってくるわけですが,県が筆頭株主になれば,これこそ県営チボリ公園そのものです。ここでぜひ明確にお答え願いたいのは,本当に県の出資する35億円以上の出資をして,この事業を本気でやろうという会社がほかにあるのかどうかということです。実はあるけれど今は言えないというのであればそう答えてください。ないのではないかと私は心配しています。いや,今後もそんな奇特な企業は出てこないと予測しますが,知事のお気持ちはいかがでしょうか。  また,そのような民間の事業主体があるないにかかわらず,あと72億円足らずの資金をどのようなところに求めていくのでしょうか。少しでも見込みはあるのでしょうか,お尋ねいたします。さらに,これまでの出資者からの増資もあるのでしょうか。その約束はできているのでしょうか。資本金イコール実質的な事業主体であり,今回の計画の最大の問題点となるわけですから,この点に関しては,十分かつ具体的な答弁をお願いいたします。  さて次は,県の行う保証に関してですが,市中銀行からの借り入れ70億円については保証しないということのようですが,県が保証しなくて,どのような方法で70億円もの借り入れをすることができるのでしょうか。幾つぐらいの銀行から,だれが保証して借り入れるのでしょうか,本当に県は保証しないのでしょうか,お尋ねいたします。  次に,特別協賛金に関してですが,これはまさに救いの神としか言いようがありません。特別協賛金を出そうという神様のような会社は一体どこなのでしょうか。みんなが知りたがっていますのでお尋ねいたします。  もう一つ気になるのは,なぜ「協賛金」であって「資本金」でないのかということです。このチボリ公園計画に対して,主体的には参加したくないというのが協賛金を出そうとする会社の本音だとしたら,よくチボリの危険性を見ているなという気がいたします。将来その会社が事業主体となる可能性があるのかどうか,お尋ねいたします。  さて,県は30億円追加出資し,地代を3年ごとに50年間保証し,70億円をただ同然の金利で貸し,ほかにもNTT―C資金50億円の保証をし,開発公社において駐車場を建設運営をもしというふうに,よくもこれだけチボリに突出して力を入れるものだと思ってびっくりしているのは私だけではないはずです。まさに「県営」と言われても仕方のないチボリ公園ですが,本当にこのままいって地方自治法に違反しないのでしょうか。  また,先日の代表質問に,このチボリは公共性の高い事業と答弁されていましたが,公共性とはどのような基準なのでしょうか。  またさらに,地方自治法に触れないとしても,今回のような危険性の高いチボリ公園などは,本当に県事業として好ましいのでしょうか,お尋ねいたします。  次に,先日の代表質問で納得できなかったのは入り込み客数です。知事の答弁によれば,専門機関が試算したそうですが,その専門機関とはどこでしょうか。また,最近におけるテーマパークのデータを参考にしているのなら,どこのテーマパークでしょうか,お尋ねいたします。そして,300万人という数字はどのような計算方法で算出されたのでしょうか。この種の入り込み客数の予測方法は,細かいものまで入れると50種類以上あると言われていますが,ほとんどの新設パークで利用されている最も一般的な方法は,時間距離モデル法か,またはそれを中心に他の方法を組み合わせるものだと聞いています。どの方法であれ,必ず最後に予測係数を掛け算するわけですから,係数を最大値にとるのか最小値にとるのかで大きな差を生みます。例えば,岡山市でのチボリ計画の予測は400万人と発表されましたが,もし最小の係数値をとれば270万人という数字が出たとも言われております。九州のスペースワールドでは,予測値と実績がどちらも200万人とぴったり一致したそうですが,岡山と交通条件がよく似ている上,極めて精度が高いと言われるスペースワールドのやり方で計算すると幻の岡山チボリ公園の入場者予測は220万人となってしまうのであります。このことから考えて,今回の300万人という入り込み客数の予測はかなり楽観的過ぎると思われます。倉敷には毎年450万人の観光客が訪れるからといっても,入場料だけで1人2,000円,子供を含む一家4人なら6,000円も払って本当に300万人もの人が入場するのでしょうか。チボリ公園は絶対つくるぞという目的が先にあるから,400万人を300万人に下方修正し,あたかも厳しく控え目に見積もった,ゆえに大丈夫という印象を与えようとしたのでしょうが,私に言わせれば,まだまだ甘過ぎると思うのですが,いかがでしょうか。先ほど例に挙げた年間入場者数200万人のスペースワールドと比較して,倉敷チボリの場合どの点がよいのかも含めて計算方法を詳しく説明してください。  入り込み入場者数については,もう一つお聞きしたいことがあります。それは,300万人のうち県内客は何人ぐらいと見ているのかということです。また,1年目に来た人の何割ぐらいが2年目にも来園すると予測しているのでしょうか,お尋ねいたします。  次に,300万人という数字を大幅に割った場合はどうするのかという点についてお聞きしたいと思います。普通,企業が新規事業に着手するときは,最悪の場合のリスク回避を必ず考えておくものです。最低でも客が3分の2になったときはどうするのか。厳しく計画を立てるところでは2分の1になったときのことまで考えるわけです。そのとき新規借り入れを起こすことはかなり困難な話ですから,できるだけ支出を削減するというのが原則です。支出の項目には,削減できる変動費と削減が難しい固定費があるわけですが,チボリ公園事業の場合,例えば地代とか金利,ロイヤリティーとか最低限の人件費などの固定支出は,それぞれどれくらい予定していて,全体支出の何%くらいを占めるのでしょうか。予定支出の内訳を明確にお答えください。  また,悪い事態を想定し,この際200万人のときの収支試算表を公開していただきたいと思いますがいかがでしょうか。300万人以下は考えないという前提で進めるのであれば,その300万人が幾ら厳しく見積もった数字であっても,新規事業の企画としては楽観的過ぎると言わざるを得ません。さらに,計画の中では,この300万人という数字が20年間全然減らないというのも不思議な話です。こんなことは現実にはあり得ないと思いますが,いかがでしょうか。  瀬戸大橋も,岡山空港発のソウル便も,2年目以降は利用者が減少しているという事実があります。全国のテーマパークを見ても,ディズニーランドを除いてほとんどが2年目以降つらい思いをしているという現実もあります。もし,2年目以降250万人しか入らなかったら,何年度に黒字に変わり,何年間で累積赤字はなくなるのでしょうか。同様に,もし200万人しか入らなかったらどうなるのですか,お尋ねいたします。  また,幾ら努力しても,経営が行き詰まったという場合の資金手当てはどこがどのように行うのでしょうか,お尋ねいたします。  最後に,チボリ・インターナショナル社との関係についてですが,従来からの約束である,いわゆるロイヤリティーは今後どのような形になるのでしょうか。例えば,売り上げから3%を持っていかれるというような話なのでしょうか。売り上げに応じて率も変わるとか,あるいは売り上げではなく,利益に対して何%といった契約も考えられますが,そのあたりの約束はどうなっているのでしょうか。また,すべては今後の交渉次第だとしたら,どのような交渉をなさるおつもりでしょうか,お尋ねいたします。また,売り上げの何%かをロイヤリティーとして払っていくような方法だとしたら,ほかの第三セクター方式の会社でそのような前例があるのでしょうか,お尋ねいたします。  以上で,私の1回目の質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  橘議員の御質問にお答えいたします。  まず,県立図書館・文書館の設計者についてでありますが,今回の建物は本県で初めての本格的な県立図書館でありまして,旧日銀本館を生かし,周辺の景観等との調和を図りながら,図書・文書情報の中核的な施設を整備する事業でありますが,したがってその設計に当たりましては高度な技術力,また知識と豊富な実績に基づく応用力が求められるところでありまして,芦原義信氏はすぐれた技術力と豊富な経験を有しており,国内外において,例えばソニービル,あるいはモントリオール万博日本館,国立歴史民俗博物館,東京芸術劇場などのすぐれた実績があります。そういう意味で,我が国の建築業界では名実ともに第一人者でありますが,これらの作品を通じまして日本建築学会賞,芸術選奨文部大臣賞,芸術院賞などを受賞しておりまして,平成3年度には文化功労者として表彰されました国際的にも著名な我が国屈指の建築家でございます。これらの実績を踏まえ検討しました結果,芦原氏が当県立図書館・文書館の設計者として最適任であると考えまして設計を委託したものであります。  また,計画及び設計に際しては,多くの図書館関係者からの意見を聞きますとともに,図書館建築に詳しい千葉大学工学部の守谷教授にも意見を聞くなどして計画及び設計に生かしておるのであります。  それから次に,県立図書館・文書館の建設場所についてでありますが,大正期を代表する貴重な文化遺産である旧日銀本館の保存と活用,利用者の利便性,他の文化施設との関連性など,総合的に検討をいたしまして適地と決定したものでありまして,変更の考えはありません。  CIについてでありますが,県のCIは,県民の地域に対する愛着,また一体感を高め,個性豊かな魅力のある地域づくりを進めるとともに,県の対外的イメージアップも図っていく観点から取り組んでおるというふうにお考えいただきたいのであります。  県のCI計画の中から「岡山県のあるべき姿」というようなものを除くべきであるというふうなお話がありましたけれども,21世紀に向けて魅力ある地域づくりを進めていくためには,県の目指すべき目標像を描きまして,これを行政と県民が共有しながら共通の目標に向かって努力をしていくことが重要であると考えておるのであります。この目標像は,県としての地域づくりの目標であるとともに,県民の力を結集をして,地域の活性化を図っていくためのいわば旗印でありまして,できるだけ多くの県民の皆さんの御意見を伺いながら,県の目指す方向を設定することが望ましいと考えております。現在,マスタープランの素案をもとにいたしまして,県民各界各層の御意見を聴取しておるところでありますが,今後のCIの推進は,あくまでも県民の自主的な参加意識を前提とするものでありまして,県民個々人に特定な価値観を強制するような性格のものではないので,御理解を賜りたいと思うのであります。  それから次に,チボリ公園でありますが,チボリ公園の資金調達と事業主体につきましては,今回の概案では,増資所要額約100億円のうちで民間企業から70億円程度を見込んでおりまして,現在までに,特定の企業からの大口の出資等の見通しはついておるわけじゃありませんけれども,今後関係者との連携を密にいたしまして,県内外の企業にチボリ公園の意義や内容や魅力や県の支援内容について説明しながら協力要請を行い,増資所要額を確保して事業主体の体制の確立を図っていきたいと考えております。  なお,増資対象としては,現在の株主以外の企業等を想定をいたしておるのであります。  市中借り入れの保証ですが,チボリ公園は借地の上に建設することを予定しておりますから,必ずしも十分な担保力を有してはおりませんが,この点を考慮いたしまして,担保力の不足を補完する観点から,資本金,あるいは協賛金,NTT資金を除く必要な借入額の2分の1,約70億円程度は県が低利融資を行うことにいたしまして,市中借り入れの所要額を調整をしておるのであります。予定をしておりますところの70億円程度につきましては,チボリ・ジャパン社の担保力の範囲で調達可能であると考えております。  特別協賛金については,これまでの協力要請の活動の中でおおむねめどがついておる額を予定しておるものでありますけれども,現時点において,この具体的な企業名を明らかにできる段階ではございません。  なお,事業に協力をいただく態様は,協賛金の提供もあれば出資の方法もあるということでございまして,どのような方法でするかは,これはそれぞれ企業の方針によるものと考えております。  それから,事業に対する県のかかわり方が地方自治法違反ではないかというお尋ねでありますけれども,地方自治法などでは地方公共団体の出資や貸し付け,損失補償等は別に禁止されておるものではありません。今回の概案では,チボリ公園の公共的な性格を維持しながら,民間からの資金を調達をしまして,この事業の円滑な運営を確保するための必要な措置として,出資,事業資金の一部の低利融資,また用地の借用やNTT資金の借り入れに当たっての損失補償等を予定をしておるものであります。  また,公共性についてでありますけれども,チボリ公園は他のレジャー志向のテーマパークとは趣を異にしておりまして,コンサートホールや野外劇場などの教養文化施設を備え,花と緑にあふれた環境の中で,子供からお年寄りまで各世代の方々が憩い楽しめる新たなスタイルの都市型公園としての整備を目指すものでありまして,来るべき21世紀に向けて岡山県の活性化を図り,文化の薫り高い魅力ある地域づくりを進める上で極めて有意義であり,またそういう意味で公共性の高い事業であると考えておるところであります。  それから,入り込み客数の予測でありますが,お話のように倉敷美観地区には年間450万人程度の観光客が訪れておりまして,立地条件にはすぐれたものがあると考えておりますが,昨今の厳しい経済情勢の中で,全体として確実性のある計画づくりを行っておりまして,入り込み客数につきましては,最近の経済情勢や他のテーマパークの運営状況も踏まえた幾つかの専門機関の意見をもとに,堅実な予測として年間300万人程度としたものであります。したがって,決して楽観的に過ぎるとは考えておりません。  今回の予測は,幾つかの専門機関の意見を総合しまして,平年度の数値として想定したものでありますが,予測の手法は多様でありまして,また特に県内客と県外客を分けて試算しているわけではありませんけれども,一つの試算では,例えば1時間圏の入り込み客の割合は3割程度と見込んでおるようなものもあるわけであります。  収支の見通しでありますが,今回の案の取りまとめに当たりましては,事業の円滑な運営が確保されますように,全体として現実的な見通しを踏まえた確実性のある計画とするように検討してきておりまして,入り込み客数につきましても堅実な予測を前提としておりますことから,これを大きく下回った場合の試算等は特に行っておりませんが,概案で見込んでおる資金調達の枠組み等に即して計画を進めれば,収支の見通しについても大きな狂いが生ずることはないと考えております。  なお,収支の試算に当たりましては,他のテーマパークの運営状況等も参考にしながら,各般の経費を積み上げて支出の算定を行っておりまして,それぞれの経費によって固定性の強いものもあれば,また変動性の強いものもありますけれども,固定支出分が幾らといった分析方法はとっておりません。  また,開園後にコンスタントな集客を確保するためには,営業面の工夫とともに公園の魅力を高める施設の更新等が必要でありまして,概案では3年ごとぐらいに10億円ないし15億円程度の追加投資を見込んでおるのであります。  いずれにしましても,県としては,将来とも今回予定しておる支援協力の範囲で事業が円滑に運営されますように,今回の概要をもとに県内外の企業への協力要請を進めまして,経営組織や財政基盤の強化を図り,経営環境の変動にも十分対応していくことのできる事業主体の体制の確立を図ってまいりたいと考えております。  それから,ロイヤリティーにつきましては,今後フェーズⅢ契約締結に向けたデンマーク側とチボリ・ジャパン社との協議において決定されることになるわけでございますが,その際には,岡山側の状況に十分理解を求めながら交渉を進めることが肝要であると考えております。  また,他の第三セクターの例としては,千葉県などが出資している東京ディズニーランド,大分県などが出資しているハーモニーランド,北九州市などが出資しているスペースワールド等におきましても一定のロイヤリティーを支払っておるというふうに聞いておるところであります。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  建築工事中の地下水対策についてでございますが,地下水及び地質調査の結果を踏まえまして,連続地中壁等を設けまして地下水の進入を遮断し,しかる後に掘削を行う計画となっておりますので問題はないと考えております。  次に,地下の駐車場についてでございますが,地上の駐車場入り口に来た自動車を自動車用エレベーターで地下5階に運び,再び地上に戻ってくるまで約1分45秒を要するということになっております。また,地下4階及び5階に計画しております82台の自動車を一斉に外に出す場合に要する時間は約70分と試算されております。  市街地内の利便性の高い場所に立地しておるわけでございまして,空間の有効利用という観点から採用された措置であると考えておりますが,今後,運営方法等につきましても工夫を重ねまして,円滑な管理がなされますよう教育委員会ともより一層の意思疎通を図ってまいりたいと考えておりますので,御理解いただきたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  橘議員の質問にお答えをいたします。  まず,県立図書館・文書館の基本設計が手間取ったことについてでございますが,大正期を代表する貴重な文化遺産であります旧日銀本館の保存の仕方や利用の方法,また県民の新しい文化創造の拠点として多様な交流の場を設けると,こういうことなど21世紀を展望した新しい図書館づくりなどの検討に時間を要したところでございます。来年度早々に実施設計にかかりまして,できるだけ早期の開館を目指してまいりたいと,このように考えております。  次に,備品などについてでございますが,基本設計では,パイプオルガンを一応旧日銀本館の一角に設置するよう計画されておりますが,具体的には,今後実施設計の中で詰めてまいりたいと,このように考えております。また,各種の備品購入費は建設費には含まれておりません。これらにつきましても,実施設計を進める段階で個々に積算することとしております。  新しい図書館におきましては,スタジオやギャラリーなどを予定しておりますが,これらを整備することによりまして図書館機能の一層の充実を図り,広く県民に親しまれ利用されるようにしてまいりたいと,このように考えておるところでございます。  最後に,入館者数についてでございますが,新図書館全体の利用者数や図書資料利用者数と,またそれ以外の利用者数とを区分をし,予測することはなかなか難しいのでございます。しかし,他県の新しい図書館の利用状況や新図書館の立地条件のよさなどから推計をいたしてみますと,現在の総合文化センターの図書館利用者が1日に約200人でございますが,これよりも相当ふえるものと,このように思っているところでございます。  以上でございます。 ◆17番(橘民義君)  再質問をさせていただきます。  まず,図書館に関してですけれど,今の教育長の最後の答弁で,今度はどうなるのかということをお聞きしたわけで,前のをお聞きしたわけじゃないんで,そこんとこはどうなんでしょうか,人数の話です。  それから,CIに関してですけれど,知事の答弁の中で,やっぱり共通の目的に向かって努力する旗印が必要だということのようですけれど,私はその旗印というのがよくわからないというか,例えば,具体的なことであれば第4次総合福祉計画で十分だし,そういう何かこう旗印みたいな言葉を羅列してやろうといったって,本当にいいことになるのか。例えば,県がここにもう既に案として出しているのに「美しい自然と共生しながら,人間的な感動と独自の文化を未来に向けて創造する岡山」と。こんなもの別に最後が岡山じゃなくったって,長野だって北海道だってどこでもいいわけで,そういう言葉にするほどのむなしさといいますか,言葉にすることによってきれいごとにしようとする,そんなことしなくったって,別に政策がしっかりしてたらいいんではないかと,そういうふうに思うんですけれど,みんながそういうものに向かって県民にそういう気持ちにというふうな向上心というものは,別に県の方からそれを提示するものじゃなくて,県民の方から沸き上がってくるものならばそれはいいんじゃないかと,私はそんなふうに思います。そういう,みんながみんながという考え方みたいなところに基本があるんじゃないかと,そこんとこを指摘してるわけなんで,もう少し私の方も説明不足かもしれませんけど,知事の方ももう少し説明していただきたいと,そういう気がいたします。東京都でも3年ほど前につくったけれど,ほとんど効果はないというふうに私は聞いております。  それから,チボリですけれど,一つ気になるのは公共性なんですけれど,さっき公共性の利を知事は述べられましたけれど,じゃあスペイン村は公共性がないのかあるのかということにもなってくるし,じゃどこに公共性の基準を設けているのかというのが私の質問なんで,それに対してチボリはこういう公共性があるという答弁じゃないんですね。公共性の基準を知事はどういうふうに考えておられるかということを聞いたわけなんです。そこのとこを,もう少し詳しく教えていただきたい。  また,先日の代表質問の答弁の中にあったんですけど,公共性を維持する,高めるために資本も投下するというようなことですけど,その公共性というのは,資本を投下したり,何か県が力を加えたりしたら余計に高まったりなんかするもんなんでしょうか。もともと公共性というのはどれだけ公共なのかという基準があるからと,私はそう思うんですけれど,そこのとこをお答えいただきたい。  それから,問題点はまだたくさんあって,入り込み客数ですけど,私今の答弁だとやっぱり勘というか直観じゃないかと。どういう式で,確かに数式をここで説明せえと言うたら難しいかもしれませんけれど,どういう専門機関ですか,幾つかの専門機関じゃなくてどこですかというふうにお尋ねしてる。どういう計算式ですかとお尋ねしてる。それに対しての答弁としては,直観の方が多かったという答弁のように聞こえましたけれど,そこのとこはいかがでしょうか。  その300万人に対してなぜそんなにこだわるかというと,やっぱり200万人だったらどうなるのか,250万人だったらどうなるかというのを考えないで新しい新規事業をするなんてことは,企業だったらあり得ない。それをしないで,もう300万人以下は考えないというところからスタートしてるということで試算表をつくれば,それはいい試算表ができますよ。  私は,実はいろいろと自分でデータを想像しながら,250万と200万と試算表を全部つくってみました。これは,知事の言われる専門機関に任せてつくっていただいた。それは250万人だったら絶対にできない,この公園は。企業だったらしない。ということは,250万でそれだけ危ない仕事だったら,300万でもしないというのが総合判断だという専門家の意見ですけど,聞きました。そういう危険性を含んでいることを県がやっていいんですかということを──県がやると言われてもしょうがないような状況になってきてしまってるわけですから,やっていいんですかと,そこのとこをお聞きしてるわけで,だから事業主体はどこになるのかということが最大の問題点になる。保証はどこまでするのかということが問題点になる。  釧路市で悪い例があるんですけど,釧路市が第三セクターでフィシャーマンズワーフをやったんですけれど,これは平成元年に開園して,既に平成4年には経営改善検討委員会が設立された。なぜかというと,大失敗してるわけです。釧路市も資本を出してて保証もしている。そういう事実さえあるわけなんですが,何でもやればうまくいくだろうなんてことで見切り発車は絶対してほしくないというのが,また県民の声でもあると思います。県民の直観というのはなかなか正しいんではないかと私は思いますので,そこのところをもう少し詳しい答弁を要求いたします。 ◎知事(長野士郎君)  橘議員の再質問にお答え申し上げます。  まず,CIの関係で,共通の目標とか旗印とかいうこと,そういう案があって,その案の中にも岡山というところを長野と書いても広島と書いても同じじゃないかというようなお話もあったわけですけれども,これはしかし,やはり多くの県民の方々が,岡山の未来というか,岡山かくあるべしという気持ちでいろんな意見が出てくる中で,集約されたものがあればそれはそれで非常に価値のあることでございますから,私どもは,やはりそれによってお互いに行政と県民が一つの旗を持ち合えるということ,そして地域の活性化のためにその目標に向かって進んでいこうやというような合意がだんだんできていくということは極めて望ましいことだと思うんです。そんなことは個々人勝手に考えりゃいいんだというそれも一つの考え方ですが,我々としては,やはり岡山県が今こういうときになって,21世紀に向かっていかにあるべきかということを,県民の皆さんもひとしくそういう意味での期待と,それから見通しというものをどうあるべきかということを模索しながら考えてくださってると思いますけれども,それに対して大勢の意見を集約しますと,こういう方向で一つの目標を考えていこうじゃないかということであれば,それはそれで私は極めて立派なことで結構なことだと思っております。この辺になると考えの相違ということになるかもしれませんが,どうぞひとつそういう意味で御了解を賜りたいと思うのであります。  それから,チボリ公園の公共性についてということでいろいろお話がありましたが,我々が端的に申しまして,チボリ公園というものが単に営業と利益だけを追求する公園というような性質のものであるべきでないというふうに,チボリ公園そのものの歴史やあり方を見てて痛感をいたすわけであります。その中にあるのは,やはり花と緑に囲まれたといいましょうか,庭園部分の美しさといいましょうか,それと同時に,コンサートホールでありますとか,野外劇場でありますとか,それ自身としては,ほとんど営業的に必ずしも成り立つとは思えないような施設に大変大きな力を入れながら今日まで経営をしておるということは,私は大変立派なことだと思うんですが,これを我が国の中で考えます場合には,やはりそういう岡山県の21世紀に向かっての新しいライフスタイルとして,小さい方からお年寄りまでが本当に憩い楽しめる,しかも文化や教養性の高い──これは今までそういうものはないわけですから──そういうもの,したがってそれは一つの文化的な公園といっても差し支えないものですけれども,そういうものを維持していくためには,やはり公共性ということでそれを保証し担保し,それがいつまでも続いていくようにしていくということは私は大変必要なことだと思いますから,これからの公共性というものの幅広い意味でそういうものを我々は受けとめていくべきではないかと考えておる次第でございます。そういう意味で,私どもは単なる営利だけを追求するようなものならこれは幾らでもある。そうでないものをつくる。そうでないものをつくるときに,しかもそれを経営者としての民間資本とどういうふうにうまく融合していくかということを考えた場合には,やはりそれをこれからの新しい時代における新しいテーマパークというもののあり方としてひとつ考えていくべきではないかと。そういう意味で,公共性ということを考えておるわけでございますから,相当高い一つの目標的な意味,価値を実現するという意味での公共性という分野がかなり含まれておると考えていいのじゃないかと,私どもは思っておるわけでございます。  それから,入り込み客数について。これは,いろんなそういう専門家や,あるいは金融機関や,いろんな研究所や,いろいろございますから,いろんなところでいろんな計算方式を持っておるわけでございます。それから,観光関係の人たちもそういう計算方式や入り込み客数の推定をする方式を持っておるわけでございますが,私どもは,それらのいろいろな方式を一応全部一当たり参照しながら,最も確実と思われるような予測数値を立てるということの中で結論を得まして約300万人ということにいたしたわけでございます。これは,お話のように平均しての300万人でありますから,それは初年度300万人来ても必ず300万人が下がるんだよという話もありますけれども,コンスタントに300万人を考えていくということができるようにひとつ努力をしていかなきゃいかん。そういう意味では,初度投資だけやってそれが済むというものじゃないと。したがって,これは年々新しい投資を追加していくということも当然考えて,つまりそれは,チボリ公園は永遠に完成しないというのがチボリの哲学だと言われておると同じようなことを我々も考えていくべきだというふうに思っておるところであります。そして,事業主体というものは,そういういろんな変化の中で十分対応できるような事業主体の体制をぜひひとつ確立をいたしたいと考えておるところでありますので,御了解を賜りたいと思います。  なお,専門にわたることを余り言われますと私もよくわかりませんから,これはひとつ担当の部長にそのお答えをさせざるを得ないもんがあるかもしれませんが,御了解をお願いいたします。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  橘議員の再質問にお答えいたします。  先ほどもお答えをさせていただきましたように,新しい図書館全体の利用者数というふうなことになりますと,またその中に文書館,それから先ほどお答えさせていただきましたようにスタジオであるとか,そういうふうないろんな施設をつくりまして,できるだけ親しみやすい利用しやすいと,こういうふうなことを考えておりますので,先ほどお答えさせていただきましたように総合文化センターの1日の人数よりも相当数の来館者があるのじゃないかと,このように思っておるわけでございます。したがいまして,実際1日に何人かと,こう言われますとなかなか難しいわけでございますけれども,私自身の勝手な推測で申させていただきますと1,000人を超える人が1日に来ていただけるんじゃないかと,このように思っておるわけでございます。  以上でございます。 ◆17番(橘民義君)  もう一度発言させていただきます。  今まで私は,チボリ公園事業というのを冷たくは見ていました。しかし,反対したことはなかったんです。別にヨーロッパの文化を日本に輸入するというのが悪いとも思わないし,青少年の非行の場になるとも思わないし,仮に多少夜型であっても仮にレジャーランドであっても私は悪いと思いません。しかし,内容を見て,なかなか内容がわかってこなかった。どうしても必要なものとも思わないし,岡山市でのいきさつも含めて冷たくは見てました。そして,今回,きょうの知事の答弁をお聞きしまして,これはだめだなという結論に何となく頭の中で至ったので,そのことを申し上げたいと思います。  主な理由はですね,やっぱり計画が不透明,経営の色彩の強さがはっきりと出ていて,あとだれが資本を出すのか,どういう事業主体があるかということがいまだかつてわからない。わからないけれど知事が提案して,仮に6月に補正で出資を決めればこれは引き返せない。わからないのに引き返せないことをやるという,その手法というのは私はだめだと思います。それから,それが将来,やっぱり県民に大きな負担を強いる可能性が高い。いや高いか低いかという議論はないにしたって,そういう可能性が十分あるということであります。それを本当にここで踏み切ってやっていいのか,私はそうは思いません。  それから,何かこれはどっちでもいいことかもしれませんけど,倉敷へ倉敷へと草木もなびくという気もしないでもない。結局,知事の意地であって県民の要求じゃないんじゃないかと,私は,チボリ公園もそうだし,県立図書館もそうだし,倉敷芸術科学大学に関してもそうだし,ごり押し3点セットと名づけたいと思います。  議会は,意思決定機関で,私は,その中で一生懸命このことを反対したいということを表明しておきますけれど,こういうことを言うこともないんですけど,議員の皆さんにも後世に禍根を残さないようにひとつみんなで反対しようじゃありませんか。  再答弁は必要ありません。 ◆41番(山下晴三郎君)  5項目についてお尋ねいたします。  宇野線の高架事業について,まずお尋ねいたします。宇野線の大元駅周辺の複線高架化については,たびたび取り上げてまいりましたが,残念なことに平成5年度新規事業としてはまたしても不採択となりました。二度あることは三度あるで,まことに残念であります。地元民及び大元駅周辺の踏切を利用するマイカー,また営業車等の運転手の悲願でもあり,何としても早期に実現をしていかなければならないと思います。  今回,平成5年度に連続立体交差事業として新規採択されたのは,東京都内JR中央線立川―国立駅間2.8キロメートル,それから広島県内のJR山陽本線向洋駅―海田市駅間6.3キロメートル,それから福岡県の西鉄大牟田線花畑駅付近2.0キロメートルの3カ所であり,不採択の箇所は宮城県内JR仙石線多賀城駅付近1.6キロメートル,高知県JR土讃線高知駅付近4.1キロメートルと,岡山県のJR宇野線大元駅付近3.2キロメートルの3カ所であります。  今回の大元駅付近連続立体交差事業不採択の理由といたしまして,JR西日本との協議及び沿線の区画整理事業における一定の調整が図られていないということのようであります。区画整理事業につきましては,宇野線の西側地区は大規模な区画整理事業も大方済んで,東西南北を何本も走る片側2車線,3車線の広い道路沿いには店舗,住宅,マンション等が次々と建てられております。新しい岡山の副都心としての機能も備え得る立地条件に恵まれております。  大元駅付近の立体交差事業は,単に大元駅周辺のためだけではないはずであります。都市計画道路中仙道南方線を中心とした東西交通の渋滞緩和,踏切における事故防止,沿線における土地利用の促進の上から見ても早期の事業化が何としても望まれるところであります。先ほど挙げた大元駅付近の土地区画整理事業は,これに参加しないで反対する住民のためにおくれているということは確かでありますが,この区域の広さは全体的に見てごく一部であり,これを理由に立体交差事業を不採択にすることは嫌がらせとも受けとめられるのであります。この点についての御見解を伺いたいと思います。  たとえこの点をクリアしたとしても,JR西日本との交渉の方がより難しいのではないでしょうか。JR西日本側は,平成2年度では費用負担に見合う受益がないと反対し,鉄道残地を残したままでの単純高架であれば同意すると言っていました。平成3年度では,JR西日本の言い分として,宇野線は複線認可を得ていないと言っていますが,これは瀬戸大橋線が併用されていることを棚上げにした単なる逃げ口上にすぎないと思います。また,複線をしないわけではないが,複線化についてはJR独自の判断ですると言っており,親方日の丸の気風がいまだに抜けていないと思います。平成4年度になると四国鉄道整備促進期成会──会長は平井香川県知事でありますが,そこから中四国一帯の発展のために,岡山―茶屋町駅間の複線化を求める要望が出されておりますが,JR西日本は,相も変わらず高架事業については単純高架の費用しか出させないということを繰り返しております。また,建設省の意見として,平成3年度には将来の複線用地をJRが管理したいということはおかしいと,費用負担が単線の場合の事業採択はあり得ないとしております。JR西日本の言う当面単線,将来複線という考え方は,運輸省,建設省の協定をつぶすものであると言って反対をしております。また,平成4年度では,JR側との複線化の協議が先決問題であるとし,JRの提示している単純高架費用分7%(10億円)は納得できないとJRに反論をしておるところであります。瀬戸内3橋時代になっても,鉄道併用橋は瀬戸大橋だけであります。  瀬戸大橋線は,岡山―茶屋町間は宇野線と同じ線路を走っていますが,この間が複線になれば,輸送量は飛躍的に増大するものと思われます。四国へ渡る特急列車が途中の小さい駅ですれ違う普通列車を何分も待つという単線ならではのこっけいな風景もなくなるのではないでしょうか。増便による利益増は,すべてJR西日本の収入になるのでありますから,将来を展望してもJRはここらで大英断を下すべきではないでしょうか。  単純高架部の総事業費は150億円で,この場合の費用負担は都市側93%,JR側7%でありますが,線増高架(複線)になると総事業費は50億円上乗せとなって200億円になります。線増高架部での費用負担割合は,都市側は0%,JR側100%となり,総事業費200億円に対する費用負担額は都市側46.5%で93億円,JR側53.5%で107億円となります。JR西日本が単純高架に固執し,線増高架に反対する最大の理由は,この大幅な費用負担増にあるのではないでしょうか。この費用負担の割合は基本的な考え方であって,JR側の負担をどこまで少なくすることができるのか。JR側は,単純高架10億円しか出せない,これが限度でこれ以上は出せないという考えを現在まで変えていませんが,このJR側の107億円の費用負担の軽減を図ることが線増高架実現のかぎではないかと思いますが,この点についての所信を伺います。  この大元駅付近の立体交差事業の事業主体は岡山県であります。ここで岡山県のリーダーシップを発揮すべきであると考えますが,いかがでしょうか。JRの費用負担の軽減については,最も恩恵を受ける四国4県に強力に働きかけて,何としても実現へ向けて最善の努力を尽くすべきと思いますが,今後の取り組みについて誠意ある回答を求めたいと思います。  また,岡山市の大元駅周辺の土地区画整理事業の推進については,市の領域であるからということではなく,どのような形で事業推進に協力できるのか,お考えを伺いたいと思います。  次は,運転免許試験場跡地の利用についてお尋ねいたします。知事の英断により,全国に先駆けて宅地賃貸制度が実施され,早いもので既に11年経過いたしました。当初,岡山市浦安本町と郡地区,津山市の二宮地区に整備されましたが,その後吉備高原都市,岡山市西大寺,笠岡市西大島にも拡充され,平成2年の二宮地区の2期事業までに賃貸された区画数は合計265区画となっております。抽せんに当たった人々は,他の住宅団地よりも安くて広い敷地に大き目の家を建てて快適な住宅ライフを楽しんでおられます。10年間土地価格は据え置きの制度も歓迎され,今では多くの人も土地を購入されていると聞いております。平成4年12月末で265区画のうち116区画,44%が既に購入されております。  このたび県警の運転免許試験場が御津町中山地区に運転免許センターとして建設中であり,本年12月オープンの予定であります。郡にある現在の運転免許試験場の跡地については,知事にも立地条件のよさからいろいろな御構想がおありと思います。岡山市中心部,玉野市,倉敷市へも通勤可能な場所であることなどを考えて,この跡地の一部を宅地賃貸制度の用地にしてはいかがかと思います。この隣接地には,既に22区画の賃貸宅地もあり,民間の新しい団地もあり,湖水の近くでもあり,児島湖の浄化が進められれば南に児島連山を控え快適な住環境になると思います。ぜひとも賃貸宅地として活用していただければと思いますが,知事の御所信をお伺いいたしたいと思います。  次は,環状線の整備についてお尋ねをいたします。車社会の弊害として,朝夕のラッシュ時の主要道路の混雑は大変なものがあり,改善の兆しはなかなか見えてまいりません。放射線状に都心へ向かう幹線道の形態から,ラッシュ時の混雑は必然的に生じてきますが,この問題の解決は環状線の整備にあります。岡山市内には,環状線構想として外環状,中環状,内環状線の3本があります。その整備は逐次進められているとはいうものの,公共事業であるため事業の進捗ははかどらない面があると思います。政府の景気対策としての公共事業の大幅増,第11次道路整備5カ年計画によりどの程度進むのか,期待の持たれるところであります。  外環状線の中で,岡南大橋は公共事業でなく有料道路として整備し供用開始されていますが,この岡南大橋から西へ国道30号までの事業着手の時期はいつごろになるのか。また,都市計画道路福田一宮線も国道180号へ向けて事業中であります。この完成時期は何年先を予定されておられますか。この3月31日には,山陽自動車道の岡山インターチェンジから岡山ジャンクション間が供用開始されますが,そうなると国道180号,国道53号へ出てくる車両も大幅にふえることが予想され,外環状線の早期完成が待たれるところであります。今後の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。  中環状線のうち,都市計画道路万成国富線はOHKの東側から旭川までの買収状況についてお尋ねをいたします。また,この中環状線は,旭川をまたがるわけでありますが,ここで旭川にかける橋の建設についてはどのように考えておられますか。  都心に最も近い内環状線が一番改良が進んでおりますけれど,青江津島線の事業中の箇所はいつごろ供用開始になるのですか。  また,久米東岡山線のうち,野田地区以西の暫定供用区間の改良はいつごろになるのか,以上の諸点については土木部長にお伺いをいたしたいと思います。  次は,下水道の整備についてお尋ねをします。県では,児島湖の流域下水道の整備に力を入れ,幹線管渠は既に大半が設置されていますが,これに結びつく岡山市,倉敷市等の支線,末端の管渠の整備がおくれております。両市とも下水道整備を市政の大きな柱としていますが,平成4年3月末で県下の普及率は人口193万6,000人に対し,下水道を利用している人口は44万7,800人で23.1%にすぎず,前年より1.3%上昇したとはいうものの,平成4年3月末時点で全国平均45%の約2分の1にしかなっておりません。全国47都道府県中31位という情けない数字であり,10年前の21位から大幅に後退しており,このことはとりもなおさず他府県の下水道整備の熱意が岡山県を上回っているということになります。すなわち,10年間の全国平均の普及率は14%上昇していますが,県下では8.7%にすぎないわけであります。現在,県下で下水道施設が利用できるのは,岡山,倉敷など9市8町1村と1組合──吉備高原都市でありますが──ここであり,瀬戸町など6町村が事業着手をしております。計画策定中が30市町村,全然計画のないのは22町村となっています。普及率向上のためには,岡山市38.7%,倉敷市23.9%など,人口密集地域の普及率を上げる以外にありません。県では,昭和63年度に計画策定費補助制度,また平成4年度には末端管渠整備費補助制度を創設し,市町村の下水道事業を支援しておりますが,現在の進捗状況では,第4次総合福祉計画の最終年度である平成7年度までに,目標である普及率34%の達成は難しいのではないでしょうか。下水道の普及率は,文化生活のバロメーターとも言われておりますが,県としての今後の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。  最後は,骨折事故の多発についてお尋ねをしたいと思います。日本体育・学校健康センター岡山支部のまとめによりますと,県下の学校で体育時間や休憩時間に骨折や捻挫などのけがをする児童生徒がふえていることが判明をしております。  平成3年度に,学校管理下,登下校時も含んだもとで,けがや病気をして災害給付の適用を受けたのは2万5,076件で,前年に比べて751件ふえ,支給総額も1,835万円ふえて2億9,805万円となっております。児童生徒100人当たりの災害発生率は,昨年より0.36%ふえて6.66%となっており,全国平均4.8%を大きく上回っております。島根県の6.74%に次いで全国2位ということであります。ここ10年間,毎年ワースト5以内に入っておるわけであります。しかし,1件当たりの医療費平均給付額は全国33位で,軽傷が多かったのがせめてもの救いであります。  学校災害の内訳で一番多いのが骨折で5,603件,前年に比べ390件増加し,小中高の中で一番多いのが小学生の168件,次いで高等学校の117件,中学校は57件となっておりますが,骨折が起こるのは,小学校はドッジボール,中高校はバスケットボールなどの競技で指や腕の骨を折る場合が目立っております。骨折や捻挫の増加について,県教委は,最近の子供は基礎体力が下がったというのではなく,転んだときに前に手を出すという動作が鈍くなっているのではないか。塾通いやテレビゲームの普及で戸外での遊びが少なくなり,基本動作や機敏さが衰えているというように見ていますが,この点について教育長の見解を伺っておきたいと思います。  現在では,骨粗鬆症というカルシウム不足による骨の弱体化が進み,大人でも骨折しやすくなり,また治りにくいことが指摘されております。児童生徒の骨折の原因も食生活に起因するものもあるのではないかと思いますが,この点についてはいかがでしょうか。小魚を骨ごと食べるという習慣も薄れてきており,インスタント食品への依存度が高くなっている点も注意すべきであると思います。カルシウム不足を補う錠剤は非常に吸収しにくいということも言われておりますが,カルシウムを食品から摂取する上で,小中学校の給食,中高校生の食生活の改善について御意見をお伺いいたしまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  山下議員の御質問にお答えいたします。  宇野線の高架事業の不採択の理由でありますが,さきの代表質問でもお答えいたしましたように,連続立体交差事業は単に踏切を除却するだけではなくて,鉄道により分断された市街地の一体的な発展を図ることを目的といたしました都市計画事業でありまして,岡山市が施行する大元駅周辺の土地区画整理事業等の街づくりの進展が事業採択に当たりましての必要な要件となっておるところであります。さらに,連続立体交差事業は,都市側と鉄道側との共同の事業でありますことから,JR西日本との複線高架化に伴う費用負担の調整も重要な採択要件でありまして,これらの要件を満たすに足らなかったために採択が見送られたと考えております。  JR西日本との協議でありますが,従来は,将来の複線化を踏まえた単線高架化の事業採択を建設省に要求をしてきておりましたけれども,岡山―茶屋町駅間の複線化問題が取り上げられたことに伴いまして,複線化を前提とした高架事業の費用負担について調整することが必要になってまいりました。連続立体交差事業の費用負担につきましては,これは建設省と運輸省との協定に定められておるところでありまして,この協定によりますと,単線を連続立体交差事業と同時に,複線の高架にする場合においては,その複線部分に伴う建設費は全額鉄道側が負担することになっておりますが,このために費用負担割合を県と鉄道側との協議によって変えることがなかなか困難なのでございます。  今後の取り組みでございますが,複線化を前提とした連続立体交差事業の費用負担について,関係者間で調整を図っておるところでありまして,今後とも,早期に合意が得られるように努力をしてまいりたいのであります。  また,岡山市が実施する関連の区画整理事業を推進しますように,従来のように積極的に指導してまいりたいと考えております。  次に,運転免許試験場移転後の跡地の一部を宅地の賃貸事業に活用してはとの御提案でございますが,お話のございますようにこの土地は市街地に近接した交通の便のいい場所でありまして,御提案の利用方法も一つの案と考えられますが,いずれにいたしましても最大限の有効利用が図られますように早急に検討してまいりたいのであります。  下水道の整備についてでありますが,下水道事業は本来市町村の責務として進められるべきものでありますが,普及率の向上には,お話のありましたように岡山市,倉敷市の早期整備が大きく寄与すると認識をしておりまして,県としても児島湖流域下水道の認可区域の拡大を行い,岡山市,倉敷市等の関連市町の面整備の進展を強力に指導してまいっておるところでございます。  また,市町村の下水道整備を促進いたしますために,計画策定に対する補助,末端管渠整備に対する補助も行っております。この結果,新規事業着手は平成4年度には2町村であり,平成5年度には5町村が予定されております。  新規計画策定につきましても平成4年度には8町村を数えるなど,県下全域で着実に下水道の事業の促進が図られておるところでありますが,今後とも,これらの補助制度の効果的運用,市町村に対する強力な支援,指導を行うなどによりまして,第4次総合福祉計画の目標を達成できますように最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますので御了承賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  岡山市内の外環状線についてでございますが,岡南大橋から国道30号までの間のうち,都市計画道路洲崎築港栄町線から津島飛行場線間につきましては,現在岡山市におきまして事業化のための調査や事業手法の検討が進められておると聞いております。  また,津島飛行場線から国道30号の間につきましては,岡山市におきまして都市計画決定のための調査が進められておると聞いております。県といたしましては,早期に事業着手がなされるよう適切な指導をしてまいりたいと考えております。  都市計画道路福田一宮線でございますが,国道180号岡山西バイパスとして国において整備が進められております。国道2号岡山バイパスから県道岡山一倉敷線間につきましては,用地買収を概成しておりまして,現在水路工事等が進められておるところでございます。  また,県道岡山倉敷線から国道180号間につきましては,地元設計協議が進められておりまして,今後とも全線の早期完成が図られるよう国に要請してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても,岡山外環状線は市内の交通混雑解消などに大きく寄与することになりますので,事業中の箇所の早期完成や未整備区間の都市計画決定あるいは事業化など,関係機関と協力しながら早期に整備されるよう努力してまいりたいと考えております。  次に,中環状線の都市計画道路万成国富線の買収状況についてでございますが,国道53号から都市計画道路岡山山陽線までの延長783メートルの区間につきまして事業に着手しておりますが,現在約80%の用地を買収済みでございます。平成5年度には,この事業区間にございますJR津山線と立体交差につきまして,関係者と具体的な協議を行うこととしております。この路線は,市街地の交通緩和を図る上で重要な路線と考えておりまして,早期完成に努めてまいりたいと考えております。  また,旭川の架橋についてでございますが,現在実施中の区間の進捗状況を踏まえて,今後事業化について検討してまいりたいと考えております。  次に,内環状線の都市計画道路青江津島線の供用開始についてでございますが,現在岡山市におきまして大元工区の延長282メートル及び奉還町工区の延長388メートルの2カ所について事業実施中でございます。大元工区につきましては,一部区間を供用しておりますが,残る区間につきましても,平成5年度末には完成の予定であると聞いております。  奉還町工区につきましては,現在約50%の用地取得を完了しておりまして,平成7年度末には拡幅工事が完了する予定であると聞いております。  それから,都市計画道路久米東岡山線の野田地区以西の改良についてでございますが,大野辻交差点までの約1.4キロメートルは,岡山市施行の西部第1,西部第2地区土地区画整理事業で拡幅整備されまして,現在全面供用開始しているところでございます。それから,大野辻交差点から都市計画道路福田一宮線の延長約1キロメートルの区間につきましても,岡山市施行の西部第4地区土地区画整理事業によりまして,平成5年度から事業に着手する予定と聞いております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  山下議員の質問にお答えをいたします。  学校管理下におきます児童生徒の骨折についてでございますが,御指摘のように小学校,中学校,高等学校とも増加をしております。この原因にはいろいろ考えられますが,日常生活におきます遊びや運動経験の不足などが大きいと考えられ,学校におきましては,児童生徒の発達段階に応じて,体育の時間や休みの時間などを利用して反射的に身を処する能力などを育て,体力を増強するように努めておるところでございます。  また,御指摘のように,食生活も大きな要因と考えられますので,学校給食では毎食牛乳を飲用するとともに,カルシウムを多く含む小魚や緑黄色野菜,海藻なども取り入れた献立を実施をし,1日のカルシウム所要量の55%を確保することとしております。今後とも,家庭と連携を図りながら,児童生徒の体力向上のための運動機会の拡大や正しい食生活のあり方につきまして指導してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆41番(山下晴三郎君)  再質問したいと思います。  宇野線の連続立体交差について,一番の隘路というか,やはりJRの費用負担にあると思うわけです。その面から考えたら,この宇野線,瀬戸大橋線というのはチボリ以上に公共性が高いわけですから,そこへそのまますんなりとは県が金は出せないと思いますけれども,何らかの方法を考えて研究して,30億円ぐらい県がどんと出せば,四国4県にも10億円とか20億円の負担を要求することもできるんではないかと。そうすれば早期に実現も可能ではないかと,このように考えますが,知事のお考えはいかがなものか。  それからもう一つは,運転免許試験場跡地の宅地賃貸制度についてであります。知事から前向きな答弁をいただいたと思いますので,ぜひとも早期に実現できるように,この点は御要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎知事(長野士郎君)  連続立体交差事業についてのJRの費用負担103億円とか7億円とかいう話ですが,これは公共性が高いんだからおまえのところで負担しろと言わんばかりのお話でございましたけれども,これはそうは簡単にはまいりません。これは,他のいろんな関連とすぐ関係するものでございますから,それぞれの関係機関と十分検討をいたしました上で──JRというのが近ごろは国鉄時代以上に,何事につけても採算性採算性と言い過ぎております。そして,すべてが採算性がとれるのなら,それは大都会を中心にした鉄道網だけにした方が一番いいわけで,そんなことが一体できるわけがない。したがいまして,そういう意味で言いますというと,運輸事業というものの公共性というものを本当にどう考えるのかというのは,私どもに言わせればもう少し考え直してもらいたいという気持ちがいっぱいでございますので,いろいろと関係方面とひとつ調整をしながら検討をしていくということにさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ◆26番(森正人君)  3月18日から,岡山―東京間を3時間15分で結ぶ「のぞみ号」がいよいよ運転開始をいたします。私の家から岡山空港まで1時間,搭乗手続30分,フライト時間70分,それから羽田空港から東京駅までの移動時間が約40分でございまして,飛行機を利用すれば3時間20分かかるわけでございます。「のぞみ号」を利用すれば,私の家から東京駅まで4時間足らずで行けるようになります。料金,搭乗手続,移動,乗りかえ等考えると断然「のぞみ号」が有利となります。真庭圏域では,中国横断道の米子自動車道の開通で米子空港まで約1時間で,米子空港利用の方が利便性が高くなりました。  岡山空港の定期便利用状況を調べてみますと,景気の低迷,ビジネス客の減少,旅行の手控え等により,昨年末より利用率が極端に低下しております。新空港に移転して以来,利用率はおおむね65%前後をキープしておりましたが,昨年の8月ごろから微減が始まり,12月,本年1月,2月と,いずれも40%台に低迷しているのであり,ソウル国際定期便も50%程度と聞いております。けさの新聞でも御案内のように,日本航空のスチュワーデスの採用延期というふうなことで,航空会社は四苦八苦しておるようでございますけれども,ある航空会社の岡山支店長に聞きますと,採算ラインというのは搭乗率大体50%程度を一つの目安として考えておるというふうに答えてくれました。  今月25日には華々しく2,500メートル滑走路が供用開始されようとしておりますが,このまま空港利用が低迷を続けるならば,航空会社は減便も検討課題となってくるのではないかと心配をしております。知事は,この事態をどう認識されているのでしょうか。この際,お互いに知恵を出し合い,空港利用を促進するための方策を考えなければならないと思います。  第1は,エアポート60構想の強力な推進であります。山陽自動車道の1年後の県内全線開通を見通して,吉備新線,53号岡山北バイパスの早期完成が待たれるところでありますが,およそ完成のめどはどうなっているのか,伺っておきます。  空港運用時間が11時間半から13時間へと延長されることは大変喜ばしいことでありますが,これを機にさらに県民が利用しやすいダイヤへ再編成する努力が大切であると思いますが,いかがでしょうか。  宮城県の仙台空港は現在2,500メートルで供用開始をしておりますけれども,東北,北陸地方のハブ空港としての機能を持たせるために,次の第7次空港整備5カ年計画に4,000メートル化を採択すべく作業を開始したと聞いております。航空貨物輸送の実績も,税関の常設により国際線を中心に急増しており,税関手続の簡素化,スピード化と相まって地方空港優位との考えから,今後さらに大幅な利用増が期待されております。  岡山空港航空貨物基地については,県有地19ヘクタールと民有地15ヘクタール,計34ヘクタールの取得の見通しがついたと聞いております。現在の貨物ターミナル用地は3,800平米でありますから,敷地面積は一気に90倍になるわけであります。中四国の航空貨物物流の拠点として整備していこうとの意気込みが感じられるわけであります。関西新空港のサブ空港として位置づけ,国際貨物便のハブ空港として位置づけるならば,仙台空港同様,第7次空港整備5カ年計画の中に,4,000メートル滑走路とあわせて滑走路の複数化を採択すべく準備をすべきではないか,知事の決意を伺っておきます。  国際定期便についてでありますが,香港,台湾,中国,グアム,サイパン,ニュージーランド,シンガポール,オーストラリアなど,多くの国際チャーター便の実績を積み重ねてきたわけでありますが,既設のソウル便以降の見通し及び時期について伺っておきます。  次に,日本人の平均寿命は,女性が82歳,男性が76歳と世界一の長寿国になりました。一方,生まれてくる子供の数は,御夫婦2人で1.53人であります。  最近の岡山県の毎月流動人口調査を見ると,14歳までの年少人口比17.3%,15歳から64歳までの生産年齢人口66.6%,65歳以上の老年人口15.9%で,対前年比で見ると,年少人口マイナス0.5ポイント,生産年齢人口マイナス0.1ポイント,老年人口プラス0.5ポイントであり,少産化,高齢化の傾向がはっきりとあらわれております。あと数年いたしますと,老年人口が年少人口を上回ることが確実であります。出産のおめでたよりも葬式や法事ばかりが目につく社会を考えるとき,日本の将来に対して一抹の不安を感ぜずにはいられないのであります。  明治初年の日本人口は3,000万人でありました。昭和2年が6,100万人,そして現在1億2,400万人と,約60年というパターンで倍々ゲームを繰り広げてきた日本の人口も今後は次第に減少期に入っていくことは間違いないのであります。子供をもう一人つくりなさいとか,年寄りは早く死になさいとか言えないわけでありますから,少産化,高齢化をはっきりと認識し,それに対応したシステムづくりを真剣に考えていかなければならないと思います。知事は,このことをどう受けとめ,活力ある21世紀のために今県としてどのような対策が必要なのか,伺っておきます。  こうした人口構造の変化による高齢化社会を支えるために医療分野にもいろいろな問題が生じております。例えば,医療現場から聞こえてくる深刻な看護婦不足であります。病院,特別養護老人ホーム,老人保健施設など,いわゆるハード面はでき上がっておりますが,それを支えるマンパワーが不足しているという問題であります。統計的に見ると,現在岡山県では,看護職として働く者約1万6,000人,資格を持ちながら休職している者8,000人,年間の離職者が約1,800人,一方県内の養成施設で年間2,000人を養成しておりますが,そのうち県内にとどまる者は約900人,県外から逆に流れ込む者100人,再就職をする者約1,000人,合計2,000人であります。これを単純に計算しますと,看護職員は毎年200人程度の増加しか見られないのであります。  ところで,岡山県は,看護職員離職者の実態調査を行い,昨年岡山県看護職員需給見通しを策定されました。大変結構なことであります。その中で,環境保健部長は,平成5年,すなわちことしでありますけれども,不足が1,350人とピークを迎え,平成12年でも依然560人が不足すると述べておられます。迫り来る超高齢化社会,施設の増加,年少人口の減少による看護職への絶対数の不足及び質の低下,週40時間制への移行と週休2日制の実施,さらに夜勤回数の減少等を考えるとき,現状認識が甘いと指摘せざるを得ません。私がちょうど4年前に,看護職員の需給見通しについて今の環境保健部長の前任の環境保健部長に質問をいたしましたところ,もう絶対大丈夫と胸をたたいて答弁した経緯もあり,机上のプランと現実との格差を感ぜずにはいられないのであります。需給見通しは部長の考えで大丈夫なのか,重ねてお尋ねをしておきます。  さて,この実態調査から,1,看護職についた者の離職防止対策,2,資格を持ちながら眠っている8,000人のマンパワーをいかに現場に復帰させていくかの2点が重要なポイントとなってまいります。今後,県はどのように取り組んでいくのか,お聞きしたいのであります。  あわせて,外国人医療従事者の受け入れも検討しなければならない時期に来ていると思われますが,どのように対処していかれるのか,環境保健部長の考えをお聞きしておきます。  次に,地球温暖化,オゾン層の破壊,地球の砂漠化,酸性雨,酸性霧による森林破壊,開発に伴う熱帯雨林の消失など,私たちの住む地球環境は年々破壊されております。特に,産業構造の大変革により,また人間の限りない欲望を満たすために,人類の長い歴史の中で私たちが生活する今の100年間がこの地球環境を急激に悪化させたと言わざるを得ません。地球環境の破壊は,1,先進国によるもの,2,発展途上国によるもの,3,資源を食いつぶす以外生きるすべのない貧しい国によるものの3つに分類されますが,今国連において,あるいは世界各国において,各自治体において,また民間団体,NGO等において真剣に議論され,取り組みを始めたことはうれしいことであります。現代文明を謳歌しながら,地球環境をよりよく保つためには,我々1人1人が今何をなすべきかを真剣に問われているのであります。  岡山県でも,昨年5月,「岡山県における地球環境問題への取組方針」を策定し,いよいよ来年度予算からそれが実行に移されるわけであります。来年度予算の中にこの方針がどのように盛り込まれ,生かされているのか,知事に伺っておきます。  次に,環境税問題についてであります。クリントンアメリカ大統領は新エネルギー税導入を打ち出し,隣の中国では大気汚染税の新設を決めました。また,EC──欧州共同体は昨年6月環境税を認める方針を打ち出しております。我が国でも,環境税導入の論議が活発に行われるようになりました。通産省は,地球環境問題の解決は,エネルギー消費の抑制を課税強化で行うべきではなくむしろ環境関連投資を促すべきであるとして,環境庁の考えと大きく対立をしておりましたが,つい先日の3月3日決着を見たところであります。国での環境税論議の高まりというものはいずれ地方自治体においても避けて通れない課題になってくると思いますが,長野知事は,環境税論議においてどのような見解を持っておられるのか,お伺いをいたします。  最後の質問でございますが,果物王国岡山にちょっとした事件が持ち上がっております。岡山市近郊で多く栽培されている今までのコールマンにかわってウイルスフリー苗が県農業試験場で開発され,病気に強く,糖度,色づき,品質もよく,非常に期待できるとのふれ込みで,コールマン農家で約2,400本がウイルスフリーに植えかえられておることは農林部長御承知のことと思います。  コールマンは,一宮,津高地区を中心に多く栽培されておりますが,例えば岡山市芳賀地区温室農家約100戸では,経済連や農協の勧めにより,全員大なり小なりウイルスフリー苗に植えかえを行い,試作以来6年が経過しております。ウイルスフリーは植えかえを行って3年目から収穫できるのでありますが,農業試験場での実験結果とは裏腹に,半分以上が色がつかない,糖度が乗らないということで非常に困っております。収穫はいたしましたが出荷できずに捨ててしまった人,缶詰工場に二束三文で引き取ってもらった人,1キロ当たり上物で約8,000円という相場がつくのでありますが,それを2,000円前後で売ってしまった人などなどいろいろであります。芳賀地区だけでも既に500本以上の植えかえが進んでおり,被害はむしろこれからだんだん大きく広がっていくことが心配されております。業を煮やした人は,再びもとのコールマンに植えかえるといった措置をとっており,足かけ6年間収入,収穫が途絶えるといった気の毒な状況にあります。県としてこの事態をどのように把握しておられるのか,伺っておきます。  ウイルスフリー苗の普及促進を指導した県としての責任,また経済連,農協等に対してどのように指導されるのか,農林部長の見解をお伺いをいたしまして,一般質問を終わります。  ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  森議員の御質問にお答えいたします。  岡山空港の利用状況でありますが,東京便の平成4年度の利用率は,景気の低迷等によりまして,お話もございましたけれども,2月末現在で59.8%であります。3月18日からは,お話のように新幹線「のぞみ」の運行も開始されることとなっておりまして,さらに厳しい状況が予測されるのではないかというふうに心配をいたしておるところであります。そこで,このために航空会社に対しましては,運賃の見直しでありますとか,もっと手軽く飛行機に乗れるサービスでありますとか,利用しやすいダイヤの設定などを要望しておりますが,同時に旅行代理店などに団体旅行などの商品開発等を働きかけておるところであります。しかし,根本は利用者が大いにふえてもらわなきゃいけませんのでございますから,空路利用を促進する会と一体となりまして,県内の企業や各種の団体に対しまして強力に空路利用の促進を呼びかけておるところであります。議会におかれましても,どうぞよろしく利用の促進方をお願いをいたします。  それから,吉備新線等の完成の目途でございますが,吉備新線につきましては,現在までに県道妹尾御津線以北及び岡山市富吉地内の延長1キロメートルを供用をいたしておりますが,現在,三和―芳賀間の残る延長4.7キロメートルにつきましては,県道妹尾御津線との立体交差を除きまして平成5年度に,また,芳賀―国道53号岡山北バイパス間の延長2.8キロメートルにつきましても早期供用に向けて鋭意用地買収や工事を進めておるところであります。  国道53号岡山北バイパスにつきましては,現在までに岡山市津島―津高間延長3.8キロメートルが供用されておりますが,現在,津高―吉宗間延長3.2キロメートルの用地買収及び工事が進められておりまして,墓地移転等の対応がございますけれども,平成6年度内に供用されるように国へ強く要請をしておるところでございます。  また,吉宗―辛香の現道間延長1.4キロメートルにつきましては,本年度内に用地調査を終えまして,平成5年度から用地買収に着手される予定であります。今後とも,全線の早期完成が図られますように関係機関に強く要請をしてまいりたいと考えております。  岡山空港の利用しやすいダイヤでございますが,岡山空港の運用時間の延長が本年夏ごろまでには実施される予定でございまして,東京でのビジネス活動などが十分可能となるような運航ダイヤの設定を航空会社などに要望してまいりたいのであります。また,ナイトステイが実施されれば,さらに便利なダイヤの設定が可能になりますが,しかしこのためには,結局は利用率の向上が最も重要なことでありまして,県民皆様の一層の空路利用の促進に向けての御理解と御協力をお願いをしたいのであります。  それから,4,000メートルの滑走路の問題でありますが,2,500メートルの滑走路の完成に引き続きまして3,000メートル化ということで,これを今のところ第7次空港整備5カ年計画に盛り込まれるように要望してまいりたいというふうに考えて,いろいろ調査を実施することにしておりますけれども,4,000メートルということになることが,航空貨物需要等の動向を見きわめてまいります場合にさらに必要だということは我々も理解をいたしておるところでございます。  また,滑走路の複数化の問題ですが,岡山空港は台風時を除きまして横風による欠航はほとんどございません。そこで,この地域での高い就航率を誇っておるところであります。さらに,滑走路1本で年間10ないし12万回程度の離着陸が可能でありますが,現在岡山空港では年間1万回程度の離着陸回数でございますので,当分の間は滑走路1本でもやっていけるのではないかというふうに考えておるところでございます。  お話のございましたように,関西空港の補助空港としての役割を果たしますためにも,これから空港の整備充実には懸命になって力を入れてまいりたいと考えております。どうぞよろしく御支援方をお願いをいたします。  それから,国際定期便でございますが,韓国路線の拡充を初め香港,中国,シンガポール,オーストラリアなど,アジア・太平洋地域との路線開設を目指しまして,日本国政府,相手国政府,航空会社などに繰り返し要望しておるところでございますが,新規路線の開設には両国間の航空交渉での合意が必要でありまして,今のところ具体的な見通しは得られておりませんが,今後とも,チャーター便の運航や交流の促進など幅広い活動を行いながら,関係機関に対して粘り強く要請を続けてまいりたいと考えております。  それから,高齢化社会対策等でありますが,来るべき高齢化社会において長寿が真の喜びとなるような,そういう社会を構築することが我々に課せられた重要な課題であると考えておりますが,このためには,福祉,保健,医療体制の連携整備を初めといたしまして,高齢者の雇用や就労や生涯学習,社会参加あるいは生活環境の整備,また子供を健やかに生み育てる環境づくりなど,幅広い分野にわたりまして,行政はもとよりでありますが,企業や地域や団体,家庭の密接な連携のもとに総合的に取り組んでまいらなければならないと考えております。県といたしましても,活力に満ちた明るい人間性豊かな社会の実現に向けまして,今後とも,関係機関と一体となりまして各施策に積極的に取り組んでまいる所存でございますので,一層の御支援,御協力をお願いをいたしたいと思います。  来年度の岡山県における地球環境保全対策への取り組みでございますが,県民,事業者,行政を挙げて地球に優しいまちづくりを進めるための計画策定,省資源・省エネルギーに関する県民運動の展開,また中国江西省との環境問題に関する技術交流,廃棄公用車からのフロンの回収など,全県で約98の事業,予算で19億円を予定しておりまして,積極的に推進をしてまいりたいと考えております。  環境税問題でありますが,個人的には前向きに検討すべきであると実は考えておるところでございます。私も,できたらことし休暇をいただきまして,北ボルネオの熱帯雨林を見学をしてきたいと思っております。そこには,ラワン材の人工林の造成をやるという,宮脇先生のお勧めもあるんでございますけれども,ひとつ見学をぜひさせていただきたいと思っておりますが。そこで現在は,環境税問題は,政府部内で検討しております環境基本法案で,環境保全上の支障を防止するための経済的措置が含まれておりますが,これは環境税ということも経済措置の一つでありますから,今後,具体的な議論が交わされると思っておるところでございまして,その動向に注目をしておるところであります。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  看護職員の需給見通しについてでございますが,これは前回昭和63年に策定いたしました需給見通しの後,その後に生じた状況の変化を踏まえまして,平成4年2月に策定したものでございます。今回の見通しの策定に当たりましては,県内すべての医療機関の看護職員の配置状況や勤務条件等について行いました実態調査をもとに,ゴールドプランの推進による需要増や2・8体制の完全実施,週40時間労働の定着,育児休業法の施行など処遇の改善策等による必要数の増加も盛り込んだもので,適切なものとなっていると考えているところでございます。この見通しを踏まえまして,着実な看護職員確保対策の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に,離職防止対策等についてでございますが,退職理由に育児を挙げる看護職員が多いということから,今年度から全国で初めて,病院が共同して24時間体制で行う保育事業への助成を始めたところでございます。来年度からは,国の補助対象以下の小規模な院内保育施設へも助成を拡大しようとしておるところでございます。また,新たに制定されました看護婦等の人材確保法に基づきまして,医療機関に対する処遇改善の指導等も十分行ってまいりたいと考えております。  次に,再就業の促進についてでございますが,本年2月18日付で,従来の岡山県ナースバンクをこの法律に基づくナースセンターに拡充いたしまして,対象者の把握,就業相談,あっせん,再就業のための研修事業等を積極的に実施しているところでございます。  外国人医療従事者の受け入れにつきましては,在留資格,言語等の問題につきまして,国において種々検討が行われているところであると承知しております。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  コールマンのウイルスフリー苗対策についてでありますが,果実の食味,品質の向上を図ることを目的といたしまして,県農業試験場でウイルスフリー化した原母樹を作出いたしましたところ,糖度が18度と極めて高く,着色もよいことから,これをもとに県経済連が昭和63年から苗木を増殖いたしまして,農家へその普及を図っているところであります。また,経済連の母樹園では3年ごとに国の植物防疫所での検定をクリアしておりまして,生産には万全を期しておりますことから,普及に当たって誤りはなかったと確信しております。  しかしながら,御指摘のように,岡山市一宮地区で,昨年収穫いたしましたものの約30%のものに糖度また着色にばらつきがあることが認められました。このために,県農業試験場や専門技術員,農業団体など果樹の専門家が実態調査を行ったところ,ウイルスフリー苗の導入先が,県の経済連から直に行ったもの,また種苗業者から行ったもの,そしてまた,もう一つは農協が途中で増殖をして行ったものという3ルートがございます。また,昨年秋の気象条件,栽培管理の方法などいろいろの角度から調査しておりますが,今のところ明確な原因の究明に至っていないところでございます。現在,総力を挙げましてその原因究明を急いでおりまして,この結果を踏まえまして,農家の生産意欲を損なうことのないよう関係団体と一体となりまして適切な指導を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆11番(古山泰生君)  今議会に提案をされております予算案は,伸び率こそ低いものの,景気低迷による県税収入の落ち込みを長期投資準備基金や県債管理基金を活用して補い,魅力的な新規事業を数多く盛り込んだ7,361億円余という大型積極予算であります。景気の回復がおくれると今後が懸念されるとも言われておりますが,経済界では国民の消費や投資意欲をいかに引き出すかに知恵を絞っておる現在,公共団体の積極的な姿勢と投資につきましては大賛成であり,敬意を表するとともに,一日も早い景気の回復を祈る一人でもあるわけであります。  昨年秋,高松市で開催をされた第4回中四国サミットでは,「個性と活力のある新たな経済文化圏の形成は緊急の課題であり,来るべき本四連絡橋3橋時代に向け相互の緊密性をさらに高めていこう」と,中四国の一体化促進を力強くうたう共同宣言を採択したと伺っております。このサミットは,長野知事が提唱をし,平成元年秋から始まり,年1回中四国9県の知事,経済団体の代表らが一堂に会し,広域交通網の整備や産業経済分野の活性化など共通の課題を話し合っておられると伺っております。  そこで,知事は,中四国のリーダーとして,東京一極集中の弊害を打破し,地方の時代における受け皿としての中四国の新しい経済文化圏の形成についてどのようなビジョンを持っておられるのか,まず最初にお伺いをいたしたいと存じます。  また,そこから生まれた成果の一つに,市民参加型の共同イベントがあり,本年度は文化の集い,ふれあい交流トレインの2事業が行われ,今後,地域づくりのリーダーによる研修会や各県所有美術品の共同展示会などが検討されると伺っております。また,中四国の代表的な踊りが相集う岡山の夏の名物となった踊りフェスティバルなどの交流イベントも数多く開催をされ,岡山,香川県の老人クラブが相互に友愛介護訪問をしたり,県工業技術センターと四国工業試験所が金属のさびどめに有効なメッキ処理の方法を共同研究をし,レーザー光線を利用する新技術の開発に成功するなど,あらゆる層での交流が行われているようでありますが,瀬戸大橋開通5周年を迎えた中四国経済文化圏の交流の現状と今後岡山県が果たす役割について御所見を伺いたいのであります。  このような,幅広い交流の促進と地域の均衡ある発展にとりまして,広域交通網の整備は極めて重要な課題となってまいるのであります。昨年末に落合―江府間の開通を見た中国横断自動車道岡山米子線を初め,岡山空港の機能強化や山陽自動車道の建設促進が図られるなど,本県の飛躍のかぎとも言える広域交通網の整備は着実な進展を見せておるのであります。  日本海と太平洋を結ぶ南北軸については,中国横断自動車道,四国横断自動車道等の整備促進により本州と四国の高速道路が直結される日も近いのでありますが,高速道路網の整備とともに期待が大きいのが中四国横断新幹線であるわけであります。中四国横断新幹線については,平成元年に岡山,鳥取,島根,香川の4県で担当課長による連絡会議を設置,ミニ新幹線導入の可能性について研究を開始し,昨年11月,岡山,鳥取,島根の3県においてJR伯備線新幹線化促進三県議会議員協議会を設置したのであります。そして今回,中国側3県に四国4県を加えた7県で,この4月をめどに中四国横断新幹線建設促進協議会が結成されると伺っております。本四連絡橋3橋時代と言われておりますが,新幹線というふうに考えますと瀬戸大橋のみであります。日本海と太平洋を高速で直結する新幹線の建設が実現をすれば,松江と高知は最短2時間程度で結ばれ,在来線に比べ格段に早く大量輸送できるため,いわゆる中四国の一体化が一層進み,物流はもちろん,観光を含めた中四国経済文化の活性化に大きく貢献するものと確信をしております。今後,知事が強力なリーダーシップを発揮され,ぜひとも実現をしていただきたいのでありますが,今後の取り組みと知事の決意についてお伺いをいたしたいと存じます。  そして,本県では,これら広域交通網の波及効果によりそれぞれの地域の拠点となる施設の整備,活用が図られているのであります。県中部では,吉備高原都市の建設,岡山空港と周辺整備,その一翼を担う岡山リサーチパーク,県北には,津山市を核とする地方拠点都市の指定,県北流通センターの具体化促進,県南では,県立大学,県営野球場,チボリ公園,県東部では,新技術の核ともなる岡山セラミックスセンター,備前テニス場などが整備されつつあり,それぞれに顔があり,個性と特色のある地域づくりが着々と進められているのであります。  また,県西南部につきましても,従来は土地と水資源に恵まれなかったものの,笠岡大干拓とともに土地と水資源を一挙に得ることができ,笠岡干拓での営農が開始をされ,全国初の農道空港,アグリスポーツ公園の整備等,来るべき21世紀に向けた拠点施設の整備が進められ,さらには寄島干拓の用途変更が許可され,地域は夢が現実となり,希望を大いに膨らませているのが昨今であります。  そこで,寄島干拓についてお伺いをいたしたいと存じます。寄島干拓は目下埋立中であり,5年後の平成10年に完了予定でありますが,この利用についてはいまだ構想の段階であり,この構想を一日も早く計画とし,利用の具体化を図る必要があると考えるのであります。バブルがはじけ,著しい経済社会の変動の中で,この計画は,将来を予見し,後背地への波及効果が大きいものでなければならないと考えるのであります。私は,職,住,遊の複合的なもの,すなわち工場と研究機能が一体化した工業系やリゾート機能と研究,研修機能が一体化した利用が望ましいと考えているわけでありますが,寄島干拓利用の具体化促進についての知事の御所見を承りたいと存じる次第であります。  次に,地域経済の安定に最も大きく寄与しているものと申しますと,製造業を中心とする中小企業であります。中小企業は,国においては全事業所の99%,総従業員の約80%を占めており,本県においても同様の数字があらわれているのであり,これら中小企業の発展こそ地域の活力,ひいては県勢の発展に導かれますことは申すまでもない理であるわけであります。このようなとき,昨年特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法が制定公布されたのはまことに時宜を得たものであると高く評価する次第であります。本県におきましては,本年度井笠地域及び備前地域の活性化計画を策定をされ,新年度予算ではこの計画に基づいて具体的に事業実施されると伺っており,関係者の期待は大きなものがあると伺っております。そこで今後,県は,この集積活性化法に基づく事業にどう取り組まれ,地域産業の活性化にいかに結びつけられていかれますのか,知事の御所見を伺いたいのであります。  次に,農業問題についてお伺いをいたしたいと思います。  昨年6月,農水省は,21世紀を展望し,農業基本法以来の農政改革の道筋を示した「新しい食料・農業・農村政策の方向」,いわゆる新農政プランを発表したのであります。改めて申し上げるまでもなく,この新農政プランの大きな特色は,これからの望ましい経営体を明示するとともに,熟度の高いものから法人化を進めようとする従来の枠組みを超えた画期的なものであります。農林部の来年度予算は,新農政プラン実現に向けて,補助事業を初め県単独の新規施策を随所に盛り込むなど,前年度当初比9.3%というこれまでにない大きな伸びが確保されているとお聞きしております。農政に対する長野知事の御決意のあらわれと力強く感じておるところでもあります。特に,農地の集積と担い手の確保のために農地はつらつ集積事業と,昨日の代表質問にもございましたように,ニューファーマーズ確保対策事業は大変有効なものであると考えるものでありますが,今後,これらの事業にどう取り組んでいかれるのか,御所見を承りたいのであります。  次に,中核農家の育成はもちろん,農村経済を担うのは農業協同組合であり,経済社会の変遷とともにその役割は一層重大となり,体質の強化は急がれるのであります。従来,経済,信用,共済の3本を柱として安定経営が進められてまいりましたが,農業生産環境の変化により経済部門は一般に停滞をし,次いで今回の金融の自由化による信用事業環境の競争激化は必至であり,今こそ経営安定促進のための人材確保と財務体質の強化が必要なのであります。生き残りのための単なる合併は無意味であり,財務体質をよくし,好ましい若い人材が望んで就業する農協であるべきと考えるのでありますが,農協の体質改善の現況と今後の農協のあり方についての指導方針について,以上農林部長に御所見を承りたいと存じます。  次いで,教育問題についてお伺いをいたしたいと思います。  業者テストの問題は,代表質問でも何度も取り上げられ,県民の注目を集めておりますが,文部省の高校教育改革推進会議が本年1月末にまとめた報告書によりますと,業者テストの偏差値が生徒の能力の一部を示しておるのにすぎないと指摘し,これを進路指導や入学選抜の資料に利用することの弊害について説明をし,学校現場で一切使用するべきでないと明確に述べておるのであります。さらに,この報告書に基づき,去る2月22日,同様の文部省通知が出されたのでありますが,偏差値を進路指導に使わないことになれば現場は混乱するとの声もありますが,報告書は,生徒の興味や関心,適性,すぐれた点などをよく見て進路指導をするように促しております。これこそ本来の進路指導というべきかもしれません。県教委がこれらの是正措置を忠実に実行しようとすれば,これまで業者テストや偏差値に頼ってきた中学の進路指導自体根本から考え直さざるを得ないのでありますが,今後の取り組み,進め方等,教育長の御所見を伺っておきたいのであります。  特に,理想と現実のはざまで今一番不安を抱いているのは15歳前後の子供たちと保護者の皆様方ではないのでありましょうか。15歳前後は,教育の専門家も最も難しい年ごろというように,子供たちにとって人生で最初の試練となる高校受験を控え,心は揺れ動き,さまざまな思いを胸に抱く年ごろであるわけであります。そのように,本当に悩み苦しんでいる子供たちの立場に立って考えることが肝要であり,現場の教師の方々の生の声に耳を傾けることも大変重要になってくると思うのであります。また,このように偏差値問題をとらえていけば,高校入試及び高校教育の改革を伴わざるを得ないことは申すまでもなく自明の理とも考えるのであります。画一的でやや固過ぎると言われる高校入試の改革がまず必要であると思うのであります。選抜の方法を多様化し,評価の尺度を多元化すること,また偏差値の追放により中学浪人が増加するという心配もありますから,受験機会を複数化をし,推薦入試の拡大も必要になってくるのではないかと考えます。さらに,高校の中身を特色のあるものとしていく課題もこれからは出てくるわけであります。総合学科の新設,全日制の単位制高校など選択の自由の拡大と柔軟化の方向は既に文部省も示しているとおりであります。  私は特に,単位制総合学科高校を設置されますように強く要望いたす所存でもあります。従来の高校の学科制は,一般に普通科は進学,職業科は就職という固定概念でとらえられ,学校間の序列化や偏差値偏重による進路指導,不本意入学による中退といったひずみが指摘されてきたのであります。そして,硬直した高校教育が主体性を欠く人材を生み,入学時点での進路決定が大量の中退者を生み出す原因ともなってきているのは,まさに事実であります。その点,この総合学科は普通科,職業科の枠にとらわれない豊富な選択科目の中から,生徒が将来の進路構想や興味,関心に基づいて履修科目を選び,独自の時間割をつくり上げる画期的なシステムでもあるわけであります。単位制でありますから,中退要因の一つである留年もありません。また,ほかの学校を中退した者も広く受け入れることができ,今まで履修した単位を生かすことが可能になるわけであります。総合学科を設置することにより,自発的に学び,判断し,行動する能力や将来の職業生活への基礎をはぐくみ,個性重視の教育を推進することが可能になってまいるのであります。また,その入試に当たっては,文化やスポーツ,ボランティア活動を評価した推薦入学や,個性ややる気を判断する面接試験を重視してもらいたいのでもあります。財政的な負担や教員の配置など多くの課題があることはよく承知をしておりますが,平成6年度から開設可能となる単位制総合学科高校の設置をぜひ実現していただきたいと考える次第であります。来年度高校入試改革などのための予算を計上されておりますが,今後,これらの課題にどのように取り組んでいかれるのか。特に,総合学科設置の見通しを含め,教育長の強い決意を伺っておきたいのであります。  また,長野知事は,全国に先駆けて,全寮制で単位制の吉備高原学園高等学校や,養護学校と授産施設とを一体化した健康の森学園をおつくりになっておられます。吉備高原学園高等学校は,人間的な触れ合いを深めながら全人教育を実践し,個性的で創造性豊かな人材を育成をされており,全国的にも非常に高い評価を得ているのであります。1期生136人のうち,約3割が不登校や中退を経験した生徒たちでありますが,現在は目を輝かせながら授業にクラブ活動に参加をし,教室のムードは大変明るく,野球などのスポーツに打ち込む姿は生き生きとしているそうであります。将来についても,福祉の勉強をして老人ホームか社会福祉に尽くしたいと,そういったしっかりとした指針を持っている子供たちが多くいらっしゃると私どももお聞きをしております。健康の森学園では,県職員との1泊2日の交流事業を実施されておりますが,体験した職員の方のお話によりますと,生徒たちが朝早くから起きて雪の中をマラソンしたり,自分たちで牛舎を手作業でつくったり,シイタケの原木を担いで運んだりと,大変な作業をしているにもかかわらず,その表情には,昨今の教育の中で失われていた大切なものを見る思いがいたしましたと,そういった御報告がありました。業者テストと関係のないこれらの学園における成果と,これからの教育のあり方について知事の御所見をお伺いできれば幸いに思うところでもあります。  また,これらの成果を広く教育全般に生かすため,今度笠岡干拓に建設されるアグリスポーツ公園の中に,不登校児童生徒を対象とした適応指導教室としての体験農業教室を開設してはいかがでしょうか。土と触れ合い,健康的な汗を流すことによって子供たちが抱えていたストレスなどが徐々に解消され,明るい笑顔の輝きが戻ってくると考えるのであります。文部省は,教育的な施設であれば学校でなくても出席扱いにすることができるというふうな見解を示しております。ぜひ実現してほしいものと考えるのでありますが,教育長の御所見をお伺いをいたし,私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  古山議員の御質問にお答えいたします。  中四国経済文化圏の形成についてでありますけれども,東京一極集中を是正をし,多極分散型の国土の形成を図りますためには,東京圏に対抗し得る広域的な経済文化圏を確立することが不可欠であると考えまして,かねてから中四国の新たな経済文化圏の形成を提唱をしてきたところでございます。中四国地方は,日本海から瀬戸内海を経て太平洋に至る多様な自然や個性的な都市を有しておりますが,今世紀中には本四3橋時代を迎え,これらの橋に関連する基幹交通網の整備とあわせまして,中四国地方が一体的に発展していくための基盤ができ上がることになるわけであります。今後,中四国各県が新たな経済文化圏の確立という共通の目標のもとに,連携と協調を高めながら幅広い交流を進めまして一体的に発展をし,均衡のある国土形成の重要地域としての役割を果たしていくことが必要であると考えておるところでございます。  また,中四国地方での交流の現状と岡山県の果たす役割でございますが,お話がありましたように,これまで中四国各県が共同して,青少年の船あるいはふれあい交流トレイン,文化の集いなどの事業を実施いたしますとともに,試験研究機関による共同研究を実施するなどいたしまして,さまざまな分野で交流を進めてきたところであります。今後とも,文化,スポーツなどの共同イベントを初め幅広い交流事業を積極的に展開いたしますとともに,岡山県としては,中四国における広域交通網の結節点に位置するという条件を生かしながら,拠点機能の整備充実を図りまして,中四国経済文化圏の形成に向けて先導的な役割を果たしてまいりたいと考えております。  日本海から太平洋に至る中四国横断新幹線につきましては,瀬戸大橋を生かした新たな南北の国土軸の形成とともに,中四国の経済文化圏の創造に大きく寄与するものでありまして,ぜひとも実現させなければならないと考えております。このような観点から,昨年の中四国サミットにおきましても整備促進を図ることが合意されまして,関係県が一致して国等に対して早期実現方を要望したところでありますが,現在,この構想実現に向けた継続的な協議組織を新年度早々設置する方向で中国四国各県と調整を急いでおるところであります。今後,県議会の皆様方を初め,関係県,JR伯備線新幹線化促進三県議会議員協議会とも連携を図りながら,沿線地域の盛り上がりを背景に,国,JR等に対する働きかけを強めるなど,精力的に取り組んでまいりたいと考えておりますので,どうぞよろしく御支援,御協力をお願いいたしたいと思います。  それから,寄島干拓でございますが,県西南部の振興の拠点として位置づけまして,お話のように,職,住,遊の総合的な施設整備を内容といたしました寄島干拓地等整備基本構想を策定をいたしまして計画的に造成を進めてきておるところでございますが,この構想を実現し,振興拠点としての機能を発揮させますためには,干拓地内の民有地を一体的に活用する必要がありまして,かねてから地権者に対しまして協力要請を行っておりますが,なかなか話が進展しない状況でございますけれども,今後とも,精力的に交渉を重ねまして,経済社会の状況も見きわめながら構想の具体化を急いでまいりたいと考えておりますので,ぜひとも御協力方,御理解よろしくお願いいたしたいと思います。  それから,中小企業集積活性化事業でありますが,この事業は,いわゆる企業城下町など,古くから地域の資源を生かして発展してきた産業の集積地におきまして,消費者ニーズの多様化など新たな環境変化に対応いたしますために,新分野への進出や高付加価値化を図ろうとするものでありまして,地域産業の活性化を図る上で極めて有意義であると考えております。現在策定中の活性化計画におきましては,井笠地域ではジーンズの高付加価値化や医療,福祉用のユニホーム等への進出,備前地域では耐火物の高品質化等を目指しておりまして,来年度からの事業化に当たりましては,補助や融資制度の充実等によりまして地元の取り組みを積極的に支援し,本県地域産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。  農地の集積と担い手の確保についてでありますが,新年度から取り組む農地はつらつ集積事業は,農地の借り手や農作業の受け手となる若い農業者に助成金を交付することによりまして,農地の集積を図り,経営規模の拡大と低コスト化を促進するものであります。  また,ニューファーマーズ確保対策事業は,これまで実施してまいりました就農相談や農地のあっせんなどに加えまして,農業体験や技術研修,資金面での支援を行いますとともに,新規に就農を希望し,先進的農家で研修をする若者に対しまして月給制の導入を検討するなど,意欲的な人材を確保しようとするものであります。  次に,吉備高原学園高等学校における成果についてでありますが,御指摘のとおり,既存の学校になじめずに登校拒否や中退を経験した生徒を積極的に受け入れておりますが,全寮制を通じまして日夜を分かたぬ教職員の指導もあり,入学後は学習やクラブ活動に明るく生き生きと取り組んでおります。また,自分のやりたいこと,熱中できることを見つけ始めておりまして,そういう意味で,生徒本来の素質,能力が発揮されつつありまして,私としても意を強くし,将来を期待しているところであります。  健康の森学園では,学園の教育方針である「大地育人」をモットーに,自然との触れ合いの中で伸び伸びと学習や作業に励み,子供たちが見違えるように明るく元気になりまして,何事にも積極的に取り組むようになってきたと聞いております。今後も,個性を尊重し,子供たちが自立し,社会参加ができるように充実した学園にしていきたいと考えておりますので,どうぞよろしく御支援,御協力をお願いをいたしたいと思います。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  農協の体質強化についてでありますが,現在の農協は信用,共済を主体に経営が行われております。しかし,農家が新しい時代に向けて力強く安定した経営に取り組むためには,営農指導中心への体質改善を図りまして,農家から期待される農協への転換が強く求められているところであります。このため,多様化する消費者ニーズなど,各種情報の収集と提供,農産物の生産指導やマーケティング,生産組織の育成などに努め,農家から信頼され,地域振興のリーダーとしての役割を果たし,本県農業を先導する農協となるよう積極的に支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  古山議員の質問にお答えをいたします。  まず,業者テストについてでございますが,中学校の関与を厳に慎むことなどを指示した文部省の通知を尊重し,対処していくためには,お話のように,生徒1人1人の希望,能力,適性などを重視した進路指導を充実したり,現場の混乱を避ける必要がありますので,1学期間は自粛させ,その間に市町村教育委員会や中学校校長会などと具体的な対応などについて協議をしてまいりたいと考えております。  次に,高等学校の入試改革などについてでございますが,御指摘のように,選抜方法の多様化や高等学校の特色づくりなどが大切でございます。したがいまして,これまで推薦入学の導入,それからそれの拡充や学科の再編などを行ってきたところでございます。今後の入学者選抜制度の改善につきましては,来年度設置をいたします検討委員会の中で,学区制,総合選抜制度の検討とあわせ,このたびの高等学校の入学者選抜についての文部省通知の趣旨を踏まえながら,いろいろな御意見をお聞きをして取り組んでまいりたいと考えております。  また,国におきまして新たに示されました単位制の総合学科につきましては,御指摘のようなすぐれた点があると思いますが,多様な選択科目を用意するための困難性や学校の大規模校化など多くの課題もございますので,今後研究をしてまいりたいと考えております。  最後に,アグリスポーツ公園内に適応指導教室としての体験農業教室を開設してはとのことでございますが,現在,県教委といたしましては,適応指導教室については市町村が設置するように指導をしてきているところでございまして,既に4つの市で開設をされております。これらの教室では,自然との触れ合いなど野外での体験活動も取り入れて効果を上げているところでございます。体験農業教室をこの中に設置することにつきましては,近隣に笠岡市が指導教室を設置をしておりますので,新たに公園内に体験農業教室を設置することは難しいと,このように考えられますが,この公園の完成後は,体験農園などを活用し,お話のように土と触れ合い,健康な汗を流すような教育ができますように指導してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆11番(古山泰生君)  再質問ということで大変恐縮をいたしておりますが,一言だけお願いなりお礼なりで申し上げておこうと思います。  寄島干拓につきましては,その干拓地内に民有地があるということで長年このことが懸案事項になってまいり,そのことに対しては地域振興部の地域政策課の皆様方なり,知事さん,関係者に本当に御努力を今までいただいたわけであります。しかしながら,今のど先まで実は来ておりまして,構想はすばらしいものがあるんでありますが,それを計画の段階まで運ぶためには,すべての形で土地が県のものであると,それが大前提になるわけであります。そういったことを踏まえ,私たちも鋭意努力をいたします。しかしながら,どうぞ県当局の皆様方に対しましては,この民有地の取得に対していま一度の御努力をお願いできたらと思います。  また,これから計画段階に寄島干拓運んでまいると思いますけれども,3年前にマスタープランをつくっていただきましたけれども,もう一回企画部で練り直すぐらいな意気込みを持っていただいて,今の今日的な事情に合った,そういった計画にしていただきたい。そのことを切にお願い申し上げる次第であります。  また,中小企業集積活性化の事業については,ジーンズとかユニホームということで,井笠圏域にはそういったもともとの繊維の産業がございます。しかし,ほかにも集積して伝統的なそういった工業,企業というものもあるわけでありますから,より一層ジーンズ,ユニホームに限定された形以外にももしお含みをいただくようなところがあるならば,その点も採用していただきたいと思います。  3点目は,農業体験教室についてでありますが,地元の笠岡市ともよく相談をしなければいけないと思いますけれども,ぜひともこの試みというものはこれからの青少年の育成の中に大変大切な部分になってまいると思いますので,もう一度慎重なそういった検討をしていただきたいと思います。きょうは前向きな答弁をいただきましたことを,大変感謝をしております。  以上申し上げまして,再質問といいますか,要望にかえさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。 ◆10番(大東良一君)  皆さん,おはようございます。  自由民主党の大東でございます。長野県知事には,県民福祉の向上と県勢発展のため日夜多大な御尽力を賜っており,厚く御礼を申し上げます。本年は長野知事にとりましても6期目のスタートの年でもございます。十分健康に留意され一層御活躍いただきますよう,まずもってお祈り申し上げます。  さて,このたび一般質問のお許しをいただきましたので,県政の推進について,通告に従いまして順次質問させていただきます。  まず初めに,高齢者福祉対策についてお尋ねいたします。  御承知のように,現在我が国は急速に高齢化社会へと進んでおります。今や世界一の長寿国と言われ,人生80年時代を迎えております。全国の高齢化比率は,昭和60年の10.3%が平成3年10月には12.6%となり,平成22年には20%を超えると予想され,早いスピードで高齢化が進むと言われております。我が岡山県におきましても,平成3年10月の高齢化比率は15.4%となっており,既に国の平均値を上回る勢いで進んでおります。これがさらに平成4年10月には15.9%にまで上昇いたしておるところであります。県下78市町村中,20%を超える団体が実に54団体にも達しておる状況であります。  こうした状況を踏まえ,国では平成2年度から高齢者保健福祉推進10カ年戦略──通称ゴールドプランでございますが,これをスタートさせたのでありますが,11年度までに総事業費6兆2,600億円を投じて公共福祉サービスの充実を図ろうとしておるところであります。特に高齢者の日常生活のお世話をするホームヘルパーの増員,寝たきり老人が特別養護老人ホームなどに短期滞在するショートステイや,高齢者の入浴,保健指導等のサービスを提供するデイ・サービス事業の充実など,在宅福祉対策の積極的な推進がうたわれているところであります。一方,岡山県におきましても,平成元年4月高齢化社会総合対策本部を発足し,また平成3年には岡山県明るい長寿社会財団を設立されるなど,高齢化社会に対応した施策の推進に努められておるところであります。何と申しましても,お年寄りにとりましては,これまで住みなれた地域や家庭で安心して暮らせることが一番の幸せなのであります。そういった意味におきましても,一層在宅福祉の充実を図っていくことが必要と考えます。  先般,厚生省から,お年寄りに対する自治体の在宅福祉サービス等の実施状況をまとめた平成3年版の老人保健福祉マップが発表されましたが,これによりますと,1,ホームヘルパーを派遣している市町村は実に99.4%で,老人100人当たりの年間利用日数が全国平均では47.3日となっており,前回より14%,5.8日ふえたということになっております。また,ショートステイを実施しているところは全体の90.9%で,利用日数は9.2日となっております。前回よりも50.8%,3.1日増加しております。さらにデイサービスにつきましては,全体の37%に当たる1,209市町村で実施されており,利用日数も24.4日となって,前回よりも54.4%,8.6日ふえております。また,これら在宅福祉の3本柱のすべてが全国平均を上回っている県は,岩手,秋田,石川,長野,山口,熊本,宮崎となっております。  ここで,岡山県内の実施状況を見ますと,ホームヘルパーにつきましては,年間利用日数が52.4日,ショートステイでは利用日数が年8.4日,デイサービスの利用日数は年31.8日となっております。全国の平均利用日数を下回っておる事業もあるわけでございます。全国の市町村がこれらサービスの拡充に努力しておるところでありますが,県といたしましても一層の支援体制が必要ではなかろうかと考えます。知事は,この在宅福祉3本柱の推進方策についてどのようにお考えでしょうか,まずお尋ねをいたします。  次に,これら以外の在宅福祉施策についてお尋ねいたしますが,既に申し述べましたように,現在国が進めておりますゴールドプランは在宅福祉施策の基本をなすものでありまして,一層の推進を図ることが肝要であります。しかし,ホームヘルパーあるいはショートステイ,デイサービスの充実というこの3本柱だけの施策では十分なものとは言えないのでありまして,さまざまな施策を総合的に推進することによりまして初めて大きな効果を生むことができるものと考えております。  そこで,2番目に,高齢者向け住宅への増改築に対する補助制度の充実についてお伺いいたします。御承知のように,日本の建築様式は総じて段差の多いものとなっておりまして,身体の障害を持っている人にとりましては大変生活しにくいものとなっております。次第に年をとってきて,足腰等が弱くなってまいりますと,日常生活にも苦痛を覚えるものでございます。しかも,これが一たび車いすの生活になりますればなおさらのことであります。しかし,これは廊下に手すりをつけるとか,あるいは浴室,便所,台所等を利用しやすいように改造することによって大きく改善されてまいるわけでございます。近年,これらの改造費に対し温かい支援の手を差し伸べておられる府県もあり,また,県下の市町村でも同様の施策を実施,あるいは検討しておられるところが多々あるわけでございます。現在本県におきましても,重度身体障害者,寝たきり老人を対象に,それも低所得者の世帯に限って,浴室,便所の整備に対し3分の2の助成を行っておられますが,それも限度額が,浴室で21万円,便所で29万円となっており,これでは不十分のように思われます。対象事業の拡大とあわせ,限度額の引き上げを切に望むものでありますが,このことについて知事はいかがお考えでしょうか,市町村への援助を含めてお聞かせをいただきたいと思います。高齢者の方々が安心して日常生活ができるよう一層施策の充実をお願いいたすものであります。  次に,寝たきり老人の介護者への支援施策についてお尋ねいたします。既に申し述べましたように,国はゴールドプランの推進により在宅福祉の充実を図っておられるところでありまして,寝たきり老人につきましても,できるだけ家庭で介護されるようホームヘルパーの充実,ショートステイ等が行われているところであります。しかし,実際に各家庭で介護するとなると大変であります。当然家をあけることができず,介護人の日常生活も大きく制限されますし,精神的あるいはまた肉体的に苦痛ははかり知れないものがあるわけでございます。加えて,経済的にも相当の支出を強いられることになります。既に紙おむつ等消耗品的なものだけでも月3万円ぐらいかかると言われております。また,その他種々の介護品等を購入いたしますとかなりの金額になってまいります。私の知人も寝たきりの老人を抱えておりますが,よく苦労話を耳にいたします。償いの言葉だけでは済まされないものがあるのでございます。最近これらの方々に対し,県下の市町村では報償金あるいは激励金等を支給する動きがあるようでございますし,また国内におきましても全額県費で支援しておられるところもありますが,知事は,これら寝たきり老人あるいは痴呆性老人等の介護者に対する支援についていかがお考えでしょうか,お尋ねをいたします。  次に,老人福祉施設の充実についてお尋ねいたします。高齢化社会の進展に伴いひとり暮らし老人や寝たきり老人,痴呆性老人等の数も大幅に増加しており,岡山県におきましても,平成4年6月末現在では,ひとり暮らしの老人が約2万3,600人,寝たきり老人が約1万3,500人,痴呆性老人は推定で約2万2,700人となっておるようでございます。こうした中で,国,県は,これらのお年寄りの介護はそれぞれの家庭で行うことが最善の策とされ,在宅福祉の充実を図られておるところであります。しかし,近年のように社会形態が変化し,女性の職場への進出,核家族化等が進みますと,実際は家庭での介護は困難となっております。国,県におかれましてもこのような状況を踏まえ,養護老人ホーム,特別養護老人ホーム,あるいは軽費老人ホーム等施設福祉にも力を注いでこられておりますが,まだまだ充足されるまでには至っていないのであります。  御承知のように,私の選挙区は川上郡でございますが,県下で最も高齢化が進んだ地域でございまして,郡内3町におきましてもこれらの状況を直視し,早くから実情に即した施策を推進され,老人福祉の向上に寄与してこられたのであります。昭和46年には既に養護老人ホーム(60人)を開設され,続いて昭和63年には特別養護老人ホーム(50人)を,さらに平成3年には県下の市町村に先駆けてケアハウス(30人)を開設するなど,懸命に取り組まれておるところであります。財政力の弱い町であり,建設には殊のほか御苦労があったようですが,その後の運営は順調に推移いたしておるようでございまして,現在も常に入所待ちの状況が続いておるところであります。特に特別養護老人ホームへの入所希望が多く,中にはその入所もかなわずお亡くなりになっていく方が多々あるようでございます。  このような状況の中で,現在,この特別養護老人ホームでも増床を検討しておられますが,事業採択が難しいのではないかというようなことが危惧されておるわけでございます。お聞きしますと,こうした老人福祉施設の不足は県南都市部ほど大きく,当地域を優先的に整備されるということになっておりますが,しかしその不足数が大きいということは,裏を返せば,これまでに施設整備を怠ってきたということでありまして,懸命に取り組んできたところと同一の考え方で推進されるのはいかがなものかと思います。お伺いいたしますと,ゴールドプランで国が整備の目安としておるところの特別養護老人ホームのベッド数は,平成11年度までに24万床で,そのときの厚生省の人口問題研究所の推計した高齢者人口は2,151万1,000人で,整備率は約1.1%となっております。平成5年度に策定が義務づけられました老人保健福祉計画の策定指針の中でも1%強で指導されていると聞いております。また,現在入所は全県一区となっており,どこの市町村の施設へも入所できる仕組みになっておりますが,したがいまして川上郡内の老人ホームでも他の市町村からも入所されておるわけでございます。このように,入所の仕組みにつきましても問題があると思いますが,この施設の整備につきましては,地域の実情をよく御賢察の上対処されるようお願いをいたすものであります。このことにつきましては知事はいかがお考えでしょうか,お尋ねいたします。  次に,社会福祉協議会の充実強化についてお尋ねいたします。御承知のように,県下市町村の社会福祉協議会は社会福祉事業法第22条に基づき次々と法人化され,時代の進展とともに地域福祉の充実に大きく貢献してまいっておるところであります。特に高齢化社会の進展に伴い老人福祉問題が叫ばれるようになってこの方,その存在価値が急速にクローズアップされてまいっておるのであります。しかし,依然として運営基盤が弱く,職員にいたしましても,その市町村の退職者等で賄われておるのが現状であります。これらに加え,近年のさまざまな社会福祉政策の推進により委託事業等も大幅に増加しており,どこの社会福祉協議会も運営に四苦八苦しておるようであります。今後,高齢化社会の進展に伴い福祉に対する行政需要は一段と増加するものと考えられます。当社会福祉協議会の果たす役割も大変重要になってまいっておるわけでございます。そこで,私は,これら地域福祉推進の中核となる市町村社会福祉協議会の基盤の強化がまず必要ではなかろうかと考えております。特にマンパワーの充実を図ることが先決であると考えております。現在,国庫補助による福祉活動専門員は市町村社会福祉協議会へ各1名配置されておりますが,これだけでは対応が困難であり,福祉サービスの水準を確保する上から,単県費を投入してでもこれら専門員を設置し充実を図ってはと考えますが,この問題についていかがお考えでしょうか,民生労働部長にお伺いいたします。  次に,福祉関係事務の権限移譲に対する財政支援についてお尋ねいたします。高齢者対策につきましては,これまでもいろいろとお伺いしてまいったところでございますが,現在本県におきましても,来るべき21世紀の本格的な高齢化社会の到来に向け多様な施策を展開されておるところでございますが,また国におかれましても,さきの平成元年3月の中央社会福祉審議会等関係3審議会の意見具申に基づき,平成2年6月に老人福祉法,身体障害者福祉法,精神薄弱者福祉法等の社会福祉関係8法を改正され,住民に最も身近な市町村で,在宅福祉サービスや施設福祉サービスがきめ細かく一元的,計画的に提供されるようにと,事務権限を段階的に町村へ移譲されてきたところでありまして,そして本年4月から,これまで県で行われていました養護老人ホーム,特別養護老人ホーム及び身体障害者更生援護施設への入所措置や補装具,あるいは更生医療の給付等の事務が町村へ移譲され,保健,福祉,医療の連携のもと施策が展開されることとなったのであります。しかし,これは移譲を受ける側の町村にとりましては大変悩みの種でありまして,措置費の負担区分も国が2分の1,県が4分の1,町村が4分の1と,こうなっておりますが,町村も新たな財政負担を強いられることとなります。特に財政力の弱い過疎の町村におきましては,事務量の増大とあわせ,これら多額の財政負担により当該町村の財政を大きく圧迫することになるわけでございます。国は,これらの財政支援として,交付税である程度は措置されると聞いておりますけれども,満足のいく額ではないのではないかと案じておるものであります。今後,高齢化対策をスムーズに実施していくためには,過疎,高齢化が進行している町村に対しては,県としても特別の財政支援が必要ではないかと存じますが,このことについて知事にお伺いいたします。  以上,権限移譲に対します財政支援についてお尋ねし,私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  大東議員の御質問にお答えいたします。  最初に,在宅福祉サービスの推進方策でございますが,高齢者が地域で安心して暮らしていきますためには,在宅福祉の充実ということが極めて重要であると考えておりまして,そのためにホームヘルパーにつきましては,登録ホームヘルパー制度の導入による大幅な増員,また弾力的な運用による利用の拡大に努めますとともに,ショートステイあるいはデイサービスにつきましては,利用施設の積極的な整備を進めておるところであります。今後とも,地域の福祉を推進する中で,市町村における在宅福祉の一層の向上を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  次に,高齢者向け住宅の増改築に係る支援でございますが,現在のところ,お話もございましたが,低所得世帯の寝たきり老人及び重度身体障害者を対象に,浴室あるいは身体障害者用便所の整備に対しまして,県の単独事業として助成をしておるところでありますけれども,お話もありましたが,今後,この助成内容の見直しについてひとつ検討してまいりたいと考えております。  それから,寝たきり老人などの介護者への支援でございますが,これはいつも議会でお話があるんですけれども,家庭で介護している方の精神的,肉体的な御労苦は大変なものであることは私どもも十分承知をしておるつもりでございまして,そこでその負担軽減を図りますためには,在宅介護を支援する在宅福祉サービスの充実が緊要であると考えておりまして,さきにも申し上げましたように,ホームヘルパーの派遣でありますとか,ショートスティ事業,デイ・サービス事業などの拡充を図ってまいりました。それからまた在宅介護支援センターの設置でありますとか,地域ぐるみで高齢者を支え合うむらづくりにも積極的に取り組んでおるところであります。  報償金という話がよくあるわけでございますけれども,これにつきましては,現在までは,いわゆるこの税制におきますところの介護者に対する控除というものを強く進めることに努力をしてまいりました。お金で済むということにはならないわけでございますが,家庭介護者の負担を軽減するために何が一番必要なのかということを全体として総合的にとらえながら,今後いろいろ検討してまいりたいと考えておりますが。確かに県内でも半数の市町村におきまして,平成5年度になりますというと,直接のこの介護費ということになるんでしょうか,何がしかの,額は非常に違いますけれども,介護のための費用の一部でございましょうか,差し上げるというところがふえてくるようでございまして,そういう点につきましても十分考えながらひとつ検討してまいりたいと思っております。  それから,老人福祉施設の充実でございますが,特別養護老人ホームなどの施設整備に当たりましては,これは地域における施設の整備状況でありますとか,あるいは入所需要といいましょうか,この待機しておられる方々の動向などを十分勘案しながら,しかもまた計画されておる事業というものが本当にしっかりしたものであるかどうか,あるいはまた在宅福祉サービスへの取り組みがどういうふうになっておるかというようなことを総合的に勘案いたしまして,整備を図っておるところでございますが,今後とも,地域の実情を加味しながら,在宅福祉サービスの充実とあわせまして,その計画的な整備に努めてまいりたいと思っておりますが,特別養護老人ホーム等につきましては,本県は全国的な基準からいいますというと,相当充実をしている方の部類に含まれておりますので,それが落ちないように,さらに進んでいくように,ひとつこれからも努力をしてまいりたいと考えております。  それから,福祉関係の仕事を市町村に移譲するということについて財政支援をすべきではないかという話でございますが,移譲に伴う老人ホーム等への入所措置費の町村負担につきましては,これは必要額の財源措置が地方交付税等で措置されることになっておりまして,実質的な負担は生じないというふうに考えられるのでございます。また,事務量の増大に伴うところの人員等につきましても,同じように財源措置が講ぜられておるところでございますから,今後とも,その財源措置の確保につきましては我々も十分注意して,充実が図られるようにしてまいりたいと考えておりますので,御了解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎民生労働部長(石井敬一君)  お答えをいたします。  社会福祉協議会の充実強化についてでありますが,市町村の社会福祉協議会の法人化を初め,町村の社会福祉協議会の基盤強化のために,地域福祉活動基金の設置について助成をする等その充実に努めてきたところでございますが,さらに地域福祉の一層の推進を図るために,活動の中心的役割を担います職員の資質の向上に努めますとともに,その増員については国に対して要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆18番(岡田信之君)  東京佐川急便事件は,先日の金丸前自民党副総裁らの逮捕という新たな展開を見せております。この岡山版とも言われる本陣山ゴルフ場事件,県民の間にぬぐいがたい県政不信をもたらしております。この事件にかかわるすべての関係者,とりわけ,最終的に規則や要綱の改変,許認可権を行使する立場にある県当局が進んですべての真実を明らかにし,その責任を明らかにすることこそ,失われた信頼を回復する唯一最善の方向であろうかと存じます。しかし,知事は,事件発覚の翌日にはいち早く記者会見で疑惑を否定しました。しかし,その後のあらゆる事態の展開,そして逮捕者が相次ぐなど,疑惑の存在は明白であります。司直の手による究明を待つ消極姿勢は県政の不信を上塗りするものでしかありません。この際改めてすべての事実を再調査し,県民の前に真実を明らかにすべきであります。このことについて知事の基本的なお立場をお示しいただきたいと存じます。  私は,今回の事件を機会に,8年前から始まった本県のゴルフ場開発規制の緩和の方向を根本的に改めるべきであると考えます。1974年4月,県は「ゴルフ場開発に対する当面の取り扱いについて」という通知によって新規ゴルフ場開発を認めないこととしました。自然環境の保全や治山治水の防災上の見地からとされております。この通知は,信じられないことでありますけれども今も生きております。しかし,それは形の上のみで,実態は換骨奪胎,全くの骨抜きになってしまっているのであります。8年前にはこの取扱方針にただし書きが加えられ,「特に知事が必要と認めた場合においてはこの限りでない」とされたのが骨抜きの第一歩,その審査基準は,面積で,河川流域内森林面積と市町村面積のそれぞれ2%以内とされました。しかし,これにまたただし書きがあって「知事が,特に必要と認めるものはこの限りでない」というのであります。5年前にはこのただし書きの運用として,新岡山空港影響圏など6項目について,市町村面積の3%とされました。知事は去る12月議会の答弁で「そこで3%にするのはこういうケースだと,こういうケース以外はしないよということを明確にする方が,明確にもなるし,ルーズに流れることはないという考え方だ。いつでも必要だと認める場合は,例外でやれるんだというのはよろしくない」と述べられました。ところが,これ以後新たなゴルフ場が相次ぎ,作東町の3.6%を初め8つもの町で3%を超えることになっているではありませんか。知事の御説明を求めたいのであります。  「ただし書き」「特に認めるもの」「おおむね」「特例」こういう言葉の連続で,規制そのものがまさに空洞化されてきたこの8年間であります。このような県の行政の後退は,同時に県土保全についての県民意識を後退させ,悪徳業者による無許可開発,保安林の無断伐採,さらに今回の本陣山事件などの遠因ともなっているのではないでしょうか。原点に立ち返り,すべてのゴルフ場の新規開発,増設を中止すべきことを求めて,知事の所見を伺います。  最後に,監視体制の問題です。工事中あるいはオープン後,開発許可条件を守らない例が次々に発覚しています。この問題は,これまで我が党が取り上げ,アセスに基づいてちゃんと監視することを約束されながら,何もやっていないことが判明しました。責任は重大であります。直ちに特別な体制をつくり,既設及び工事中のゴルフ場の総点検をし,その結果を発表すべきです。これは保安林だけでなくすべての事項について行う必要があります。また,今後の定期的な監視体制の確立をどうするかも問題であります。これらについての御所見を伺います。  次に,チボリ計画についてお尋ねいたします。  さきに示された県の計画概要に対して,県民は一様に驚きと憤りの声を上げております。それは公共性も採算性もないチボリ計画,これを県が丸ごと県民負担で推し進めようとする内容であるからであります。昨年9月のクラボウの基本合意に際して,クラボウは地代を安全確実に収納し得る事業主体の体制整備を条件としました。具体的には,全国大手の有力企業が経営の中枢に参画することであったはずであります。そのため県は多くの有力企業と折衝したけれども,どこにも相手にされない。窮地に立たされた県は,結局みずからが丸抱えするという方法を選択したのではありませんか。採算性に最も鋭敏な民間企業がいずれも参画を拒むこと,さらに申せば,クラボウ自体が初めから参画の意思を持たず,地主として地代の確実な収納のみに執着していること,まさにこのことは,このチボリ計画の採算見通しのなさを何よりも雄弁に物語っております。  まず,県の財政支援の問題でお尋ねします。30億円の追加出資の財源と配当の見込みをお示しください。70億円もの融資をわずか1%の利息で,無担保,無保証人で行う,逆に市中銀行からは7%もの利息でチボリ・ジャパン社がちゃんと担保を差し出して借り入れる,余りに県民を犠牲にする不公平ではありませんか。チボリ・ジャパン社の株主という点では,県も中銀も中銀リースもトマト銀行も同じであります。これら金融機関がなぜ無担保の融資をしないのですか,ジャパン社からの返済に不信を持っているからでしょうか,その理由をお示しいただきたいと存じます。  クラボウへ支払う地代は,当面年間六,七億円と伺っておりますが,巨額の血税を投じる周辺整備によって,土地の評価額は急上昇し,地代を押し上げることになると考えますが,先日出された収支試算表では,その点はどのように想定,織り込みされておるのか,お尋ねをいたします。  地代とNTT資金を県が損失補償することには重大な疑義があります。法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第3条では「地方公共団体は,会社その他の法人の債務については,保証契約をすることができない」とされております。ところが,今回県が行うのは,債務保証ではなくて損失補償だと言われます。損失補償というのは,第三者の債務不履行によって債権者が損失をこうむるとき,第三者にかわってその損失を補償するものだそうですから,債務保証も損失補償も言葉の違いだけで,何の異なるところもないではありませんか。そこで自治大学校の編集による用語辞典では「形式上は禁止されていない損失補償契約に名を借りて,実質上は債務保証を行なつているというのが現実の姿であるといわれている。これは明らかに一種の脱法行為と認めざるをえない。」と説明されているのであります。また,昨年も,例年のごとく自治省は各省庁に,あるいは各都道府県知事らに対して,「平成5年度の地方財政措置について」という文書を出しておるわけでありますけれども,この中で,平成5年度についても同様であります,「民間活力を活用した施策等の実施に当たり,第三セクターを事業主体とする場合において,第三セクターの債務について損失補償の設定等を求めることのないようにされたい」,こういうふうに記載されているのであります。今回の損失補償なるものはまさに脱法行為であるとともに,自治省の通達の趣旨に明らかに違背する許されないものであると考えますが,知事の御所見を伺います。  県がこのような脱法行為,通達違反をするよりも,他に合法,妥当なNTT資金を担保する方法があります。地代を担保する方法もあります。それはチボリ・ジャパン社の最大株主である天満屋あるいは中銀などの企業が債務保証すればよいのであります。なぜそれをさせようとなさらないのか,御説明を求めます。  チボリ施設のため,県開発公社が建設し,管理運営するという駐車場について,その構造,収容台数,建設費,駐車料金,収支見通しを明らかにしてください。  いずれにしましても,まさに巨額の県費負担,県民負担であります。さらに,周辺整備という名の県民負担,倉敷市民の負担があります。倉敷市当局は先般当面の周辺整備に要する費用は県費,市費など合わせて134億円と示しているのであります。ところが,さきにチボリ・ジャパン社が作成して,県民に大量に配布した宣伝パンフがあります。これでございますけれども(パンフレットを示す),この中には「チボリ公園の建設に私たちの貴重な税金が使われるのではとの声があります。チボリ公園事業は,民間出資の会社を中心に事業が進められるものですから,基本的には税金が使われるようなことにはなりません」,はっきりこのように書いとるわけであります。チボリ・ジャパン社がこのように言い切っておる。なのになぜ県はこのような巨額の財政負担を行うのですか,お答えいただきたいと思います。  残る72億円の出資金は,現在の出資者のうち,県を除く20の法人になぜ求めないのですか,お尋ねをいたしたいと思います。  私は,知事の持つ強大な行政上の権限を背景に,県下の諸団体,とりわけ,市町村に各種の財政負担を求めたこれまでの事例が今回も繰り返されることがあってはならないと危惧するものであります。知事はこの席から「県からは求めない,各市町村の自主性に任せる」と発表されました。しかし,先月23日の新聞報道によれば,16日の各会派と知事ら県幹部との予算折衝の中で,某幹部は,チボリ公園は県内に広く波及効果がある,県内の市町村にも応分の負担を求めればよいと発言,県議の一人が倉敷市の出資を求めるのかと聞くと,周囲の市町村が出資を決めれば,地元の倉敷市が何もしないということにはならないと思うと述べたという記事であります。出資を求める立場にないとする一方で,県下各市町村に事実上出資を強制し,倉敷市にも出資せざるを得ない状況に持ち込もうとする陰湿きわまりないやり方ではありませんか。この新聞報道の真偽をまずお尋ねし,その上で知事の真意をお尋ねするものであります。  あわせてこの際,県下各市町村には出資を求める立場にないことを,もう一度明言をいただきたいと思います。  協賛金100億円というのは,建設費310億円の3分の1に上る額,協賛金の拠出者には企業やその商品の宣伝などで便宜,利益が与えられると伺いますが,営利企業の宣伝目的の施設や広告は,知事がかねて口にされる文化性の高いチボリとは調和し得ないと考えますが,いかがでしょうか。  入場者の見込みについてお尋ねします。全国の同規模のテーマパークで,累積施設投資額と年間入場者数を調べてみますと,2,700億円のディズニーランド,2,300億円のハウステンボスは例外として,例えば760億円のサンリオピューロランドの152万人など,300万人もの入場者数を得ているところはどこにもありません。チボリの見込みはどう見ても過大であります。さきに申し上げたチボリ・ジャパン社のパンフレットでは「入場見込み者数400万人は確実ですから,経営面での心配は全くありません」と,(「いつごろの話か」と呼ぶ者あり)去年ですよ,自信満々であります。このとき400万人を確実とした根拠は何だったんですか。わずか1年余りで100万人も減少しているのはなぜですか。400万人の想定がもしいいかげんなものだったとするのであるならば,今回の300万人はいいかげんでない,これを立証する根拠をお示ししていただかなければ信用できないのであります。御説明いただきたいと思います。  開園時間,開園日数,圏域別来園者数,滞在時間,1日最大来園者数,その交通手段の見込みをお示しください。これらの数値がない限り,年間来園者数や消費単価の積算はできないはずであります。  入園料は大人2,000円,子供1,000円,消費単価5,100円,これでお年寄りや子供が気軽に楽しめる市民の憩いの場となるのかどうか,知事のお考えをお尋ねします。  計画地周辺は,申すまでもなく閑静な住宅地であります。夜中まで開園し,最後にはチボリ名物の花火を打ち上げるというこの施設が,音や光や通行車両などで周辺にどのような影響をもたらすとお考えになっていますか,お示しください。  最後に,公共性の問題でお尋ねします。知事は,巨額の県費負担の根拠をすべて公共性が高いことと説明されています。チボリ施設が,花と緑にあふれ,コンサートホールや野外劇場など文化的公園である,だから公共性が高いということのようでありますけれども,全国各地の主要なテーマパークはみんな花も緑もあります,劇場やコンサートホールもあります。どの辺がチボリと異なるのでしょうか。他のテーマパークでチボリほど地方公共団体が肩入れした例がほかにありますか。そもそも知事の考える公共性とは何ですか。県民が楽しむということであれば,パチンコ屋でも楽しんでおります。文化性があるというのであるならば映画館も同様です。問題は,公共性のレベルに応じて,それに対する地方公共団体のかかわりの適否,またかかわりの程度が妥当なものであるかどうかが問われるのであります。チボリ施設に仮に公共性があるとしても,これに対する県の関与の程度はまさに常軌を逸しているとしか思えません。知事の御所見を伺います。  次に,老人福祉についてお尋ねします。今各市町村で老人保健福祉計画の策定作業が進められており,これは国のいわゆるゴールドプランに対応するもので,老人医療費の抑制とか老人の病院からの追い出しなど,そしてそのための受け皿づくりという側面があるとともに,深刻化する家族介護の打開を求める国民の切実な要求を反映したものだという2つの側面があるわけでありますけれども,ゴールドプランに示された西暦2000年までに,全国でホームヘルパー10万人,デイ・サービスセンター1万カ所,特養24万床などとして,各都道府県,市町村ごとに実態調査に基づく目標水準を示して,計画策定が求められているわけであります。既に市町村との協議調整が始まっていることと存じますが,県下全体の目標数値がどうなっているのか,まずお示しください。  あわせて,その計画の実現に必要な総経費とその財源内訳,必要なマンパワーの確保の方策など,どのように検討しておられるのかお尋ねいたします。  県下のとりわけ財政力の弱い町村では,実態調査や計画策定に必要な予算,体制のないことから,専門のコンサルタント機関に委託する例が多く見られます。その結果,今出されている実態調査の報告書は,まるで金太郎あめのような内容となっております。各市町村が新年度から始める計画づくりが,住民参加で自主的,民主的に進められるよう,県の介入ではなく援助を求めたいと思います。また,計画の実施に当たっては巨額の費用を要します。しかし,国は既存の国庫負担補助率を変えようとしておらず,市町村はこの莫大な経費にたじろいでいるのであります。国に対して補助負担率の大幅引き上げを働きかけるとともに,県の財政支援をあわせて検討すべきであると考えますが,知事の御所見を伺うものであります。  次に,水島工業地帯に通勤する労働者の朝夕の交通渋滞緩和の対策を求めて,土木部長にお尋ねします。  水島に働く労働者の大半は水島地区外からの通勤です。水島地区は,東と北を山で,西を高梁川で他地区と遮られております。通勤者の多くはトンネル,谷合いの道路,橋の部分がネックとなった朝夕の交通渋滞に悩まされているのであります。通勤に要する時間のロスは社会的にも経済的にも,労働力確保の上からも大きな損失であります。この解消のため,県道岡山水島線,これは倉敷市に入りますと都市計画道路三田五軒屋海岸通線となりますけれども,そのうち国道2号バイパスから県道藤戸連島線の間,また福田町浦田五軒屋から連島四丁目間の未開通部分の早期完成が望まれます。見通しをお聞かせください。  また,倉敷市は,都市計画道路駅前古城池霞橋線のうち,古城池トンネルの複線化について,事の緊急性からとりあえず市単独事業で着手しました。延長は取り合い部分を含め2,230メートル,総事業費32億円であります。初め1995年度完成の目途が,予算の関係もあり2年ばかり後にずれ込む気配であります。市は早期の補助採択を望んでおりますけれども,市町村ごとの補助枠の問題もあり,倉敷市以外の周辺部に居住する通勤労働者にも深くかかわることであります。格別の配慮も必要であると思いますが,いかがでしょうか。  玉島を初め高梁川以西からの通勤労働者には霞橋がネックであります。国道2号を東に向かって高梁川右岸を北上し,霞橋を渡って左岸を南下するという不便をなくすために,玉島乙島から直接連島町鶴新田へ結ぶ橋をかけるか,現在の水玉ハイウェイの無料化を実施すべきではないでしょうか。水玉ハイウェイは現在未償還50億円でございますが,倉敷市による応分の負担は可能であります。水島の大手企業も受ける便益に見合う協力を求められると考えますが,いかがでしょうか。  ネックの解消とあわせて水島地区内に労働者の住居を用意することは,通勤時間の短縮に極めて効果的であります。県営住宅は児島,倉敷,玉島には全部で9カ所,1,610戸あるのに,なぜか水島にはただの1戸もありません。市営住宅は4地区それぞれありますが,水島地区のみは随時募集がありません。公営住宅の需給関係に地域的偏りがあることは明白です。水島地区への大量の県営住宅を建設してはいかがかと考えますが,御答弁をお願いいたします。  以上で終わります。第1回目を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  岡田議員の御質問にお答えいたします。  本陣山ゴルフ場の計画をめぐる県の対応ということにつきましては,現在県議会の特別委員会で調査をしていただいておるところでもありますが,一連の報道等を踏まえまして,当時の経過などにつきましては既に確認をいたしておりまして,総量規制の基準の見直し,農振除外,移動土量の指導のいずれにつきましても,それぞれ明確な理由をもって,また関係法令や基準に即して厳正公平に進められてきたものと確信をいたしております。  それから,ゴルフ場開発に関する規制の経緯等でありますが,本県におきましては,全国に先駆けて県土保全条例を制定しますとともに,ゴルフ場の開発審査基準を定めるなど,自然環境の保全等に配慮して,適正な開発が行われるように努めてきたところでありますが,具体的な運用につきましては,社会経済情勢の変化にも対応しながら,地域振興等の視点からのゴルフ場開発の要請と,県土の保全あるいは良好な自然環境の確保等の要請との間の適切な調和が図られますように,総量規制の実施やその基準の見直し等を行いまして,対応してきたところであります。現行の総量規制の基準におきましては,水系別の流域内森林面積の2%以内,市町村面積の2%以内を基本にしながら,過疎市町村等の一定の要件に該当するものについては,市町村面積のおおむね3%の範囲で開発を認めることにしております。幾つかの市町村では3%を超えるものもありますけれども,これらはいわばおおむね3%の基準で認められる範囲で調整を行ってきたものでありまして,現行の基準は,ゴルフ場開発の要請と自然環境あるいは県土の保全の要請との調整を図る手段として有効に機能しておると考えております。  それから,ゴルフ場の新規開発等は中止せよという御意見ですが,現行の総量規制の基準のもとでは,既にこの吉井川水系,旭川水系については原則として新規の協議受付を停止をいたしております。残る高梁川水系につきましても,ゴルフ場開発の計画や構想の状況を把握しながら適切に対処してまいりたいのであります。  それから,監視体制の確立ですが,県土の無秩序な開発の防止のために,関係法令の適切な運用によりまして,適正な開発が行われるように努めてきたところでありますが,最近こうした法令に違反した開発があったことは,これはもうまことに遺憾なことでありまして,今後,このようなことのないように,市町村や関係機関との連携をとりながら,違法開発の未然防止に努めますとともに,悪質な違反事例に対しましては刑事告発を含めた法的措置をとるなど,関係法令の厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。  チボリ関係でありますが,チボリ公園事業に係る県の出資につきましては,事業の公共性の確保,また民間からの調達可能性を勘案をしまして,30億円の追加出資を予定しております。その財源については,地方債の活用について関係当局と相談をいたしておるところであります。  また,配当の見通しにつきましては,累積損失が解消されるのは開業後18年目と試算をされておりまして,それ以降に配当が可能になると,こういうことでございます。  市中からの借り入れや県の低利融資についてでありますけれども,金融機関の行う融資には担保や利率等について一定の制約が存することから,チボリ・ジャパン社の担保力の範囲で調達可能な額を予定しますとともに,事業主体の担保力の補完や採算性の向上の観点から県の低利融資を予定をしておるものであります。  地代については,当初の地代は相続税評価額等を基礎に,一定の方式により算定をした額を下限として設定をいたしまして,3年ごとに経済情勢の変動等を勘案して見直すこととされておりますけれども,今回の収支試算においても一定の地代のアップを見込んで試算を行っております。  地方公共団体が行う債務保証については,法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律により,原則として禁止されておりますけれども,これと性質の異なる損失補償については特に法律の禁止するところとはなっておりません。御指摘の自治省の文書は,国の各省庁の施策に関連をして,国の側から地方公共団体に対して損失補償等を求め財政上のリスク負担を強要することがないよう,各省庁の適切な対応を求めたものと理解をしております。  なお,NTT資金の借り入れに係る損失補償につきましては,これまでの関係機関との協議を通じまして,公的資金の運用に係るものでありまして,十分な担保が必要とする関係機関の考え方から,地方公共団体である県が損失補償を行うことが必要やむを得ないものとして予定をしておるものであります。  駐車場につきましては,倉敷駅北の公共的な駐車場としての意味もありますから,県開発公社において建設,運営する方向で検討が進められておりますが,規模,建設費等,その他の具体的な内容につきましては,今後の検討の中で決定されることになると考えます。  それから,県のかかわり方でありますが,チボリ公園は,チボリ・ジャパン社を事業主体として建設,運営を進めていくこととしておりまして,県の出資,低利融資,損失補償等の対応につきましては,このような方式のもとで事業の公共性を維持しながら,民間から資金を調達して事業の円滑な推進を図るために必要な措置として予定をしておるものであります。  なお,倉敷駅北の再開発に伴い周辺の整備を図ることは従前からの課題でありまして,昭和宮前線につきましては,かねてからの計画に基づき事業を進めておるものであります。  チボリ・ジャパン社の増資予定額のうちで,県の出資を除く70億円程度についてでありますが,従来の計画におきましても,増資所要額については中央資本など,現株主以外を中心に調達をすることを想定をしてきております。  市町村の出資については,既に申し上げておるとおり,各市町村の主体的な判断にゆだねることが適当と考えておりまして,県から出資を要請することは考えておりません。  協賛金と事業の性格との関係でありますが,チボリ公園事業に対する企業への協力要請は,チボリ公園事業の意義や内容を十分理解していただいた上で進めたいと考えておりまして,こうした事業の性格を前提に企業に協賛をしていただきますことは,これは事業の性格を損なうことにならないものであるというふうに考えておるところであります。  それから,入り込み客数につきましては,従前の予測につきましても,専門機関の検討に基づく相応な根拠を持ったものであったと考えておりますが,その後経済環境が激変をいたしました。そういうような状況を踏まえまして,確実性のある計画づくりを進める必要がありまして,幾つかの専門機関の意見をもとに,堅実な予測として年間300万人程度を見込んでおるものであります。  開園日数,開園時間等については,今回の概案では,今後の事業の具体化に向けて全体構想や投資規模,資金調達などの基本的な枠組みを定めることを主眼とするものでありまして,今後,この概案の方向で事業の具体化が進められることになりますが,運営面の詳細等につきましては,今後のマスタープランや事業計画の策定等の過程で,周辺の理解を得られるように検討しながら決定をしていくものであります。なお,消費単価につきましては,他のテーマパークの状況も勘案をして設定をしておるものであります。  それから,入園料については,採算性を勘案しながらも,極力低廉なものとなるように検討の上,大人2,000円程度予定しておりますが,子供は半額とするとともに,高齢者等についても大幅な割引制度を検討することにしております。また,利用者が低廉な料金で繰り返し訪れることができるように,年間パスについては入園料の3倍程度という,他のテーマパークには見られない低水準に設定をすることにしておるところであります。  それから,周辺への影響でありますが,公園の北側,西側が住宅地となっておる状況も踏まえながら,施設のレイアウトについて十分配慮するとともに,この公園内でのイベント等の運営面でも周辺の理解が得られるものとなるように十分留意することが必要と考えておりますが,事業の具体化の過程で環境アセスメントも実施されることが予定されておりますから,適切な対応が図られるものと考えております。  それから,公共性の問題ですが,チボリ公園は,他のレジャー志向のテーマパークとは趣を異にして,コンサートホールや野外劇場などの教養文化施設を備え,花と緑にあふれた環境の中で,子供からお年寄りまであらゆる世代の方々が憩い,楽しめる新たなスタイルの都市型公園として整備を目指しておるものでありまして,来るべき21世紀に向けて岡山県の活性化を図り,文化の薫りの高い魅力ある地域づくりを進めるために極めて有意義な,またそういう意味で公共性の高い事業であると考えておるところであります。チボリ公園事業に対する県の支援,協力は,こうした公共性を維持しながら,民間からの資金を調達して事業を円滑に進めていくために必要な措置として予定をさせていただいておるものであります。  次に,老人福祉の関係ですが,老人保健福祉計画の目標数値は,市町村計画との調整を図りますとともに,計画策定懇談会などの意見を踏まえた上で,本県の保健福祉ニーズに対応した整備目標量を設定するように,現在検討を進めておるところであります。  また,事業費については,県計画の策定を進める中で検討することにしておりますが,必要なマンパワーの確保の方策についても計画の中に,サービス提供体制の一つとして盛り込むことにいたしたいのであります。  それから,財政支援でありますが,この計画に盛り込まれる標準的な保健福祉サービスの水準については,国のゴールドプランによりまして確保されることになっておりますから,今後とも,所要財源の確保につきましては国に要望してまいりたいと考えております。  なお,計画策定に当たっては,地域の実態と住民ニーズを的確に踏まえますとともに,市町村みずからの創意工夫によりまして,特色のある計画となるように指導してまいりたいと考えておりますので,御了解を賜りたいと思います。  以上であります。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  水島工業地帯への交通渋滞緩和についてでございますが,都市計画道路三田五軒屋海岸通線の国道2号から県道藤戸連島線までの延長1,273メートルにつきましては,昭和63年度に事業着手をいたしまして,現在約75%の用地を買収済みでございます。買収済みの区間につきましては順次工事に着手しているところでございます。今後とも,整備促進を図り,早期完成に努めてまいりたいと考えております。  また,福田町浦田から連島四丁目までの延長1,503メートルにつきましては,昭和62年度に事業着手しておりまして,現在約75%の用地を買収済みでございます。用地買収済みの区間につきましては順次工事に着手しておりまして,平成6年度末には福田町浦田から県道水島港線までの延長580メートル間が暫定開通の予定でございます。残る区間につきましても早期完成に努めてまいりたいと考えております。  それから,古城池トンネルの複線化についてでございますが,倉敷市吉岡から福田町古新田のトンネルを含みます4車線化につきましては,倉敷市が平成元年度から市単事業で測量,調査設計,一部用地買収を実施しているところでございます。補助事業への採択につきましては,倉敷市が現在実施しております補助事業の進捗状況等を見ながら,今後関係機関と協議してまいりたいと考えております。  次に,水玉ハイウェイの無料化等につきましてでございますが,水玉ハイウェイは,道路整備特別措置法に基づきまして,通行料金により建設費を償還するということを前提に建設したものでございます。計画では,平成19年に償還を完了した後に無料化するということにしておりまして,現状での無料化は困難でございます。また,無料化のため倉敷市や民間企業に負担を求めることにつきましては,負担をするという申し出があれば検討する余地はございますが,無料化を前提に県として負担を求めることにつきましては,道路整備特別措置法の趣旨に照らして不可能であると考えております。  なお,玉島乙島から連島町鶴新田へ結ぶ架橋につきましては,水玉ハイウェイの現在の利用状況から判断して,現時点では困難であると考えております。  次に,県営住宅の建設についてでございますが,県といたしましては,地域の需給バランスを勘案いたしまして,関係市町村と調整を図りながら取り組んでいるところでございますが,現在は老朽化した既設住宅の建てかえを中心に実施しているところでございます。水島地区につきましては,雇用促進住宅や民間社宅等がこれまで計画的に相当数供給されております。また,同一居住圏域である旧倉敷市内に多数の公営住宅が確保されており,さらに来年度,市営住宅水島幸町団地23戸を62戸に建てかえる計画等もございまして,需給関係が相当緩和されることが予想されますので,水島地区への県営住宅の建設は現在予定しておりません。  以上でございます。 ◆18番(岡田信之君)  数点につきまして,再度のお尋ねをいたしたいと思います。  まず,ゴルフ場に係る問題でありますけれども,昨日の参考人招致等を私も拝見いたしましたけれども,まさに県のそれぞれの個々の説明,個々の問題については個々のそれらしい御説明をいただきましても,総体としてのその構造というのが,まさに疑惑の構造を示しておるということが県民共通の認識であります。ですから知事があの発覚の翌日に,疑惑はないと,そういうことを発言せられ,そしてそれに,すべてはその筋書きに沿って事を進めようとするその立場というのは,やはり県民に対する不信をぬぐう方向ではないということを申し上げておるわけであります。もっと謙虚に,そして素直にこの問題に対処していただきたいということを厳しく申し上げておきたいと思います。  さて,このゴルフ場の規制緩和の流れの問題でありますけれども,例えば河川の流域面積の問題につきましても,たしか昭和63年──1988年の際には,市町村面積を6項目に限って3%まで広げるということと同時に,河川流域面積では2%の枠は厳守させると言っておるわけですね。ところが,これがまた3年前には幾つかの例外を設けて,流域面積に関しても,吉井川,旭川両水系について別途特例的な取り扱いをするというふうな形の,このまさに例外,特例,特認,おおむね,別途,こういうふうなものの繰り返しの中で実はまさに形骸化され,骨抜きになってるということを御指摘申し上げておるわけであります。今我が岡山県というのは,中国地方でまさにゴルフ場の最大の開発ラッシュに沸いておるというのを先般も新聞で拝見しました。このような恥ずかしい記事に対してもう少し謙虚に,県土を保全する,そして貴重な環境を守るというお立場に立っての規制の緩和を見直す方向をぜひお願いをしたい。これに対するお考えを再度お尋ねをしたいというふうに思います。  さて,チボリに関する数点,再度のお尋ねでありますけども,まず損失補償の問題,一つ申し上げたいのは,これ知事ひとつ,脱法行為であるということは認めますか認めませんか。少なくともあなたも以前所属しておられた自治省に所属する自治大学校の編集になるこの用語辞典の中で,明らかに一種の脱法行為というふうに断定されておるわけでありますけども,あなたはそうお認めになりますかどうか。そして,私は脱法行為というものも勉強してみました。これ法学辞典でありますけれども,「強行法規の適用を回避・潜脱して,その禁止していることを個別的には合法的にみえる行為によつてなしとげること。」──難しいんですけどもね──だそうです。「脱法行為は法律上原則として無効である」,こういうふうにはっきり書かれとるのでありますけども,これについてのお考えをお聞きをしたいと思います。  自治省の通達というのは,自治省が各省庁あてに,こういうことをするなと,配慮してくれと,配慮すべしということを伝えると同時にですね,これは都道府県知事,そして各指定都市市長あてに出されとるわけであります。こういう文書を各省庁へ送っているから,つきましては,貴職におかれましてもその趣旨を十分御理解の上,特段の御協力をお願いしたいと書いておる。ついでに,貴管下市町村にもそのことを伝えなさいと書いてある。そういう立場の知事が,平然とこの趣旨に違背する行為をなすことについて,私は不信をぬぐえないのでありますけれども,御説明をお願いしたいと思います。  また,今度の新しい県の財政支援計画というものの中で,私,非常に奇異に感じますのは,チボリ・ジャパン社というのは第三セクター株式会社であります。県も出資者,そしてその他約20の法人の出資でありますけれども,なぜ県と他の同じ株主である法人との間にこれほどの差がつけられるのかという問題であります。追加出資も求めない,そして補償も求めない,そして担保についてもそうでしょう,140億円の借り入れが要るんだと,ところがチボリ・ジャパン社の担保能力が70億円しかないから,その70億円の担保力はそっくり市中銀行にお渡しをして,そして県は何と無担保,無保証でこれを行う,こんなばかげたことがあっていいんでしょうか。私は極めてこれを奇異に感じます。このような,なぜ同じ株式会社の株主でありながら,これほど県だけがすべてに泥をかぶらなければいけないのか,すべての犠牲を県が忍ばなければいけないのか,この点についての再度のお答えをお願いしたいと思います。  公共性の問題,いろいろとお話があります。やはり同じ言葉の繰り返しでありまして,一体どこに公共性の根拠があるのか,抽象的な言葉では理解できないのであります。私は改めて公共性とはそもそも何であるのか,そしてその公共性と地方公共団体の支援,とりわけ財政支援との関係をどのように御認識なさっておるのか,その御答弁を聞いた上で,もう一度お尋ねに立つつもりであります。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎知事(長野士郎君)  ゴルフ場の関係につきましてはですね,疑惑に包まれておるとおっしゃいますけれども,県の行政当局の対応としましては,これまでも繰り返し申し上げてるとおり,各種の法令に準拠して厳正公正にやったということを私は確信をしております。  それから,それに働きかけた方々についてのことは詳細には承知しておりません。また,そういう意味で厳しく素直に受けとめておるところであります。  それから,2%から3%へなぜ広げたんだというお話でありますけれども,私どもとしましては,2%というものを本当は大いに維持したかったという気持ちは,担当者の間でも大体行き渡っておるとこですけれども,大変にゴルフ場についての具体的な対応についてもう少し弾力的にやってくれという話が多かったことも事実でございます。その多かったのは過疎地域が中心でありますけれども,そういう意味で,地域の振興にゴルフ場が決め手である,あるいはまたレジャー施設,レジャーブームと言われるころに,各地域でゴルフ場とホテルとテニスコートとプールというようなものが,一種の何やらの神器みたいに言われた時代もありまして,非常にそういう意味で,レジャー計画を立てるにつきましても,ゴルフ場というものを非常に一つの,何といいますか,拠点的な施設として受け入れたいと,受け入れるべきだという考え方が強かったことも間違いありません。したがいまして,そういうことについての多少の国土の保全とか県土の保全上許される範囲というものはどうかということを慎重に考えながらも,ある程度の弾力的な対応をせざるを得ないというのが,私は正直なところ当時の状況であったと思うのであります。そういう中に,過疎とかレジャー区域の予定しておる場所とか,あるいはまた空港周辺整備とかというようなことが出てきたということが現状であったというふうに私は理解をいたしております。  規制の緩和を見直すということにつきましては,お話もございますが,つまり今,先ほど申し上げましたように,旭川流域とか吉井川流域はもう満杯でございますから,これ以上受け付けることはございません。高梁川流域につきましては,多少そういう意味で面積的な許容率というのがなお残っておりますけれども,それにつきましてもひとつ十分慎重に考慮しまして,いわゆる環境問題とか自然保護の問題と地域開発というものをどう調和するか,これはゴルフ場だけには限らないのでありまして,本当言うと,工業団地をつくったって自然保護との関係は当然出てくる,あるいは道路を開発しても当然出てくるということでありますけれども,ゴルフ場だけが目のかたきにされるというのも,ある面じゃいかがかという気も正直言ってしないわけではありません。しかしながら,そういうことが時の一つの話題になっておりますから,十分に慎重に取り扱っていきたいと思っておるところであります。  それから,損失補償と債務保証,損失補償につきましては,これは自治法上も否定をされておるところではありません。そして,当時の通達というのはどうかという問題でありますが,この通達はですね,国の各省が最近大変この第三セクターを企画するわけであります。いろんなところで,中央でも第三セクター的なものを企画しますが,地方でも第三セクター的なものを企画するということがかなり行われるわけでありますので,そういうものについては十分慎重にしてもらいたいと,そういう意味では,国からいやしくも地方団体に損失補償を求めるようなことはしてほしくないと,これは運用の問題でありまして,これが法律的に違法であるからそうだというようなことを言ってるわけではありません。したがいまして,その点でのこの違法問題というものは起きないんですが,運用上,地方団体に対して,国が第三セクターをつくりそして地方をそこに入れて,しかも損失補償を求めるというようなことはしてもらいたくないということを申しておるわけでございます。  それから,チボリ公園につきましては,先ほど来繰り返し申し上げてるとおり,私どもは大変公共性の高い,文化性の高い施設だと思っておりまして,普通のテーマパークなどより質が違う,また質が違うものにしていかなければ意味がないというふうにも思っておるところであります。したがいまして,その意味では,これはそのスタートから,操車場跡地は非常に関係者の協力,特に岡山市の協力が得られないで,というより岡山市が自分の事業を放棄したんですから,得られないどころじゃありませんけれども,しかしながらスタートは特許公園ということでスタートしております。それはやはり文化性の高いということを維持するということが必要だからそうだったんで,今度の場合もやはり性質としては特許公園としての考え方で進めていくということになると思っておるのであります。  これは一般論ですし,これは余り言われても困るんですけれども,正直なところは。公共性ということは採算には乗りにくいということなんで,よく御存じだと思いますけれども,経営者であれば必ずそういうことはおわかりのはずでありますが,経営者でないとわからぬかもしれませんけれどもですね。それは別にして,したがってこの公園というものの意義というものを,新しい時代にどういうふうにつくり上げていくかっちゅうのは,これは一つの課題であります。この一つの課題にどうこたえるかということになりますと,これからの文化性の高い公園,それが21世紀に向かっての県民市民の生活に新しいライフスタイルを加えるんだと,そういう意味でのグレードの高い一つの公園をつくっていきたいということが,私はチボリ公園の持つ一つの意味だと思っております。したがって,そういう点でですね,どういいますか,補償するとか,あるいは出資も考えるとかということをしないといけないし,言ってみれば,そういう意味でチボリ公園は岡山市が脱落をいたしまして,そして県と経済界で実施をしていくということになったもんでございますから,その公共性の部分は県の負担といいましょうか,役割として考えざるを得ない,こういうことが状況の一つだと私は理解をしております。  以上でございます。 ◆18番(岡田信之君)  ゴルフ場の問題にかかわってでありますけれども,昭和63年──1988年の2%から3%に緩和の際の問題で,たしかこれ立花さんの質問に対してですけれども,これは基準を明確にするんだと,何でもいいんではないんで,きちんとたがをはめておかないとあいまいになるということを理由にしてそうしたんだとおっしゃりながらですね,きょうの御発言では,弾力的な対応が要るんだ,だから変えるんだということを言ってるんですね,全く相反することを言ってるというところに,まさに知事の御説明の説得力のなさを示しておるというふうに思えて仕方がありません。結局,ゴルフ場をやりたい,そしてそういうゴルフ場開発に伴う経済効果のみに,あるいは業者の求めにのみ応ずる,そういう立場,これがやはり自然を愛し,県土を大切にする意識を後退させる,そして無法な悪徳業者の横行を許しておる,であるとするならば,私は厳しい,建設中あるいは完成後の対応についても,県が一層性根を据えてかかっていただく必要があるというふうに思うわけであります。  知事は,違法開発の未然防止,あるいは適正な法の運用ということでありますけれども,それを担保する体制に不十分さがあるのではないかという印象を感じております。先般もたしか委員会でこの問題を指摘しましたところが,そんな定期的に立入調査するとかできるわけがないと,今の人員でできないということに対して,どなたでしたか,大先輩の元浜先生の方から,そんなことではだめだと,ちゃんと各振興局にそういうパトロールのチームでもつくってやれというような御指摘もあったのを記憶しておりますけれども,そういった,これを実際に行える,つまり違法開発を防止し,厳正な法の適用,執行,そして監視ができる体制づくりについての知事の具体的なお考えをお尋ねしておきたいというふうに思うわけであります。  さて,この損失補償の問題でありますけれども,もう一度原点に返って申し上げたいと思いますけれども,法律が債務保証を禁じている理由はなぜかということに思いをはせるべきであろうかと思います。つまり,何かの事業を行うときに,保証するということによって,たちまち予算措置が全く要りません。安易に判をつき,そして議会の議決を得ればこれはできるという,そういうことで安易に流れる,そういう債務保証を行う,その結果,後年重大な経済損失がもたらされる,そしてそのことが住民負担となり,また自治体の財政運営に困難をもたらす,そういうことがあってはならない,ちょうどサラ金クレジットに似たような話でありますけれども,だから禁じておるのであります。この趣旨も内容も手続も全く同じともいうべき損失補償,この法の趣旨を考えますならば,行うべきではないと思いますし,そして脱法行為であり無効であるという立場は,私は知事はもっと謙虚に受けとめるべきである。禁止されてないからいいんだというものではなかろうというふうに思います。おやじが息子に酒を飲むなとしかっといて,自分は一升瓶横に置いてべろんべろんになっとるというようなそういう姿が私は浮かぶわけでありますけれども,市町村に対してはこの趣旨を伝えたんですか,伝えたと思いますけどもね,市町村に対してこの趣旨を伝えなさいと言っといて,自分は平気でその通達に違背をする,こういう態度を私は許せない。損失補償すべきでない,必要があるのであれば,これは他の出資者,株式会社に債務保証をしてもらえばよろしいということを明言をしておきたいと思います。  公共性の問題です。結局,文化性が高いというこの抽象的な言葉しか出てまいりません。結局,あなたはこの御説明ができないんだというふうに思います。私も別に事業に,経営にかかわっておるわけではありませんけれども,公共性と採算性の間には相矛盾する部分があるのはわかります。ただ,今度のチボリ計画の特徴は,採算性もなければ公共性もない,ここに最大の特徴があるのであります。あるのはただ知事のメンツのみ,あなたの任期中にはチボリは倒産に至らないかもしれません,しかし後の県民に,関係出資者に重大な損失を与えることは明らかであります。決定的な県政不信が起こります。6期24年にわたる長野県政の歴史的な評価にかかわる問題であります。あなたは致命的なマイナス評価を受けることは明らかであります。傷口をこれ以上広げないように,そして県民をこれ以上泥沼に引きずり込むことのありませんように,チボリ計画の白紙撤回を潔くなさることを強く求めて,私の質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  ゴルフ場の監視体制についての話ですが,ゴルフ場の開発というのは通常林地で行われるということが多いわけでございますから,私の方としては,農林部を中心にいたしまして,ゴルフ場を主体に林地の開発の状況の総点検を進めておるところであります。今後さらに森林保護巡視員の配置とか,あるいは保安林標識の増設とか,監視体制の一層の強化を図りますとともに,市町村や関係機関との連携を密にいたしまして,違法な開発の未然防止に努めてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上です。 ◆32番(久永茂君)  2月定例県議会に当たりまして,当面する県政の課題の中から,今回は特に農村と農業の振興につきまして,長野知事の御所見のほどをお伺いいたしたいと思います。  まず,新農政の展開と県の対応について,戦後,我が国農業振興の基本となりました農業基本法が制定され,構造改善を柱とした農業が展開されて以来三十余年,この間画期的な努力の成果が大いに上がりまして,制定当時の我が国の農業と現在の農業を比較してみますとき,まさに隔世の感があるのであります。しかしながら反面,他の先進諸国の農業の現状とその生産性において,また我が国においては,他産業従事者との生涯所得,労働条件,収益性の比較において,その格差は極めて大きいものがあるのでありまして,このことの集積が我が国農業と農村の現状でありまして,現在,最大の課題でもあります。将来への不透明度を高めている最大の要因でもあると思うのであります。  このような背景の中で,現状を打開してその振興を図るためには,極めて多くの課題があるのであります。これは,ひとり国民の食糧生産基地としての農村と農業の問題ではないのでありまして,国土保全のためにも,国民保健のためにも,国力増進のためにも,不可欠な課題であるとして,しばしば指摘がなされているところでもありますが,それにしては農政の対応,対策が基本的理念において十分とは言いがたいのでありまして,またそのことが農家の意欲において,将来展望において,深刻な複合不安となっているのであります。  そのような中におきまして,現在の経済社会と近代産業の進展,そして反面,農村と農業との跛行状況の中から,農業基本法制定以来三十余年にしてようやくその見直しを進めるために,昨年6月将来農政の基本とその方向を示すために「新しい食糧,農業,農村政策の方向」を通して新しい農政の基本が発表されて,その具体化したものとして農業構造,経営対策と中山間地対策を2本の柱とする農政審議会の答申がなされたところであります。  我々農村におきましては,今後の食糧,農業,農村政策の展開につきまして大いに期待を持っているものであります。特に,食糧自給力の強化は当然のことでありますが,新たに他産業並みの生涯所得と労働時間を目標に置いたそのことは,農政の基本としては遅き失したものの,その重要性からして当然のことであると思うのであります。このことは,農村と農家の長い間の目標であり要望でもありまして,今後の農村と農業振興のための原点となるものであると思うものでありますが,要は,この目指すところに適切な対応がなされなければ「絵にかいたもち」の例え,その成果は期待できないものであります。その点につきまして,いささかの危惧なしとしないのでありますが,農村と農業が現状から少しでも脱皮でき,本来の豊かな農村となりますよう,今後とも,新しい農政の推進につきまして,中央に対して建議をされますよう,さらに地域の特性に応じ県独自の発想と指導と助成による補完を強く願うものであります。  以上につきまして,知事の御所見のほどをお伺いいたしたいと存じます。  以下,具体的事案について逐次申し上げます。  まず,新政策展開の方向についてであります。新政策を進めるためには,従来型の現在の農業から農業経営者の自立と創意による経営形態,そして地域の参加,そしてよりよきリーダーがその基本をなすものでありまして,重要な要素を持つものであると思うのであります。そして,それが軌道に乗ってきて初めて快適な農村づくりの第一歩となり,豊かさが実感できる成熟社会の基本ともなるものであると思うものであります。要は,政策展開の方向でありまして,まず望ましい経営体の策定と指導であります。岡山県におきましては,先年,県下9カ所におきまして,高生産大規模営農モデル事業の3カ年継続事業によりまして,期待される生産性の可能性について,その努力の限界,経営規模とその効率,問題点等につきまして貴重な成果を得たのであります。そしてさらに,農村と農家の現状等をアンケート調査いたしまして,その実態を把握してきたところであります。  実は,私は農業におきまして,特にその計画性におきまして,将来あるいは今後という表現は決して好ましいものでないとの見解を持っております。将来という表現は極めて漠然としたものでありまして,各人の感覚,現在置かれている条件,立場等で大きく相違するものでありまして,強い認識とはなり得ないのであります。農村の現状からして,農業において特にしかりであります。端的に10年後というように期限を定めることによりまして,真実な意見,回答が出てくるのであります。自分にとり,我が家にとり,そして地域にとって,このまま進めば10年後にはどうなるのか。しからば,今後10年間にどのような対策を講じなければならないか,目標を10年後に置いての計画,助長すべきこと,努力すべきこと,そして地域の特性を生かすための方策,そのまとめが望ましい経営体の策定につながり,自立と協調と創意による地域参加の経営体へと移行できると思うのであります。そして,それをより円滑に,そして強力に推進する原動力は,県の指導とよきリーダーであります。  そこで,今回岡山県におきまして21世紀型農業経営基本指針の策定は時宜を得たものでありまして,県独自の振興策と指導とを含めて充実したものとなるよう農家の期待にこたえていただきたいのであります。いかがですか。なお,先年の高生産大規模営農モデル事業のその後はどのようになっておりますか。  以上につきまして,知事の御所見のほどをお伺いいたしたいと思います。  次に,魅力ある農業と経営体の実現についてであります。農業はかくあるべしと求められる経営体,魅力ある経営体を実現するためには,経営の方式,内容とともに多くの課題があるのでありますが,まず第1には,その基本となる農地の集積であります。現在,農村では高齢化兼業化が急速に進み,農業依存度が低下を続けておりまして,これらの農地をそれぞれの地域で効率的に活用する方途を講ずるための農地の流動化対策が急がれるものであります。しかしながら,1年延ばしの現在の農業の中で,今後の我が家の農業についての意識よりも,農地に対しての意識,執着が強いのであります。生産の基盤というより先祖伝来の貴重な財産であるとの認識が優先するのであります。  そこでまず,農業振興に意欲があり先導的努力を進めている地域に対して,地域農業としての再編を図るために,賃貸についての不安をなくする措置を講ずるとともに,農地の集積が円滑にできるように,地域内の調整と土地利用のあり方を明確にし,地域農家の意欲と労働力に基づいた21世紀の地域の農業としての再編のための先導的モデル事業を進めるべきであると考えるのであります。そして,そのための指導助成を進めるべきであると考えますが,いかがですか。  現在,先行き不透明にして行く手定かでない農村と農業の中で,先の見える農業実現のために魅力ある経営体実現のための施策,具体化の先導化を望むものであります。人はだれしも先の見えない職場は敬遠するのであります。若者,特にしかりであります。  次に,その他の課題について,まずリーダーの育成について。現在,農村は農村本来の姿を失いつつあるのであります。元来,農村と農業の発展と繁栄は不離一体のものでありまして,国民食糧が自給できる中で,農村と農業が栄え,そこに安らぎがあり,真の農村の姿があり,その本来の姿の中に国力の源泉があるのであります。事実そうならなくてはならないと思うのであります。農家所得における農業所得10%前後にすぎないという現実を見ますとき,このままでは農村は守れるのか,農業はどうなるのか,農村と言えるのかとの思いは私一人ではないと思うのであります。  農協貯金の現況に見られますように,農家はある程度豊かになったと思います。しかしながら,農業の現況は御承知のとおりであります。しかる上にこそ農業基本法にかわる新しい農政に期待すること大きなものがあるのであります。そのような中におきまして,地域興しは人づくりと言われるとおり,リーダーの育成は最大の急務であります。我々の地域では,ことしになりましてより普及所等の指導によりまして勝英地方青年の集い,これからの水田経営体を考える大会,農業企業者懇談会等が従来にない多数参加の中で開催され,農業士等を中心に研修と懇談が持たれ,その成果には見るべきものがあったのであります。人を動かすのは人であります。農村と農業振興,新しい農業展開のために最も重要なリーダーの養成と研修のために,そして,特に地域農業再編の権威者たるリーダーの養成と指導研修のために格段の御配慮を願うものであります。いかがお考えですか。  次に,後継者問題について。私は,先ほど先の見えない職業や職種は敬遠されると申し上げました。農業の場合におきましても,そのことは反映されております。特定の作目につきましては,少数ながら新規参入者があります。私の地元におきましても,昨年3名の新規就農者がありました。すべて畜産関係でありました。特に,主食を生産する土地利用型農業の場合が最も深刻でありまして,後継者の不足が最も厳しいのに近年新規参入の声を聞かないのであります。ここにも地域農業再編の急がれる大きな要因があると思うのであります。  そこで,新しい農業を目指す中で,魅力ある経営体の実現とともに,相関関係にある農業後継者に対して実情に即したものとするよう基本的対応施策の見直しについて御検討を願うものであります。  現在の対応は,人生50年時代,青年後継者を主として対象としたものでありまして,現在の壮年にして農業を継承する時代に不適切と思うのであります。そしてさらに,新規後継者については,その営農計画について意欲を喪失しないように助言指導の強化を期待するものでありますが,いかがお考えですか。  なお,本春地元高校を卒業して就職する生徒のうち約90%は県内就職であります。数年前より約30%の増となっておりまして,通勤可能地に職を求める者約70%と倍増をしております。これらの若者は,すべて潜在的後継者であります。地域農業展開の上から,その一端を担うこととなる,意欲あり地域農業振興に貢献し得るこれら後継者対応についても検討すべき課題であると考えられますが,いかがですか。  次に,女性の農村と農業振興の役割について。現在,女性の各方面にわたる社会進出が期待される中で,農村におきましても農業におきましても女性の果たす役割は極めて大きく,作目によっては男性以上の役割を果たしているのが現状であります。従事者の数から見ましても,労働時間から見ましても,労働生産性からも,作目によっては男性のそれを上回っているのであります。事実我が家におきましてもそうでありました。先日の研修会におきましても,若い女性農業士より数多くの意見発表がありました。農業と家庭を支える中で,生活を優先し,趣味を生活の中に生かした明るく楽しいものでありました。農業生産と活性化の担い手として,男性より多面的な努力がある女性の役割について改めての感を深くしたのであります。将来,後継者たる子供たちと最も近い距離にある女性,母親に対しまして,その協力を得るためにも,その能力が十分発揮できるよう,農業経営と作業の大半を担う女性についての対策があってしかるべしとの思いまた強いものがあるのであります。女性リーダーの育成と増員,研修,交流の場の推進につきまして,あわせて御検討を願うものであります。いかがですか。  次に,農業高校の実践教育について。農業高校は,かつて農業振興地の中核として設置され,長い歴史の中で岡山県の農業振興,地域発展のセンターとしてのその効用と責任を果たしてまいったのであります。そして現在,農業に係る,そして現代社会に対応できる教育を受けているのであります。しかしながら,農村と農業,そして社会環境は設立当時より大きく変化多様化してきているのでありす。そしてまた,農業にかかわる教育を受ける中で,その教師陣,また実際に農業に経験のない都市をふるさととする人,農家に生まれながら職業として農業を選ばなかった人,また2種兼業として日曜百姓と言われる人等,実際の農業に関心と体験の少ない,言うならば農業嫌いの教師が農業を教えていることが仮にあるとするならば。そこで私は,農業学校を選んだ若い諸君のために,農業についての実践教育のために,意欲ある熟練の農業士等の中から適任者を選び,非常勤講師として農業の実践教育を進めるならば,若い諸君の農業に対しての意欲と理解の進む一助となること間違いなしと考えるのであります。いかがですか。  検討テーマとして,クラブ活動の中におきましても,当該講師を中心として地域の農業振興についての作目ごとの適正規模の検討,机上経営の計画と討議,可能性の上限下限についての検討等,農業について研究検討がなされるならば,その興味と意欲と成果は,地域農業の振興に貢献するとともに,若い担い手として将来のリーダーとして,将来に対して大きく期待が寄せられるものであると考えるのでありますが,いかかですか。本件につきましては,教育長の御意見もあわせて承りたいと思います。  次に,品種改良について。明年度新たに水田農業活性化対策が打ち出され,反面市場開放の声また高く,耳朶を強く打つものであります。その中にありまして,本年水稲作付につきましては,他用途利用米の割り当てが大幅に増加してきております。米は主食でありまして,ともに各種の用途に分かれております。加工用としても数多くの用途があり,いわゆるまさに多用途であります。そこで,多収穫,安全,安い,おいしい,これらの条件を用途別に具備した新品種の開発がまたれるのであります。特に多収穫米の開発が急がれるのでありまして,これこそ活性化対策の第一歩であり,それによって計画栽培が進められ,コシヒカリを他用途米として出荷することはなくなり,活性化対策への信頼性また高まると思うのでありますが,いかがですか。  次に,ファーマーズ・マーケットについて。現在,北部では勝英地域にその建設が進められております。名実ともに農業と地域振興の拠点とするために,関係者の期待は実に大きいのであります。第1には,期待どおりの施設となりますよう願いつつ着工を待っているところであります。第2には,本施設の建設とあわせて,地域農産物の計画的生産体制の整備を進めなければならないと思うのであります。なお,本施設が斬新なアイデア施設であるだけに,周辺地域に大規模消費者農園の設置等,地域を挙げての効率化対策,成果を高めるための総合的対策はできないものかとの思いがあります。消費者が公園を訪れるとともに,周辺地域におきまして家族の同伴,宿泊しての農作業収穫を体験することが可能な対策ができないものかとの思いがあります。そのことにおいて,地域と消費者,そして生産地と消費地との交流につながり,地域の中核たる公園の活性化にもつながると思うのであります。いかがお考えですか。  以上,知事の御所見のほどお伺いいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  久永議員の御質問にお答えいたします。  新農政の展開についてでありますが,これからの農業は,農業者みずからの意欲を持って取り組むことが重要でありますが,県独自の農政を展開するために,各地域で幅広い意見を伺いながら新たな施策づくりに努めておるところでございます。  新年度予算におきましては,新しい経営指針の策定を初め,超低コスト技術の普及,若い担い手の確保,それから中山間地域の活性化,都市との交流の促進というようなことを国に先駆けて推進することにいたしておりますが,また国に対しましては,新しい新農政プランの具体策を早急に実施するように今強く要請をしておるところでございます。今後とも,ゆとりのある労働と高い収益を目指した先進的な農業者の育成,また地域の活性化などを積極的に進めまして,活力あふれる農業,農村の振興に努めてまいりたいと考えております。  それから,望ましい経営体の育成につきましては,新年度で10年後を見通した21世紀型農業経営の基本指針を策定をいたしまして,経営感覚にあふれる担い手の育成を初め,それぞれの地域別経営規模の目標や収益性の高い営農モデルなど,その実現のための進め方を取りまとめることにいたしておりますが,今後は,この基本指針をもとにいたしまして,普及所や市町村,農協等が英知を結集いたしまして,豊かさが実感できる農業,農村づくりを進めてまいりたいと考えております。  また,高生産大規模営農モデル育成事業では,生産費がほぼ半減できた事例もありましたことから,その成果の波及に努めておりまして,新年度からは,さらに超低コスト稲作を目指して新しい栽培技術の実証や普及に取り組んでまいりたいと考えております。  ちなみに申し上げますと,62年から平成元年の間に,個別型の大規模営農,それから集落管理型の営農,農協経営型の営農といろいろモデルをつくりまして,それぞれ実証に努めたわけでございますが,個別型の営農でまいりますというと,当初の7.6ヘクタールの計画が14.4ヘクタールに,それから7ヘクタールの計画が19.5ヘクタールというふうに,大体2倍近く規模を伸ばしてきておりますし,そうしてその結果,水稲10アール当たりの生産費で見ますというと,当初から比べまして生産費が60%,あるいは80%ということになっております。  それから,集落管理型のものにつきましては,これはまた経営規模が500%とか,244%とか,455%,地域によって規模の伸び方にはばらつきがございますが,中には奈義町の例ように535%にまで経営規模を伸ばしておるところもございます。そういうところのコストを見ますというと,523%伸ばしました経営では大体コストが46%に下がっておる。あるいはまた,244%になったところでも51%に下がっておるというようなところもありまして,全部が同じようにコストがダウンしてるということにはっきりはなっておりませんが,ダウンする傾向はもう明らかでありまして,半減するようないい成績を上げておるところもあるわけでございまして,今後さらに,こういう低コスト営農促進ということをさらに続けてまいりたいということで,平成4年度までに,その上にさらに45地区を進めてきたところでございます。  今後とも,そういう大規模営農の実証を兼ねながら,その成績をもとにいたしまして,県下各地域に大規模営農を進めてまいりたいと考えておりまして,そのためには農地の集積が大切でございますから,農地の長期間の貸し借り,あるいは農作業の受委託というものを促進をいたしまして,経営規模の拡大を図ることにいたしておりますが,そこで従来からは,県下に約2,000人の推進員が中心となりまして,地域での利用調整を行っておるところでございまして,平成4年度末の農地の流動化率は7.7%と,これでも全国的には上位にあるわけでございますが,中でも,モデル的な取り組みが行われておる例えば清音村におきましては24.7%,赤坂町や邑久町では18%前後というふうに流動化と集積が進んでおるところでございます。新年度からは,農地の借り手や農作業の受け手となる若い意欲的な農業者に助成金を交付いたしまして,流動化の促進を図りたいと。それから,地域ぐるみで目標を定めまして,流動化の積極的なモデル的な先進地域の育成にも努めてまいりたいと考えております。  それから,リーダーの育成でございますが,お話のように地域農業振興にとってリーダーの果たす役割は極めて大きいものがあります。そこで,県で認定しておりますところの219名の農業士,あるいは女性農業士などを中心にいたしまして,情報交換とか体験発表,技術や経営の研究会,先進地への視察などにつきまして,そういう研修の機会を与えまして,資質の向上を図るだけでなしに,推進役としての活躍をしてもらっておるところでありますが,今後とも,研修を一層充実をいたしまして,先進的で経営感覚にすぐれた人材の育成に努めてまいりたいと考えております。  それから,農業後継者対策でありますが,青年農業者の育成はもとよりでありますけれども,壮年から自立経営を目指して就農する人たちに対しましても,お話もございましたけれども将来展望の持てる営農計画の樹立や経営技術など,各種の指導支援を行っておるところであります。今後とも,就農者のライフスタイルに即したきめ細かな指導に努めてまいりたいのであります。  また近年,若者のふるさと志向が一段と強まりつつありますが,営農条件はもとよりでありますけれども,快適な農村環境,それから文化やレジャーなどのそういう機能を充足する,そしてまた都市との交流の機会や施設の整備などを進めると,そういうことで若い農業後継者の定住を促進する必要があると考えておりますが,同時に,集落営農とか生産組織への積極的な参加を促すなどいたしまして,地域農業の担い手の育成確保に努めてまいりたいのであります。  それから,女性の役割でございますけれども,お話もございましたように農業における女性の役割は極めて大きいのでありまして,昨年101名の女性農業士を認定をいたしました。経営管理能力の向上,あるいは豊かな農家生活の実現など各方面で活躍をしてもらっております。また,女性が農業の技術を身につけますとともに,農産加工あるいは特産品づくりということで,女性にふさわしい技術や経営能力の向上を目指しまして,各種の講座や研修会を設けて実践力のあるリーダーの育成に努めております。  毎年3月10日を農山漁村婦人の日と定めまして,体験発表や交流会などを通じまして社会活動への積極的な参加を促しております。新しい時代の農業,農村を担う,明るくはつらつとした女性を育成するために,今後とも研修や交流の場を一層広げてまいりたいと考えております。  それから,農業高校生の就農を促進するためには,お話もございましたが,すぐれた経験と豊富な知識を持つ農業士の生の体験などを教えることが大切であると考えております。今ではないのかもしれませんが,昔は小中学校の先生になるというのは大体農業嫌いでございまして,農業嫌いの先生がなるもんですから,農業に対する理解が進まない。そして,おまえは農業高校へでも行けというようなことを言っておるんですから,もうこれはとてもいけません。今はそうじゃないんでございましょうけども,昔は少なくともそういう傾向が避けられなかったというふうに言われております。したがって,そういうこともないようにしなければなれませんし,また同時に,体験豊かな農業士との交流,意見交換,研修会,そういうことをすることは大変意義のあることだと私は思っております。そういうことによりまして就農誘導に努めてもらいたいと考えておるところであります。  新年度には,農業士や高校生,あるいは後継者クラブが力を合わせまして,中山間地域の活性化についてもぜひ研究をしてもらいたいと,そういうことで実践活動に直接参加してもらうように計画も実はいたしておるところでございます。今後とも,農業士などの体験が生かされますように,農業高校との連携を一層強化してまいりたいと考えます。  それから,水稲の品種改良でありますが,現在バイオテクノロジーなどの技術を用いまして,中北部向けの主食用,それから高冷地のモチ,酒造用の雄町米の改良など,用途別の品種の開発に取り組んでおるところでございますが,お話の加工原料用の他用途利用米につきましては,その需要にこたえる上からも多収穫の品種の開発が必要となっておりまして,カレーライスやピラフに適したホシユタカ,あるいは菓子用のオオチカラというような品種につきまして,国の試験場と協力しまして,現地での実証を行いながら開発に努めてまいりたいと考えております。  それから,ファーマーズ・マーケットにつきましては,新年度から敷地の造成に着手することにいたしておりまして,お話の地域農産物の生産供給体制につきましては,この施設でのよい効果を発揮する上で最も重要な要素でありますから,地元の町や農業団体も加わりまして検討を進めてもらっておるところでありますが,地域の方々の協力を得まして,ファーマーズ・マーケットの整備を図ってまいりたいと考えておりますし,また園内にはロッジなどの宿泊施設も設けまして,農業体験ができるようにいたしたいと考えておりますが,つまり農業あるいは農村のよさとか楽しさというものを理解してもらうために,都市と農村との交流施設の整備を初め,交流の促進を図っていくようにぜひいたしてまいりたいと考えておりますので,よろしく御協力をお願いをいたしたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  久永議員の質問にお答えをいたします。  高等学校の農業の教員は,大学などで農業関係の分野を専攻をし,意欲を持ってる者の中から採用をしておるところでございます。御指摘のように,初任者には農作業などに未熟な者も見られますけれども,校内の研修などを通しまして,できるだけ早く熟達するよう指導をしてるところでございます。  農業士などを非常勤講師として活用してはとの御提案でございますが,本年度から,豊かな経験と識見を持った専門家を社会人講師として招聘をする事業を実施しておりまして,この制度を活用する中で考えてまいりたいと,このように思います。  次に,農業に関するクラブ活動についてでございますが,各農業高等学校には農業クラブがございまして,地域が抱えております農業問題につきまして調査研究に取り組んでおるところでございます。例えば,畜産農業経営のコンピューターソフトの開発をしたり,果実ジュースの製造法を開発して,その成果を地域振興に生かしておるところでもございます。今後とも,こうしたクラブ活動が一層活発化するように指導してまいりたいと,このように思っております。  以上でございます。 ◆20番(日南香君)  通告順に従い4項目についてお伺いいたします。  まず,最初の質問は,県都岡山の顔づくりをどう進めていくかについてであります。岡山はよく顔のない町という表現をされますが,それは岡山市の市街地が郊外方向に拡散しており,このため魅力あふれる機能を集積した都心部というものの形成がおくれているという理由によるものと思われます。したがって,今後可能な限りコンパクトにまとまった都市形成を図っていくことが必要であり,中でも都心部への集積を高めて,魅力あふれる県都岡山の顔をつくっていくことは極めて重要な課題であると思うのであります。  こうした現況を踏まえまして,まず第1に,JR岡山駅周辺の土地区画整理事業のスタートが決定したことに伴う将来の開発計画についてお伺いをいたしたいと思います。岡山駅周辺地区は,現在,表町地区とともに市内の都心部を形成しており,都市機能の集積を促進する条件に恵まれておりますが,今回事業決定されました駅南第2地区は都心地区の幹線街路である市役所筋や下石井岩井線に面しており,交通拠点地区としても機能の強化が期待されているところであります。また,この地区には,大蔵省が合同庁舎を建設する予定であり,行政サービス拠点としても機能の充実が図られる予定であります。このように,駅南第2地区は,岡山の玄関口である岡山駅の交通結節機能の強化を担う重要な位置にあり,さらに行政機能や商業,文化施設等の心臓部としても受け皿となる周辺整備が急がれているところであります。6ヘクタールにも及ぶ土地のうち,全体の約8割という最大の土地を有する林原グループでは,この地域の再開発構想に大きな夢を膨らませており,市民もチボリ公園にかわるものとして大いに期待し注目を寄せているのであります。  林原では,世界じゅうから人の集まるような自然史博物館を核とした,楽しみながら勉強のできる施設の建設を目指した青写真を描いて発表いたしましたが,周辺整備のおくれがネックとなって基本計画の策定までには至らなかっただけに,今回の事業の推進合意は,県都の顔づくりに向けて実質的な弾みとなることを期待されるのであります。  県としても,昭和59年の岡山駅前整備基本計画構想がスタートして以来,常に指導的な役割を果たしてこられたわけでありますが,今後の事業推進に当たり,知事の御所見について,以下お伺いをいたしたいと思います。  まず第1といたしまして,今後,岡山は中四国経済文化圏をリードし,中核都市として発展していかねばなりませんが,岡山の顔づくりを進めていく上で,知事はこの地区をどのように位置づけられ,また県都の顔づくりとしてふさわしい開発のあり方として,どのような夢と申しましょうか,構想をお持ちであるのか,お伺いをいたします。  次に,今回の基盤整備事業は,岡山市が施行者として進めていくことになりますが,区画整理事業完了後には,未利用地となることなく速やかに開発が行われなければなりません。林原の開発事業や合同庁舎の建設など,各地権者の持っている個別の事業計画との進度調整については,これまでどのような指導をしてこられ,また現在の進捗状況はどのようになっているのか,お伺いをいたします。  その3として,駅周辺の基盤整備は,駅南地区と南第2地区の2つの地区で進められるのでありますが,周辺の日清製粉や日本たばこ等の工場敷地の利用転換も含めた周辺全体の整備方針についてはどのようにお考えでありましょうか,お尋ねをいたします。  県都岡山の顔づくりに関する第2の質問は,岡山商工会議所の都市委員会が提言しております岡山市の貴重な財産である路面電車を環状化し,都心内交通の円滑化と観光資源として活用を図るという構想についてであります。現在,岡山市の路面電車は2系統で運行されていますが,これを活用して岡山駅前―大供―新京橋西交差点―西大寺町―城下―岡山駅前のコースで路面電車を環状化させ,さらにこの環状線内の区域では都心としての高度化を図り,魅力あふれる商業,業務ゾーンとして整備していこうという構想であります。路面電車は,世界的にマイカーの増加に伴い次々と廃止,縮小がなされてきた中で,最近では低公害性や渋滞に巻き込まれない定時性などが再評価され,欧米では都市における重要な公共輸送機関として復活するケースが目立ってきているのであります。マイカー利用を抑え,低公害型の公共輸送機関の利用促進を図るためにも,路面電車を環状化して,市民が使いやすくしていこうという提言は傾聴に値するものと思います。美しい岡山のまちづくりには10年単位の歳月が必要であり,今こそこうした大胆な発想を実現するための具体的な検討が必要と考えますが,知事の御高説をお伺いするものであります。  次に,県農林部が新年度新たに打ち出された新規事業のうち,農村の原風景をいかにして,取り戻すかをキーワードに農業問題について質問いたします。  昨年,農林水産省が打ち出した新政策ビジョンの中に環境保全型農業の確立がありますが,これを受けて,県が新年度から環境に優しい農業の推進に積極姿勢を示されたことに関係者の間では大きな関心と期待が寄せられているところであります。トンボやホタル,ドジョウといった自然生態系の復活を図りながら,農村の原風景を再現することが大きなねらいということでありますが,おくればせとはいえその着想に敬意を表するとともに,実りある成果を期待するものであります。  さて,現在,農業を取り巻く環境や将来に対する展望はまことに厳しく,長い冬の時代に突入しておりますが,高齢化と過疎化の波がこれに追い打ちをかけ,担い手不足は一層深刻の度を増しております。俗に食糧安保と言われる食糧安全保障の2大要素は,1に備蓄であり,2には田んぼの確保でありますが,その備蓄も実は水田を守ることから始まることは言うまでもありません。先般,私の友人がヨーロッパを視察して帰りましたが,スイスの山の上の牧場やオーストリアの丘の農地は,行けども行けども整備が行き届き,一幅の名画を見るようだったと,その感想を述べておりました。ECの農業はなぜ見る人をして感動させるような美しい原風景をとどめているのか。それは,人々が長い歴史の中で結局は台地の荒廃がふるさとの荒廃を招き,ひいては人間の荒廃を招くなどという教訓から,農業そのものを手厚く守ってきたからだと言います。すなわちアグリカルチャー・イズ・カルチャー──農業は文化であり,生活そのものであるとの哲学が伝統的に根づいているからだというのであります。  翻って,岡山県の農業の現実はどうでありましょうか。農地は年々確実に減少の一途をたどっております。岡山市を例にとりますと,今から30年少々前,耕作面積は2万ヘクタールであったものが,今や1万1,000ヘクタールにまでやせ細り,農地はまさに半減いたしております。このように農地が狭まり,次第に消え失せていく厳しい現実に加えて,過疎化高齢化による担い手不足がもたらした荒れ果てたままの,いわゆる耕作放棄地問題が大きな課題として横たわり,農業の行く手に暗い影を投げかけているのであります。荒れるに任せ,水田の顔を失った累々たるしかばねを県下の至るところで見かける昨今でありますが,こうした水田の蘇生をどのように図っていくのか,その対策はまことに急を要するものと思うのであります。  知事は,県下のこうした耕作放棄地の現状をどのように認識され,農地の確保を目指した今後の対策についてどうお考えなのか。またあわせて,県下の耕作放棄地の面積はどのくらいと掌握されているのか,お示しいただきたいと思います。  第2に,知事は所信表明の中で,安定的な水田農業維持のために就農希望者の掘り起こしを積極的に行うと明言されておりますが,今後の具体的な取り組みについてお伺いいたしたいのであります。  次は,CIの導入についてお尋ねいたします。  CIはもともと企業の経営戦略上の手法としてアメリカで生まれ,日本においても,これまで数多くの企業が導入し成果を上げてきましたが,地域活性化への期待と関心が高まってくる中で,近年行政においても導入の機運が盛り上がってきているのはむしろ当然の成り行きとも言えるのであります。我が岡山県においても,昨年度からCIの導入の取り組みを初められたところでありますが,その準備過程の中で,全国から見た岡山県のイメージ調査を実施され,私も調査結果を拝見いたしましたが,その中身については,岡山に対する評価が余りにも低いことにいささか衝撃を受けたのであります。その結果を見てみますと,まず中国地方とその近辺の地図を見て,岡山県の位置のわからなかった人が実に40%以上にも達していたという事実であります。次に,岡山県という地域の印象として余りイメージがないと答えた人が25.3%に上り,さらに今後岡山に行ってみたいと思わない人が52.4%,住んでみたいと思わない人が54.7%という数字となっていたのであります。この調査結果は大きな問題を示唆しており,県全体のイメージアップを図り,地域の魅力づくりを進めていくことが急を要する課題であることを痛感するのであります。  岡山県のCI活動は,現在CIを進めていく上で最も基本となるCIマスタープランの策定に取り組まれ,その素案をもとに年度内には県民の意見を幅広く取り入れた成案がまとまるとのことであります。県のCIの推進に当たっては,県民の主体的積極的な参加が必要不可欠と考えますので,マスタープランの決定に当たっては,これら県民の意見や提言を十分に反映していただきたいと願うものであります。  そこで,知事にお伺いいたしますが,第1に,このCIマスタープランの素案はどのような考え方のもとに取りまとめられたのか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,県民の意見は具体的にどのような方法でお聞きになり,今後の成案作成にどう反映させていくお考えなのか,お伺いします。  第3に,このマスタープランに基づき岡山県のCIをどのように展開されていくお考えであるのか御所見をお伺いいたします。  最後に,警察行政についてお伺いいたします。  初めは,岡山西警察署移転に伴う市有地の対応と周辺の治安対策についてであります。県警察では,平成5年度予算に岡山西警察署庁舎新築工事のための地質調査並びに基本設計費として約3,500万円を計上され,いよいよ移転準備作業に着手されることになるのでありますが,課題は跡地の市有地部分の処遇についてであります。  現在の国道に面した警察署庁舎の敷地は,その主要部分のほとんど分1,859平米が岡山市の所有地となっており,この市有地部分は警察法の経過措置において警察用途に使用する限りにおいては無償で使用することができるという規定があり,これを根拠にして警察法の改正から約40年経過した今日でも,県は岡山市から継続して無償で借用しているという経緯があります。ということは,岡山西警察署が現在地から移転すれば,自動的にこの部分の土地は岡山市に返還されることになりますが,そうなれば,せっかくの貴重なまとまった土地が岡山市と県に分割されてしまうことになり,公共用地の効果的な利用の観点からは非常にもったいない話にもなるわけであります。岡山市が一括するのか,県で一括するか,いずれにしても岡山西警察署の跡地は,現在の敷地面積をまとめて利用する方向で検討がなされることが至当と考えるのであります。岡山駅西口の再開発問題とも関連して,県としては岡山市との間で,早い時期にこの跡地利用問題の話し合いの場を持つことが必要かと思いますが,県としての基本方針はいかがなものかと,知事の御見解をお伺いいたしたいと思います。  次は,岡山西署が別場所に移転した場合の周辺の治安対策についてでありますが,近くに残るのは奉還町の商店街にある派出所だけになろうかと思います。近く国際交流センターの施設も完成の予定であり,商店街の改装等によって西口地域が活性化することが十分に予測されるわけでありますから,こうした要素も考慮の上,移転後の治安面での対策には万全を期していただきたいのでありますが,このあたりについてはどのように検討しておられるのか,警察本部長にお尋ねをいたします。  警察行政に関する2番目の質問は,婦人警察官の処遇についてであります。現在,岡山県下の第一線の現場で活躍する婦人警官は約30名ということであります。最近の若者気質を反映してか,婦人警察官は毎回20倍をはるかに超える応募者があるということでありますが,その背景には,男性と同じ権限が行使でき,しかも処遇がまた同じという職種は県内ではまだ少ないという実情があり,こうした条件が若い女性の人気を博している要因であると思うのであります。仄聞するところ,婦人警察官の仕事ぶりは優秀で,刑事への登用や巡査部長試験への合格により幹部への道を歩み始めた人も出ておられるようで,今後,活躍の場は一層拡大していくものと期待が寄せられるのであります。ただ,婦人警察官の採用に当たっては,若干の問題点もあるように思いますので,以下警察本部長にお伺いいたします。  その第1は,婦人警察官のための関係施設の整備並びに勤務環境の改善についてであります。警察といえば,とかく男性比率の高い職場でありますが,先般も,私は西川の派出所を視察する機会がありましたが,非常に殺伐としており,来訪者や女性に配慮した施設に乏しく,改善の余地は大きいという印象を持ったのであります。今後,婦人警官の活用の場を拡大していく上においても,更衣室やトイレ,休憩室,またせめてシャワー施設くらいは女性への配慮として独立した設備が必要ではないかと思いますが,現状と,これからの整備計画についてお伺いいたします。  第2点目は,定員の問題についてであります。警察には,婦人警察官とは別に交通巡視員,婦人補導員という女性職種の職員が約80名ほど採用されており,交通安全指導や少年補導活動に従事しているのでありますが,この職種の方は警察官ではないために,活動にはおのずと限界があるということであります。もし仮に,この約80名の定員を婦人警察官に段階的に振りかえることが可能であれば,その分警察官の採用がふえて職務権限の拡大等,体制の強化につながるのではないかという期待が持てるのであります。中期的将来構想として検討の余地ありと思うのでありますが,警察本部長の御意見をお伺いいたしまして,1回目の質問を終わらしていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  日南議員の御質問にお答えいたします。  県都岡山にふさわしい顔づくりというようなことでございましたが,現在,岡山市におきまして岡山駅南土地区画整理事業によりまして,駅前広場の拡幅整備によるターミナル機能の強化と宿泊施設や商業業務施設などの高度な都市機能の集積を図る,そういう施策を展開をしておるところであります。さらに,岡山駅南第2土地区画整理事業では,岡山駅南地区と一体となった道路整備や業務用地などの確保が図られまして,この地区におきましても,国の第2合同庁舎の建設や民間よる文化施設を核とした総合的な開発が計画をされております。これらの事業が具体的に進むことによりまして,駅周辺地区におきましてはより一層の県都にふさわしいゆとりと潤いのあるまちづくりが図られるものと考えておりますし,県としましてもその実現に大きな期待を寄せておりまして,今後とも,指導助言をしてまいりたいと考えております。  それから,進捗状況でありますが,岡山駅南第2土地区画整理事業は,県,市が一体となりまして,地権者の方々の開発構想と調整を図りながら計画が作成をされました。岡山市が施行することで先月事業がスタートしたところであります。  さきにも述べましたように,国の第2合同庁舎につきましては,3月末に建設に着工し,平成7年度の完成の予定となっておりまして,中国四国農政局,岡山労働基準局など国の出先の8機関が入ることになっております。  また,民間開発につきましては,文化施設を核とした複合施設を整備するということで,現在計画の作成中というふうに聞いております。  このように,それぞれの土地所有者が将来の県都岡山の顔にふさわしい構想を持っておりまして,土地区画整理事業の進捗にあわせて計画が具体化し開発が進むものと考えております。  駅周辺全体の整備方針につきましては,工場敷地につきましては現在操業中でありますが,近い将来には土地利用の転換がなされるのではないかと思っております。これらの土地は,岡山駅周辺における貴重な都市空間でありますから,長期的な観点に立ちまして,県都岡山の顔にふさわしいまちづくりがなされますように,県としても岡山市及び土地所有者を指導してまいりたいのであります。  路面電車の環状化についてでありますが,路面電車は都市内の公共交通機関として,環境面や利便性からお話がありましたように再評価されておるところでありまして,御指摘の事項につきましては,総合的な交通体系を検討する中で,関係者とも意見を交換しながら,今後の研究課題とさしてもらいたいと考えております。  それから,農業問題でありますが,耕作放棄地につきましては,農家の高齢化等によりまして年々増加しておりまして,水田約2,000ヘクタール,畑,樹園地約3,000ヘクタール,合計5,000ヘクタールでありまして,全耕地面積の約7%ということになっております。このことは,食料の供給の上からももちろんでございますが,国土や自然環境の保全という面からもまことに憂慮すべきことと考えておりまして,従来から,農地の流動化や圃場整備の促進,市町村公社の設立などによりまして,耕作地放棄の防止に努めてきたところでございますが,新年度からは,受け手となる若い農業者に対する助成金制度や,中山間地域における小規模な基盤整備の補助制度などを設けることにいたしております。今後とも,農地の集積,生産基盤の整備などによりまして,水田など耕作放棄地の解消に一層努めてまいりたいと考えております。  それから,就農希望者の掘り起こしでございますが,本県では,新規就農者のための相談窓口を設けまして,積極的なその確保対策に努めておりますが,新年度では,都会の若者に対しまして,本県農業の魅力のPRや地域の農業情報の提供などを積極的に行いまして,新規就農者の掘り起こしに一層取り組んでまいりたいと思います。  それから,就農を希望する若者につきましては,例えば農業士などのようなすぐれた農家の指導のもとで経営の研修をするというような,見習いといいましょうか,そういう一定の期間につきましては,給与としては月給制の導入等についても検討しまして,意欲的な人材確保に努めてまいりたいと考えております。  それから,CIでありますが,県民の地域に対する愛着,一体感を高め,個性豊かな魅力ある地域づくりを進めるとともに,県の対外的なイメージアップを図ることを目的とした,県という地域のCIと,それから県庁組織の活性化を図っていくことを目的としました県庁のCIの両面から取り組みを進めておりまして,昨年12月にマスタープランの素案を取りまとめまして,県民各界各層の御意見等をお聞きをしておるところであります。  マスタープランは,CIの理念や事業展開の方向などCIを進めていく上での基本的な計画を定めるものでありますけれども,素案におきましては,美しい自然や豊かな風土を生かして,真に豊かな生活の実現や文化の創造を強調したものと,それから西日本のクロスポイントに位置するという優位性を活用して,産業経済面や交流拠点としての発展を強調したものと,この2つの案,また県庁のCIとしては,県民本位の考え方とチャレンジ精神という内容の案に集約をした上で,事業展開の方向の案を取りまとめておるところでございます。  素案に対する意見聴取でありますが,本年1月以降,各種の団体の代表者や女性や若者,地域づくりリーダーなど数多くの方々を対象とする会議を県内各地域で重ねるなどいたしまして,幅広く県民の方々の御意見をお聞きいたしますとともに,行政アドバイザーなど各界の有識者の御意見もお聞きをしておるところであります。これまでにいただいた数多くの御意見,御提言を十分踏まえまして,コンセプトや事業展開の方向を固めまして成案として取りまとめてまいりたいと考えております。  今後の展開でありますが,CIの県民への普及や浸透に努めますとともに,来年度におきましてはマスタープランに基づく事業実施計画の策定,シンボルマークの開発などを行うことにいたしておりまして,魅力ある地域づくりと県のイメージアップに向けてできる限り多くの県民の方々が主体的に参加できる仕組みをつくりまして,息の長い取り組みとして進められるように努力をしてまいりたいのであります。  それから,岡山西警察署の移転に伴う跡地でありますが,御指摘のありましたように敷地の約半分を岡山市から借りておるところでありまして,これらは貴重な公有地でありますので,一体的に利用できるのが一番適当だと思われますから,いずれにいたしましても利用方法もあわせまして,今後市と十分協議してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  日南議員の御質問にお答えいたします。  まず,岡山西警察署の問題についてでございますけれども,現庁舎は狭隘で老朽化しておりますので,移転すべく現在諸準備を進めているところでございます。  移転した後の周辺地域の治安対策につきましては,住民の皆さん方に不安を与えることのないよう,派出所の新設等も含めまして万全の対策を検討してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  次に,婦人警察官の問題についてでございますけれども,平成元年から採用を開始して,ことしの4月1日には29名となるわけでありますが,警察におきましても,女性の活躍の場がますます拡大しておりますので,今後も,採用につきましては前向きに取り組んでいきたいと考えているところでございます。しかしながら,御指摘にございましたとおり,現在の警察の施設は女性に十分配意したものには必ずしもなっていないわけでございますので,今後は,婦人警察官はもちろんのこと女性来訪者のことも考慮いたしまして,更衣室,トイレ,休憩室などの改善に積極的に努めてまいりたいと考えているところでございます。  最後に,交通巡視員や婦人補導員を婦人警察官に振りかえる問題についてでございますけど,これにつきましては,既に全国の10都府県で行われているところでございます。その目的は,御指摘にございましたとおり,職務権限の拡大を図るということにあるわけでございまして,例えば交通巡視員ですと駐車違反の取り締まりなどに権限が限られておりますけれども,婦人警察官であれば,交通指導取り締まりや交通事故事件の捜査などについても当然行うことができるわけでございます。私どもといたしましては,国における警察官の増員が困難な現状にありますので,こうした戦力アップにつながる振りかえを,今後ぜひ前向きに検討してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解と御支援を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆20番(日南香君)  簡単に1点だけ重ねてお尋ねをいたしたいと思います。  CIの導入につきまして,先ほど知事さんより,CI導入の最大のねらいは岡山県の対外的なイメージアップを図ることにあると,こういうお答えでございましたけれども,確かに外部から見た岡山県の評価というものは非常に低いわけでございまして,ソフト面のイメージアップを図るためにどうするかということは,大切なこれからの図っていかなければならない要素であるというふうに思うわけでございます。  こうした見方からいたしますと,現在の県の花とか,あるいは県の木などといった岡山県のさまざまなシンボルがございますけれども,こういったソフト面のさまざまなシンボルの果たす役割というものは決して少なくないというふうに思うわけでございます。岡山県の現在のシンボルは,私も一昨日岡山県民手帳を改めて見させていただきまして,平成5年版の岡山県民手帳にも記載されておりますけれども,例えば県章がございます。これが昭和42年に制定されたものでございまして,非常にかた苦しくて何を表現しておられるのかよくわからないというようなものでございます。また,岡山県の歌も昭和32年につくられたということでございまして,既に三十数年たっておりまして,現在では歌詞の内容は全く使いものにならない。今の岡山県には通用しないような内容の歌でございます。また,県の木は御承知のアカマツでございますけれども,これは41年に制定されたそうでございますけれども,これももう松くい虫で全滅の危機に瀕しておるという状態でございます。こういったいろんな問題があるように思われるわけでございますけども,こうしたソフト面の思い切った見直しも,これからのCIを進めていく上で非常に重要な課題ではないかと思うわけでございますけども,こういったソフト面のCIの進め方について,どのように進めていかれるのか,ひとつ知事のお考えをお伺いいたしまして再質問を終わらしていただきたいと思います。 ◎知事(長野士郎君)  県章とか,県の木とか,岡山県の歌とか,そういうようなシンボルになっておるものの見直しも重要ではないかということでございますが,お話のようにイメージアップを図る上で,そういうシンボルの果たす役割というのは非常に大きいわけでございますから,イメージにふさわしいものに,また県民の心に定着するようなものにすることが大切であるということで,いずれも以前に制定されたものでございますから,こういう機会に,ふさわしいものに検討する必要があるのではないかということを考えておるわけでございまして,お話のありましたように,来年度,県民皆さんの意向などを調査しながら,ひとつ検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆43番(舛田貞三君)  おはようございます。  早速,通告に従って質問を始めます。  県は,21世紀に向けて,多様な社会的時代的要請に的確に対応できる有為な人材を養成し,岡山県における福祉と文化の向上や産業の一層の振興を図るために県立大学の整備を進めてこられましたが,いよいよ平成5年度より開学の運びとなりました。同時に,新たなる構想による短期大学も併設されることとなり,本県における人づくりのための高等教育機関が飛躍的に充実強化され,御同慶に存じますと同時に,次代に向けてすぐれた人材が養成されることと大きな期待を寄せております。  さて,そこで県立大学に係る幾つかの課題について知事にお尋ねいたします。  まず第1点は,本校では,人づくりはもちろんのこと,地場産業や公的機関との連携を深め,産・官・学による統合的な研究開発の促進,各種公開講座の開催,社会人再教育の場の開設といった事業も展開される計画でありますが,これらの体制づくりに向けた取り組みはどのようになされておりますか。  第2点は,大学の運営費は,最終的にはいかほどになると想定されていますか,概算をお示しください。  第3点は,留学生の受け入れ態勢についてのお考えをお示しいただきたいと存じます。この点については,平成2年6月定例会で私の代表質問に対し,積極的な検討をしたいとの知事答弁がございましたが,改めてお尋ねいたします。  第4点は,学生寮の整備であります。当初計画では,学生寮も整備される方針であったように承知しておりますが,今のところ実施計画が示されておりません。学生寮の整備は,留学生の受け入れのためにも必要ですし,いわゆる同じかまの飯を食った仲間としての,学生の連帯感の醸成にもつながる有効な施設と思いますがいかがですか,所見を賜りたいと存じます。  第5点は,通学の利便性確保について申し上げます。本校は,JR吉備線服部駅が最寄りの駅でありますが,この駅は御承知のように単線の無人駅であります。そこに,収容定員1,460人の学生が通学することになるのですから,これはもう大変です。ホーム,駅舎,駐輪場,アクセス道の整備が必要と思われますが,いかがですか。  また,近年,交通機関の発達と相まって,下宿費用の軽減を図りたいことなどもあって,学生の通学エリアが拡大しております。したがって,倉敷方面から吉備線に直接乗り入れる列車ダイヤが組めないものかと考えますが,知事の所見を賜り,実現に向けて御尽力を願いたいと存じます。  続いて,倉敷芸術科学大学の建設費助成について知事にお尋ねいたします。本件につきましては,民主クラブの代表質問で知事の答弁をいただいておりますが,十分な理解をするに至っておりません。そこで,改めて幾つかの点で知事の見解を求めるものであります。  まず最初に,倉敷芸術科学大学(仮称)の建設に県費助成するに至った経緯と検討の経過について御説明ください。代表質問に対する答弁では,吉備高原学園高校の設立時から卒業生の進路をどうするか,関係者の間で大きな課題となっていたと説明されました。もっともであります。であるならば,開校以来3年の期間に学校設置者である県がそのことを慎重に検討し,関係者のコンセンサスを得る努力をすべきではなかったか。いかなる高等学校も,最終的には卒業生の進路を見きわめ,指導することが使命であり,一番御苦労をなさっているところであります。ところが,今回の30億円の助成は,来年度予算案の知事査定の段階に至って明らかにされたのでありますから,言ってみれば我々は寝耳に水を差された思いで,十分な調査検討の時間もなく,結論を出しかねております。  第2点は,私学助成のあり方であります。今,全国各地で4年制大学設立の動きがあり,建設費の負担,助成を自治体が行う例がたくさんあります。中には公設,民営の大学もありますが,いずれも地方の活性化,大学志願者の東京一極集中に歯どめをかけ,若者を地元に引きとめるねらいであり,県,市一体となって取り組んでおります。また,県下においては,山陽学園短大が4年制大学に移行し,作陽音楽大学が倉敷市に移転する,吉備国際大学も学部の増設を行うなどの動きがあり,県も第4次総合福祉計画の実施計画において,岡山大学の拡充整備,既設大学の整備充実,芸術大学など新しい大学の誘致を明らかにしておられます。  そこで,大事なことは,これらの動きと方針を受けて,県として今後どのように対処すべきか。長期的かつ広範な検討がなされることであります。特に,私学の選別助成はよほど慎重に行わなければ混乱と不信を招くものと危惧されますし,今回のような条件をつけますと,教育の機会均等の原則に反する行為と指摘されても当然と言わなければならないと思います。  第3点は,吉備高原高校に70人もの推薦枠を設けることの是非についてであります。吉備高原高校の卒業生は130名ですから,卒業生の約半数が倉敷芸術科学大学に進学できることになれば,結果的には県が大学の附属高校を設置したという実態となり,吉備高原高校の性格がゆがめられはしないか。また,別の意味で,ハンディを持つ定時制高校や特殊教育諸学校の後期高等教育をどのように考えておられるのか,新たな疑問が生じます。知事の所信を賜りたいと存じます。  第4点は,受け入れる大学のカリキュラムについて知事の答弁をお聞きますと,大学設立申請の時点で明らかになるとのことでありますが,30億円の助成を行って140名の推薦枠を設けられた経緯に立って,この際明らかにされなければ,理解し納得することができないではございませんか。知事の明快な答弁を求めるものであります。  続いて,教育長にお尋ねいたします。倉敷芸術科学大学建設費助成の条件として,吉備高原高校以外の学校に70名の推薦枠を設けられる予定でありますが,学校への配分,推薦基準など,どのような協議検討がなされましたか。今後の対処方針とあわせて御説明いただきたいと存じます。  次は,スポーツ施設の整備について知事にお尋ねいたします。  県民1人1人が日常生活の中で,生涯にわたり積極的にスポーツ,レクリエーションを楽しむことは,健康の保持増進と体力の向上に役立つだけでなく,明るく豊かで生きがいのある生活を営む上で極めて重要であります。したがって,県においては,これまで県民皆スポーツの推進を合い言葉に,各種スポーツ,レクリエーション施設の整備を進めてこられました。近年,これらの施設整備は目覚ましい進展を見せており,今建設中の新野球場を初め,美作ラグビー・サッカー場,津山陸上競技場,備前テニスセンター,西部アグリスポーツ公園など,極めてハイレベルの施設整備が進められております。加えて,オートキャンプ場も新しく3カ所の整備計画が明らかとなり,知事の熱意のほどがうかがわれるのであります。これらは,後世に残す県民の資産として評価できるのでありますが,一方で,地域にあって,いつでもだれでも気軽に使える多目的広場の不足がいまだに指摘されるのであります。余暇の拡大,ストレス解消,健康管理の面で身近に利用できる広場の整備が強く求められ,緊急の課題と考え,河川敷の活用,公共用地の開放など,軽費で整備できる広場の確保に積極的に取り組んでいただきたいのであります。  また,オートキャンプ場も,山間部だけでなく海浜地域にも整備されるように求め,県民皆スポーツの趣旨に沿った施設整備のあり方について知事の所見と今後の方針を伺います。  続いて,教育長に,本県のスポーツ振興策についてお尋ねいたします。昨年のバルセロナオリンピックで,郷土出身の有森祐子選手が女子マラソンで銀メダルに輝く快挙をなし遂げ,県民は大喜びいたしました。オリンピックや国体での郷土選手の活躍は,県民の士気の高揚や郷土意識の醸成に寄与するとともに,青少年に希望を与え,本県のスポーツ活動を活性化させる原動力になることから,極めて重要であります。このような観点に立って,本県の競技スポーツのレベルと実績を評価いたしますと,全国的なスポーツイベントで目標とする20位以内の成績を上げるにはほど遠い感がいたします。  そこで,お尋ねいたします第1点は,県体育協会が策定いたしております競技力向上10カ年計画。これは,平成元年から平成10年の間を3期に分けて目標を設定したものでありますが,その第1次3カ年計画の実施状況と2巡目国体開催に向けた今後の取り組みについて御説明ください。  第2点は,来年度予算案では国民大会費が大幅な減額となっております。調べてみますと,ことしの開催地が隣県の徳島,香川両県でありますから,旅費などが少なくて済むということであります。しかし,私は逆に,このようなときにライバル意識を持って頑張ってほしいと願うものです。来年は広島市でアジア大会が開催され,続いて国体も開催されれば,隣県に大きく水をあけられ,岡山県民は惨めな思いをすることと残念に思います。この際,思い切った競技スポーツ振興策を推進されたいのであります。  第3点は,スポーツ振興財団の基金造成と運用の状況を御説明いただきたいと存じます。あわせて,基金の運用による実業団及びクラブチームが行う競技スポーツの育成強化策を御検討いただきたいと存じます。  次は,環境問題について,環境保健部長にお尋ねいたします。  この問題についても,民主クラブの代表質問で河崎議員が質問されましたが,視点を変えて2点ばかりお尋ねしてみたいと存じます。  まず,環境保全基金の運用状況について御説明いただきたいと存じます。基金の運用につきましては,地球に優しいまちづくり普及促進事業とエコビジネス推進事業がありますが,この事業の実績によりますと,市町村が空き缶ボックスを設置したり,再生利用推進を図る事業,ごみの資源化,環境保護の啓発活動を行うなど,市町村に対する直接補助が主なもので,環境保護,ごみ回収等再利用を進める団体やボランティア活動に対する補助実績はごく一部であります。また,法人が行う廃棄物処理事業については,実績がありません。せっかくの受け皿を用意しているにもかかわらず,先導的な事業計画がないのはなぜでしょうか。環境保健部長の所見を求め,御検討いただきたいと存じます。  第2点は,産業廃棄物処理施設の建設促進と不法投棄の取り締まりについてお尋ねします。産業廃棄物の不法投棄が相次ぎ,社会問題となっております。本来,産業廃棄物の処分は排出者の責任においてなされることとなっていますが,そのほとんどは処理業者に委託され,処分されていることは御存じのとおりであります。ところが,民間では処分場の確保がままならず,絶対量が不足し,不法投棄,違法処理が後を絶たないのであります。したがって,県では県下4カ所程度の処理施設を整備される方針でありますが,県下の産業廃棄物の現況と今後の見通しについて御説明いただきたいと存じます。  岡山市のごみ処理能力が限界となり,非常事態となっておりますが,その轍を踏むことのないように,長期展望に立った施策の展開を求め,所信を伺います。  また,不法投棄取り締まりについて,航空機によるパトロールを行う計画と聞きますが,その実効はいかがなものですか。この際,産業廃棄物適正処理推進員の大幅増員を図られるお考えはありませんか,伺っておきます。  第3点は,今回県が作成されました地球環境保全に配慮した県事業等の指針についてお尋ねいたします。この指針作成の目的は,岡山県における地球環境問題への取り組み方針に基づき,地球環境保全に配慮した県事業などの実施を推進されるためのもので,時宜を得た取り組みと評価いたしますが,本県では,既に行政アセスメントの一環として,省エネ,省資源アセスメントが導入されており,今回の指針との関係でどのように取り扱われるのか,所見をお示しください。この指針は,全国的な取り組みとならなければ実効が伴わず,むしろ行政コストの上昇につながるのではないかとの懸念があります。市町村を含めた全国的な動向はどのようになっておりますか,御説明賜りたいと存じます。  最後の質問は,高齢者保健福祉10カ年戦略,いわゆるゴールドプランの本県における進捗状況と今後の取り組みについて,民生労働部長にお尋ねいたします。  本県の平成4年10月の流動人口調査によりますと,65歳以上の人口は30万6,646人で,高齢化率は15.9%となっております。そのうち,痴呆性老人が2万2,691人,寝たきり老人が1万3,493人,ひとり暮らし老人が2万3,592人でありますから,要介護,支援の老人はおよそ6万人となります。このような状況を踏まえて,県では市町村と一体となって老人保健福祉計画の策定作業が進められておりますが,その進捗状況を御説明ください。  第2点は,市町村における在宅福祉対策について,ショートステー,デイ・サービスセンター及び在宅介護支援センターの普及事業の取り組み状況及び第4次総合福祉計画の年次目標との整合性はどのようになっておりますか,お尋ねいたします。  また,寝たきり老人ゼロ作戦の実施状況と今後の取り組み方針はいかがですか。環境保健部長に,この点はお願いします。  第3点は,国において保健所の見直しと市町村保健センターの位置づけについて検討が進められていますが,本県における検討はどのようにされておりますか。今,県,市町村で取り組んでいる事業で,市町村高齢者サービス相談センター,福祉人材情報センター,高齢者生活福祉センター,在宅介護支援センター,ショートステー,デイ・サービスセンター,介護ボランティア養成事業などが相互に連携をとり,効果的なサービスが提供できるようなセンター機能が求められるのであります。同時に,福祉や保健のマンパワー,ボランティアの養成に向けた体制づくりも急務と考えますが,環境保健部長の所見を賜りたいと存じます。  これで質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  舛田議員の御質問にお答えいたします。  大学の体制づくりでございますが,研究に当たりましては,他の研究機関や地域社会との積極的な連携を図っていくことにいたしておりまして,保健福祉学部では,開学時から他機関等との共同研究の窓口として保健福祉総合研究所を設けることにしておりまして,また他学部におきましても,今後そのような体制づくりが図られていくことが考えられております。なお,公開講座の開催,あるいはまた社会人再教育のための科目など,履修生の受け入れについても積極的な計画がなされておるところであります。  それから,大学の運営費でありますが,現時点では,平年度ベースで人件費,管理運営費など約34億円を試算をしております。なお,これらに対しまして,授業料収入とか,あるいは交付税財源措置等が見込めるために,純粋のいわゆる持ち出しというようなものは,ほぼ半額の17億円程度になるのではないかと考えております。  留学生の受け入れですが,国際化の進展にかんがみまして,受け入れのための規定を設けておりますが,具体的な受け入れの態勢などについては開学後に検討が進められることになっておりまして,将来広く海外から留学生が集まることを期待をいたしております。  それから,学生寮ですが,留学生の受け入れとか教育上においても一定の意義を有するものと思われますけれども,それ以上に,学生が地域社会に溶け込んで生活する方が社会的な視野を広めることにも役立ち,さらにはいろいろな意味で地域の活性化にもつながるということでございますので,現時点では学生寮の建設は計画をしておりませんので,御理解を賜りたいと思うのであります。  それから,JR西日本が2月の末に服部駅を整備しまして,待合室の改築,ホームのかさ上げと雨よけの屋根の増設,トイレの水洗化を行っております。それから,駐輪場については総社市が開学に間に合うように,駅舎の隣接地に約300台分の整備に取りかかっておるところであります。また,服部駅と大学を結ぶアクセス道につきましては,当面は既存の道路を利用してもらうことになりますが,夏までには踏切工事を完成をしまして,新たな通学路が利用できることになります。  なお,倉敷方面からの列車の直接乗り入れにつきましては,学生の通学の動向等を見ながらJRに要請をしてまいることにいたしたいと思います。  倉敷芸術科学大学への助成に至った経緯と検討ということでございますが,吉備高原学園高校は,既存の学校になじめない生徒や特定の技能などの習得意欲を持つ生徒も受け入れておりまして,その進路をどうするかということは設立時から関係者の間で大きな課題となっております。当時から吉備高原への上級学校の設立などが論議をされておったところでありますが,開校1年目は,生徒のやる気の回復あるいは能力の把握に全力を挙げまして,開校2年目を迎えて,ようやく生徒たちが自分のやりたいこと,熱中できることを見つけ始めてきた中で,昨秋高校側で進路の希望を聞きましたところ,大学への進学希望者が多数に上ったのであります。これらの生徒は,意欲や能力を持っているにもかかわらず,現状の偏差値中心の大学入試制度のもとでは事実上進学の道が開かれているとは言えないわけでありまして,そのための対応策について種々検討しておりましたところ,加計学園が大学を新設することになり,県と加計学園と協議しまして,大学側で吉備高原学園高校生,さらに同様な趣旨で,他の県内高校生について一定数の推薦枠を設ける方針とされましたので,これを支援しようとするものであります。  急遽今議会に提案させていただいたことにつきましては,新大学の設置が決定されたのが昨年の12月でありまして,大学側では平成7年の4月の開学を目指して,この4月に新大学の設置認可申請を行うことになっておるのでありまして,この事情を御理解を賜りたいと思います。  それから,今回の助成は,今申し上げましたように偏差値中心の考え方にとらわれないで,既存の学校になじめない生徒などに高等教育の機会を開き,新たな観点から人間教育を実施しようとする試みを評価いたしまして支援しようとするものでありまして,大学を誘致するための一般的な助成とは性格が異なるものであると考えております。また,教育の機会均等の原則に反するのではないかというお話でございますけれども,今申し上げたように,このような生徒に対して,むしろ高等教育の機会を開こうとする試みに支援しようとするものでありまして,御理解を賜りたいと思うのであります。  なお,大学の誘致や新設,あるいは既設の大学の整備充実は人材要請に資しますともに,若者が地元に定着し,地域の活性化にもつながるものでありますから,今後,市町村とも連携をとりながら積極的に働きかけを行い,促進してまいりたいのであります。  今回の推薦枠の設定についてでありますが,吉備高原学園高校において行われている新しい全人教育の試みを全うさせるために,もうワンステップ高等教育を受ける機会を開く必要があるというふうな考えに基づくものでありますので,御理解を賜りたいと思うのであります。  また,定時制高校や特殊教育諸学校生徒のうちで,本人が進学を希望し,大学教育を受ける能力適性があります者は現に大学に進学をしておりますし,今後そういう機会が広がることが望ましいと考えております。今回,倉敷芸術科学大学の推薦入学につきましては,これらの学校の生徒につきましても,適性がある者は十分考慮されることを期待をいたしておるのであります。  それから,大学の教育内容やカリキュラムの編成などに当たりましては,大学としては吉備高原学園高校の教育課程等にも十分配慮して,大学教育の効果が十分上がるものにしたいとしておりますけれども,いずれにしましても具体的な内容につきましては,今後認可申請の段階でかためられていくものと伺っております。本県としては,21世紀を目指して教育に大いに力を入れていきたいと考えておりますが,この4月には,そういう意味でも県立大学をスタートさせることにもしておりますし,新年度予算では私学の充実にも努めており,今回の助成はそういった多様な教育振興の一つと受けとめていただいて,御理解を賜りたいと思うのであります。  次に,スポーツの振興で,気軽にスポーツ等に利用できる多目的広場の整備ということでありますが,本来こうした日常的な施設は市町村で整備するべきものでありますけれども,県としても,これまでコミュニティー広場などの整備を各種の補助制度に乗せまして促進をしてまいりました。また,河川改修に伴う高水敷等の整備も進めてきたところでありますから,今後とも一層の整備促進に努めてまいりたいと考えます。  それから,オートキャンプ場でありますが,一昨年にオープンをしました恩原高原オートキャンプ場は大変好評を得ておりまして,ことしもゴールデンウィークや夏休みの期間中は,これまでの予約状況から見ましてほぼ満杯となる見込みであります。現在,調査中のものを含めまして3カ所のオートキャンプ場は,自然環境や交通アクセス,それから用地確保,それから地元調整などの諸条件を満足し,民間も含め県全体として見た場合の配置の地域のバランスも考慮して決定をしたところであります。新たな建設につきましては,これらの施設の完成とその利用状況を見きわめながら今後検討してまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思うのであります。  以上であります。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  環境保全基金の運用状況についてでございますが,その運用益約3,300万円を用いまして,企業,市町村,地域実践活動に対する地球にやさしい事業補助金に活用するほか,自然保護ボランティアの支援,廃棄物適正処理の推進などに活用しておるところでございます。この地球にやさしい事業補助金のうち,普及促進事業につきましては,市町村が行います普及啓発事業のほかにPTA,子供会,婦人会等が行っております,空き缶,空き瓶,古紙の回収,再資源化等の実践活動に対しましても,市町村を通じまして補助を行っておりまして,平成3年度は24団体,平成4年度は207団体に補助を行っている状況でございます。  また,エコビジネス推進事業は,地球環境保全に資する製品の技術開発や資源の有効活用方法の実用化などを行う企業等を対象としておりまして,廃棄物処理事業についても,これ該当すれば補助対象となるものであります。なお,このエコビジネス推進事業につきましては,お話にもありましたように,現在までに助成申請がございませんが,今後一層企業等に対しましてこの補助制度の活用を呼びかけてまいりたいと考えておりますので,御理解賜りたいと考えております。  次に,産業廃棄物処理対策の現況と今後の見通しについてでございますが,平成2年の産業廃棄物排出量は約560万トン,中間処理等を行いました後,約170万トン程度が埋め立て処分されているというのが状況でございます。このまま推移いたしますと,平成11年におきましては処分場が不足するということになりますので,本年度,地方振興局単位に1カ所程度の公共関与処分場候補地を選定いたしまして,平成5年度でこのうち4カ所程度について詳細な調査を実施することといたしております。また,平成5年度には,産業廃棄物実態調査を行うこととしておりまして,次期産業廃棄物処理基本計画を策定いたしまして,長期的展望に立ちまして適切に対処してまいりたいと考えております。  次に,不法投棄の取り締まりについてでございますが,平成5年度から,陸上からの監視では発見しにくい島嶼部や山間僻地などを,セスナ機で上空から監視する予定でございます。これらはあくまでも,地上監視を補完するものとして位置づけておりまして,今後十分検討を行い,実効の上がるものとなるようにいたしてまいりたいと考えております。  また,適正処理推進員の大幅増員についてでございますが,不法投棄等の早期発見を図るため,平成3年3月に50名の推進員を委嘱したところでございまして,今後,増員も含めまして適正配置について検討してまいりたいと考えております。  次に,地球環境保全に配慮いたしました県事業等の指針と省エネルギーアセスメントの関係でございますが,県事業等の指針の策定に当たりましては,省エネルギーアセスメントの内容を重要な柱の一つといたしまして,それに加えまして,リサイクル,脱フロン等の地球環境保全に必要な事項を取りまとめまして,県の全庁的な取り組み方を具体的に示したものでございます。  また,全国的な地球環境問題への取り組み指針等につきましては,全国の都道府県,政令指定都市のうちで40団体が策定もしくは策定中と聞いております。全国の市町村おける動向については承知しておりませんが,全国的に指針策定などの動きが広がっているというふうに認識しております。なお,県内の市町村におきましては,このような指針を策定した例はございませんが,今後,市町村に呼びかけまして積極的な対応を促してまいりたいと考えております。  次に,寝たきり老人ゼロ作戦についてでございますが,これまで県に推進本部を置きまして,各保健所に推進会議を設けまして,寝たきりは予防できるということを基本に,健康教育,それから機能訓練事業等を推進してきたところでございます。来年度は,新たに補装具を初め,眼鏡,補聴器,義歯などの悩みを解決するための「見える聞こえるしっかりかめる」健やか生活相談事業を実施いたしますほか,機能訓練事業が全市町村で実施される見込みがあることから,機能訓練事業推進交流大会を開催するなど,寝たきり老人ゼロ作戦の積極的な展開を図ってまいりたいと考えております。  次に,保健所の見直しと市町村保健センターの位置づけについてでございますが,国におきましては,高齢化社会に対応いたしまして,住民に身近な市町村で保健サービスが福祉サービスと一体となって提供されることなどを内容といたしました地域保健全般についての見直しを進め,その中で新しい時代の保健所や市町村保健センターのあり方についても検討されていると承知しております。県におきましても,平成5年度に懇談会を設けまして,国の動向や他県の状況等も考慮しながら,保健所業務のあり方や市町村との役割分担等について,平成6年4月を目標に見直しを進めてまいりたいと考えております。  また,人口の高齢化の進展などを踏まえまして,お話のありました県,市町村が取り組んでおります各種保健や福祉に対する事業を一体的に推進していく上での保健所や市町村保健センターのセンターとしての活用や,これらの専門的機能を生かしました保健,福祉,マンパワー,ボランティアの養成,確保についても努力していきたいと考えております。  以上でございます。 ◎民生労働部長(石井敬一君)  お答えをいたします。  高齢者保健福祉対策についてでございますが,老人保健福祉計画の進捗状況についてでありますが,市町村におきましては,高齢者などについての実態調査を終えまして,その集計,分析に基づきまして,現在保健福祉サービスの目標量を試算をしておるところでございます。  また,県では,計画策定懇談会を設置しまして,幅広く県民の意見を聞きながら,県計画の基本的方向や進め方について検討を行うほか,市町村計画の作成指針を示すなど,平成5年度中の策定に向けて鋭意作業を進めているところでございます。  次に,在宅福祉対策についてでございますが,ショートステー,デイサービス及び在宅介護支援センターは,在宅における介護を支援する重要な事業であることから,これまで施設整備や利用の促進など,市町村へ積極的な取り組みを働きかけ,着実な推進が図られているところであります。  第4次総合福祉計画の年次計画は定めておりませんが,5年間の計画期間内におきます目標量に対する整備率は,平成3年度及び4年度事業分で,ショートステー用ベッドは53.6%,デイサービス施設は40.0%,在宅介護支援センターは45.5%になるものと見込んでおりまして,おおむね計画どおり進んでいると考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  舛田議員の質問にお答えをいたします。  まず,倉敷芸術科学大学の推薦についてでございますが,県内の高校生につきまして70名の特別推薦枠を設けるとの指針をお聞きしておりますが,お話のように高等学校への配分や推薦基準など具体的なことにつきましては,これから大学におきまして検討されるものと,このように思っております。  次に,岡山県競技力向上10カ年計画の実施状況についてでございますが,県体育協会では,平成元年度から3年度までの第1次3カ年を基盤確立期として位置づけまして,重点強化競技や,それから指定強化競技を設けまして,競技力の向上を図っておりますとともに,著名な指導者を招聘いたしまして,県内各競技団体の強化担当者の資質向上に努めてきたところでございます。一応の成果が得られたものと,このように思っております。  今年度からは,第2次3カ年計画の競技力の拡充期に入っておりまして,ジュニア層からの一貫指導体制の確立,競技会・ハイレベルの交流事業の積極的開催によりまして全国レベルの選手育成に重点的に取り組んでおるところでございます。  次に,競技スポーツ振興策についてでございますが,来年度は国体が隣県で開催されますので,選手派遣費は減額となっておりますが,上位への躍進を目指しまして派遣人数をふやしておるところでございます。また,全国高校総体に向けまして新たに選手強化に取り組みますとともに,派遣費の増額を図ったところでございます。今後とも,平成17年の岡山国体を目指し,すぐれた指導者の養成や優秀な選手の育成に努める一方,各種スポーツ施設の整備の充実についても図ってまいりたいと,このように考えております。  最後に,岡山県スポーツ振興財団についてでございますが,基本財産は平成6年度末10億円を目標にいたしておりまして,現在までに約8億800万円の造成ができております。今後の約束分を含めますと9億8,700万円となっておるところでございます。今後とも,県民の皆さん方の一層の御協力をお願いをする次第でございます。  運用状況につきましては,平成4年度は約3,300万円の果実によりまして,各種ニュースポーツ大会の開催や市町村でのスポーツ教室,これらの開催など,生涯スポーツの振興を図りますとともに,競技スポーツの振興につきましてはジュニア層の育成を中心に鋭意取り組んでいるところでございます。  御指摘の実業団やクラブチームの育成強化につきましては,県と県体育協会とが一体となりまして進める競技スポーツの振興策の中で検討してまいりたいと,このように考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆43番(舛田貞三君)  再質問をさせていただきます。  まず知事に,県立大学の中で,学生寮の整備については計画をしていないという御答弁をいただきました。その理由は,できるだけ学生諸君は地元にとどめたいと,こういう願いがあるんだと。また,その方が教育効果があるんだと,こういうことでございました。ただ,私はそれはそれで知事のお気持ちはわかるんですけども,果たしてそういうことになるのかどうなのか。このままにしておきますと,やはり倉敷,岡山を中心とした都市部に学生諸君は下宿先を探す結果になりはしないか。さらには,学生寮の意義は,申し上げましたように,学生同士もありますけども,特に外国人留学生を受け入れた際に,学生同士は生活の場で交流ができると,こういうところにも大きな意義があるのではないかと,こう思うわけでありまして,ぜひこの点は,今後ひとつ検討課題の一つに加えていただきたいと,こう願いまして知事の所見を賜りたいと存じます。  また,倉敷芸術科学大学の建設費助成について,各般にわたって御答弁をいただきましたが,どうも釈然といたしません。今,知事は御承知のとおり,子を持つ親の悩みというのは,何といっても子供の高校進学,大学の進学,もうみんな頭を結わえておるといいますか,一番困っておられますし,関心が高いわけであります。特に,これは親の気持ちとしては利己的にならざるを得ない。こういう県民感情,あるいは子を持つ親の気持ちというのを,この際しっかりと踏まえた施策を展開しなければ,そごを来すであろうと。不公平感は当然わいてくると,こういうふうに存ずるわけであります。この点について,もう一度知事の所見を賜りたいと存じます。  なお,大学のカリキュラムについては,大学設立申請時ということで,知事からも教育長からも答弁がございました。しかし,よく考えてみますと,こういうことで30億円このたび建設費を助成する。ついては,70名の推薦枠を持ってほしい,あるいはそれにプラス70名の推薦枠を持ってほしい,こういうことで県が条件をつけてお願いしとる。条件に,そういうものにかなったカリキュラムというのはどうお考えになっとるのか。あるいは大学側のカリキュラムというのは,そういう吉備高原高校卒業生のみの70名を対象に,あるいはさらにプラスしました一般からの70名を加えて別のカリキュラムを持つのか,どうもはっきりいたしません。どんなことになるのか,そういう受け皿をやはり明らかにする必要はないかと思うのでございます。この点についての御答弁を賜りたいと思います。  この機会に,ひとつ要望を1点申し上げておきますが,先ほど地球環境保全に配慮した県事業の指針について考え方を伺いました。私は,再々この場に立って,何かこういう環境保全問題について難癖をつけるような発言をしばしばしておりますけども,申し上げておりますのは,こういった事業も,本当に国民一体となって取り組まなければ,部分的にやっても,ほぼ全くと言っていいぐらい効果がない。あるいは逆に,非常にコストが上がる。いわんや,古紙の回収につきましても,業者に聞きますと,ボランティアの方々が,大事な税金を使って回収作業をしていただいた。そんなものは,何ぼ古紙の値段が下がっても受けざるを得ない。お断りすると恐れ多いと,こうおっしゃるんですね。冗談もあるんでしょうけども,そのような実態なんです。やり過ぎますと,逆に民間のそういった企業を圧迫するということも生じてくるわけでありまして,どうぞその点に御配慮をいただきたいのと,何といっても最後は,省エネ,省資源,リサイクル,これに徹することであります。これ,難しいこういう言葉を言っておりますけど,古来我が国には節約という立派な考え方,表現があるわけで,とにかくそれに尽きるということでございますので,格段のひとつ御配慮をお願いしまして,再質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  舛田議員の再質問にお答えいたします。  県立大学の学生寮の問題ですけれども,ただいまのところ学生寮についての計画を具体化するというところへ至っておりませんが,これはひとつこれからの問題として検討させていただきたいと思います。  それから,芸術科学大学の点で,カリキュラムについて申請時といいましょうか,そういうときにそういうものをはっきりするんだということを申し上げておりますけれども,それは,要は吉備高原学園高校のような,いわゆる偏差値教育というのになじまない生徒でありましても,だんだんとやる気を起こしておる,そういう生徒に対応して,いわゆる全人教育というものをひとつ受け継いでいくような大学をつくっていきたいということで考えられておりますから,私どもといたしましては,その中にひとつ推薦枠を設けていただくということが極めて妥当ではないかというふうに思っておるわけでございまして,そうしませんというと,今の受験制度というものの中では,残念ながら今の吉備高原学園高校の学生の大学進学ということはもう望み薄になるということにならざるを得ないという状況でございますので,せっかくこれから向学心に燃えてやろうとしておる子供たちにそういう機会を与えるということにひとつお願いをいたしたいと思う次第であります。  以上でございます。 ◆22番(渡辺慎一君)  通告に従いまして,質問いたします。  第1は,本陣山ゴルフ場開発疑惑問題についてであります。  当疑惑が発生してから既に3カ月有半,議会内には真相究明のための調査特別委員会が設けられ,既に9回の審議が重ねられ,一昨8日には4名の参考人を招致せられるなど,大変な御苦労が続けられています。県政史上かつてなかったかかる疑惑事件に対し,県民の怒りは激しく「県政おまえもか」「中央政界の腐敗構造と全く同じだ」金丸前自民党副総裁逮捕以後は「国税局も動け」との声となり,県政不信,政治不信はますます増幅されつつあります。また,徹底的な真相究明,関係した議員の辞職要求,議員政治倫理確立のための県民署名運動は短期間に拡大をされ,3万7,000余名の署名が集められ,既に熊本議長に提出されておることは代表質問でも明らかにいたしました。その上,引き続いて発覚した新岡山カントリークラブ,ラ・レインボーゴルフ場の保安林無断伐採事件,金甲山ゴルフ場及びその周辺の森林法及び都計法等々の違反事件などは,まさに一直線上の違反事件ではないでしょうか。また,暴力団との関与による車庫飛ばし事件の捜査などなど,法も恐れず監督官庁と癒着をしているかのごときもろもろの行為は,県政史上ゆゆしきことであります。いかに金銭万能時代,金さえあれば天国以外はどこへでも行ける,金さえあれば幸せ以外何でも買えるとはいえ,政治倫理まさに地に落ちたと言わなければなりません。したがって,県政のイメージも,県内外において甚だしく損なわれていることも紛れもない事実であります。先日も,私は,大阪市で,ある全国大会があり参加をいたしました際に,岡山は何をしとるんなら,しっかり君らは頑張れと,強い叱咤激励を受けました。  知事にお伺いをいたします。この3カ月有半,この疑惑事件に対しどうお考えになり,今後どう対処しようとお考えか,県民にどう御説明をなさるのか,明るく豊かな県政を築く立場から率直な御所見をお聞かせ願いたいと存じます。  さて,第2の質問は,特別委員会でも鋭く質問されてまいりましたが,今なお不明確な問題の中の1点のみについて御質問をいたします。それは,1988年8月下旬から9月初めまでの間の早朝,午前6時半ないし7時ごろ,門木議員宅に河田利太JA足守の組合長から連絡があり,光地所元専務の清水豊美氏がともに呼ばれて訪問をし,総量規制について県の最高幹部から電話があるから,とのことについてでございます。河野企画部長は,去る2月22日の特別委員会において日南議員の質問に対し,質問,すなわち「総量規制を3%に緩和することを事前に県議に伝えたということはあったのか」という質問に対し「88年9月は基準の見直しを詰めている時期で,何らかの話をしている可能性はあるが,具体的には確認していない」と答弁されております。また,御承知のように,一昨日の参考人招致では,参考人として出席された門木議員及び河田利太JA足守組合長から「そういう会合は清水元役員の要請により行われたが,話は上水道のことと事業進捗のことであった」と言われております。しかし,私たち社会党特別委員会の調査によると,当日電話のかかってきたことは出席者清水元役員から証言されており,その内容は「要望のあった4%は無理だが,3%でクリアできないか」という趣旨のものであった由。したがって,門木議員は電話を一たん切り,鳩首協議の結果,清水元専務が計算をして「どうぞこうぞいけます,よろしく」と返答し,門木議員から改めて電話で返答してもらったということであります。果たせるかな,同年10月14日には,ゴルフ場開発の取り扱いについて6項目の特認事項に限り総量規制が2%から3%に緩和されたのでございます。したがって,これにより3点セットのうち最大の難関は突破され,その後,多額な金銭の授受──政治献金とも言われておりますが,行われていたことは事実でございます。何らかの話をしている可能性はあると企画部長も答弁しておられますので,一体だれが電話をしたのか,具体的に調査をして,その結果を明らかにしていただきたいど存じます。企画部長の御答弁を賜りたいと思います。  この項第3の質問は,関連ですが,12月議会の一般質問で調査をお願いいたしておりました株式会社ランドサットジャパンのその後の調査結果について,知事及び県警本部長より御答弁をいただきたいと存じます。  ところで,私は,先月の2月22日から一昨日8日までの約15日間,県民の中から220人を電話帳で無作為抽出をいたしまして,電話で御意見を伺いました。内容は,チボリ公園建設についての新たなる知事提案についてでございます。午後7時から午後9時までの間という貴重な一家団らんの時間を快くお話をいただきました皆さんに,まずもって心から感謝をいたしておる次第でございます。さて,その結果はどうか,回答率は男性74人,女性66人の計140人,回答率は64.5%でございます。さて,質問の第1は,チボリ公園が倉敷市のクラボウ工場跡地に計画されていることを知っていますか。知っている137人97.8%。第2は,県が新たに30億円出資することについて,賛成の人17人12.1%,反対の人48人34.2%,わからない75人53.5%。第3は,70億円を低利1%で融資することについては,賛成8人5.7%,反対63人45.0%,わからない69人49.2%。第4は,チボリ公園は要ると思われますかどうですか。要る33人23.6%,要らない48人34.3%,わからない59人42.1%。第5は,将来ひよっとしたら本場デンマークのチボリのように県民持ち株制度ができるかもしれませんが,株を持ちますかどうですか。持つ6人4.3%,持たない91人65.0%,わからない43人30.7%であります。県下全域にわたるとはいえ,少人数の意向調査ですので,公平性がないとか,信憑性がないと思われるかもしれませんが,お話を聞きました県民の皆さんの声は真剣そのものでした。したがって,私の判断では,県民の皆さんの常識的な意思のあらわれではないかと思うのでございます。県財政からの巨額な出資及び貸付金については,賛成の人は,民間でやらなければ県が出しても仕方がないというものであります。昔,新日鉄の前身は官業であった。したがって,基幹産業は明治以降,官業優先で進んできたのであるから,チボリも同じように考えて,県が銭を出すのは当然だという御意見がございました。また,反対の人は,この不況時に何事か,県政はもっと必要なことがあるのではないか。1%の低利融資,13年などとはとんでもない。やるなら,ほかのテーマパークのように民間主導でやるべきだ。昨秋の知事選挙のときには,そんな話は聞いとらんぞ。いつ方向転換したのか。などなど厳しいものであります。「わからない」の意見は,遠隔地で関心がないが一番多く,高度な政治判断だというものもございました。そして,知事が幾ら公共性文化性を強調されましても,入園料大人2,000円,入園者1人当たり消費単価5,100円を見込んでいることはアミューズメント中心の商業公園であることに違いないとの厳しい御指摘もございましたことを申し加えておきます。  私たち社会党県民会議は,これまでたびたび申し上げてまいりましたように,チボリ公園は民間主導でやるべきだと申し上げてまいりました。したがって,去る2月19日の特別委員会に発表されたチボリ公園事業計画の概要を聞き,真実びっくりした次第でございます。これまで知事はたび重なる本会議での本問題の質問に対し「クラボウ側の考え方を引き出しながら,早期に条件を煮詰めていく,事業計画の見直しも進める,そして事業の円滑な推進を図りますためには,県内外の企業に参加を求めまして資本の充実を図るなど,事業主体の強化に努めていくことが肝要であると思っております。そして,チボリ公園の意義,魅力などを訴えながら,事業の趣旨に賛同していただける企業の協力を求めていくべきだと思っておる次第であります」と答弁をされておりますことは,御承知のとおりであります。  ところが,今回発表になりました案は,資本の充実は県が行い,事業主体の強化どころか,新たなる出資はどこがやるのか,水面下の動きは我々も承っておりますけれども,公式には全くわからず出発しようとしておることであり,今までの方針をはるかに大きく逸脱しておると思うのでございます。これでは,まるで県丸抱えチボリ,県営チボリ株式会社ということになると同時に,経営に無限責任を負うことになるのではないでしょうか。これは全国的に見ましても,異常かつ異例なことであります。それは,現在の全国22のテーマパークと地方公共団体とのかかわり方を御調査いただきますと御理解いただけると存じます。また,昨年秋,知事及び特別委員会の皆様方がチボリ公園を御視察された際の報告書で,カイザー社長のお話を拝見いたしますと「1843年にこの公園がスタートして以来,一般の民間株式会社であり,国家からもコペンハーゲン市からも何ら援助を受けていない。カールスベアビール財団と何千人もの市民の人たちが1株ずつ株を持っております。このことが,市民の皆さんがチボリ公園は自分たちのものだという観念を持っており,非常に大きい意味も持っていると思います」とチボリ哲学の原点を語っておられます。私も,別便でチボリへ昨年夏参りまして,社長には会えませんでしたが,副社長さん等から同じようなお話を聞きました。また,松田大使からも同じようなお話を聞きました。  そこで,私は,今期議会の知事提案で,チボリ・ジャパン社の増資への応分の対応,チボリ公園事業の実現にために必要な措置を講じてまいりたいと言われておるのでございますから,知事の,肉を切り,骨に達しても,何が何でもチボリをやるという並み並みならぬ御決意のほどはよくわかります。しかし,いま一度原点に返って,県民の心を心として懸命にチボリ・ジャパン株式会社の中に位置するオールジャパン級の事業主体を求めてはどうでございましょうか。県の財政事情もかつてないほど厳しいときであります。私はぎりぎりの心を込めて質問をいたしますので,知事の御答弁をお願いを申し上げます。  さて,100億円の特別協賛金はどこが出すのか。公表できるものなら,企業者名をお知らせ願いたい。  その3は,採算性より公共性文化性を強調されるのでございますが,既に出資している19社,すなわち現株主とは十分協議されたのでございましょうか。  その4は,増資分100億円のうち民間70億円の見通しはどう持っておられるでしょうか。  その5は,全国的にはテーマパークと言われているものが東京ディズニーランドを初め22社ございます。当局は,これらの入場者数年間目標達成率と営業成績を今日どう把握されているのでございましょうか。  その6番は,1億円投資して,年間1万人集客できなければ採算が合わないと言われているこの業界でありますが,岡山チボリ計画では440億円を投資をして300万人の集客ということでございまして,私たちは採算上大変不安であると思っております。  以上の諸問題について,知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。  さて,第3の質問は,本日傍聴席に在日朝鮮人の朝鮮初中級学校のお父さん,お母さん方が大勢傍聴に来ていただいております。それは,ほかならぬ学校法人岡山朝鮮学園,岡山朝鮮初中級学校及び倉敷朝鮮初中級学校への県助成について要望したいということからでございます。私も,質問をいたします。  同学校法人は,御承知のように1945年民族解放とともに在日朝鮮人の指定の民族教育を始められ,子供たちが日本を初め世界の人たちと対等な立場に立って活動ができるようにすることなどを目的に,以来今日まで懸命に努力が続けられてまいりました。生徒数は,岡山朝鮮初中級学校が幼稚園を含め平成4年5月1日現在で140名,倉敷初中級学校が同じく114名,計254名であります。この学校法人に対しましては,たびたびの要請,陳情にもかかわりませず,残念ながら今日まで助成がなされておりません。全国的に調査をいたしてみますと,各種助成金を交付している都道府県は22に及んでございます。すなわち神奈川県では5,903万円,京都府では1,688万円,広島県196万円,山口県240万円などなどであります。日本人の教育予算は,91年小学校生徒1人当たり57万7,000円,中学校は59万7,000円が計上されています。当学校法人も,現行教育費は生徒1人当たり44万円にも及び,その大部分を父兄負担,賛助金などで賄っておられますが,父兄負担が大きく,民族教育を受けさせたくても受けさせられない父兄もおられる現状であります。しかし,所得税,県,市民税は日本人と同じように納税しておられるのでありまして,岡山市,倉敷市からは昭和62年以来温かい助成をいただいておるのであります。この際,県も民族教育,国際親善友好の立場から,私立学校法第59条に基づき適正な助成をしていただきたいと存じます。知事の御所見をお聞かせください。  さて,最後の質問は,学校法人厚徳栄養総合学園の岡山健康医療技術専門学校(岡山市浜3丁目)定員60名の諸問題について,監督官庁である県当局の御所見をお伺いいたしたいと存じます。当学校は,厚生省の高齢者保健福祉推進10カ年戦略,すなわちゴールドプランに基づき,平成3年末の日本における作業療法士,理学療法士が不足をしておる。平成11年には4万人にしたいということで全国にたくさんつくられた中,その一つとして昨年4月1日岡山県知事の認可により設立された学校でございます。県下では,財団法人川崎医学振興財団,川崎リハビリテーション学院と現在2校しかございませんので,私たちは高齢化社会を迎えた今日,私たちも健全な教育とその発展を願っておる者の一人でございますが,いろいろな問題がございます。  その1つは,校長が非常勤という状態が開学以来続いているのでございますが,これでよいのか。  その2は,最も重要な科学であるOT,PT,特にPTの選任教師が2人となっておりますが,1人しかいなくて,PTA等から抗議が出ておるが,どうか。生徒からも抗議が出ておるが,どうか。  その3は,この学校に対して社団法人岡山県作業療法士会会長小林達也氏から6点にわたる意見書が知事あてに提出されておることは御承知と存じますが,これにのっとって当局は今後どのように指導されるのか。  その4は,授業料,施設費,学習費などについてでありますが,最近も値上げ問題が提起されておるようでございますので,どのように把握されておるのか,どう指導されるのか。  以上御質問を申し上げまして,第1回目の質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  渡辺議員の御質問にお答えいたします。  本陣山ゴルフ場問題に関する件でございますが,現在,県議会の特別委員会でも調査いただいておるところでもありますが,総量規制の基準の見直しなどの一連の県の対応につきましては,それぞれ明確な理由を持って,また関係法令や基準に即して適正に進められてきたものと確信をいたしております。県としては,今後とも行政に対する信頼を損なうことのないように,厳正公正な行政運営に努めてまいる所存であります。  また,本件につきまして,県との接点のない部分については,県の調査の及ばない点もございまして,県議会特別委員会による調査や当局による捜査によりまして,一日も早く全容が解明されることを期待をいたしておるところでございます。  また,一部に,法令に違反した開発があったことはまことに遺憾なことと受けとめておりまして,今後このようなことが起きないように,市町村や関係機関と連携をとりながら違法開発の未然防止に努めますとともに,悪質な違反事例に対しましては刑事告発を含めた法的措置をとるなど,関係法令の厳正な運用に努めてまいりたいと考えておりますので,御了解を賜りたいと思うのであります。  それから,株式会社ランドサットジャパンについてでありますが,同社の商業登記簿謄本を調査しましたところ,不動産の賃貸管理,土木建築用資材の販売など8項目の事業目的を掲げておりまして,平成2年の1月に設立されておると思います。12月の定例県議会でもお答えしましたように,公共工事の資材調達は,請負業者の責任において一般商行為の中で行われることになっておりますことから,発注者としては関知する立場にはございません。なお,県工事における使用建設資材につきましては,これまで不適格品などがあったとは聞いておりませんし,仮に同社から資材納入があったとしましても,不適格品などはなかったものと考えられます。  チボリ公園の事業主体について,いろいろアンケートの結果を織り込みながらお尋ねがございましたけれども,県としましては,県議会の御理解をいただきまして,今回の事業計画の概案をもとに,県内外の企業にチボリ公園の意義,内容,魅力や県の支援内容について説明しながら協力要請を行いまして,事業主体の体制の確立を図ってまいりたいと考えております。  それから,特別協賛金につきましては,これまでの協力要請の活動の中でおおむねめどがついておる額を予定をしておるものでありますけれども,現時点におきましては具体的な企業名を明らかにする段階に至ってはおりません。  それから,株主との協議でありますが,チボリ・ジャパン社から各株主に対しまして逐次状況を報告をいたしますとともに,県としましても,機会をとらえて説明を行うなど,株主の御理解を得ながら進めるように努めてきておるところであります。  チボリ・ジャパン社の増資予定額のうちで,民間企業からは70億円程度の出資を見込んでおりますが,昨今の経済情勢の中で厳しい面もありますけれども,今後,関係者との連携を密にいたしまして,県内外の企業への協力要請を進めまして,所要の増資額の確保を図っていきたいと考えております。  他のテーマパークの状況につきましては,営業面の詳細な情報が公表されているわけではございませんが,昨今の厳しい経済情勢から,他のテーマパークの運営につきましても大きな影響が伝えられております。その中で,今回の概案の取りまとめに当たりましては,このチボリ・ジャパン社を中心に,他のテーマパークの運営状況に関する情報も収集して,これらを参考にしながら現実的な見通しを踏まえた計画づくりを行っておるところであります。  採算性についてでありますが,今回の案の取りまとめに当たりましては,事業の円滑な運営が確保されるように,全体として現実的な見通しを踏まえた確実性のある計画とするように検討してきておりまして,今回の概案の骨組み等に即して計画を進めれば採算は確保されるというふうに考えておるのであります。  岡山・倉敷朝鮮初中級学校に対する助成についてでありますが,お尋ねの2校の学校は県内に在住する朝鮮人の方々の子弟に対して民族教育を行うことを目的に設置されたものでありまして,小学校中学校の範疇に入らず各種学校になっておるものであります。現在,県が運営費や設備費の助成を行っておりますのは,学校教育法にいう私立学校及び私立専修学校でありまして,各種学校に対しましては現段階での助成は考えておりません。したがって,各種学校でありますので,御質問の朝鮮初中級学校についての助成は今のところ考えていないところでございます。  以上でございます。 ◎企画部長(河野栄君)  渡辺議員にお答え申し上げます。  特別委員会における私の答弁に関連しての御質問でございますけれども,御指摘のありました答弁は,昭和63年9月ごろ,地元の県議からゴルフ場開発の実現について要望があったことを申し上げましたところ,これに続きまして委員から「総量規制を緩和することを事前に県議に連絡したという事実はあるのか」というお尋ねがございましたので,総量規制の基準の見直しについて案を煮詰めていた時期での要望であることから,その際に検討状況について何らかの話をしている可能性はあるという趣旨を申し上げたものでございます。したがいまして,御質問のありました県議宅への早朝の電話とは関係がございませんで,お尋ねの件につきましては,県の調査では該当の事実は確認をされておりませんので,御了承をいただきたいと存じます。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  岡山健康医療技術専門学校についてでございますが,この学校は,昨年4月1日厚生大臣の指定を受けて設立され,理学療法士,作業療法士を養成するものでございます。  校長につきましては,常勤ではございますが,週1日半程度診療に従事していると聞いております。校長の職責を考えますと好ましいことではないと考えておりまして,現在の校長は本年3月末で退職予定であるというふうに承知しております。4月からは,常勤の校長が着任するということでございます。  理学療法士の選任教員につきましては,2名の常勤の理学療法士のうち1名が従来の勤務先病院の都合で就任できず,年度途中から別の常勤教員を雇用し,しかしこの者も健康状態がすぐれず欠勤を続けているため,非常勤の教員1名を雇用し,その講義を担当させておるということでございますが,好ましい状況ではございませんので,再三にわたり指導を繰り返してきたところでございます。なお,4月からは常勤の理学療法士2名を雇用し,3名体制とする予定でありますが,具体的な改善計画を提出させるなどしまして厳正に対処してまいりたいと考えております。  岡山県作業療法士会からの意見書についてでございますが,これは厚生大臣から指定を受ける際に専門団体の意見として添付することとなっているものでございまして,その中におきましては,本学校の設置は望ましいものであるとしつつ,将来の4年制大学への移行,選任教員の資格の厳正な評価,研究費の確保等養成校のあり方につきまして意見が述べられております。今後とも,その趣旨を尊重して指導してまいりたいと考えております。  授業料等の値上げにつきましては,年額70万円から82万円に改定することを予定しているようでございますが,改定理由等十分勘案して適切に指導してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても,理学療法士,作業療法士は高齢化社会の保健医療サービスを担う極めて重要な職種でありまして,適切な養成が行われる必要があると考えております。本学校の運営につきましても厳正に指導していく方針でございます。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  渡辺議員の御質問にお答えいたします。  株式会社ランドサットジャパンについてでございますが,この会社につきましては私どもも承知いたしておりますけれども,個々具体的な内容についての答弁は,この場では差し控えさせていただきたいと思いますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆22番(渡辺慎一君)  再質問をさせていただきます。  まず,本陣山の問題につきましては,企画部長がうまくすべっておられます。したがって,本会議ではこれ以上質問いたしませんが,特別委員会でまだまだ審議は続くと,真相を解明せなならんと,かように思いますので,お任せをいたしたい。お任せじゃなくて,お願いをいたしたいでございます。  さて,チボリ公園の問題でございますけれども,私は,当初から,知事がおっしゃっておるように民間主導でやるべき,我々もそれなら結構と,こういうことでございましたが,今回のように巨額な出資金をし,巨額な資金を13年間も1%の利子,せめて公定歩合が2.5%でございますから,それに内部金利をつけて4%とか5%とかいうのならまだ話はわかる。金を借っておっただけでももうかるような貸し付け方法というのは,反対でございます。そして,なぜ岡山のチボリにだけ,これほど有名な150年の歴史のあるチボリにだけ県内外の出資が集まらないのか,そこをひとつ知事にお尋ねをいたします。なぜ,集まらないのでしょうか。例えば,いつかも御質問いたしましたけれども,神戸のポートアイランドに近接してできる,いわゆる輝ける世界の次代を再現をしたユートピアへは,富士銀行,三和銀行,さくら銀行,そうして三菱銀行,丸紅,中心的には伊藤ハム,川鉄,神戸製鋼,新三菱重工,神戸市商工会議所などなど22社が出資をして,工事はおくれておりますけれども圧縮しながらやろうと,こういう計画でございます。なぜ,岡山だけ金が集まらないのか。今出したのは43億円,そうしてあと70億円。それも,水面下の話はございますようですけれども,まだまだ我々の耳に届くところまで発展してないということでございますので,なぜもっと集まらないのかということをお尋ねをいたします。  さて,その3番目は,公共性と採算性とは。私は,チボリ公園を見ました。そして,チボリ公園の収支決算書もいただいて帰りましたが,これを見事に成就をしておるのがチボリ公園でございます。ただ単に,美しい緑と花と水と噴水と,そうしてグルメの世界,演劇の世界などなどの公園だけではございません。カイザー社長の力量,150年の歴史の力量も伝統の力もございましょうけれども,公共性と採算性とを両立をさせておるのがチボリでございます。私はそれを称して,14%の,そのために14%の株式の配当がされておるということが世界へ誇るべきチボリ公園の一つの哲学だと思っております。したがって,公共性と採算性──きのう知事は公共性を重視すれば採算性は持てないと。これは,事業をした者はわかるだろうとおっしゃいました。この中にも,社長さんと称される人は大勢おられます。私も小さい会社ですけれども,社長です。それでも,採算性のない事業は,採算性のないことを前面に主張して公共性を主張しておるようでは,出資金は集まらないのでございます。どうぞ,ひとつお考えを願いたいと思います。  さて,もう1分時間がございますが,朝鮮人初中級学校につきましては,認められた学校でないので,各種学校であると。したがって助成はできないと,こういうことでございましたが,にもかかわらず,全国22の都道府県では先ほど申し上げましたように補助をいたしてございます。助成をいたしてございます。また,岡山市,倉敷市も,この62年から温かい助成をしております。法律に違反することはないはずであります。広島県も,隣の山口県も助成をしておるのでございますから,もっともっと温かい手を差し伸べてしかるべきだと。しかも皆さん,税金は同じように納めてあるんでございますから。ひとつ再考をお願いをいたしたい,かように思います。  以上,再質問終わります。 ◎知事(長野士郎君)  渡辺議員の再質問にお答えいたします。  チボリ公園について,なぜ民間主導でやって資本金が集まらないんだというお話でございますけれども,今これから集めていく最中でございまして,集まらないなんちゅうことを前提にしておるわけではございませんので,ひとつ誤解のないようにお願いをいたします。  それから,公共性と採算性という問題がございましたが,チボリ公園の150年の歴史というものに今すぐ追いつくことはなかなか難しいわけでございますので,そういう意味で,これは時間をかけて息長くやっていくという必要があるということの一つの実例であろうと私どもは思っておりますから,採算性に至る期間というものもかなり長くかかることを御理解の上でひとつ大いに協力をしていただきたい,このような姿勢で,これからも関係の内外の企業に十分チボリ公園の意義とか内容とか魅力について御説明を申し上げていきたいと思っております。どうぞ議会におかれましても,よろしく御協力を賜りたいと思います。  それから,先ほどの朝鮮人学校について各種学校であるからということを申し上げましたけれども,県の方針として,各種学校につきましてはいかなる各種学校であろうが助成をいたしていないわけでございますので,そういう意味で,現在のところそういう方針としておりますので,御理解を賜りたいと思う次第でございます。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  通告に従い質問します。  新しい年1993年に入り憲法論議が盛んです。雨後のタケノコのように生まれているミニ新党の共通項も改憲のようです。憲法問題が今日の日本の最大の争点,進歩と反動の中心問題となってきています。世界の平和と繁栄に日本はどのように貢献すべきなのか,腐り切った日本の政治を正していく基本は何なのか,地方政治は今どうあるべきなのか,私たちはこうした現実のテーマに対して憲法の精神で立ち向かっていかなくてはなりません。それが半世紀前の戦争と貧困の時代の犠牲に満ちた教訓を生かす確かな道と確信するからです。  さて,長野県政の根本が問われた県知事選挙から4カ月が経過しました。事実上不信任に等しい選挙結果について,知事が開票日の翌日,「県民の誤解に基づくもの。PR不足」と発言したことは知事に投票した人からも無反省の典型として厳しい批判が出たことはまだ記憶に新しいところです。今議会で論議されているチボリ計画への県の支出問題,倉敷芸術科学大学への30億円助成問題,新県立図書館問題などはその不安と批判を見事に証明するものと言えます。私は,この場では倉敷芸術科学大学への助成問題について絞って知事と教育長にお伺いします。  県民の最大の疑問は,この問題が2月17日の知事査定のときに突如として持ち出されたという不自然さです。知事は「関係者と協議をした」と答弁されましたが,それはどういう会合でどういうメンバーなのですか。もしかして,知事が理事長をしている吉備高原学園高校の理事会での論議ではなかったのですか,事前に教育委員会には相談されたのですか,お答えください。  知事は,この助成を正当化する理由として「教育の機会を広げる」と言われましたが,これほどへ理屈はありません。知事の言うユニークな教育実践とは,吉備高原学園高校だけが行っているものではありません。全国第3位の高校中退者問題など,深刻な諸問題に対して県下の学校はすべて公私を問わず必死の努力をしているのです。今行政に求められているのはこうしたすべての学校への支援,助成であるはずです。それなのになぜ吉備高原学園高校のみを優遇する推薦枠なのですか,なぜ加計グループのみへの助成なのですか,知事と教育長の明確な答弁を求めるものです。  次に,県立図書館問題について質問します。  私は先日,愛知県立図書館を視察してきました。愛知を選んだのは,2年前にできたばかりの新しい図書館であること,名古屋市の都心部に位置していること,地上5階,地下2階の高層建築であることなど,岡山県が計画している図書館に類似していると言われたからです。愛知の場合,都心部とはいえ図書館は名古屋城の堤で囲まれており,岡山でいえば烏城か後楽園の中に図書館があるかのようなゆったりとした雰囲気に包まれています。地上5階といっても,4階は国際資料など極めて専門的なものを扱っており,5階はレストラン,地下はすべて書庫となっています。そして,各階への移動は階段とエレベーターの両方となっています。したがって,図書館利用者は主に1階から3階の移動だけで目的を達しており,岡山の計画のように地下1階から地上7階までをエレベーターで移動するような不便さはありません。各階の床面積は岡山の計画の2倍以上の約3,000平方メートルでゆったりしたものとなっています。さらに比較を続けますと,蔵書数は125万冊で岡山の100万冊の計画を大きく上回り,逆に建設の総工費は70億円で岡山の170億円の予定の4割となっています。愛知県立図書館を出て,もう一度岡山の計画書に目を通したとき,私にはそれが巨額の税金をむだ遣いするモンスターのように思えてなりませんでした。しかも,日銀跡地に決定された1989年当時の経過の唐突さと不明朗さを知る一人として,それは醜悪とさえ感じられたのです。問題はあくまで知事が日銀跡地の利用に固執しているところにあります。そこで私は,現局面でもあくまで新県立図書館用地の変更を求め,知事並びに教育長の再考を促すものですが,いかがでしょうか。  さらに,知事にお伺いしますが,議論を前に進める上で百歩譲って日銀の保存の必要性を認めた場合でも,現在の計画では日銀の保存という点からも不十分ではありませんか。上に図書館をかぶせるような条件でなく,日銀保存は100%そのことのみを追求して検討されたらどうですか。結局図書館としても不十分,日銀保存も不十分という結果にならざるを得ない現計画の中止こそ諸問題解決の決め手だと思うのですが,いかがでしょうか。  続いて,教育問題について幾つか教育長にお伺いします。  まず最初は,業者テストと高等学校入学者選抜制度についてです。公の教育と進路指導の場に業者テストが持ち込まれることは本来あってはならないことであり,今回の文部省と県教委の方針については賛意を表するところです。しかし,問題の解決には深刻な偏差値教育と学歴社会の壁が横たわっています。希望者全員が入れる高校教育体制の確立,公私の格差の是正,学校間格差の是正などの諸問題を解決しなくてはなりませんし,それと結合して入学者選抜制度の問題も改善しなくてはなりません。岡山県では,現在県立高校の多くの普通科で小学区,総合選抜制度という制度が堅持されています。一方,この制度を廃止する動きもあり,来年度の予算ではそのための検討委員会の設置の予算が計上されています。  そこで,教育長にお尋ねします。第1に,私は,現行の小学区,総合選抜制度は学校間格差を是正していく上で全国的にもすぐれた制度だと確信をしているのですが,いかがでしょうか。  第2に,もしこの制度が廃止されると,例えば岡山市内の場合,普通科5校が5段階にランクづけされ,中学校の教育と進路指導もこれまで以上に細分化し,選別されてくるでしょう。実際学区が廃止された工業科,商業科では学校のランクづけが進行しているではありませんか。そこから業者テストへの依存,その廃止後は塾のテストなどへの依存がこれまで以上に激しくなってくることは明らかです。業者テストの廃止という画期的な方針を実行しようとする今こそ入学者選抜制度についてもこれまでの論議に流されることなく,現行のすぐれた制度は堅持すべきだと考えますが,いかがでしょうか。  第3に,検討委員会についてですが,入学者選抜制度についてのさまざまな意見を保障するため,現行制度の廃止に賛成の人だけに偏らないように人選すべきだと考えますが,いかがでしょうか。  教育問題の2つ目は,県立で唯一の定時制高校烏城高校の移転問題です。さきの3月7日,烏城高校の第45回卒業式が行われました。67人の卒業生の最高は40歳の方で,この方の保護者席では奥さんとかわいい子供さんが見守っており,ほほ笑ましくもあり胸を打つ卒業式でした。烏城高校の移転については県当局も努力され,来年度の予算としても生涯学習との関連や単位制との関連で予算計上されています。私はこの間,烏城高校の移転については,内容,設備ともに現場の長年の努力と苦労を生かす方向でと要望してきましたし,教育長もそれを約束してこられました。それをいよいよこれから具体化していく上でネックになるのが現在の県立短大の校舎や設備との関連です。というのも,夜間定時制には既存の設備では賄えない独特の設備が必要なからです。例えば,完全給食のための食堂の確保,瀬戸の夕なぎやいてつく夜間の中での勉学を保障する冷暖房設備,会社から車で通学する生徒のための駐車場の確保,照明設備の完備したグラウンドなどはその一例です。私は,これからの具体的な検討の際,現在の県短の校舎設備にとらわれず,最初からこうしたものを組み込み,ぜひ立派な高校をつくるよう要望し,教育長の前向きの答弁を求めるものです。  教育問題の3番目は障害児教育についてです。私は先日,山口県の障害児教育の成果と新設の徳山養護学校の視察をしてきました。そこで勉強したことを踏まえて,3点にわたって教育長に質問します。  第1は,岡山養護学校旭川分校の独立移転問題です。移転に際しては,児童院の生徒への派遣学級の問題,旭川学園の生徒の通学保障の問題,新しい学校の学区の問題,スクールバスの台数と路線の問題など,解決すべきことが山積しています。こうした問題について,現在明らかになっている内容についてまずお聞かせください。  さらに,新しい校舎設備のことですが,全国でも最も新しい養護学校として最高の設備をつくってほしいと思います。例えば,山口では体温調節ができない子供たちのためのプールのあり方が問題になっており,また島根県では養護学校に温水プールを設置し,教育上大きな効果を上げていると聞きました。実施設計の段階でぜひ検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  第2は,養護学校の高等部の問題です。岡山県は高等部への進学率は58.9%で全国33位と低迷しています。一方,山口県では,5年前には32.4%だったのがこの5年間で岡山を抜いて60%台となっています。その要因は,高等部への入学選抜基準を「卒業後,社会的に自立可能な者」から「生活的自立可能な者」へと改めたところにあります。この流れは障害児への後期中等教育の保障の問題として全国的な流れとなっており,隣の兵庫県でも昨年改められています。しかし,岡山県では依然として10年以上前のいわゆる59年答申に固執しているため全国から大きく立ちおくれているのです。私は,新設の養護学校を建設する今こそこの59年答申を抜本的に見直し,新しい入試選抜制度のもとで開校するよう強く求めるものですが,いかがでしょうか。  障害児教育の第3は,肢体不自由児養護学校の問題です。現在の養護学校の老朽化,マンモス化が指摘されて久しく,3年前の「岡山県における肢体不自由児教育のあり方について」の答申では,養護学校を現在の1校から複数化する方向も提起され,関係者の期待を高めたところです。しかし,それから既に3年経過し,何ら動きのない県当局に対し,最近では関係者から焦りの声も聞こえてくるようになりました。さらに,この問題は,岡山県の福祉計画の中でも期限を切って実現がうたわれていることであり,来年度には何らかの動きがあるべきものです。  そこで,お聞きしますが,肢体不自由児養護学校の複数化問題についての検討の現況と来年度の作業予定をお聞かせください。また,関係者から要望が出されているリフトつきスクールバスについても実現の見通しをお聞かせください。  さて,教育に関する最後の質問は,同和教育についてです。久世町教育委員会が以前から使用していた「民主教育」という名称を引き続き使用していることに対して,県教委は,県の意向を聞かないのはけしからぬということで,同和加配の先生を引き揚げる措置をとると圧力をかけています。これは,県の教育委員会と市町村の教育委員会の民主的関係からいっても不当なものです。さらに,久世町の民主教育が部落差別の解消に果たしてきた積極的役割からいっても何ら名称変更する必要のないものです。一体久世町で「民主教育」という名称を使用していることで部落差別の解消に何の障害が起きているのですか,あるのなら事実を挙げて示してください。しかも,なぜ教員の引き揚げという卑劣とも言える権力的圧力で名称変更を押しつけようとするのですか,答弁を求めるものです。  さらに,こうしたことが起きる根本にあるのは,私は,県教委が10年も前の同和教育基本方針にしがみついていることにあると思っています。差別解消の物的事業はほぼ完了目前まで到達し,国民の意識も大きく変わり,同和地区の子供の高校への進学率なども大きく改善されてきた今日,教育,啓発の課題についても抜本的見直しが求められています。いつまでも同和教育を特別扱いし,他の教育課題よりも突出させていくことは実態と合わないばかりか,逆に差別を拡大することにもなるのではないでしょうか。私は,今こそ県の同和教育基本方針を抜本的に見直すべきだと提案しますが,教育長の御所見をお伺いします。  さて次に,保健所の統廃合について環境保健部長に質問します。  現在,厚生省では,地域保健基本問題研究会を設け,今後の高齢者社会への保健行政のあり方など地域保健の総合的見直しがなされ,6月には基本的方向が出されることになっています。これは保健所法の廃止と保健所の解体をねらう危険なもので,既に全国で批判の声が上がっているところです。岡山県では,94年度から岡山市の政令移行を機に保健所を再編する案が提起されていると聞いています。これは,現在の18保健所体制を地方振興局にあわせて9保健所体制にし,残りは新設の邑久も含めて支所にする方向だと聞きますが,それは事実なのでしょうか,お伺いします。  母子保健,高齢者保健対策はもちろん,環境の変化や住民の要望に基づく住居衛生,浄化槽,精神保健,歯科衛生,エイズ,難病,衛生害虫,廃棄物,アトピーなどはすべて保健所の仕事です。保健所はこれまで以上に住民に近いものでなくてはなりません。また同時に,市町村に肩がわりをさせるものでもありません。県の保健所の充実こそ今求められています。私は,保健所の統廃合計画をやめ,岡山市の政令移行を機に邑久保健所──支所ではなく保健所の新設や福渡支所の保健所への昇格を初め保健所体制の充実を求めるものですが,部長の御所見をお聞かせください。  続いて,県立病院の改築問題について引き続き環境保健部長にお尋ねします。県立病院は,県立唯一の精神科の病院として県下の精神科医療に大きな役割を果たしてきました。それは,処遇困難な患者の治療,救急患者への対応,夜間外来の設置など病院関係者の努力に負うことも多であったと思います。昨年,決算委員会の視察に同行して病院改築の要望を聞き,その後多くの方面から改築に関する意見を聞きましたので,この場で一言要望するものです。  病院関係者は,改築は現在の場所での改築を検討しているとのことです。私は,それが病院が現在取り組んでいる精神科医療の方向に合致しているからだと思います。入院機能だけでなく,外来機能の充実,デイケアや往診・訪問活動,地域の職場での院外作業などの活動は,現在の場所でこそ可能になるものです。私は,県当局がこうした病院関係者の努力と意見を尊重し,現位置で早急に改築する措置をとるよう強く要望するものですが,いかがでしょうか。  質問の最後は,苫田ダムに関する奥津町地域総合振興計画調整案についてです。  私はあくまでダム阻止の立場ですが,しかし今度の調整案にはわずかな期待を持っていました。それは,ダム阻止の人もダムに賛成の人も,ダム阻止に命をかけ奥津に骨を埋める決意の老夫婦も,墳墓の地を離れ竹馬の友と別れて見知らぬ土地で暮らす人も故郷の発展を思う気持ちに変わりはないからです。しかし,今回の調整案はそうした期待を裏切るものでした。以下調整案について,私の持つ疑問点を述べ,知事の所見を伺うものです。  まず第1は,1,370億円という鳴り物入りの調整案とは逆に実態は極めて貧困なものだということです。総額250億円の国道179号線のつけかえと改良工事は,そもそもダム計画がなくても建設省の責任でやらねばならない事業ですし,これまでサボっていた建設省の責任こそ問われなくてはなりません。さらに,リゾート構想に基づく奥津リフレッシュビレッジ計画の300億円はすべて民間資本によるものであり,しかもその主体は悪名高いイトマンであり,現在既にバブルではじけてしまっているものです。もともと建設省がやるべきものとバブルで飛んでしまうもの合わせて570億円,これは総額の4割以上となりますが,これらは調整案から削除すべきだと思いますが,いかがでしょうか。  第2は,この調整案には人が見えてこないということです。知事は「この案で10年後には奥津の福祉の水準は県下でトップクラスになる」と言われました。それではお聞きしますが,10年後奥津の人口は何人と予測されているのでしょうか。奥津町の人口は81年には3,908人,10年後の91年は1,200人減少して2,735人,昨年はさらに200人減って2,569人です。今後さらに水没予定地の住民が奥津から離れ,それ以外の地区では県下共通の過疎化,高齢化が進むのは明らかです。しかも,調整案には人づくり,村おこしの視点が欠けているため,人口はますます減少していくでしょう。農村の共同社会が崩壊して何が福祉の向上でしょうか。それとも知事はこの計画で人口がふえるとでも思っているのでしょうか,お聞かせください。  第3は,財源負担の問題です。この計画には,財源負担が全く明らかにされていません。幾らよい計画でも財源のない計画は絵にかいたもちです。しかも,県民の税金の使い方を論議する議会に財源計画も示さずに,これで了解せよというのは議会を愚弄するものだと言えます。私は,財源負担が明らかになるまでこの調整案の協議を中止すべきだと思いますが,いかがでしょうか。  最後に,こんな不十分な計画をなぜ建設省や知事が急ぐのかという問題です。そこには,この振興計画ができ次第,それを土台に水源地域対策特別措置法に基づく水源地域の指定と水源地域整備計画の決定を強行し,一気にダム着工にこぎつけようとする意図が明らかではありませんか。私には,そこに法にもかなわず,理にもかなわず,情にもかなわない苫田ダムの本質が見えてきます。かつては兵糧攻めにも等しい行政圧迫でダムを押しつけ,現在はバブルのまじった絵にかいたもちでダムを強行する知事の意図は残念ながら通用するものではありません。その点では建設省の態度の方が私には幾分フェアに思えてなりません。建設省は,先日阻止同盟に対して「補償交渉を前提とせず話し合う用意がある」と答えています。知事も一度補償交渉などを前提とせずに阻止同盟と話し合う用意はありませんか。そのことを強く求めて,私の質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  武田議員の御質問にお答えいたします。  吉備高原学園高校は,既存の学校になじめない生徒や特定の技能などの修得意欲を持つ生徒を対象とした新しい試みでございまして,それだけに卒業生の進路をどうするかということは設立時から大きな課題となっていたわけであります。その対策については,設立以来私としてもいろいろな方々と話し合ってきておりますし,もちろん吉備高原学園関係者の集まりでも話題となっていたところでありますが,今回の助成については,このような課題を抱えている中で,昨年12月加計学園が大学を新設することが明らかになりましたので,県と加計学園で協議したところ,大学側で吉備高原学園高校生,さらに他の県内高校生について一定数の推薦枠を設ける方針とされたので,これを支援しようとするものであります。  また,なぜ吉備高原学園高校のみ優遇するのか,また加計グループのみへ助成なのかということのお尋ねですが,今申し上げましたように,吉備高原学園高校は,そもそも既存の学校になじめない生徒や特定の技能等の修得意欲を持つ生徒を受け入れて,全寮制を通じまして全人教育を実施することを建学の基本理念とする学校でありまして,現在の偏差値中心の大学入試制度のもとでは進学の熱意があっても事実上進学が困難でありますことから,この新しい試みを全うさせるためには,さらにもう一段階上の高等教育を受ける機会を開くことがぜひ必要であると考えていたところでありまして,加計学園が偏差値中心の考え方にとらわれないで,新たな観点から人間教育を実施する方針を示されたので,この試みを評価いたしまして支援しようとするものであります。また,同様の趣旨から,他の県内高校生についても同数の推薦枠を設ける方針とされております。  なお,私学教育に対する助成につきましては,平成5年度におきましても,運営費の助成の充実に加えまして,新たに特色のある教育を行うための施設整備の支援や,あるいは専修学校生徒に対する奨学金制度を設けるなど充実を図っておるところでありまして,今回の助成もその多様な教育の振興の一環としてぜひ御理解を賜りたいと思うのであります。  次に,新県立図書館の用地の問題でありますが,建設地としては,岡山市の中心部に位置をしておりますし,公共交通機関の便にも恵まれておりますので,そしてまた他の公共施設や文化施設との関連性や図書館の機能性などを総合的に判断して,現在予定しておるところを適地と決定をしておりますので,変更の考えはありません。  現計画を中止してはとのことでありますが,貴重な文化遺産である旧日銀本館のよさを生かしながら,県民の新しい文化創造の拠点として21世紀を展望した立派な図書館ができると確信をしておりまして,現計画どおり進めてまいりたいと考えております。  次に,奥津町地域総合振興計画の調整案の内容でありますけれども,今回の調整案は,奥津町が独自に策定した奥津町地域総合振興計画(案)をベースにいたしまして,建設省,県,奥津町の三者で協議,調整されたものであります。国道179号のつけかえ及び改良工事や,あるいは奥津リフレッシュビレッジ計画につきましては,いずれも奥津町の振興のために必要なものであります。また,奥津リフレッシュビレッジ計画はその実現の可能性も高いということで調整案に盛り込まれたものでありまして,おおむね妥当な計画になっておるものと考えております。  人口予測でありますが,今回の調整案の実施によりまして,奥津温泉やダム湖周辺での新たな観光拠点づくり,また全町における農林業の基盤整備が促進されることになりまして,町外移転者のUターン,あるいは新規転入者を見込んで10年後の人口規模をほぼ現在の人口の2,600人程度と想定がされておるところであります。  それから,財源負担の問題でありますが,今回の調整案は,まず全体の事業項目と事業費を示して,町の将来を展望するために説明を行ったものでありまして,県議会を初め奥津町議会,また下流受益市町の了解が得られた段階で水特法に基づく整備計画案を作成をいたしまして,そして国土庁を窓口として関係省庁に協議をしていくことにしておるのでありまして,事業主体及び財源問題などは今後の調整を待たざるを得ない状況であります。県としては,ダム起業者である建設省に対しまして,できるだけ多くの事業を実施するように要望しまして,奥津町の財政負担の軽減に努めたいと考えております。  それから,阻止同盟との対話についてでありますが,水没地域の皆様には今後とも生活再建問題等を含めて誠意を持って対応し,すべての方々の御理解が得られますように努力をしてまいりたいと考えておりますので,御了解を願いたいと思います。  以上であります。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  保健所についてでございますが,昭和22年保健所法が制定された当時と現在におきましては,疾病構造の変化,医療体制の整備,市町村の成熟など,地域保健をめぐる背景が大きく変化しておりまして,そのため高齢化社会に対応し生活大国にふさわしい保健サービスを提供するということが必要という観点に立ちまして,国におきまして見直しが行われているところであると承知しております。  当県におきましても,高齢化社会においては,保健,医療,福祉が一体的に運用されることが必要なことから,平成5年度には外部の識者等による懇談会を設けまして,国の動向や他県の状況等を考慮しながら,保健所業務のあり方や保健所の数,体制,市町村との役割分担等について,平成6年4月を目途に見直してまいりたいと考えております。  次に,県立岡山病院の改築についてでございますが,老朽化が進んでおるため医師や看護士を先進国に派遣するなどいたしまして,新しい病院のあり方について病院内で検討してきたところでございます。  本病院につきましては,適正な精神科医療の確保対策の一環として,本病院を含め,本県における精神科医療のあり方全般につきまして近く岡山県精神保健審議会で検討していただくこととしておりまして,その結論に沿いまして整備計画を策定してまいりたいというふうに考えております。したがいまして,建設位置につきましては,これらの検討を踏まえ,期待される病院の機能,それから現地建てかえの技術的な問題等を勘案しながら最適な立地場所を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  武田議員の質問にお答えをいたします。  吉備高原学園高校の推薦枠についてでございますが,私も吉備高原学園高等学校の評議員になっておりまして,卒業生の進路問題につきましては関係者の間でいろいろ話題となっていたことは承知をしております。  今回の倉敷芸術科学大学の推薦制度につきましては,私立大学でこうした推薦枠を設ける例もございまして,単に学力ではかれない隠れた才能を持つ者に対しまして大学への進学の道を開くものと,このように考えております。  次に,新県立図書館の建設用地の変更についてでございますが,先ほど知事がお答えになったとおり,適地と考え決定をしたものであり,変更の考えはございません。  次に,高等学校の入学者選抜制度についてでございますが,現行の学区制,総合選抜制は,これまでさまざまな改善を加えながら本県の教育水準の維持に一定の役割を果たしてきたと,このように思っております。しかし,さきの岡山県高等学校教育研究協議会の答申で,生徒の学校選択の自由がなく,自由化,個性化への時代の要請と社会の変化に対応しながらその改善が必要であると,このように提言がなされ,また先般文部省から,多様な選抜方法の実施などが盛り込まれた入学者選抜制度の改善の通知を受けたところでもございます。このため,来年度には学区制,総合選抜制度,それから入学者選抜制度のあり方につきまして,新たに検討委員会を設置して改善について検討することとしております。  なお,委員の人選に当たりましては,広く各界の意見が反映されますように十分配慮をしてまいりたいと,このように考えております。  次に,烏城高等学校の移転と校舎整備についてでございますが,現時点では,夜間を中心とした単位制として県立短大跡地へ移転整備をする方向で計画を進めている段階でございます。施設設備などの整備につきましては,今後,好ましい教育環境となるように十分検討してまいりたいと,このように考えておるところでございます。  次に,岡山養護学校旭川分校の独立校化についてでございますが,岡山市土田を建設予定地といたしまして鋭意用地取得に努めているところでございます。児童院の児童生徒の教育につきましては医療対応が必要でございますので,派遣学級で対応することを考えております。また,新設校の学区につきましては岡山市東部地区を中心に考えたいと思っておるところでございます。スクールバスにつきましては,旭川学園などの小学部,中学部の児童生徒の通学に必要と考えておりますが,その台数,それから経路につきましては,対象児童生徒の推移,動向を見きわめながら検討していきたいと,このように考えております。そして,施設設備につきましては,プールを含め,障害の状態や特性などに応じ適切な指導のできるものとしたいと,このように考えております。  次に,高等部への進学についてでございますが,障害児の義務教育終了後の対応につきましては,医療,福祉,教育の役割分担を明確にして,個々の障害に合った適切な指導が必要でありますので,この基本を踏まえて対処をしてまいりたいと,このように考えております。  次に,肢体不自由養護学校の複数化についてでございますが,新設校の児童生徒の確保について,当初計画よりかなりの減少が見込まれますので,実態をさらに精査しながら引き続き検討してまいりたいと,このように考えております。  なお,お尋ねのリフトつきスクールバスにつきましては,今後更新時期に合わせて検討していきたいと,このように考えております。  最後に,同和教育についてのお尋ねでございますが,昭和58年に,部落差別解消を目指す教育の名称を全国的にも使用されております「同和教育」として,県下におきましては,御指摘の久世町を除くすべての市町村が「同和教育」の名称で推進をしているところでございます。私どもは,教育行政,この一貫性の観点から,これまで10年間にわたりまして久世町教育委員会に対しまして「同和教育」の名称で推進するように機会あるごとに要請をしてきたところでございます。今年度も,町の教育委員会訪問などによりまして重ねて要請をし,現在も話し合いを継続しておりますが,現段階では,私どもの要請に対しまして前向きの回答をいただいていないのでございます。  同和加配教員につきましては,同和教育推進のための特別措置ということでございまして,お話のような措置もとらざるを得ないものと,このように考えております。  次に,同和教育基本方針についてでございますが,同和教育推進の方向づけのよりどころとして昭和59年に定めたものでございます。教育啓発は今後も重要な課題でございまして,教育の継続性と,こういう観点からもこの基本方針に基づく同和教育の推進が必要であると考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  再質問をさせていただきます。  1つは,例の倉敷の芸術科学大学の件なんですけども,結局どういう結果になるかといいますと,今どこの公立もそうです,それからどこの私立もそうなんです。とりわけ私立の場合はもう生徒急減期で死に物狂いで経営努力をしているわけですね。ところが,吉備高原学園高校の推薦枠を倉敷でとるというふうになりましたら,いわゆる吉備高原学園高校だけは,あそこに行けば大学に行けるんだというふうになるわけですから,結局,そこの生き残り作戦というのは,知事が30億円倉敷に出して,吉備高原学園からそこで大学へ行けるということで,いわゆる今の私学の生存競争といいますか,激しい生き残り競争に勝てる条件を与えていくものなんですね。そういうふうになぜ吉備高原学園高校だけそういうことをするのか。今私学全部困ってる,全部大変な努力をしてるのになぜ吉備高原学園高校だけ生き残りに勝てるようにするのかというのがみんなの疑問なんですよ。ですから,そういう意味でぜひお伺いしたいんですが,吉備高原学園高校に手厚い援助をしています。その具体的な中身をもう1回ここでも明らかにして,開校のときから,建設のときからそうだと思うんです。その辺ちょっとはっきりして,県はどんな支援をしているのか答えてほしいと思います。  図書館問題ですけども,結局170億円もかけてむだ遣いだという声があるし,また私もそうだと思うんです。県立の文化施設で170億円もかけてるような施設が県内にありますか。県立美術館でも50億円です。50億円あればあれだけ立派な美術館ができるわけですから,やはり私は,とにかく日銀の保存というのを前提に,それに上をかぶせるようなものをするからどちらも不自然なものになる。だからそういう意味で言えば,むだ遣いをやめる上でもあそこをやめるということが一番なんだということを強調しておきたいと思いますし,きのうのマスコミに岡大の外村さんという教授が日銀の保存自身についても検討せんといけぬと。一体洋風の建築であの日銀というのを本当に残す必要があるのかどうなのかということも識者の中では問題になってるわけです。しかも,その保存という点でも不十分だし,図書館でも不十分だというものはやはりやめる以外にない。私は,日銀保存についての知事の考えを改めてここでお聞かせ願いたいというふうに思います。  それから,入学者の選抜制度の問題なんですが,偏差値云々かんぬんがあります。ですから,業者テストの廃止というものは,やはり県の教育委員会が保護者やそれから先生方と一緒になってそういう偏差値教育をやめて,また学歴社会というのをやめて,本当に子供の豊かな教育を保障しよう,その決意のまず第一歩が業者テストの廃止だというふうに思うわけです。そういう立場から,入学者選抜制度についても,これまで県内の総合選抜・小学区制でいいものはやっぱり残すということを再検討すべきであって,高教研の答申がこうしているから,福祉計画でこうなっているから引き続きこうだという論議には今の時点ではならない。やはり業者テストの廃止,そして今後岡山県の教育が抱えている課題をどうしていくのかということで,改めてやはり小学区制についても論議をしてほしいということで,高教研の答申に決まっているから引き続きやるんだというのは納得できないので,その点ももう一度答弁をお願いしたいと思います。  それから,養護学校の件で,リフトつきバスの更新時ということなんですが,ちょうど更新時を迎えてると思うんです。だから,その点についてじゃあ更新時を迎えたらリフトつきにするという意味と理解をしていいのかどうなのか,お答えを願いたいと思います。  それから,養護学校の高等部問題なんですけども,山口でも話を聞きましたけど,15歳の障害児が15キロの体重なんですね。15歳15キロというのがその生命線,ところが高等部に通うことによって体重が5キロふえ表情が豊かになる。やはり高等部に行くことによって,医療,福祉,教育という分担でなく,本当に高等部に行くことによって,そしてそこで本当に子供の持っている発達可能性というものが広がってきてるわけです。ですから,やはり中等部を卒業したからすぐ福祉施設に収容するとかいうんじゃなしにですね,やはり高等部できちっとした教育をもう一回するという,そのことによって障害児の発達可能性を伸ばすということをぜひ考えていただくという意味でも59年答申の見直しということ,この点については教育長は明確に答えられてないんで,ぜひ見直しをするのかどうなのか,してほしいということについての答弁をお願いしたいというふうに思います。  久世の問題ですけどもね,じゃ久世の民主教育で何か弊害があったのかというふうに私お聞きしとるんでね,ぜひそれは答えていただきたい。「同和教育」にしないで「民主教育」にしたから,ずっと10年間やってきたら何か久世のいわゆる部落解消にとって,教育啓発にとって何か問題があったんですか,そういう質問をしてると思うんで,ぜひそれについては答えていただきたいと思います。  苫田ダムの問題ですけれども,人口予測という,例えば県が10年前に出した案ではね,198戸奥津町に県が土地を造成すると,こういう計画だったんです。そして水没予定地の人は6割が残るというのが県の計画だったんですよ,今何戸残っとんですか。幾ら今の現状で10年後も人口が同じだといってもそうはならないんです。人口予測について甘い,そしてそれだけ残るだろうから,今度は振興計画もうまくいくということには絶対ならないと思うんです。人口予測については,やはり10年前に6割が残るというふうに県が報告された,提案された,それについての結果が今どうなってるのかということをぜひ答えていただきたいと思います。  以上です。 ◎知事(長野士郎君)  全寮制高校といいましょうか,吉備高原学園についてどういう措置を今までしてきたかということでございますが,私どもも,全寮制高校吉備高原学園につきましては,これは現在おりますところの登校拒否児とか,あるいは普通の学校ではとてもついていけない子供たちというものが非常に多いわけでございますから,その子供たちについて新しい教育を施す方法はないだろうかと。これほっときますというとほかのよからぬところへ転落していくという危険も非常にあるわけでございまして,しかしそういうことについて多くの人が関心を持ちながらもどうしていいかわからないという状況が続いておったと思います。私どもは,それを全寮制という形で全人教育で救っていく方法はないだろうかと。これは要するに非常な冒険ではありますけれども,これを県議会で御賛成をいただきましてつくることにしましたが,これは特殊な学校でございますので,これをすべて今までの学校として私学で経営する──私学にするかどうかっちゅう問題もあるわけですけれども,これはどうも公立の学校にはなじまないと,そうすると私学でやるほかはないと。私学でやる場合にも,しかし普通にはこれは成り立たない学校になるというようなことがございましたので,そこでいわゆる公立民営という方式を採用いたしまして,つまり土地とか建設費については全部県費で負担をいたしました。しかし,それでもなお学校の運営というものが十分でございませんから,教育基金を設けまして,今大体10億円の浄財が──10億円のうち2分の1は県が負担をしておりますが,あとの2分の1は全国的にこの学校の趣旨に賛同していただいた方々から集まってきた寄金を持っておりまして,そういうことで何とか学校の経営ができ上がっておるという格好でございます。したがいまして,それは全国でもユニークな学校でありますから,単位制高校としては非常に珍しい学校ということで大変な評価を全国的にはいただいておる。岡山県でもいただいておると思ってるんです,私は。どうもそうでない方もおられるようですけれども。それでそういうことがありまして,私どもの意図は,実を言うと県内で高等学校で途中で脱落する子供たちの数が,正確にはもう今覚えておりませんけれども,教育委員会は御存じでしょうが,大体2,000人を超えていると思うんです。そういうような者をほっておくわけにいかぬではないかというこれは第一歩でございまして,これですべて解決するというわけではございませんけれども,したがってそういう新しい試みをやりながら,しかし県内だけではこれはなかなか本当は志願者が少ないかもしれぬという心配で,私学ですから全国的な公募もいたしました。そして,これがしかし非常な反響を呼びましてですね,大変な多くの応募者が来られましたんで,100人の定員のところを無理無理に130人でしたか何かにしておりますけれども,これは学業の方は余りできない子供たちでございます。しかし,何かやろうという意欲のある子供というものを見つけ出したんですから,そういうテストは余りしておりません。学校の成績で考えたらそれはとてもだめなんです。学校の評価というのは5から1まであるそうですけど,全部1以下なんですから。そういうことでございますので,そういう人をですね,やはりやる気のある子は救っていこうということで始めたものでございますから,そこで今学校の関係者に聞いてみますと,先ほども申しておりますように,2年ぐらいから何とかやる格好がだんだんとついてくるということになってまいりまして,したがって普通の子よりも──子と言っちゃあ悪いんですが,大分おくれてスタートしておるという格好にどうしてもならざるを得ない。そうしますというと,そういう高校生を何とかひとつ物にしていくという機会はやはりつくっておいていくべきではないかということになりますので,そういう意味で大学コースというものもやはり考えざるを得ないということは当初からの一つの課題であったわけでございます。その課題にこたえようということになってくれるということであれば,我々としても,これは渡りに船と言っちゃあ言い過ぎかもしれませんけれども,ややそれに近いわけでございますし,今の吉備高原学園高校は加計学園に経営してもらっておりますから,そういう状況もよく知った上での全人教育ということであるから,私どもとしてはそれをひとつ助成をするということにぜひさせていただきたいと,こういうふうに考えておるわけでございますので,御了解を賜りたいと思うのであります。  それから,図書館の問題をいろいろおっしゃられますけれども,今の日銀の建物というものは,建築界におきましては,いろいろ御意見のある方もおありかもしれませんが,おおむねの評価はあれは保存しておくべきものだと,大正期における代表的なああいう建築であるから保存しておくべきものだということはどうも意見は私は一致しておると思うわけでございますので,特定の人には時々難しいことを言う人がおられるでしょうけれども,それは私どもの聞いた範囲ではそういう保存の値打ちがあるということでございますので,これが最もいい場所にもありますし,保存の方法としては,文化的に使うというようなことが,利用できるというようなことがあれば一番いいんではないかということを考えますと,図書館とあわせて考えるということが一番適当ではないかというふうに思っておるわけでございますので,御了解を賜りたいと思うのであります。  それから,苫田ダムにつきましては,これは確かにかつて一生懸命にダムの周辺に住宅の団地をつくりたいと思っていろいろ計画を立てました。これは,私どもの気持ちとしてはまだそれを捨てておるわけではございませんけれども,あの計画というか,今の振興計画の案には入っていないのでございますけれども,私どもとしては,ぜひともそういうこともひとつこれからも考えていくべきだと実は思っております。  人口予測,その他の問題につきましては,先ほど申し上げたとおりでございますが,さらにお尋ねでございますので,これはひとつ土木部長にお答えをさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  人口の予測資料についてですが,現在手元に詳細な資料を所有しておりませんので不明でございますが,方法的には,現況の人口約2,600人でございますが,それに自然増,あるいは社会増減等々を加味して予測したものでございます。  それから,どのくらいが残っておるかというようなことでございますが,現在約367戸移転済みでございますが,そのうちに地元に残っておるのが38戸ということでございます。私どもといたしましては,総合振興計画が計画どおり実施できれば定住可能な人口だというふうに予測をいたしております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  武田議員の再質問にお答えをいたします。  まず,入試制度の改革のことでございますけれども,先ほど申し上げましたように,業者テストの問題もありますし,それから答申の課題というふうなことでいろいろ御指摘をいただいております。したがいまして,こういう時期をとらえてこの入学者選抜制度につきまして,先ほどもお話をいたしました3つの項目を中心にしながら,委員会を設けてその中で検討をしていきたいと,このように思っておるところでございますので,御了解をいただきたいと,このように思います。  それから,養護学校の高等部のいわゆる入学の問題でございますが,現在,高等部の募集の資格といいますか,そのことにつきましては,高等部につきましては身辺整理が自立をすると,そして集団生活の参加が可能な者と,そして家庭,またはいろんな施設から自分で通学ができる者と,こういうふうなことで進めております。そしてさらには,医療であるとか福祉であるとか教育であるとか,こういうふうなものの均衡といいますか,バランスをとりながら,生徒の将来をどのようにするかというふうなことを検討しながら現在は進めておるわけでございます。したがいまして,現在までのところ,非常にといいますか,バランスよくそのことは進められてきたと,私どもは思っておるわけでございますが,先生の御指摘,その他もございますし,また時代の推移もあります。したがいまして,今後検討課題といいますか,検討をしていくというふうなことは考えてまいりたいと,このように思います。  それから,リフトつきのバスでございますが,これは現在使っておりますのが5年末までというふうになっておりまして,6年度には更新の時期になっております。したがいまして,そこで検討をしていきたいと,このように思っておるわけでございます。  それから,同和教育に関することでございますが,先ほども申し上げましたように,県下では久世町を除くすべての市町村が「同和教育」というふうな名称で推進をしておるわけでございまして,教育行政の一貫性と,こういう観点からも「同和教育」の名称で推進をするように要請をしているところでございます。御了承いただきたいと思います。  以上でございます。(「久世が,民主教育で何か問題が起きとんですか」と呼ぶ者あり) ○議長(熊本睦夫君)  教育長,不都合があったかどうかっちゅうのを,それをはっきり答えた方がいいんじゃないですか。 ◎教育長(竹内康夫君)  (続)今も申し上げましたように,教育行政の一貫性というふうなことが大事な点になろうかと……(「民主教育で,実際現場で何か問題が起きとんかいうて聞きよるんです」と呼ぶ者あり),個々にどうこういうふうなことにつきましてはここで差し控えさせていただきますけれども,やはり県下全体でそのような取り組みをしていただいておりますし,基本方針にのっとって進めていただいておると。そのことが一市町村だけがそのことになっていないというふうなことにつきましては,繰り返すようでございますけれども,やっぱり教育行政を担当しております私どもからしますと不都合であると,このように思っておるわけでございます。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  最後の質問をさせていただきたいと思います。  まず,倉敷芸術科学大学の問題ですけれども,決して吉備高原学園高校そのものを悪く言うんでもなければ,そこに頑張っていらっしゃる先生方やですね,それから生徒や,それからお父さん,お母さん方を悪く言うんじゃないんです。しかし,例えば加計グループで考えてみますとね,さっき渡りに船と言われましたけど,渡りに船いうのは向こうの加計グループなんです。倉敷に大学をつくるということで倉敷から100億円,県が30億円です。高梁につくっている吉備国際大学ですか,あれも合計41億円高梁市からお金を助成させとるわけですね。一方,高梁にある私学である日新高校は150万円なんです。こういう差別がなぜ加計グループだけにつくんかというのがみんなの疑問なんです。その中にやっぱり知事と加計グループとの間の何かいろんなことがあるんじゃないかということも私学の関係者からうわさをされとるわけですよ。そういう意味で,やはり加計グループに対する特別の助成というのはやはり本当に,さっき偏差値云々かんぬん言われた,それは全部の公立の高校で頑張ってやられよんです。また,どこの私学でもそういう落ちこぼれの子供を相手に一生懸命頑張っとんです。そういう全部の頑張りに対して,2,000人の中退者が出る,その2,000人の中退者全部を対象にしたやはり県の支援や助成をすべきであって,特定の私学への助成はすべきでない。それは差別につながるということを繰り返し強調しておきたいと思います。これは私の意見です。  図書館問題についても意見を申し上げたいと思いますが,やはり,確かに日銀の保存が必要だということは百歩譲ってもというふうに私は最初の質問で言いましたが,百歩譲った場合でもどちらも中途半端なんです,どちらもやっぱり中途半端なんですよ。ですから本当に,例えば文化的といえば,例えば郷土資料館とかそういうものにすればいいんです。そういうものにして残して,近所の人がどんどん来ればいい,みんな行けばいいんです。図書館は図書館としての機能を100%追求できる場所にしてほしいというのがみんなの意見なんですから。日銀の保存ということを考えずに図書館としての機能を100%追求できる,そこにしろというのがみんなの意見なんで,改めてそれは再考をお願いしたいと思いますし,要望しておきたいと思います。  それから,教育長にお尋ねしますが,59年答申については検討されるということなのでぜひ検討していただきたいと思います。現実問題として,高等部の枠は広がってるわけですから,ぜひ59年答申についてもですね,現実問題として県教委は枠を広げつつあるわけですから,実際そういう実態に合った形で59年答申の見直しをお願いをしたいと思うんですが。  同和教育の問題についてはですね,やはり最初の質問に対する答弁で,僕が言うようなこともあり得る,いや同和加配の先生を引き揚げることもあり得るというふうに言われたんですけどね,絶対そういうことをしちゃならぬと思うんです。現実に久世町では民主教育で大きな成果が上がっとんですよ。教育の一体性云々かんぬんというのは教育長が考えて上からの発想なんです。現実に「民主教育」という名前で久世町でうまくいっとんです。問題は起きてないんです。だから,そこにおる先生方も頑張っとんですから,加配の先生を引き揚げることは絶対にしちゃならぬし,これはもし引き揚げるようなことがあれば,奥津町に対して県がダムに賛成せんのならということで兵糧攻めにしたと同じようなことを教育長もやることになるということを指摘をして,この点についてはぜひさっきの発言の撤回をお願いをしたいというふうに思います。  そして,保健所の問題ですが,環境保健部長,三枝潤という名前を御存じですか。あのね,あなたの名前だといううわさなんですけども,とにかくこういう本,いろんな論文が出とんです(本を示す)。それで保健所は解体しろ,保健所の医者というのはぐうたらだとかいうことを一生懸命書いとるのを,あなたの名前だということで保健所の関係者で全部話題になっとんです。こういうことを書いとる環境保健部長は資格はないと思うんですよ。ぜひこの点については答えていただきたいと思いますし,責任をとっていただきたいと思います。  最後に,奥津の問題ですけども,阻止同盟に対する話し合いというものはぜひやっていただきたい。やはり今この時点で県が幾ら誠意を持ってと言っても,阻止同盟に対して補償交渉を前提にしないでの話し合いというのが今必要な時期に来てるというふうに思いますし,それをちゃんとやるというのが誠意のあらわれではないかというふうに思います。ぜひこの点については知事の決断もお願いを申し上げまして,最後の質問を終わりたいと思います。 ◎知事(長野士郎君)  武田議員の再々質問にお答えを申し上げます。  図書館はどちらも中途半端であるというお話ですが,私どもとしてはどちらも中途半端ではないと思っておりますから,これは見解の相違だというふうに考えております。そして同時に,やっぱり古い文化施設を維持しようと思うと相当にお金がかかるということはお互いに覚悟しなきゃいけない問題であるというふうに思います。  それから,阻止同盟と話すことについては,機会があればぜひ対応したいと考えておりますけれども,河川法による河川予定地の指定後にですね,水没する地域とわかっていながら1坪地主となったような方々が属しておる団体とは,これは阻止同盟とは全く異質のものでございますから,対話をするつもりはございませんので,御了解を賜りたいと思う次第でございます。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  阻止同盟と会わぬということですな。 ◎知事(長野士郎君)  (続)阻止同盟とは今申し上げたとおりでございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答え申し上げます。  成熟社会における保健サービスがいかにあるべきかということにつきまして,全国的にさまざまな人からさまざまな発言がなされていると承知しております。三枝潤というふうな論文につきましても,私人としての言論の範囲でどなたかが御発言になったというふうに承知しておりまして,私であるかどうかということにつきましてはコメントを差し控えさせていただきます。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  武田議員の再々質問にお答えをいたします。  59年のその基準ということについてのお話でございますが,先ほども申し上げましたように,高等部への入学基準に対することにつきましては検討課題と,このようにさせていただきたいと思います。  それから,久世町のことでございますけれども,これは民主教育というふうなことでは,同和問題の解決を図ることにつきまして考えてみますと,民主主義教育の一環というふうなことの問題に埋没してしまうのじゃないかと。したがいまして,私どもは「同和教育」という名称が妥当であると,このように考えて進めておるわけでございます。そして,久世町の教育委員会は教育行政として「民主教育」という名称を使用しておりまして,教育委員会がこのことについて固執をしておるというんですか,そういうふうに行政を進めておると,こういうことでございまして,同和問題を解決していくことについてはいささか障害になっているのではないかというふうにも考えておるわけでございます。  また,同和教育の指導主事ということにつきましては,同和加配と,教員の加配ということにつきましては,先ほども申し上げましたように,同和教育推進のための特別措置と,こういうことで進めておるわけでございますので,お話のようにいろんな措置も考えていかなきゃならないと,このように考えておるところでございますので,御了承いただきたいと,このように思います。  以上です。 ○議長(熊本睦夫君)  なお,武田君に申し上げておきます。  先ほど知事に対して吉備高原学園高等学校に対する援助についてという再質問がございましたが,これはあらかじめの質問にありません。通告の範囲を超えておりますので,注意をしておきます。 ◆7番(福田通雅君)  まず,平成5年度に向けて長野県政は力強く歩み出しました。関係各位の御努力を心より期待するものであります。  それでは,通告に従い順次お尋ねいたします。  まず,経済の動向についてであります。この件につきましては,景気低迷が続く中12月議会に引き続きお尋ねをいたします。  第1に,3月1日現在で雇用調整助成金の対象となる業種は105業種であります。本県では,現在何業種,何社が休業など実施されていますか。今後,雇用調整助成金を実施する状況をどのように予想されておられますか。また,県下で雇用調整助成金の指定業種に該当する企業はどのくらいありますか。そして,県全体での割合はどの程度を占めることになりますか。  次に,全国的に企業内失業者が増大しています。県下でどのように把握されていますか。また,業種指定されていない業種についても,企業内失業者など雇用調整が進んでいる企業もふえているとのことであります。そういった企業を守るためにも雇用調整助成金の指定業種の拡大または枠を取り除くよう十分実態調査の上,県としても,全国知事会などで連携をとり国に要望してはどうか。  第2に,全国的に景気低迷の長期化を反映し,販売不振などの不況倒産が,88年1月以来5年ぶりの高水準となっているとのことであります。本県においても,特に製造業が急速に落ち込んでいる中で,雇用状況について有効求人倍率は本年1月の全国平均の0.93より1.45と落ち込んではきたものの高い水準にあります。ことしに入ってからも求人の減少傾向は続いております。今後の求人の見通しについてどのように受けとめられておりますか。また,県下でも新卒者の採用内定取り消しなど,企業の雇用調整の動きが相次いでいるようであります。このような事態を受けて,労働省は雇用確保へ指導強化する方針を固め,答申を得て3月末にスタートさせる予定であります。そこで,取り消し企業の内訳など実態をどのように把握され,それに対しての御見解と今後いかに指導されていき,あわせて来年度の就職状況にどのような影響を及ぼしていくのか,以上民労部長にお尋ねをいたします。  第3に,さきに平成4年12月に「100の指標からみた岡山県」が発表されました。最後に「全体的に岡山県民は堅実でまじめな生活を送っているように見えますが,いかがですか」と,県民の暮らしぶりを締めくくっておられます。その県民の暮らしぶりの中心的なものに,経済活動,労働の指標があり,全国的に見て高い水準のものもあります。そこで,経済活動,労働の指標から見て,本県は全国的に比較してどのように評価され,位置づけされますか。また,今後のこの2つの指標は景気低迷の中どのように推移していくものと判断されますか,企画部長にお尋ねをいたします。  第4に,急速な円高は不況に追い打ちをかけるものと予測されます。本県の景気の現状と回復の見通しについて知事の御所見を賜りたいと存じます。  次に,沖合人工島計画についてであります。  この沖合人工島計画については,これまで本会議の質問でもたびたび取り上げられ,また私自身も,もろもろの調査の最終年度に当たる一昨年の6月議会において,その実現の見通しや今後の取り組みについてお尋ねをしてまいりました。確かにこの人工島構想は,知事のおっしゃられるように壮大な計画であり,これを実現するとなると相当な年数と莫大な費用を必要とする上,自然環境との調和,漁業への影響などクリアすべき課題は大変なものがあります。それゆえ長期的視点に立って検討していこうとされる知事の気持ちは理解できるのであります。この計画推進に対する県南央部地域住民の熱い期待は今も決して変わっていないのであります。  昭和61年,通産省のマリン・コミュニティ・ポリスと運輸省の沖合人工島構想の地域指定を受けると同時に始まった各種調査も平成3年度で終わり,あわせて実現可能性の最終評価がなされることになっているのでありますが,既に1年が経過しようとする中で報告書はまだ示されておらず,大変気をもんでいるところであります。そこで,報告書はまとまっているのか,その内容はどのようなものか,さらに公表時期はいつごろになるのか,商工部長にお尋ねをいたします。  次に,その実現の見通しについてでありますが,バブル経済の崩壊以後各地でリゾート構想がとんざするなど,調査開始当時に比べ人工島計画を取り巻く環境も大きく変化してまいりました。そのことが今後推進に向けての大きな支障として立ちはだかってくることが予測されますが,21世紀に向けて我が国の国土計画の中で海域の積極的,総合的活用は行政に携わる我々の大きな使命でもあります。この構想の必要性は,今後の新たな用地需要に対して陸域のみでの対応が困難であり,この地域の沿岸域は狭隘である上平地の利用度が高く,新規大規模開発の余地が少ないし,人工島建設への立地適性が極めて高く開発効果が大きいものと考えられます。  また,構想の意義として,地域のイメージアップ,開かれた岡山のイメージを内外に示し,地域のシンボルを構築する必要があり,周辺には内外に誇れる観光地を有し,人工島は観光のかなめとなる位置になると断言できるものであります。そして,建設の効果として,国際化の推進,生活の質的変化への対応,経済文化圏形成への寄与,地場産業の高度化,すなわち水産漁業の高度化,新しいリゾート産業の創出などに十分生かされるものであります。  この構想の背景には,海洋開発利用可能性への対応,長期経済社会動向への対応,広域的な地域開発プロジェクトへの対応,地域のニーズなどが挙げられますが,目指すところは何と言っても「21世紀・せとうちマリン・リゾートコミュニティの創造」であり,究極の整備目標は瀬戸内海海洋レクリエーションの中心拠点整備,産業・技術情報のネットワーク拠点整備,地場産業の地域振興拠点整備,海洋空間における産業と生活空間の構築などにあると考えられます。このような見地から,これまで6年間,いやその前から各方面,各界の皆様の御努力をいただき今日までまいりました。今最も大切なことは,玉野市,倉敷市,そして県の一致団結した熱意と気概によってこの6年間の長きの調査,多額の費用も費やしました。すべてをむだに無意味に終わらせてはなりません。それでは行政の先見性が泡となって消え去っていくのであります。その調査の結果を少しでも生かし,活用し,応用もしていくことも検討しながら夢を現実のものにしていただきたいと強く望むものであります。知事の御見解を改めてお伺いをいたします。  次に,リゾート計画の見直しについてであります。  従来のゴルフ場,スキー場,ホテルを中心とした利潤追求型の大規模な開発は,バブル経済の崩壊による事業計画の中止や乱開発による環境破壊など,全国各地でさまざまな問題を引き起こし,見直しを求められているところであります。さらに,バブルの後遺症によって冷え込んだ民間企業のリゾート開発に対する意欲の低下も深刻であり,今後のリゾート開発に暗い影を落としている状況であります。こうした折も折,リゾート開発全般について見直し策を検討していた国土庁の総合保養地域整備研究会は,バブル経済に踊ったブームを足元から見詰め直し,身の丈に合ったものへの転換を求める報告書をこのほどまとめられました。この報告書では,現在整備が進められているリゾートの一部について,自然環境や景観の破壊,環境汚染の問題,地域振興への寄与が不十分,開発事業者の撤退などが指摘されており,今後のリゾート整備のあり方として,大規模開発についてもホテルの周辺にコテージやペンション,キャンプ場など多様な施設の整備を推進し,幅広い価格帯のサービスが提供できるようにすることや,豊かな自然,景観,文化などを有する農山漁村地域においては,これらを生かしたリゾートの整備を地方公共団体の取り組みを中心として積極的に進めることなど提言をされており,今後のリゾート開発を進める上でまことに示唆に富んだ内容を持っているものと考えておるものであります。  そこで第1に,蒜山美作リゾート構想の見直しについてであります。過疎と高齢化に悩む県北地域にとって,活性化の切り札として地元住民から期待されている本構想は近く承認の見通しのようでありますが,この提言を踏まえ,構想内容について再検討を行う必要はないのか。  また,経済環境の悪化から民間開発計画のおくれが懸念されている中で,小規模なリゾートの整備を地方公共団体が中心となって推進していくという提言を県としてはどのように受けとめ,どのように推進していくお考えであるのか,あわせて知事に御所見をお伺いいたしたいと存じます。  第2に,スペイン村計画の見直しについてであります。自民党の代表質問などもありました。地元ゆえに重複もあわせてお許しをいただきたいと存じます。去る2月6日に開催されました玉野市議会議員に対するスペイン村計画の説明会において,事業主体である株式会社スペイン村から,平成6年7月予定の開園時期が1年以上延期されること,それに伴い現在57名いる社員を本年4月から12名に削減されることが発表されました。会社はその席で「スペイン村計画からの撤退は絶対しない」と表明したところであります。スペイン村は,スペインの本物の文化に触れ,国際交流,相互理解の促進を目指すものであり,第4次岡山県総合福祉計画にも,緑と花と水辺をベースに,コンサートホールやアミューズメント施設などを配置した文化性の高い公園として整備されるチボリ公園と並んで,中四国の経済文化圏の確立に向けて観光・リゾート面での先導的役割を果たしていく事業と位置づけられております。スペイン村は,本県の新しい国際交流,文化の拠点として,また地盤沈下の続く玉野地域活性化のためにもぜひ実現させなければならない事業であると考えます。  計画の変更の発表された後日,ある新聞社の玉野版に掲載された記事が私にとって忘れることはできません。それは,「日々打ち込んできた仕事を突然取り上げられた人たちの無念さを思う。このほど大幅な人員削減を発表したスペイン村,社員1人1人の心中はいかばかりか。人生をかけたのは社員だけではない,スペイン村に期待してUターンしてきた若者,思い切って店舗を改装した商店主もいる。社幹部にとっても苦渋の末の決断だったと信じたい。しかし,これでまたスペイン村の前途は厳しくなってきた。先行き不透明な状態に市民の白けや不信感は一層募るだろう。さらに,夢を売る事業なのに,今回の事態を悪夢と感じる人が出てくるだろうから。また,若者の熱意を踏みにじる今回の決定は安易過ぎる,出資者としての市の責任も重大だと,新卒者の内定を取り消した株式会社スペイン村や市の姿勢に対する怒りが受話器から伝わってくる。電話は続いた。新しい事業をやる以上,何が何でもやり遂げるという強いリーダーシップ,熱意が一番必要。今の市政にありますか。スペイン村に夢をかけた若者らの救済,説明を求める市民の声に市はどうこたえるのですか。市は,スペイン村計画に3億円を出資し,市再生のための官民共同プロジェクト,それなのに事業の凍結,会社縮小の理由がバブル経済崩壊だけで済まされていいのか,市側の回答を待っているのは電話の主だけではない」と,これが玉野市民の生の声なのです。株式会社スペイン村,玉野市,市民,みんな悩み苦しんでおります。  チボリ公園がいよいよ力強く実現に向かって第一歩を踏み出しました。県も積極的に支援をすることによって立派な誇り得る県民に親しまれる公園となっていくことを期待し,喜ぶものであります。今までの御労苦に対し深く敬意を表したいと存じます。また,前述のリゾート見直しの答申に,基本となるものに,民間主導から公共団体へ移行すべきであるという観点から実に先取りをした経営主体であると,知事の決断に改めて私は敬意を表するものであります。しかし残念ながら,スペイン村は沈む夕日,チボリ公園は上る朝日,天と地の差であり明暗がくっきりと分かれてまいりました。経営主体が違うというものの,スペイン村にしてみれば,玉野市民の気持ちを思うとき,万感やるせない,天を仰ぎ見てただただため息をつくばかりの心境であります。私は,今言ったことを述べようかどうか悩みました。しかし,長野知事の基本姿勢の大きな柱の一つに,県民との対話を深め,県政への理解と協力を求めることにあります。それだけに逆に県民の気持ち,考え方にも深い理解とその対応に誠心誠意こたえていただけるものと信じました。必ずや力強い今後の御指導を仰げるものと確信したのであります。  そこで,改めてスペイン村構想の位置づけとその役割は何か,チボリ公園とスペイン村のこの2大テーマパークの相乗効果をどのように期待されているのか。スペイン村の実現に大きな期待がありました。はっきりと言ってこれからは悲壮感が募るばかりであります。しかし,頑張っていただかなければなりません。スペイン村の今後の見通しについて知事にお尋ねをいたします。  次に,知事は可能な限り支援すると言われ,大変ありがたいことであります。しかし,当然なことながら限度があり,幅の狭い支援体制となることでありましょう。しかし,景気が低迷している今こそ原点に返って,スペイン村計画に対する県の積極的な取り組みが必要と考えます。例えば,現在民間主導で進められている計画を今後は県と玉野市による公共主導で進めた方が円滑に進むのではないかと思うものであります。知事のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。  さらには,総事業費495億円という事業規模についても,資金調達の困難な現在の経済状況や事業採算性を考えた場合,この際小規模なものでスタートし,順次拡大していくやり方がいいのではないかと考えますが,知事の御所見を賜りたいと存じます。  第3に,第三セクターの今後のあり方についてであります。官の公益性と民の効率性,経済性を兼ね備えた事業形態として空前のブームを迎えた第三セクターが反省期に立たされているのは構想段階での見通しが甘かったからだと言われています。また,地域振興を目指す役所と利益追求の企業だけが開発の旗を振った結果,住民との間に溝ができてつまづいているとも言われています。これからの最も大切な留意点は,まず企画構想段階で,事業の内容,採算性,第三セクター方式の適否を見きわめることであり,次いで官民の役割分担を明確にすることが重要であります。さらに,事業環境の変化に即応した機動的,効率的運用を図り,必要な場合には存廃を含めて的確な対応策を講じることが求められる。第三セクターの最大の問題点は,一たん設立したらなかなか廃止できないことである。民間企業がリストラ,すなわち事業の再構築を迫られている昨今,採算性のよくない第三セクターに再び参入してくることは期待しにくいだけに,追加出資などで安易な延命策を図るよりも,思い切って解散するくらいの英断に踏み切るべきだろうとも言われております。今後の第三セクターのあり方について,知事の御見解をいただき,そういう中でのスペイン村の今後のあり方について,知事の率直なお考えと御指導を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◎知事(長野士郎君)  福田議員の御質問にお答えいたします。  本県の景気の現状でございますが,設備投資は製造業を中心に依然として慎重な姿勢にありまして,また個人消費も減速傾向をたどるなどしておりまして,引き続き低迷を続けております。  今後の見通しでありますけれども,我が国経済全体が確固とした展望を持ち得ない状況にある中でございますので,しかもまた昨今の円高基調など新たな不安要因も加わっておりまして,回復のおくれを心配をしておるところでありますが,本県としましても,新年度予算におきまして県の単独事業を30%ふやしましたのを初め,中小企業向けの融資枠を大幅に拡大,282億円から400億円と拡大するなどいたしまして,景気浮揚に特別に配慮をしておるところでありまして,早期の回復を心から期待をいたしておるところであります。  沖合人工島計画でありますが,これはお話もありましたけれども,21世紀に向けました壮大な海のロマンというべきものでありまして,その実現には相当の年数と膨大な事業費を必要とするほかに,自然環境や漁業を初め,地域で生活する人たちへの影響も多大なものになることが予想されますから,長期的な視点に立って検討がされることが必要であると考えておりますが,いずれにいたしましても,今後最終取りまとめの結果が得られました段階で,調査主体である国などの関係機関と協議しながら適切に対応してまいりたいと考えております。  蒜山美作リゾート構想でありますが,この構想におきましては,自然や景観,文化等の地域資源を有効に活用しながら,幅広い利用者層のさまざまなニーズに対応いたしまして,四季を通じて長期,短期に滞在できる総合リゾート地としての整備を目指しておるものでありまして,大規模開発の周辺におきましても,ホテル以外にコテージとかロッジ,オートキャンプ場など幅広い価格帯のサービスが提供できるような多様な施設の整備が予定されておるところでございます。  また,地方公共団体による小規模のリゾート整備という点につきましても,自然公園や歴史資料館,河川公園,温泉保養センターなど,豊かな地域資源を活用いたしました施設の整備に地方公共団体が中心となって取り組むことにしておりまして,言ってみれば本構想は,お話にもございましたが,総合保養地域整備研究会の提言の趣旨に沿った内容になっておるというふうに考えておりまして,この構想につきましては既に国と実質的な協議を終えておりまして,近く承認が得られる見通しであります。承認後におきましては,関係市町村とともにPRあるいは公共施設の整備を積極的に進めるなどいたしまして,構想の具体化に取り組んでまいりたいと考えております。  スペイン村計画でございますが,この計画は玉野地域の活性化のために欠かすことのできない事業でありますことはもちろんでありますし,県全体の観光・リゾートの先導的な事業としての役割を担うものであります。また,瀬戸大橋や倉敷美観地区,さらにはチボリ公園などとの連携を図ることによりまして,非常に大きな相乗効果が期待されるものでありますから,県としても,これまでに2億円の出資を初めとしてさまざまな積極的な協力をしてまいりました。今般この事業計画の見直しが行われるということになりましたけれども,この事業の意義,また期待の大きさについては変わることはないわけでございますので,現在株式会社スペイン村で行われておる実施計画の見直し作業が進みまして,実現に向けての計画が早期に動き出せるようになりますように,県としても,地元の玉野市と連携を図りながら可能な限り協力を行ってまいりたいと考えております。  実施計画の見直しで事業規模をどのように考えていくかというようなことなど,今後の具体的な進め方につきましては,この事業が当初から三井造船株式会社等を中心にして行われてきたわけでございますから,そういう意味で事業主体側の考え方を尊重しながら,地元玉野市と連携を密にして十分協議調整を行いまして,適切な対応を行ってまいりたいと思うのであります。  第三セクターのあり方でございますが,この方式は,公共性を確保しながら民間の資金や人材,経営ノウハウを活用するものでありまして,リゾート開発等の地域づくりを進める上で有効な方法の一つと考えられますけれども,このような方式を活用するに当たりましては,御指摘もありますように,事業の内容や採算性などを十分見きわめて,適切な対応を行っていくことが必要であります。  スペイン村につきましては,三井造船株式会社など民間資本を主体としながら,県は支援の立場で出資等の協力を行ってきておりますが,今後とも,民間の活力が最大限に生かされまして,事業の円滑な推進が図られますように,しかし県としても積極的な協力を行ってまいりたいと考えておりますので,御了解をお願いしたいと思います。  以上でございます。 ◎企画部長(河野栄君)  福田議員にお答え申し上げます。  「100の指標からみた岡山県」に関してのお尋ねでございますけれども,これは全国における本県のおおよその位置を知っていただきまして,広く県政についての御理解を深めていただきたいという趣旨で作成をいたしておるものでございます。  御質問のありました経済活動,労働の分野について見ますと,指標の中には順位の低いものも幾つかございますけれども,経済活動の分野では県内総生産──これは人口1人当たりでございますけれども──が第7位,製造品出荷額等が第15位等となっております。また,労働の分野におきましても勤労者現金給与総額が第9位となっておりますなど,基幹的な指標を中心にいたしまして全体的に本県は高い水準にあると言えるかと存じます。  今後の推移についてでございますけれども,過去10年間を見ますと,県内総生産につきましては全国第12位から第7位になっております。また,勤労者現金給与総額は第20位から第9位になっておりますなど,上方に向かって推移をしてまいっておりますけれども,本県は瀬戸大橋の開通,あるいは岡山空港の開港を初めといたしまして,広域交通網の整備等によって西日本におきます拠点性が高まってまいっておるところでございます。引き続きまして,こうした有利な条件を生かした基盤づくりを進めますとともに,活力ある産業の育成を図っていくことなどによりまして,さらに高い水準の実現が可能となるものと考えております。  以上でございます。 ◎民生労働部長(石井敬一君)  お答えいたします。  雇用調整助成金につきましては,現在指定業種に該当する事業所は県下で7,595社でございます。全事業所の7.9%を占めております。そのうち雇用調整を実施しているものは2月末現在で13業種42社でありまして,今後,業況の悪化している業種を中心に指定業種や雇用調整がさらに広がる可能性があると考えております。  次に,お話の企業内失業という形での雇用過剰数の実態はつまびらかではございませんが,本県におきましても現に雇用過剰感が強まりつつある業種も見受けられるところでございますので,今後とも,景気の動向を十分注視しながら,経済団体等との連携を図り,必要に応じて指定業種の拡大などについても国に対して積極的に要望してまいりたいと考えております。  次に,求人の見通し等でございますが,最近の景気の停滞を反映しまして求人数は前年に比べて減少が続いておりまして,今後とも,しばらくはこの傾向で推移するものと予想しております。  次に,県内企業における採用内定の取り消しについてでございますが,県内では2社32人でございます。内定取り消しは,職業生活への第一歩を踏み出そうとしております学生に重大な影響を与えることはもとより,社会全体に対しましても大きな不安を与えるものでありまして,極めて重要な問題であると認識しております。  来年度への影響についてでございますが,採用計画が抑制されることが予想されます景気動向のもとで,今般の内定取り消しは,就職活動の一層の早期化や取り消しをした業界における人材の確保に対する影響なども考えられますが,県としましては,今後とも学校や経済団体などと連携を密にしまして,雇用情勢の的確な把握に努め,再発防止について企業に対して一層の指導を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎商工部長(秋山孝之君)  お答えいたします。  沖合人工島計画の報告書の取りまとめ状況についてでありますが,この構想は,観光レクリエーション機能,産業立地機能等の整備を目的として人工島を建設しようとするものであり,これまで景観や潮流,漁業等,周辺環境に与える影響や採算性等各種調査を実施し,島の配置,規模などを工夫しながら検討を重ねてきたところでありますが,景気の後退等もあり,さまざまな見直しを余儀なくされ,取りまとめに時間を要しているのが現状であります。現在,国を初め地元倉敷市,玉野市とともに早急に取りまとめるよう努力をいたしておりますので,御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◆7番(福田通雅君)  御答弁をいただきまして,ありがとうございました。  まず,人工島についてでございますけども,例えばですね,和歌山マリーナシティは県が中心となって今着々と完成に向かっておるんです。98年の世界博覧会の会場に既に予定をされておるんです。また下関ではですね,既にボーリング調査を実施して,5年度から本格的に基盤整備が推進されます。埋立申請の段取りもできておるわけです。地元の漁業の力強い理解で,そして県民が一体となってこの計画を推進しております。ここまで来られたということは,何と言っても県が積極的にリーダーシップをとっているからこそこの下関の人工島はここまで到達し,将来の大きな夢への実現に向かってるわけなんです。  本県の場合を考えてみましたらね,調査最終の平成3年度,またはこの4年度を見させていただいておりますとですね,一体何を検討してきておったのか,休業状態ではなかったのではないかとか,何かしらん自然消滅の感が深いわけでございます。それで,商工部長にお尋ねいたしますが,3橋時代に向かって新瀬戸内交流圏の創造を目指してという瀬戸内海シルクプラン──以前私もここで述べさせていただきましたが,検討されておりましてね,その中に大きくアルカディア・マリンポリスという海上理想郷があるわけです。こういったものも夢と現実が重なってきておるんです。そこでですね,商工部長に,今取りまとめに時間がかかっておる,いろいろ状況が変わってきたと,こう言われますけれども,本当に検討されていく気があるのかどうか,県と地元が動かねば国はもう絶対動きません。もうそろそろですね,非常に長い間時間がかかっております。商工部長に本音を聞かせていただければありがたいんでございますが。  それから,スペイン村でございますが,今知事に御答弁をいただきまして大変ありがたく思っております。今玉野市議会が始まっておりますけど,来年度の予算に,用途についてはスペイン村にとらわれずにということで,残りのスペイン村用地を先行取得,約19億円を計上して,不透明の中四苦八苦して玉野市も努力をいたしております。それで,前の12月議会で,知事の改選後の所信に「スペイン村事業の推進に積極的な取り組みを行っていく」ということを表明されました。しかし,来年度の基本施策を表明される本議会ではですね,「今回のスペイン村計画の変更により,本来ならば積極的に支援をしていく」と述べられるはずが,スペイン村の「ス」の字もないわけです。そういうことから考えましたら,スペイン村に対し県の熱意が薄れ,消極的になりトーンが下がってしまったんじゃないか,大変むなしい思いがしてくるわけでございます。  そこで,企画部長に,実務担当者としてお尋ねをするわけですけどね,スペイン村は単なる玉野市の地域活性化だけではございませんし,生き残り策だけではございません。御存じのように,今回調査予算がついておりますけれども,湾岸道路が検討されておられる中,その核とスペイン村もなるわけでして,それから「晴れの国岡山」ということをよく言われます。その最たる地区でもあってすばらしいとこなんです。それから,これからの高齢化社会に対しても十分期待ができるところであるんです。5年前に瀬戸大橋架橋によりまして宇高連絡船が長い歴史を閉じたわけでございます。そこには哀愁のロマンがあったわけでございます。玉野市にとって今回の状態は生殺しというような印象が深うございます。そして,玉野市にとって最も重要な場所にあるこの宇野駅操車場,それから連絡船桟橋跡地が空き地になってもう5年がたつわけでございます。この間スペイン村計画を軸に市中心部再開発など街づくりが行われてまいりました。ところが,その空き地がこれからまた数年いつ結末がつくかわからぬ状態に置かれることは地域振興にとって大きな打撃であります。いつできるかわからないという会社の説明は市への影響を考えれば簡単に通用するものではないんです。4月に会社の人員が5分の1に削減されます。このまま冬眠されては困るんでありまして,一刻も早く具体的な見通しを立てる必要があります。そこで,出資している上で,県としての位置づけと,今まで県のかかわり方,役割方がそれでよかったのかどうか評価されまして,実現に向けて今後どのように指導役割をされていくのか,もっと踏み込んだ答弁をいただければと思います。  最後になりましたが,もう既にウグイスの声が聞かれまして春が待たれます。知事におかれましては,今「積極的に支援する」という最後のお言葉をいただきありがとうございました。これからも本当に力強い御指導,御鞭撻を強くお願いを申しておきたい。そして,皆様からは大変スペイン村に対して温かい,また御心配をおかけをいたしまして,おわびとお礼を申し上げましてですね,今後とも,スペイン村に対しまして引き続き皆様方の温かい御指導,御鞭撻をお願いを申し上げまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(熊本睦夫君)  福田君,今のスペイン村計画については,これは企画部長には答弁のあれはしておりませんので,知事に委任されますか。よろしいですか。 ◆7番(福田通雅君)  はい。それじゃもし知事がありましたらお願いします。 ◎知事(長野士郎君)  スペイン村につきましてはさっきお答え申し上げたとおりでありますが,ことしの最初にスペイン村の「ス」の字もないではないかというお話は,これはこっちが悪いんじゃございませんので,再検討をするということになったもんでございますから,再検討の結果が早く出てくることは私どもも望んでおりますが,その上でひとつ大いに積極的な協力をいたしたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。 ◎商工部長(秋山孝之君)  再質問にお答えいたします。  商工部を担当いたします私が,瀬戸内海の中に島をつくるということにつきまして再度登板させていただくことにつきましては,やや奇異に思われる方があるかもございませんが,商工部がこの件に関する県の窓口になっておりますので,その立場からお答えをさせていただきます。  まず,これまでの検討内容についてでありますが,運輸省,通産省と地元が協力しながら,昭和61年度から63年度までにモデルプランを作成し,その後環境に与える影響調査等を行い,島の配置などプランの一部修正を行ってまいっております。平成3年度以降はこれを踏まえ,さらに詳細に環境面から調査を実施するとともに,先ほども申し上げましたように,急激な社会経済変動に伴う事業環境の悪化もあって,事業の可能性等も含め,国や地元倉敷市,玉野市とともに検討を重ねておるところでございます。  次に,他県の例についてお話がございました。これは航路掘削のしゅんせつ土を利用した埋め立てでありますとか進出企業の要請等によるものなど,特殊な要因があったものとお聞きをいたしております。そして,本音をということでございますが,お話を承っておりますと,この海のロマンに注がれる理想と情熱のほどは痛いほど感じられますが,それは直ちに可能かということになりますと,お話のように課題も多く,また最終の調査結果も見なければなりませんが,現時点で私として申し上げられますことは,景気の絶頂において楽観的に物事を判断するのでなく,また不況のどん底だからといって悲観的になるのでもなく,まさに21世紀を目指すという長期的視点に立ち検討すべき課題であると認識をいたしております。御了解をいただきたいと思います。  以上でございます。 ◆35番(戸室敦雄君)  皆さん,おはようございます。満員の傍聴席で私は非常に緊張いたしておりますが,どうぞ御声援のほどよろしくお願い申し上げます。通告に従いまして,早速4点にわたり質問をさせていただきたいと思います。  第1の項目は,岡山県の医療体制の整備についてでありますが,その第1点は県北地域の医療体制についてであります。良質な医療がいつでも身近で効果的に得られることが私たち県民の願いであります。つまり,行政施策でよく言われます「均衡ある県政」,それの医療版,すなわち均衡ある医療県政が重要でございます。本県では,第2次の岡山県地域保健医療計画が昨年10月に策定されましたが,この計画の中では,保健,医療,福祉の連携,地域医療体制や救急医療体制の整備などを主軸にして,医療体制の整備促進を図るとされていますが,県北地域の医療体制の整備状況についてどのように認識されているのか,まずお伺いをいたします。  第2は,国立病院,療養所の再編,合理化についてであります。厚生省は,昭和60年3月に「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」を発表し,昭和61年1月には本年から向こう10カ年で統廃合や経営移譲を行う方針を定め,昭和62年10月には国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律を施行しており,10カ年計画のうち7年が既に経過しますが,最近における厚生省のこの問題への対応についてお伺いしたいと思います。対象は,当初国立病院は34カ所,療養所は40カ所でありましたが,再編なり移譲なりの状況はどのようになっていますのか,お尋ねいたします。  第3は,国立療養所津山病院についてであります。国立療養所津山病院は昭和26年に結核診療所として発足し,46年に一般病床を設け,56年からは救急病院として認定され,内科,呼吸器科,外科,整形外科,脳神経外科,歯科の6科で,ベッド数335床の病院として,地域の中核医療機関の役割を果たしてきましたが,経営移譲の対象病院となり,病院がなくなるのではないかと津山市を初め県北地域住民に大きな不安をもたらし,関係の市町村などで存続対策協議会が組織され,存続運動などを実施してきたのであります。当時,我が党の代表質問や私の一般質問で,長野知事は「国立病院としての存続と機能充実を国に要望していく」と言明され,県も関係者と一緒に国に存続運動を行ってきたのであります。これまでの運動の状況や今後の見通しについて,お尋ねをいたしておきたいのであります。  第4点目は,県北における救急体制,3次救急の整備についてであります。冒頭で申し述べましたように,身近でいつでも効果的な医療が得られることが県民の願いであり,岡山県地域保健医療計画にもありますように,「特に県北部については,高速道路網の発達等も踏まえつつ,救命救急センターの整備の検討など救急医療体制の整備を促進する」とされており,県北地域には3次救急体制の不備が指摘されて久しいのであります。国には一応の方針があるようですが,中国縦貫道や横断道など高速道路網の整備などにより,対象地域といいますか,区域は相当広範囲までが想定される現実を見ますならば,県北地域に1カ所はぜひとも救命救急センターの整備が必要と考えますが,どのように今後対処されるのか,知事の御所見をお伺いしたいのであります。  最後の第5項目目は,これからの県北医療の活性化対策,すなわち国療の存続から経営移譲へついてでございます。高度の保健医療サービスが身近なところで適切に受けられる地域医療体制の確立が県北の課題でございますが,このような観点に立ちますならば国立療養所津山病院経営移譲の問題は避けて通れない問題であります。むしろ,この問題を適切に積極的に活用することが県北医療の活性化につながると思うのであります。すなわち,先ほど存続運動の見通しについてお尋ねをいたしましたが,厚生省の一貫した姿勢からいたしますと,現実の姿として,存続よりも経営移譲へ方針転換をせざるを得ない,その方向を考えるべき時期に来ていると思うのでありますが,知事の率直なお考えをお伺いいたします。  どこが経営移譲を受けるのかは今後の課題ではありますが,何といっても県北関係地域の公共団体が中心になり,県や医師会などの応援のもとに推進することが肝要であります。仮に,地元市町村などで国立療養所津山病院という医療資源を活用し,21世紀の高齢化社会をにらんだ県北の僻地医療や3次救急を含めた高度医療供給体制を進める合意ができた場合,県としても支援を行うべきと考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。  次は,苫田ダムの問題であります。  苫田ダムは,その長い歴史の中で,今まさに一つの大きな節目を迎えているわけでございますが,これまでの経緯を顧みたとき,また現状を直視したとき,現在,建設省,県,奥津町の三者で進められております奥津町地域総合振興計画の成案化に向けての作業をこのまま続けていってもよいのかどうか,一抹の不安を禁じ得ないのであります。私は,苫田ダムの治水利水面での必要性や,ダム建設計画の影響で深刻な過疎化,町勢の衰退が進む奥津町の振興のために,県としては,国や下流受益市町ともども手厚い手だてを講じていく必要があることは十分理解しており,今日まで微力ですが私なりに声援してきたつもりであります。しかし今,県のこれまでの対応を客観的に見ますと,物事の本質に目をつぶり,面倒なことは後回しにし,とにかく奥津町地域総合振興計画をつくり上げてしまおうという姿勢が目につくのであります。このようなまず計画ありきという考え方は,すなわち,このような姿勢でのダム事業の推進は将来に禍根を残すのではないかと老婆心ながら危惧するものであります。いろいろあるかと思いますが,ここでは2点について指摘しておきたいと思います。  その1つは,昨年9月の定例県議会の直前になって,振興計画案の発表,議会への協議の申し入れが突然延期された問題であります。これは水没地権者の生活再建対策費の負担をめぐって町との調整がつかず,信頼関係に配慮して延期されたものとされていますが,一たん行政連絡協議会の場で計画案発表が決定されながら,このように急遽撤回するというまさに異例の事態になったのでありますが,これでは信頼関係も何もあったものではないと思うのであります。そこでお尋ねしますが,このような異例の状況になったことに対し,知事はどのような認識を持っておられますか。また,このような混乱が起きた責任についてどう考えておられるのか。さらにこの事態には奥津町にも多分の原因があるのですが,それについてどう思われるのか,お尋ねしておきたいと思います。  2つには,苫田ダム阻止条例といわゆる42協定の存在であります。平成2年12月,森元奥津町長は「ダム建設を前提とした条件整備の協議に入る」と表明され,その時点で事実上奥津町のダム阻止行政は終止符が打たれたのであります。にもかかわらず,ダム阻止条例と42協定は依然として廃止されることもなく,形の上では町是として厳然として存在しております。本来ならば,奥津町なり奥津町議会がみずからの判断で条例の廃止なり協定の破棄をするべきでありますが,最も肝心なこれらの処理をしないでダム問題を進めるということはまことに残念であります。これらを人質に取ったやり方は,裏を返せば奥津町の県及び建設省に対する真の意味での信頼関係がまだ築かれるに至っていないことを物語るものだと言えるのであります。私は,振興計画の早期の成案化,事業実施も重要でありますが,それと並行して,町議会を含む奥津町当局はもとより,奥津町民の信頼を得るための取り組みがもっとなされるべきだと考えます。そうでないと仏つくって魂入れずということにもなりかねません。この点について今後どのように取り組んでいかれるのか,知事の御所見をお伺いいたします。  以上,2点について触れましたが,今こそ初心に返り,未同意地権者の対策を含めダム事業の推進を図られますよう重ねて要望しておきたいと思いますし,この際奥津町関係者の皆さんにも,原点に立ち返られて取り組まれますことを特に期待したいと思うのであります。  次に,第3の項目は,倉敷芸術科学大学への助成についてでありますが,この問題につきましては代表質問で各党各会派が取り上げ,一般質問でも私を含め6人が本会議で言及しているのであります。このことは一体何を物語っているのでしょうか。実に多くの議論がありましたが,この際私も論戦に加わらせていただきたいと思うのであります。  私は,全寮制の吉備高原学園高校の設置についてもろ手を挙げて賛意を表した者の一人であり,先駆的な全人教育の実践として全国的にも高い評価を得ているのであります。かつて教育県岡山と言われたあの名声を取り戻す一つのきっかけになると期待を寄せておりますし,このような新しい試みを実行されました長野知事の決断には心からの敬意を表しているのであります。しかし,今回の特定の私立大学に県が積極的な助成措置を講じようとする提案には,余りに唐突であったこともあり,率直に申しましてびっくりしました。幾分論旨に重複があるかもしれませんが,好機会でありますので数点お尋ねいたしたいと思います。  まず第1は,倉敷芸術科学大学のどのような点を特に評価されているのかということであります。代表質問や一般質問でもほぼ同趣旨の質問がございましたが,最も重要なところでありますので,いま一度お伺いしたいのであります。教育内容,カリキュラムなどわかりやすく御説明をお願いいたします。  次に,「他の大学や短期大学が同様の受け入れ体制を整えた場合はケース・バイ・ケースで支援を考える」と答弁が先般ございましたが,これだけ思い切った施策を打ち出したのでありますから,おおむねどのような場合を想定するのか,この際明確にされるのが責務だと思いますが,いかがでしょうか。  また,この助成は,多様な教育振興の一つとして,新しい制度が創設され,これからも存続すると理解していいのでしょうか,知事のお考えをお伺いいたします。  いま一つの提案をいたしますと,来月開学される県立大学にこうした受け入れ態勢をあわせて設置することがむしろふさわしいのではないかと考えるのであります。すなわち県立大学はまさに自前の大学であり,知事がおっしゃる有為な人材を養成する場でもありますし,もう一つ突っ込んで申しますと,吉備高原学園高校の第1回卒業生は来年でありますから,1年間の間隙ができるのであり,これにはどう対処されますか,お尋ねいたします。その意味では学科新設の手続などが要るのかもしれませんが,県立大学は今春からスタートする実体のある大学でありますから,すぐ間に合うと言えるのであります。あわせて知事の御所見をお伺いいたします。  第3点目についてでありますが,今回の提案は,冒頭で申し上げましたように余りに唐突であります。長野知事は「卒業生の進路は設立時からの課題であった」と述べられていますが,これまでになぜもっと早目に対応しなかったのかと思うのであります。知事は6選後の所信の中で「県政をわかりやすく,理解されるように特に努める」と述べておられますが,このような重要施策については他の大学にも相談するなどして,十分県民に周知し,まさに理解を求めるべきだと思いますが,どうでございましょうか。  最後に,あえてつけ加えさせていただきますと,私は,今日までの長野知事の政治姿勢,知事としての高邁な見識,判断力に心から敬服しております。今回の提案についても,先ほど申しましたように,新しい時代のユニークな教育県岡山の幕あけを生み出す先兵になるのではないかと期待したいのであり,多様な教育の一つとして理解をという知事の気持ちやこの新しい助成についてわからないでもありませんが,今申したことのほかに,大きく言えば私学助成のあり方について,あるいは教育の機会均等などについて実に数々の議論がありますので,十分な検討をされ慎重な対応を特に希望しておきたいと思います。  最後は,警察行政についてでございますが,質問に入る前に一言申し上げます。  今,警察活動に対しまして県民の最大の願いは,一つには暴力団関係事犯の徹底解明とその根絶であり,いま一つは本陣山ゴルフ場疑惑事件の真相解明であります。幸いにも,我が岡山県警は犯罪の捜査や防犯,治安活動で全国的にも優秀と評価されており,県警への信頼は大きいものがありますのは皆さん御承知のとおりであります。したがいまして,暴力団対策には,法律施行1周年を迎えるに当たり今後一層の御尽力を期待するものであり,本陣山ゴルフ場問題では,先日の我が党代表質問に対して平沢県警本部長が「できるだけ迅速に捜査を進めたい」と力強く決意を述べておられますが,厳正な捜査活動が多くの県民から熱望されていますので,県警察のさらなる御活躍を冒頭心から願いまして,質問に入りたいと思います。  警察行政についてでありますが,第1点は,地域警察の活動等についてお尋ねいたします。科学化,機械化が進んでも,警察活動の原点は警察官と地域住民の触れ合いにあり,人間関係が基盤となって初めて警察への協力も確保されるのであります。複雑化する社会にあって,第一線の派出所や駐在所に勤務する地域警察官が果たす役割は今後ますます重要になってくるものと思います。地域住民に幅広く接する手段の一つにミニ広報紙と呼ばれる手づくりのミニコミ紙がありますが,これは毎月発行され,地域住民とのコミュニケーションを促進する上で大いに役立っているようです。この好評なミニ広報紙は本来管内に全戸配布が適当であろうかと思いますが,現状は何十世帯に一部という割合でしか配布できず,まだまだ改善の余地は大きいのであります。  また,地域警察官の中には,町内会行事,青少年のスポーツ指導などに非番の日でも積極的に参加しておりますし,駐在所では,奥さんも地域の婦人会活動などに加わるなど一生懸命協力しておられるという話をよく耳にいたします。こうした地域住民との触れ合い活動は勤務時間外を利用して自主的に参加し,必要な費用はポケットマネーを出しているのが実情のようです。それでも最近は,駐在所の奥さんに家族協力金や地域活動のための必要経費が支給されていますが,その額は名目だけのわずかなものであります。そこで,本部長にお伺いいたしますが,地域警察官が取り組んでおられる地域住民との触れ合い活動について今後どのように活動を促進していかれるのか,またこれに伴う個人負担の軽減措置をどのように検討しておられるのか,さらにミニ広報紙の増刷計画はないのか,以上3点について御所見をお聞かせください。県警ではせっかく「地域警察」へ呼び方を昨年変更されたわけですから,この際中身についても新しい呼び方にふさわしいものに充実させていただきたいと思うのであります。  第2点目は,派出所,駐在所の総合的な見直しについてであります。現在,県下23警察署には合計で330カ所もの派出所,駐在所が設けられ,多数の地域警察官が勤務しているのであります。社会の変化につれて,例えば,都市部を管轄している警察署では周辺地域の人口増加から従来の駐在所では仕事が困難になっていたり,あるいは主要道路の変更などに伴って派出所,駐在所の位置が不便な場所になるなど,実情にそぐわなくなっているもの,また逆に人口減少によって必要性が疑問視されるようなケースなどが相当あるように思えるのであります。そこでこの際,県下全体の派出所,駐在所の必要性,位置等について総合的に見直しをされたらいかがかと考えますが,本部長の御見解をお聞かせください。  また,私の地元津山市では一昨年津山警察署が新築移転され,従来の津山市田町にあった旧庁舎は空き家となったままであり,この跡地利用の問題もさることながら,移転後の治安対策の面で配慮いただきたいのであります。このことは以前私は一般質問でもお願いいたしたわけですが,その後どのように検討しているのか,旧庁舎周辺の派出所の見直し計画もあわせてお考えをお聞かせいただきたいと思います。  以上で私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  戸室議員の御質問にお答えいたします。  本県の地域保健医療計画は,県下5つの保健医療圏を設定をいたしまして,地域バランスに配慮しながら広域的な保健医療体制の整備を推進しておりますが,県北部は,基本的な医療の確保はできておりますものの,重篤患者を受け入れるための3次救急,あるいは高度,特殊な医療等の機能につきましては県南部に集中しておりまして,その強化が必要となっておるのであります。さらに,県北部は,県平均よりも高齢化が進行している中で,無医地区も県下29地区中25地区と多いわけでありますし,また津山・英田保健医療圏は病院の一般病床の必要数が2,294に対しまして既存の病床数が2,031と少ないのでありますから,そういう意味で僻地医療や総合的な医療体制についても一層の充実が必要であると認識をいたしておるのであります。  それから,国立病院,療養所の再編成,合理化ですが,昭和60年3月に閣議に報告されました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」に基づきまして,74の国立病院,療養所を統合あるいは経営移譲を進めておるところでありますが,国としては,そこで既に鹿児島県の国立療養所阿久根病院は地元医師会に経営移譲されております。ほかにも統合が完了したところが3カ所あると聞いております。また,統合予定で具体的に準備を進めておるものが8カ所,経営移譲について地元関係者と話し合いが進んでおるものが2病院あると聞いておるのであります。  国立療養所津山病院の経営移譲計画は,県としては,これまで地元の要望を踏まえまして,国立としての存続と機能の充実強化について要望をしてまいったところでありますけれども,国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律が施行されまして以来,有利な移譲条件が示された反面,国立として存続する限り機能の充実強化は極めて困難であると認識せざるを得ない状況になっておるわけでありまして,このままでは今後地域医療に果たす役割の強化は望みがたいというふうに考えておるところであります。  次に,県北における3次救急体制ですが,従来,この救命救急センターにつきましては,国の整備基準はおおむね人口100万人に1カ所ということになっておりまして,本県では県南に2カ所を整備してきたところであります。しかし,本県としては,高速道路網の整備発達などを踏まえれば県北にも救命救急センターが必要であるとして,国に強くその要件緩和を要望してきたところでありますが,国におきましても,本年度から地勢,交通事情等の諸条件を勘案して,必要と認められる場合にはおおむね人口30万以上の圏域について設置が認められることとなったのであります。このために,県北につきましても,地元での合意形成また受け入れ体制が整いますならば,救命救急センターの設置ということは実現すると考えておるわけでありまして,今後,関係方面に対して積極的に条件整備を働きかけてまいりたいと考えておるところであります。  それから,県北医療の活性化対策は,さきにも申し上げましたように,救急医療,それから高度・特殊医療,僻地医療など,地域の住民が安心して適切な医療が受けられる体制の強化が必要であると考えております。このために,お話もありましたけれども,国立療養所津山病院の経営移譲を受けまして,その医療資源を県北全体の医療供給体制の強化のために積極的に活用することについて地元の市町村や関係者などで合意ができて,そして地元において主体的な取り組みがなされるのであれば,県としても必要な支援を検討してまいりたいと考えるものであります。  苫田ダムでございますが,調整案の発表や議会への協議が延期されたことにつきましては,奥津町の町内情勢から延期のやむなきに至ったものでありまして,相互の信頼関係の中で,振興計画をまとめる上からやむを得ない措置であったと考えておるところであります。その後,関係者が精力的に協議を重ねました結果,本年の1月25日に県議会,町議会を初め受益市町へ説明をさせていただいたところでありまして,その間種々の形で町との意思の疎通が図られましたことは信頼関係の確立にも大きく寄与したものと考えておるところであります。  それから,町民等との信頼関係についてでありますけれども,建設省,県,町が一体となって真に奥津町の振興と活性化を目指しまして,この調整案の成案化や事業化に取り組むことが奥津町民の信頼を得るための最も有効な方策であると考えておるのであります。いわゆるダム阻止条例や42協定の問題につきましては,この調整案が成案化し,あるいは事業化される過程で町において現実的な判断がなされることを期待をしておるものであります。  倉敷芸術科学大学の評価についてのお尋ねでありますが,これまでもたびたびお答えをいたしておりますように,現代教育のさまざまなひずみが言われております中で,偏差値中心の考え方にとらわれないで,そして既存の学校になじめない生徒などに高等教育の機会を開いて新たな観点から人間教育を実施しようとする試みを評価するものでありまして,また,大学の教育内容,カリキュラムの編成に当たりましては,大学としては吉備高原学園高校の教育課程等にも十分配慮いたしまして,大学教育の効果が十分上がるものにしたいとしておりますが,いずれにしましても,具体的な内容につきましては今後認可申請の段階で固められていくものと伺っております。  他の大学等へ助成する場合ということでございますが,他大学から類似の話は現在聞いておりませんけれども,今回と同様の趣旨のお話があれば,その時点でケース・バイ・ケースで判断をさせていただきたいと考えております。つまり,新しい助成制度を創設するというよりも,大学の新増設の話があれば,偏差値教育からの脱却などその理念などをよく伺いまして,具体的なケースに応じて支援を検討していきたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。  次に,県立大学に受け入れたらどうかというお尋ねでありますが,入学定員のうちで相当数の推薦枠を設けまして,新たな観点から自由に人間教育を実施するという今回のような試みは,むしろ私学であるがゆえに思い切った取り組みができる課題ではないかと考えておるのであります。また,吉備高原学園高校の1期生は,御指摘のとおり新設大学の開学の1年前に卒業することになりますので,今後,生徒及び保護者の意向を十分把握しながら,現状のもとで可能な限り希望する道へ進むことができますように学校長とも十分協議してまいりたいと考えております。  なぜ,もっと早く対応しなかったのかという御指摘でありますが,開校1年目は,生徒のやる気の回復,能力の把握に全力を挙げておりまして,また,開校2年目を迎えてようやく生徒たちが自分のやりたいことを,熱中できることを見つけ始めてきたような状況でありまして,昨秋高校側で進路の希望を聞きましたところ,大学への進学希望が多数に上ったのであります。これらの生徒は,意欲や能力は持っておるにもかかわりませず,現状の偏差値中心の大学入試のもとでは事実上進学の道が開かれているとは言えません。そのため対応策について検討しておりましたところが,大学の新設が明らかになり,協議をいたしました結果,大学側で一定数の推薦枠を設ける方針とされましたので,これを支援しようとするものであります。新大学の設置が決定されたのが昨年の12月でありまして,大学側では平成7年4月の開学を目指してこの4月に新大学の設置認可申請を行うこととなっておりますために,今議会に提案をさせていただいたものでありまして,事情を御了解を賜りたいと思うのであります。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  戸室議員の御質問にお答えいたします。  まず,地域警察官が行っております触れ合い活動についてでございますけれども,御指摘にございましたとおり,派出所,駐在所の警察官は住民の中に溶け込んでさまざまな活動を行っているわけでございまして,こうした活動が地域の良好な治安を支える原点になっていると考えているところでございます。したがいまして,私どもといたしましては,こうした地域での触れ合い活動につきましては今後とも積極的に推進し,また可能な限りバックアップしていきたいと考えているところでございます。  次に,こうした触れ合い活動に必要な経費についてでございますけれども,現在,公衆接遇費といたしまして,駐在所には月額7,000円,派出所には月額5,000円が支給されているところでございます。しかしながら,現実には,こうした額では地域警察官が行っているさまざまな活動の経費を賄い切れない場合も多いわけでございます。したがいまして,私どもといたしましては,個人負担をさせることのないよう今後とも増額に努めてまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解と御支援を賜りたいと思います。  次に,派出所や駐在所が発行しておりますミニ広報紙についてでございますけれども,私どもといたしましても,ぜひ全戸に配布したいと考えておりますけれども,現実には時間や労力の関係でできないわけでございます。したがいまして,今後は,市町村公報紙の配布ルートを活用するなど配布方法を検討いたしまして,できるだけ多くの方に配布できますようさらに努力してまいりたいと考えております。  次に,派出所,駐在所の必要性や位置などの見直しについてでございますけれども,派出所や駐在所は建設されてから相当の年数がたっているものが多いわけでございまして,当然のことながら,その間に管内の世帯数や人口あるいは事件,事故の発生状況などには大きな変化が生じているわけでございます。したがいまして,私どもといたしましては,こうした管内実態の変化に対応した適正な配置を図るべく現在県下全域で見直しを進めているところでございます。  最後に,津山警察所旧庁舎周辺の治安対策についてでございますけれども,新庁舎へ移転いたしました平成3年9月以降につきましては,地域住民の皆さん方が不安を抱かれることのないようパトカー活動の強化などに努めてきたところでございますけれども,近くにあります大橋派出所が大変老朽化しておりますので,これの新築移転も含めましてさらに検討を進めてまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆6番(小田春人君)  皆さん,おはようございます。自由民主党県議団の小田春人でございます。きょうは大勢の皆さんに傍聴に来ていただきまして,大変ありがとうございます。  それでは,当面する県政の課題につきまして,通告に従い質問させていただきます。  平成5年度予算について,知事は,厳しい財政事情の中で,景気浮揚及び21世紀の岡山県を支える施策事業を推進するために積極的予算を編成したことを提案説明要旨の中で述べられています。一段と深刻さを増す景気低迷のてこ入れは現下の急務であり,県民の期待と要望にこたえ得る予算であると高く評価するところであります。また,大型プロジェクト,数多くの新規事業はどれをとっても将来の豊かな岡山県づくりには欠かせぬものばかりです。その中でも,直接的に産業振興,雇用の増大,財政の安定等に資する工業団地の整備は極めて大切な重要課題であります。  そこでまず,最初に,このたび新規事業で採択された井原工業団地を中心に,工業団地整備に関する知事のお考えをお伺いいたします。県営工業団地の整備状況は,昭和42年ごろから約10年間で県内7カ所建設されています。その後少し間がありましたが,昭和57年に「新時代に対応した工業振興と団地形成のあり方」と題する基本構想を策定し,加工組み立て型企業,先端技術を持った企業の導入を図るため,基本構想に基づく6団地を初め13カ所の県営団地の整備を強力に進められ,新年度,井原,高梁の2地区が新たに事業化されることが決定いたしました。特に井原工業団地は,県下最大級ともいうべき約100ヘクタールの開発計画であり,文字どおり将来のこの地域の発展に決定的影響を及ぼすものとして,地域住民待ちに待った拠点施設であり,知事の御英断に深く深く感謝しているところであります。また,事業化へ向けて一生懸命努力していただいた関係部署の職員皆様方にもお礼を申し上げたいと存じます。  私が初めて一般質問の壇上に立たせていただいたのは,平成3年9月議会でありました。その中で,井原線の沿線開発,そして地域振興,活性化の起爆剤として県営工業団地等の基盤整備をぜひともお願いしたいと提言いたしました。当時,私1人の胸の奥深くウエストグリーンパーク構想と名づけ,工業団地,住宅分譲地,公園を一体にした複合団地ができないものだろうかとひそかに願望していたことを思えば,夢のような話であります。しかも,今回の井原工業団地はその夢の実現ともいうべく,居住機能,流通機能等も含めた新しい形の複合的な工業団地を目指されており,その意味でも一石三鳥の画期的な構想であります。知事は,新しい年度に当たり,1インター1工業団地構想を打ち出され,その第1号となるこの工業団地建設の基本的考え方,ねらい,そして今後具体化へ向けての整備計画の概要について御所見をお伺いいたします。  また,井原,高梁に続く工業団地の整備も大切な課題でありますが,これからの方針についてもあわせてお聞かせください。  次に,国際交流の推進についてお尋ねいたします。最近の我が国を取り巻く情勢は,交通,通信手段の急速な発達に伴い,人,物及び情報の流れは地球規模で飛躍的に増大し,産業経済はもちろんのこと,日常生活の隅々にまで国際化の波が押し寄せてきております。また,国家間の相互依存関係の深まった現在の国際社会においては,我が国だけが平和と繁栄を享受することは不可能であり,国際社会の中で責任ある役割を果たすことが求められております。世界に開かれ,世界に貢献する日本の実現は今日的課題であり,かつて国家間レベルの問題であった国際交流も,今や全国の地方自治体,民間団体,さらには国民1人1人の問題となってきております。このような情勢の中で,近年地方の国際化が大きな政策課題として台頭し,さまざまな取り組みがなされているところであります。  中でも,本県の教育,文化,経済等の分野における国際化に対応するための総合的な機能を備えた拠点として,岡山国際交流センターが平成6年度の完成に向け鋭意建設努力がなされていることは,常日ごろ国際性豊かな人づくりを県政の重要課題と位置づけ,積極的な対応を目指す知事の姿勢と評価は高いものがあります。そこで,今年度は中国江西省と友好提携し,来年度南オーストラリア州との友好提携がなされると聞いておりますが,南オーストラリア州との友好提携のねらいと今後の展開について,知事の御見解をお聞かせください。  次に,外国人留学生対策についてお尋ねいたします。我が国では友好親善が中心的な課題となって取り組まれているのでありますが,さらに一歩踏み込んだ親善から協力への度合いを深めていく時期に来ているのではないかと思うのであります。最近における国際協力の範囲は,単に開発途上国の援助に限らず,環境保全のためや平和問題にまで発展していますが,今後さらに多くの分野での国際協力の必要性が感じられるのであります。幸い,岡山県でも学問や技術を学ぶための外国人留学生に広く門戸を開放し,地方における国際協力の一端を担っているわけであります。10年前には82人であった留学生も平成4年には418人と5倍を超えています。このことからも,よりきめ細かい対応が要請されてくるのではないでしょうか。多くの留学生は私費留学生であり,アルバイトをしないと生活できないのが現状だと聞いております。急増している私費外国人留学生についての現状と今後の対応について,知事の御所見をお伺いいたします。  次に,林業の振興策についてお伺いいたします。  昨年のリオデジャネイロでの地球サミットを契機として,森林の有する価値や機能の大切さが広く国民の間で再認識されてまいりました。一方では,この価値ある森林を支える山村地域の林業生産活動は,木材価格の長期低迷や林業就業者の減少,さらには高齢化の進行などにより停滞したままであります。このままでは適正な森林施業の実施はおろか,戦後営々と築き上げてきた人工林が順次主伐期を迎える中にあって,その施業にも支障を来すのではないかと懸念しているところであります。  そこでまず,担い手対策についてお尋ねいたします。林業労働は,厳しい条件下での重労働の割には低い賃金水準に加えて,雇用形態や就労条件も他産業に比べて立ちおくれが目立ち,事態は一層深刻化しつつあり,早急な対策が望まれております。こうした状況を踏まえ,県では,各種林業労働力確保対策に加えて,林業労働者の安全衛生や作業班員の処遇の改善等を目的に平成3年度から林業振興基金を造成,我々もその活用に大きな期待を寄せているのであります。事態を深刻に受けとめた国の方でも,来年度の地方財政計画で,都道府県が設置する担い手対策基金に対し約500億円の財政支援を打ち出したところであります。担い手対策にはこうした施策の積み重ねが大変重要と考えますが,知事は,林業の担い手の育成,確保について今後どう取り組んでいかれるのか,また,このたびの地財措置に伴う林業振興基金への追加出捐など,その活用についてどのような方針で臨まれるのか,御所見を伺っておきたいのであります。  さて,我が国の森林は,戦後の植林努力が実を結び,今や人工林が1,000万ヘクタールを超え,蓄積量は毎年約7,000万立方メートルずつふえており,その量は毎年の外材の輸入量にほぼ匹敵すると言われております。本県においても,戦後の造林成果により相当量の森林資源が育っているものと承知しております。熱帯林破壊に端を発した地球規模での森林保全が問われている今日,これからは外材に頼らない国内森林資源優先の施策を強力に推進していく必要があると思うのであります。そのためには,林道網の整備や高性能機械の導入など,作業条件の改善による生産性の高い林業の確立と県産材の需要拡大が不可欠と考えます。これらについて知事は今後どのように取り組んでいかれるのか,お伺いいたします。  次は,農政問題についてお尋ねします。  食生活をめぐる関心が,消費者の健康志向,本物志向の高まりから近年非常に高まってまいりました。これらの現象は,一面食料の現状に対する消費者の漠たる不安のあらわれとも言えます。また他方では,多くの消費者は自分が食べている目の前のものには強い関心を示しますが,その食べ物がどこでどのようにつくられたかは余り関心がないとも言われております。一例で申せば,大半の主婦は妊娠を契機として急に食料の安全性が気になり出すようであります。本県では全国に先駆けて,信頼のある独自の有機無農薬産物の認証制度をつくり,この推進に尽力されているところであり,高評価を博しています。少し危惧するのは,この認証制度については,農家の側からは労力がかかる割に収入が少ない,消費者の側からは買いたいが手に入らないといった声を聞くことであります。これに限らず,今日の社会は,消費者の求める農産物が不足し消費者の求めない農産物が過剰という,生産と消費のすれ違い現象が顕在化しているのではないかと思うのであります。この問題を解消するためには,食のあり方をまず見直し,次いで農のあり方を修正する考え方での農政を展開することも重要な時代になってきていると考えますが,農林部長の御見解をお伺いいたします。  質問の第2点は,日本型食生活の定着についてであります。日本型食生活の定着を是として大いに推進し,また推進されなければならないとする見解がありますが,その意味するところ,米を主食とする日本人の平均的食料摂取は栄養的にはちょうどバランスがとれているということであり,また日本人の体質に合っているということでしょう。本来,気候風土,農法と食は三位一体でなければならないはずであるにもかかわらず,日本では少々ばらばらの気配があり,これが食糧自給率の低下を招いている側面もあるのではないでしょうか。風土に適した農法によって生産される食料をとる食生活こそがまさに日本型食生活であり,この定着が真の農政につながらなければならないと考えるものであります。現在,日本型食生活の定着についてどのように推進しておられるのか,農林部長にお伺いいたします。  最後に,公共事業の用地確保についてお伺いします。  最近の景気低迷を打破すべく,新年度予算では単県公共事業費を前年度比30%増の260億円とするなど,景気浮揚策に対する知事の熱意と御努力に感謝するとともに,これらの事業により一日も早い県内の景気回復を願うものでありますが,この公共事業の執行を行う上で一番大きな課題は公共用地の確保ではないでしょうか。このことは毎年の繰越明許費の大半が用地補償交渉の難航によって起こっていることでも明らかであります。この用地なくしては計画の挫折ばかりか,虫食い状態を露呈し,肝心の景気に与える効果も期待できないと思うのであります。その打開策として,1,代替地の確保,2,土地収用法の活用,3,公有地拡大法などに基づく先行取得,先買権の充実,4,買収価格の引き上げや買収費への国の補助の拡大などがあると聞いておりますが,まさに各自治体にとって最も差し迫った問題は代替地の確保ではないかと考えます。  公共事業で立ち退きを迫られた地権者が補償金よりも代替地を要求するケースがふえているものの,この代替地の確保が容易ではないし,税金面での優遇措置をもっと拡大すべきだなどの声も上がっているのも事実であります。民間不動産業者のように,金に糸目をつけず代替地を買いまくるというわけにもいかないし,用地担当者は本当に苦慮しているようであります。自治体の場合,予算面,制度面での縛りがきつく,代替地の確保は容易ではないし,仮に代替地を押さえておいても,良好な代替地を求めてくるのでそのニーズにマッチした物件を提供するのは至難のわざではなかろうかと思われます。買収対象が商店などの営業関係になると選択の幅はさらに狭くなり,商店などが立地するにふさわしい地域は商業地域,近隣商業地域,準工業地域に限られてくるからであり,代替地問題は用途地域制度のあり方にまで発展していくこととなるのであります。県では,平成3年度から,代替地を確保する方策として,宅建や不動産協会に代替地のあっせんを依頼するという手法を採用しておりますが,期待したほどの成果は見られない状況と聞いております。いずれにしても,相当の用地ストックとこの代替地のスムーズな対応が図られなければ円滑な工事の進捗は望めないと考えますが,代替地の確保問題について今後どのように対応していかれるのか,土木部長のお考えをお聞きしたいと存じます。  また,土地収用法の活用についてでありますが,この法律は土地の私権制限の象徴といえる強力な法律であり,公共の利益になる事業に必要な土地等の収用または使用に関し,その要件,手続,損失補償等について規定しており,ほとんどの公共事業が土地収用の対象になるはずであると聞いております。しかし,我が国では私権優先の考え方が強いこともあって,伝家の宝刀がなかなか抜け切れず,この結果ほとんどの公共用地取得はいわゆる任意買収によって行われていると聞いております。一方,土地収用を行うには,説得期間も含めると一,二年は優にかかる長丁場となります。また事務作業も大変であります。そこで土地買収に時間がかかるという現状は何らかの形で改善する必要があると考えますが,土木部長の御見解はいかがでしょうか。  また,大方の関係者の理解が得られた段階でも,なお特定の少数者の反対により貴重な社会資本の形成が阻害されると判断するときは,土地収用法の活用も積極的に行う必要があると思いますが,あわせて土木部長の御見解をお伺いいたします。  非常に困難な問題について質問いたし,恐縮に存じますが,昼夜を分かたず頑張っていただいている用地関係者の御労苦に心より敬意を表する意味を込めてのことと御理解ください。  以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  小田議員の御質問にお答えいたします。  最初に,井原工業団地についてでありますが,これは山陽自動車道のインターチェンジに近い井原市岩倉地区に,井原線沿線開発を視野に入れながら県西部の核となる産業と人の集積拠点を設けようとするものでありまして,流通や居住機能もあわせ持つ複合的な工業団地として整備をしてまいりたい。そして,高度加工組み立て型企業等地域一帯へ大きな波及効果が期待できる優良企業を導入し,その集積に努め,県西部地域の産業の充実を図ってまいりたいと考えております。具体化に当たりましては,地元の御理解,御協力をお願いをするわけでありますが,そういう中で用地買収を急ぐなどいたしまして,早急な実現を図ってまいりたいと思いますので,どうぞよろしく御支援,御協力のほどをお願いをいたしたいと思います。  今後の工業団地の方針でございますが,広域交通ネットワーク整備に伴う本県の地理的優位性を最大限に活用をいたしまして,高速道路の沿線に1インター1工業団地を目標に計画的な配置を進めてまいりたい。そして,地域的にも業種的にも均衡のとれた産業構造の確立を図っていくことにいたしたいと思っておるところであります。  国際交流の関係で,南オーストラリア州との友好提携についてでありますが,昭和59年の,本県の水島港と南オーストラリア州のアデレード港の姉妹港縁組を契機といたしまして,本県と南オーストラリア州は教育,文化などさまざまな面で交流を重ねてきたところであります。昨年の3月に,南オーストラリア州から県と州の間の友好提携に発展させてはどうかという提案がなされまして,このたびさらに交流の拡大,またその充実を図りますために友好協定を締結することにしたものであります。本年5月には,南オーストラリア州のアーノルド首相を初めとした同州からの友好訪問団を本県に迎えまして,協定書に調印をいたしまして,また秋ごろには,本県から南オーストラリア州へ幅広い分野の方々から成る友好訪問団を派遣をする予定でございます。今後は,南オーストラリア州側から強い希望のあります経済交流を初めといたしまして,技術,観光,スポーツなど,交流の分野を広げますとともに,県内の市町村や教育機関,各種団体等による交流をふやし重ねていくことなどによりまして,南オーストラリア州との友好交流を一層深めまして,世界に開かれた岡山の実現を図ってまいりたいと考えております。  それから,外国人留学生対策でありますが,お話のとおり,外国人の留学生は最近急激にふえておりまして,そのうち6割を超える263人が私費による留学生でございます。しかし,私費留学生というのは,本来生活に必要な経済的条件を満たすということが前提で入国が許可されておるのでありますけれども,岡山県としては,勉学に専念してもらう一助といたしまして,私費留学生を対象に平成元年度から奨学金制度を設けておりまして,平成5年度は月額1万円を増額をいたしまして3万円にいたしたいと考えております。  また,財団法人岡山県国際交流協会では,情報相談コーナーの設置や留学生の意見交換会の開催など留学生の生活支援をいたしておりますほか,その他の民間団体でも奨学金の支給などの御協力をいただいておるところであります。大学,経済団体,国際交流団体等の協力を得まして,留学生が学業に励めるような条件づくりに今後とも努めてまいりたいと考えております。  それから,林業の担い手確保でございますが,労働力の中心となる森林組合の作業班員は昭和62年に約1,400人でありましたものが,平成3年には約1,000人へと減少しております。しかもまた高齢化もお話のとおり進んでおりまして,労働力の確保が重要な課題でございます。このために,高校生の林業体験学習による新規参入の促進でありますとか,あるいは林業試験場での作業士の養成研修,あるいは就労の広域化などによりまして,労働力の確保に努めるというようなことも努力をしております。  また,森林組合作業班員の処遇改善のために,昨年度設立されました林業振興基金に県も造成額3億円のうち半額を出捐して支援をいたしておるところでございます。国の財政措置による基金造成につきましては,現行の林業振興基金の拡充のほかに,新たな基金制度の創設などについてもいろいろと関係団体からも要望がございますから,これらにつきましては関係団体と協議しながら,総合的な担い手対策に資するようにひとつ今後検討してまいりたいのであります。  それから,現在の林道の延長は約1,700キロメートルでありまして,平成7年度までに新たに200キロメートルを開設する計画で鋭意取り組んでおるところでございます。次に,作業条件の改善のための高性能機械は,現在県下に5台導入されておりますが,今後も,導入について積極的に支援をしてまいりますとともに,林業試験場に枝払いとか切断が同時にできる機械等を導入するなどしまして,オペレーターの養成研修にも努めてまいりたいのであります。  また,県産材の需要拡大につきましては,これまでも公共施設などを中心に積極的な利用を進めておりまして,昭和59年度には約120件で3,000立米でありましたが,平成3年度には約400件で6,800立米に拡大をしております。また,県産材利用住宅の建築には年間110件程度の利子補給をいたしておるところでございますが,木材のよさ,木造建築のすぐれた点を広く県民にPRをいたしまして,また新年度からは「森と木のつどい」を開催するなどいたしまして,積極的に県産材の需要拡大に努めてまいりたいと考えておりますので,よろしく御協力をお願いしたいと思います。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  食生活をめぐる関心についてでありますが,消費者のニーズが,新鮮で安全,そして健康志向など多様化する中で,最近では輸入農産物の安全性の問題やらバランスのとれた栄養の摂取,飽食の時代を反映いたしまして,その食べ残し,食のマナーなど,食生活のあり方が問われております。お話の食の見直しと農業のあり方についてでありますが,御飯を中心とした日本型食生活の定着を図るとともに,消費者ニーズを踏まえた有機無農薬農産物づくりの推進,「朝日」などのうまい岡山米や果物,野菜の生産振興,さらには農業体験など消費者との交流を促進して,農業や農産物への理解と関心を深めるよう努めているところでございます。新年度からは,地域ぐるみで取り組む有機無農薬農業の里づくりや棚田天然米産地の拡大など,消費者に喜ばれる農産物の一層の生産振興と健康で豊かな食文化を創造して,活力あふれる農業,農村の振興を図り,農業の復権に努めてまいりたいと考えております。  また,日本型食生活の定着についてでございますが,日本の食事は主食と副食の区別がはっきりしており,御飯を主体に畜産物や水産物,野菜など多くの種類の副食が組み合わされておりまして,栄養のバランスがすぐれていることから,欧米諸国からも高く評価されているところであります。県では,こうしたすばらしい日本型食生活の定着を図るため,若い女性を対象といたしまして,うまい岡山米を中心に地域の農産物を組み合わせた郷土料理の講習会や親子の食体験の教室などを実施し,その啓発に努めているところでございます。今後とも,健康で豊かな食生活の実現を図るため,家庭や職場,学校などあらゆる場で,地域でとれた新鮮で安全な農産物を使用した食事の普及に努め,日本型食生活の一層の定着を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  公共事業の用地確保についてでございますが,代替地の確保につきましては,まず地元事情に精通しております市町村,農協などとの連携を密にするとともに,不動産団体の協力によります代替地媒介制度の一層の活用を図りながら,代替地情報の収集,取得に努めてまいりたいと考えております。さらに,県,市町村の土地開発公社へ代替地の確保を要請するとともに,国,地方公共団体の未利用地を代替地として有効に活用するなど,多様な方法を講じてまいりたいと考えております。  なお,農地転用の要件緩和や税制面の優遇措置等につきまして,国へ強く要請しております。代替地供給のための条件づくりにも努めてまいりたいと考えております。  それから,用地取得事務の改善についてでございますが,効率的な用地取得を進めるためには,まず事業計画に当たりまして,工事計画と用地取得計画との綿密な調整が不可欠でございます。そのように考えておるわけですが,このため年度当初に,工事担当者と用地担当者の調整に基づきます用地取得計画を作成するよう振興局を指導しているところでございます。また,用地の先行取得は,用地取得事務の改善という立場から見ますとより効果的でございますので,用地国債など用地先行取得制度の積極的な活用によりまして,用地保有量の早期確保に努めてまいりたいと考えております。さらに,業務量に応じた人員の配置や職員の資質向上に努めますとともに,地元市町村への体制面での協力要請などの総合的な対策によりまして,用地取得の促進を図ってまいりたいと考えております。  最後に,土地収用法の活用についてでございますが,県といたしましては,できる限り任意交渉により地権者の合意を得るべく努力しておるところでございますが,それでもなお地権者の同意が得られないものにつきましては,土地収用制度を適正かつ迅速に活用いたしまして事業の促進に努めているところでございます。  なお,建設省におきましては,昨年事業認定申請マニュアルを作成しておりまして,従来1年程度かかっておりました事業認定に要する期間を半分程度の6カ月に短縮するなど,簡素化が進められているところでございまして,今後,土地収用制度のより効果的な活用が期待されているところでございます。  以上でございます。 ◆9番(阿部寿満子君)  通告に従い,質問をさせていただきます。  昨年10月,激戦の知事選を見事にかち取られた長野知事におかれましては,過去20年間の実績をもとに,長年にわたって取り組んでこられた岡山の郷土づくりをさらに発展させるべく12月1日,6期目最初の定例会会議に臨まれたのであります。しかし,出鼻をくじかれるかのように,その前日,本陣山ゴルフ場の問題が突如として新聞に報道され,全県下を駆けめぐりました。私は,行政の対応として不正な行為はなかったものと信じておりますが,今日まで終結を見ないまま推移していることを残念に思うものであります。  また,当岡山県議会のみでなく,全国的にもその名が通っておられた伊藤大孝県議の御逝去は,県行政の進展に多大の影響があるのではと案じるものであります。  私は,県議会に上がらせていただいてまだ日の浅い新人議員でありますが,長野知事を初め県職員の皆さんが,県民の幸せのために一生懸命取り組んでおられる姿に接し,敬服しているのであります。しかし,苫田ダム,人形峠のウラン開発,チボリ公園問題などに見られるように,長年にわたってもすっきりしないものがあり,とても残念に思っております。  また,岡山市が計画している水と芸術の公園構想,西大寺五明地区の高付加価値型企業集積団地に複合のごみ焼却場,津山市の作陽音楽大学移転などに反対する運動が見られますが,これらは単に一部の人の集団だけでなく,与党県議会議員までも動かすものとなりました。また,次のような事態も起こっていると伺っています。それは,ことし4月から県並びに各市町村で老人保健福祉計画の策定が義務づけられ,各市町村ではこの計画に着手しているのでありますが,ある町村では対応に苦慮し,民間のコンサルタント会社に依頼しているとのことであります。  これら一連の事柄を見ますとき,県当局と県民,市民との意思の疎通が欠けているのではと思わずにはおられません。私は,長野知事が,さきの選挙中から既に申されており,当選後はさらに強く方針として述べられている,県民との対話を多く持ちたいということを頻繁に実施され,知事の方針が県民に伝わると同時に,県民自身も,自分のこと,郷土岡山のこととして考え,取り組む姿勢を育てる必要があると思うのであります。個性化が望まれる今日,県民すべてにわたる満足は不可能でありますが,お互いに住民同士が譲るべきところと守られるべきところを理解し合い,そして全体が調和のとれたものになるよう1人1人の心がけが必要と思われます。また,急速な経済成長が望めない今日,施設の新設ばかりを求めるのではなく,既存の施設の利用状況を見て効果的なあり方を考えていかなければならないと思います。こうしたことから,落合町の楽しもう課の活動や,3月1日朝のテレビで放映されていた鳥取県東伯町八橋駅の無人駅と託老所のセッティングなどは,これからの地域づくりの姿を先取りしていると言えましょう。今回提案されている平成5年度当初予算は,厳しい財政状況の中でありますが,下水道対策,精神障害者対策,看護婦確保対策等,県民生活の身近なところへ知事の細かい心配りがなされており,評価できるものであります。  そこで,さきに申し述べましたように,県の方針を県民に知っていただくためと,県民自身にも前向きにお考えをいただくために,本日は現在進行中の諸施策の中,特に保健医療,福祉に関係のあるものを中心に幾つか取り上げ,進捗状況や今後の取り組みについてお伺いいたします。  まず最初は,高齢者総合福祉対策について,数点知事にお尋ねいたします。  第1点目は,岡山県老人保健福祉計画策定についてであります。平成5年度中に老人保健福祉計画を策定することが義務づけられ,県では27名の委員を委嘱し,去る2月12日第1回の懇談会が開かれたと聞いております。高齢者問題は,女性の問題と言ってもよいほど女性にかかわりが深いものであり,委員にはぜひ女性の登用をと願っていましたが,メンバーの構成を見ますと8名の女性が加わっており,高く評価しているところであります。  そこで伺いたいのでありますが,具体的な県計画の策定のめどと,一般県民の意向を取り入れて策定されるべきと考えますが,具体的な意見聴取はどうなっているのでしょうか,お伺いいたします。  また,計画そのものは単なる啓発とか単発的な行事だけでなく,在宅老人の日常生活そのものを支え,自立を促すものでなければならないと思いますが,どのようなものを目指しておられるのでしょうか,お伺いいたします。  さらに,市町村における老人保健福祉計画策定の取り組みについて,県の指導体制についてもお伺いいたします。  第2点目は,ホームヘルパーの養成についてであります。高齢者の福祉対策は緊急の課題である今日,あらゆる機関,地域において公共,民間を問わず積極的な取り組みがなされており,好ましく思っております。しかし,いずれの部署でも,悩みの種はマンパワーの不足であります。単に人が得られないからというだけで外国の人にお願いしているところもあるようでありますが,私自身は,まず自分の国,地域の問題としてとらえ,地域の皆さんで真剣に考えなければと思います。介護福祉士の養成は,高校卒業者が基準であり,2カ年の教育が必要でありますが,これらの人を支えるホームヘルパーは,一般の家庭の主婦やパートで働いている女性,また女性に限らず男性にも教育は可能であります。そこで,現在実施されている機関,すなわち農業協同組合やNHK学園に委託したり,新たに関係団体に委託するか,県独自に養成を開始してはどうかと思うのでありますが,御所見をお伺いいたします。最も短い3級コースでは40時間となっていますので,県職員の週休2日の利用とライフプラン対策事業等との関連で実施するのも妙案と思いますが,いかがでしょうか。県民すべてが介護の方法を学んでおれば,家庭において介護が必要になったとき,直ちに役立てることが可能であるとともに,就職にも効果的と思います。また,老人ホームや在宅など現場で介護の実施をすることは大変意義深いものと考えますがいかがでしょうか,御所見をお伺いいたします。  余談になりますが,民間の福祉サービス機関の人に聞いた話によりますと,在宅介護のために月8万円ぐらいまでは自己負担をしてでもヘルパーを要望されることがあり,少しでも多くのヘルパー養成を望んでいるということでありました。積極的なヘルパーの養成を期待するところであります。  第3点目は,老人訪問看護ステーションについてであります。昨年4月に発足したばかりの新制度でありますが,12月末の設置状況は,全国レベルで143ステーションと伺っています。岡山県下では,3月1日にオープンした岡山市医師会のステーションを加え,既に9ステーションとなりました。これは,他県に比べ早いペースで進んでおり,心強く感じているところでありますが,県民の反響はどんなものでしょうか。これら施設の利用状況が気がかりであり,現在の利用状況とあわせて今後の県の取り組みをお伺いいたします。  さらに,制度の充実を図るには,一般県民を対象としたPR,医師会や病院への働きかけも重要と考えますが,これまでの対応と今後の取り組みについてお伺いいたします。  第4点目は,在宅介護支援センターについてであります。平成5年度予算には,在宅介護支援センター運営事業として昨年度予算を大幅に上回る額が組まれており,在宅福祉の充実強化を目指す県の姿勢を高く評価するものであります。過疎,高齢化が急速に進む現在,当制度の活動に大きな期待を寄せているところでありますが,現在の開設状況と利用の実態についてお伺いいたします。  また,店は開けど客はなしというセンターもあるやに聞いております。そこで,一般県民への周知が必要と考えますが,啓発活動の取り組みについてもお伺いいたします。  次は,新しい施設の整備について知事にお伺いいたします。生涯を通じて県民1人1人の健康の増進と保健医療の進展に適切に対応するための看護職員の研修並びに広く障害を持った人々への総合福祉の充実を目指して新しい活動の拠点整備が進められており,早期実現が待たれるのでありますが,これら施設整備の取り組みについてお伺いいたします。  第1点目は,健康増進中核拠点施設についてであります。この施設は,平成3年に策定された第4次岡山県総合福祉計画に盛り込まれているものであります。平成3年12月に,基本計画策定費として500万円が補正計上され,このとき知事は県北にも設置したいとの意向を表明されております。その後,平成4年には2億円の設計費が予算化され,平成5年度は1,080万円となっておりますが,これまでの取り組みについてと今後の方針をお伺いいたします。  第2点目は,県立看護研修センターについてであります。今日,社会的な問題にまで発展している看護問題の解消には人材確保が急務であり,職場定着や養成力の強化を図るとともに,あわせて潜在化している看護婦の掘り起こしと,現任者をあわせた卒後の継続教育が求められております。こうした中,県として独自に看護研修センターの建設を企画されたことはまことに時宜を得たものであり,他県に類を見ない画期的な取り組みが高く評価されるところであります。建設場所は岡山市兵団を予定しているようでありますが,今後の建設スケジュールはどのようにお考えでしょうか。さらに,運営方針についてもあわせてお伺いいたします。  第3点目は,新総合福祉会館の建設についてであります。現在の岡山県総合福祉会館は,十数年前に建設されたものであり,かつ当時から福祉関係者の間では少々手狭とも言われていたようであります。建設後の福祉の需要は急激に増大され,新しい土地に新総合福祉会館の建設が求められていたところ,県においては早速に建設準備に取りかかるべく平成5年度の当初予算に1,000万円の基本構想策定費が計上されたところであり,今後に大きな期待を寄せるものであります。つきましては,広く福祉関係者の要望等も取り入れ,利用に便利なものになることを願うものであります。  岡山県庁の視覚障害者用歩道ブロックの色,岡山市が建設整備中の触れ合いセンターの視覚障害者用歩道ブロックの不備,また車いす用通路,廊下手すりの不備等を繰り返さないよう十分配慮されるとともに,身体障害者のための更正センター機能はもとより,精神障害者社会復帰支援機能等も備えた総合的な福祉会館構想を進めていただきたいと考えますが,御所見をお伺いいたします。  次は,潜在看護婦の活用について,環境保健部長にお伺いいたします。看護婦不足解消の手段として潜在看護婦を活用するため,昭和49年から各県にナースバンクを設置し,潜在看護婦の登録を行い,無料職業紹介事業が開始されています。そしてこのたび,看護婦等の人材確保法に基づき,ナースバンク機能の拡大と強化を図るため,ナースセンターに改組されたところであります。我が岡山県では,ナースバンク設置当初から看護協会に業務を委託し,かなりの実績を上げており,最近では県北等にも出かけて行う移動相談事業を実施するとともに,コンピューターを導入して紹介事業の改善を図っているとのことであります。しかし,人材不足が深刻な今日,さらにきめ細かな対策を積極的に実施されたいと考えますが,県の方針についてお伺いいたします。  次は,女性県政アドバイザー制度について,知事にお伺いいたします。人類の2分の1は,言うまでもなく女性であります。にもかかわらず,これまで多くの国の社会構造は男性優位の仕組みとされていたのであります。近年ようやくといいますか,女性の社会進出が増大し,その能力が高く評価されるようになってきたのであります。国の方針としても,男女共同参加型社会の実現を目指した政策がとられ,岡山県においても男女平等をめぐる啓発,教育,女性の社会参加の促進のための施策が実施され,また女性活動推進拠点づくりについて着手しようとしており,実現が待たれるところであります。  県では,昨年7月,広く女性の視点から政策提言や意見を県政に反映させるため,女性県政アドバイザー制度が開始されております。まだ日が浅く,その成果もこれから出てくるものと考えますが,これまでに出された意見や,その傾向はどのような内容なのか。また,せっかくの意見をどのように評価し,県政にどう反映させていかれるのか,あわせてお考えをお聞かせください。  最後の質問として,エイズストップ作戦について環境保健部長にお伺いいたします。エイズの蔓延は,欧米及びアジア諸国を初め,世界的に深刻な状況であります。我が国では,エイズ患者の発生は今なお少数にとどまっているものの,感染者の急増,異性間感染の増加など新たな局面を迎えていることから,昨年3月エイズ対策関係閣僚会議において,従来のエイズ問題総合対策大綱が改正され,取り組みの強化が図られたところであります。このような関係機関の心配は早速現実のものとなり,昨年報告された患者,感染者数は前年の2倍と急増し,抜本的な対策が急がれ,国も大幅な予算アップを図り,対処することにしております。本県でも,こうした背景のもとに,平成4年度の当初予算381万7,000円に対し,5年度では昨年の8倍を超える3,130万4,000円を計上し,エイズに関する正しい知識の普及啓発の拡充,相談検査体制の充実,医療対策など総合的なエイズストップ作戦の展開が計画されており,今後の取り組みに期待を寄せているところであります。  そこで伺いたいのでありますが,このエイズストップ作戦の本拠地は保健所が中心になると思われますが,こうした施策推進に係る体制づくりはどのようにお考えでしょうか。職員の配置などについてもお伺いいたします。  また,感染を防止するには啓発活動が欠かせないものと思いますが,最も集団指導が実施しやすい企業とか地域団体への知識の普及啓発はどのように考えておられるのか,伺います。  さらに,講師を派遣しての出前研修も計画されていると聞いておりますが,申し出のあるところだけの対応でなく,どの企業にも研修を義務づけるなど,より積極的,強力な対応が必要と思いますが,御所見をお伺いいたします。  さらに,学校でのエイズ教育についてはどう取り組まれるのでしょうか。このことについては,教育長にお伺いいたします。  以上をもちまして私の質問を終わります。どうもありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  阿部議員の御質問にお答えいたします。  老人保健福祉計画の策定は,その目標を来年度中としておりまして,その策定に当たりましては,保健,医療,福祉の関係者などから成る策定懇談会を設けるなど幅広く県民の意見を聞いてまいりたいのでありますが。また,この計画は,在宅の高齢者に対しまして,各種の保健福祉サービスを総合的,しかもまた継続的に提供できる体制を整備することを目指しておりまして,広範な在宅支援施策を盛り込んだ計画としてまいりたいのであります。  次に,この指導体制でありますが,県の本庁や各地方振興局に計画担当の職員を配置いたしますとともに,保健及び福祉の関係職員から成る策定検討会議を設けまして,市町村計画の円滑な策定を指導をしておるところであります。  ホームヘルパーの養成でありますが,県では,岡山高等技術専門校及び津山技術訓練センターに福祉ヘルパー科を設けまして養成を行いますとともに,本年度から津山コミュニティー学院や岡山県農業協同組合中央会などで行う研修事業を,ホームヘルパー養成研修3級課程に指定をいたしまして,その養成に努めておるところであります。また,来年度からは,地方振興局で研修事業を実施をいたしまして,全県的にホームヘルパーの養成確保を図ることにいたしております。  それから,県職員のホームヘルパー研修の受講ということにつきましては,ライフプラン対策としても大変有益なことだと考えておりまして,職員に対しましてもその啓発に努めてまいりたいと思います。  また,高齢化が進展する中で,県民すべてが介護の方法を学ぶということは大変有意義なことでありますので,現在,岡山県福祉人材情報センターや市町村社会福祉協議会等でも,一般の県民を対象とした介護実習講座などが開催されておるところでありまして,今後とも,その充実に努めてまいりたいと考えております。  それから,老人訪問看護ステーションでございますが,本県は,全国の中でも早いペースで設置が進んでおりまして,現在9カ所で約190人のお年寄りが利用されておるのでございますけれども,大変好評だというふうに聞いております。また,今後,県内全域にきめ細かくステーションを設置をするということにいたしますために,来年度から新たに過疎地域などでステーションを開設する場合の助成制度を設けることにいたしておるのでありますが,制度の普及につきましては,各保健所等を通じまして一般の県民への情報提供を行いますほか,医療機関あるいは関係団体に対して積極的な取り組みや支援を働きかけてまいりたいと考えております。  それから,在宅介護支援センターでありますが,現在19カ所で開設されておりまして,在宅での介護方法あるいは施設の利用方法,介護機器の相談などが行われておりますが,本年度の利用実績は,昨年12月の時点で1万381件,1カ所当たりにいたしまして月平均約69件であります。県,市町村におきましても,広報紙や啓発パンフレットによりましてPRに努めておりますが,今後とも,多様な広報媒体を活用しまして,一層の利用促進を図ってまいりたいと考えております。  それから,健康増進中核拠点施設は,昨年の8月に南北施設の基本計画を策定をいたしたところでありますが,岡山市平田に建設する南部の施設につきましては,現在基本設計に取りかかっておるところでありまして,来年度は実施設計にあわせまして施設の運営計画を策定をすることにいたしておりまして,平成8年度オープンを目標に作業を進めておるところでありますが,北部の施設につきましては,建設地などの検討を進めておるところでありまして,地元の意向も十分に聞きながら,早期の具体化に努めてまいりたいと考えております。  それから,県立看護研修センターは,ここでは看護職員の活躍の場の拡大や,医療や看護の高度化に適切に対応いたしますために,看護職員の研修を生涯にわたって体系的に実施していこうとするものであります。その具体的な運営方針につきましては,来年度できるだけ早いうちに県内外の看護や医療に関する有識者等による検討会を設けまして,御意見を伺いながら成案を得まして,そしてこれを踏まえて,施設の実施設計も行いたいと考えております。  総合福祉会館は,これからの高齢化社会に対応した福祉活動の総合的な拠点施設として整備していきたいと考えておりますが,今後,建設検討委員会を設けまして,幅広く関係者等の御意見をいただきながら,その機能,それから規模等について検討を進めることにいたしております。建設に当たりましては,お話もございましたが高齢者や障害者の方にも利用しやすい施設となりますように,十分配慮してまいりたいと考えております。  それから,女性県政アドバイザー制度でございますが,アドバイザーの皆さんから2月末日までに171件の御意見をいただいております。その内容は,女性の日常生活とかかわり合いのあるごみの分別収集あるいは空き缶処理などの環境に関するものが一番多く,全体の約22%を占めておりますが,次いで学校週5日制や青少年の健全育成など教育関係が18%,それから在宅介護などの福祉関係が14%ということになっております。これらの御提言は,いずれも日ごろの地域活動に根差したきめ細かい御意見が多いのでありますが,このうちで学校週5日制に対する地域での取り組みの支援とか,あるいは不用となった車いすの活用システムなどの御提言は直ちに実施に移すことにしておりまして,その他につきましても,その趣旨を酌んで積極的に県政に反映させてまいりたいと考えておりますので,これからもよろしく御支援,御協力をお願いをいたしたいと思います。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  潜在看護婦の活用についてでございますが,未就業看護職員の再就業をより強力に促進するため,本年2月,従来の岡山県ナースバンクを,新たに制定されました看護婦等の人材確保法に基づくナースセンターとして指定いたしまして,再就業に関する相談やあっせんを行う相談員等の体制を拡充したところでございます。  事業の内容につきましては,県の実施しております離職者実態調査による離職者の声などを踏まえまして,就業相談あっせん,再就業のための研修,就業後の相談等,よりきめ細かく行っているところでございます。今後とも,再就業を促進するため,医療機関に対しまして働きやすい職場づくりなど処遇改善の指導を行いますとともに,看護職員が気軽に相談できるようナースセンターの拡充を図ってまいりたいと考えております。  次に,エイズストップ作戦につきまして,体制づくりでございますが,御指摘のとおり保健所を地域の推進拠点としまして,総合的なエイズ予防対策を進めることとしております。具体的には,岡山,倉敷,津山の3保健所におきましては,検査相談窓口を毎日開設するとともに,相談電話が直接エイズ相談担当者につながります健康・エイズホットラインを設置いたしまして,また全保健所において匿名方式による無料抗体検査を実施するなど,保健所の検査と相談体制の充実を図ることといたしております。  人的な体制整備でございますが,相談担当職員の研修の充実により質的向上を図りますとともに,相談窓口には専任職員を配置する等,推進体制の充実を図ってまいりたいと考えております。  最後に,エイズストップ作戦についての啓発活動でございますが,企業や地域団体に対する啓発活動につきまして,各種企業,ライオンズクラブ,ロータリークラブ,農協婦人部等の関心は相当高いものがあると考えております。本年度も,これら企業や団体の要請にこたえまして,既に134回の集団啓発活動を行ったところでございます。  エイズの感染防止のためには,正しい知識を身につけ,節度ある行動をとるとともに,感染者に対する偏見の除去が大切であると考えておりまして,来年度は,企業や地域など啓発対象者の特性に合った形で専門の講師団を編成するなど,さらに効果的な啓発活動を展開してまいりたいと考えております。  企業への研修につきましては,既に各種団体や企業等から講師派遣要請が多く寄せられておりまして,関心も十分盛り上がっているところでございますが,今後,県からも積極的に働きかけを行うなど,啓発活動の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  阿部議員の質問にお答えをいたします。  エイズ教育についてでございますが,児童生徒に正しい知識と理解を深めさせることが重要でございますので,先般,国が作成したリーフレットを,全高等学校の生徒に配布をし,保健の時間やホームルームなどで指導をしてきたところでございます。来年度は,新たに中学生向けのリーフレットや,高校生用ビデオ教材も配布をする予定でございます。  教師に対しましては,昨年末,文部省が改訂をいたしました指導の手引書を配布いたしますとともに,講習会を開催をし,指導力の向上に努めているところでございます。  さらに,児童生徒の発達段階や学校の実態などに応じた効果的な指導のあり方につきまして,実践発表や研究協議を行いますなど,エイズに関する指導研修会の開催を計画しておるところでございます。  また,エイズ教育を効果的に進めますためには,家庭や地域との連携が重要でございますので,今年度から行っておりますモデル地域におけます研究実践を引き続き進めることとしております。今後とも,学校におけるエイズ教育の一層の推進に努めてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆19番(岡本俊彦君)  皆さん方にはお疲れのことと思いますけれども,本議会で質問の機会をいただきましたので,この機会に知事並びに部長にお伺いをいたします。若干質問も重複をするとは思いますけれども,お許しをいただきたいと思っておるわけであります。  それでは,通告をいたしておりますように,通告順序に従いまして順次質問させていただきたいと思います。  まず,チボリ公園の問題についてお伺いをいたします。バブルの崩壊によって,この間続いてきた景気が急速に減速し,複合不況と呼ばれる状況にあり,地方自治体もかつてない厳しい財政状況の中で,県も当初予算に見られるように,県税収入の落ち込み,大幅な県債と,過去最高の基金取り崩しによる財源確保となっており,県に対しましても効率のよい財政運営を望むものであります。  そこで,具体的にお尋ねをいたしますが,チボリ公園の資金計画がこのたび明らかになりましたが,チボリ・ジャパン社の増資分に県は30億円出資し,さらに低利融資に70億円,計100億円を新たに支出するチボリ・ジャパン社が,クラボウに払う地代を県が保証するという計画であり,チボリ公園の建設運営はあくまでも民間主導で進めるべきであると,これまで社会党は主張してまいりました。県のチボリ公園の基本的な考えは,まさに常軌を逸しており,県民の税金を充てる以上,公益性の節度が求められると思うのであります。県は,側面的な指導助言,協力と公益節度の範囲,すなわち民間資金の呼び水を誘う程度の配慮でなければ広く県民の支持が得られないし,地方公共団体の使命を踏み外すことにもなりかねないと思いますが,民間資金の見込みが薄いため,呼び水の先導的役割を飛び越えた出資金の増資,地代の肩がわりと低利融資,それに加えた損失補償は,なりふり構わぬ狂気と県民に受けとめられても仕方がありません。自制,自戒を求め,見直しをすべきだと思いますが,これは民間資金が思うように集まらないという裏づけであり,証左と思います。言いかえると,採算性永続性が怪しいと民間企業は見ているのではないでしょうか。採算性の見通しはどうか。将来経営が悪化したり,倒産したときはだれが責任をとるのか,お伺いをしておきたいと思います。  クラボウは,土地は貸すけれども資金参加はしないと言われており,すなわちリスクは負わないという態度でありますが,クラボウとしても,経営実態を把握しておくためにも,一定の株主になるのが常識であると思いますが,クラボウは全く資本参加しないのか,お伺いをしておきたいと思います。  県は,倉敷市の出資は求めないと言う。チボリ公園は公益性があると認める以上,地元の倉敷市にとっても公益性があるはずで,倉敷市は出資しなくてもよいということは,県民にとっては理解ができない。知事はどう説明されるのか,お伺いをいたしたいと思います。  同じような玉野スペイン村は,これまでの努力にもかかわらず挫折しようとしており,よい教訓ではないかと思うのであります。民間企業が,資本参加するときは,経営陣,事業内容,担保の確実性を考えるものであり,どこにそれほどの魅力があるのか,お伺いをしておきたいと思います。  回収ウランについてお伺いをいたします。回収ウランの我が党の代表質問に対して,知事の答弁についての疑問点を,環境保健部長にお尋ねをいたします。  まず,環境放射線専門家会議のメンバーについてでありますが,内外の権威者を選任し,広く国際社会に受け入れられる知見をもとに審議されたが,その審議内容は,動燃に対して疑問を提示し,回答を求めるというような態度で進められており,別に権威者でなくてもよかったのではないかとの疑問を持たざるを得ません。県民の不安の具体的な声を委員の皆様方が本当に代弁したのか,かえって低いレベルでの安全で納得をしているのではないか,お伺いをいたします。  県は,動燃の対策が確実に実施されれば安全は確保できるとしておりますが,川崎医科大学の望月学長が指摘された,既に大気中にあるプルトニウムと影響を区別するために,対照地域を設置することについて,人形峠の既設の施設及び動燃の全国の原子力施設にも同様の対照地域を設けチェックするのか,こんなことが本当にできるのか,具体的にお伺いをいたします。  また知事は「回収ウランの分析過程における第三者機関の関与」と答弁されておりますが,第三者機関とはどのような機関を想定されているのか,分析の能力が果たしてあるのか,第三者機関が介在することを動燃が許すのか,お尋ねをいたします。  そして「不測の事態に対応した,訓練を強化すること」と言っておられますが,訓練とは,どのような組織をもってどの範囲で対応されるのか,吉井川流域住民を含めた訓練を考えておられるのか,お伺いをいたします。事故が起きても,動燃職員だけは安全でしたでは済まされないと思うのであります。  次に,専門家会議の位置づけであります。世界的に原子力政策の流れは全然考慮されていないと思うのであります。イギリスの再処理工場は,周辺にプルトニウムを巻き散らし,ドイツでは建設が中止され,最近アメリカのクリントン大統領は,経済政策の中で「原子力研究開発のような,不要な支出計画は廃止する」と,クリーンエネルギーの開発に移行し,またアメリカの原子力会社は再処理を断念しております。  知事は,核燃料サイクルの根拠とされておる87年の原子力長期計画も不安があり,例えばプルトニウム増殖炉の着工は大幅におくれると,さきの原子力委員会で発表しております。一体,専門家会議では世界的趨勢は考慮されているのか,お伺いをいたします。  国際的地球的視野に立つとき,動燃の回収ウランの計画は時代おくれであり,危険であり,岡山市に人工放射能プルトニウムを最初に許した知事として,後世に悪名を残すことのないよう真摯に,深刻に熟慮していただきたいと思うのであります。  ゴルフ場疑惑についてお伺いをいたします。共和,佐川事件に至る不祥事は,政界,右翼団体,暴力団が関与し,先般,金丸容疑者の脱税容疑で逮捕という前代未聞の構造を明らかにし,国民の政治に対する不信も強く,岡山県においても本陣山ゴルフ場開発疑惑を発火点として,佐川事件の岡山版とも言われるゴルフ場開発の利権絡みで,開発業者,暴力団,不明瞭な政治献金や県行政のあいまいさ,ゴルフ場の開発許可,事務の流れに,県民の疑惑の目が集中しており,かつてない岡山県政の上に大きな汚点を残したと思うのであります。本陣山ゴルフ場疑惑を徹底解明し,関係議員の辞職と政治倫理綱領を求める署名3万7,700名が県議会の議長に提出をされております。  金甲山の乱開発については,金甲山一帯の山土を持ち出し,産業廃棄物を無断で捨て,保安林を乱開発し,県も市も知らないうちにミニゴルフ場がオープン寸前であった。新岡山,ラ・レインボーゴルフ場は,保安林の伐採など県の再三の指摘をも無視,知事の許認可する県のゴルフ場許可の甘さが,県民のひんしゅくを買っています。  本陣山ゴルフ場についても,昭和63年10月ゴルフ場開発審査基準と新岡山空港影響圏を新たに加えた時期は,本陣山ゴルフ場開発会社と門木議員が,自民党県連を通じて後援会に1,000万円,政治献金をした時期とまさに軌を一にしております。我が党の,スキャンダル情報電話110番には,ゴルフ場など多くの情報を県民から寄せられております。  そこで,具体的に質問をいたします。金甲山乱開発とミニゴルフ場についてお伺いをいたします。  瀬戸内海国立公園に隣接する金甲山中腹のホテル会社金甲山観光産業が無断でゴルフ場の造成を進めていた。西江政雄社長,暴力団員,元暴力団員の3名が,1月11日森林法違反などの容疑で逮捕されました。金甲山観光産業は,昭和49年12月に県に山林の開発申請を出し,目的はホテルのレジャー施設,露天ぶろ,キャンプ場として許可を受けながら山林を伐採し,山土を持ち出し,残土,産業廃棄物を大量に不法投棄し,複数の業者によって18年間にわたって乱開発をし,わずか1.7ヘクタールの開発許可を受けながら,使用目的外の乱開発は10ヘクタール以上,金甲山一帯の山の地形が変わるほど違法開発が進められていました。昭和49年開発許可を出してから,申請どおりの開発事業の追跡調査,行政指導ができていれば,このような事態にはなっていなかったと思うのであります。その間,岡山県議会でも問題になり,環境破壊に対する地元住民の声も聞かず,今日のミニゴルフ場の完成を見ております。逮捕者を出し,環境破壊と違反を繰り返してでき上がったミニゴルフ場をこのまま認めるということになれば,まさにやり得という県民の大きな不信を買うが,県はどのような指導をされるのか,お伺いをいたします。  金甲山ホテル横,林道整備施工昭和39年から年次計画で61年まで,県と市で進められているが,幅員4メートルの現在延長1,048メートルの改良が進んでいるが,県道から林道に入る位置に鎖をかけており,地元住民は業者専用の道路と言っており,鎖を撤去させるべきではないか。業者に利便を図る道路であると思うのでありますが,県はどのような指導をされるのか,お伺いをいたします。  県警本部長にお伺いをいたします。金甲山の逮捕者の捜査の結果を,でき得る範囲で報告をしていただきたいと思います。  新岡山,ラ・レインボーゴルフ場の問題についてお伺いをいたします。保安林の無許可による伐採など,再三の指摘を受けながら,新岡山,ラ・レインボー両ゴルフ場は各18ホールでオープンしましたが,保安林の指定を解除していない山林を無許可で伐採した。県の資料では,61.5ヘクタールは昭和48年2月13日保安林解除予定告示とあるが,保安林はいつ解除されたのか。新岡山カントリークラブ昭和49年11月27日オープン,18ホール,岡山市富吉2533―1,12.1ヘクタール──何筆かに分筆になっておりますが,クラブハウスの建物,駐車場用地とその周辺はいまだに保安林の指定解除はされていないと思いますが,県はどのような確認をされているのか,お伺いをいたします。  クラブハウス,鉄筋3階建て3,780平方メートルの建築確認が昭和48年7月14日。保安林の上に建築されたクラブハウスは森林法違反,建築法違反ではないかと思いますが,お伺いをいたします。  ラ・レインボーゴルフ場は,昭和57年ごろから約4年間で9ホール増設,27ホールにしているが,コース増設の都市計画法上の正規の手続をとっているのかどうか,お伺いをいたします。  ラ・レインボーゴルフ場は,これまで違反を繰り返しているが,県の指導のようにオープンまでに原状復旧ができなければ営業はできないと思います。本年秋正式オープンを控え,正会員権600万円,平日会員権が250万円ですべて完売したと聞いておりますが,営業できない場合は,会員権を買った人は保護救済されないのかどうか,お伺いをいたします。  以上,第1回の質問にとどめさせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  岡本議員の御質問にお答えいたします。  チボリ公園の採算性は,今回の案の取りまとめに当たりまして,事業の円滑な運営が確保されますように,全体として現実的見通しを踏まえた確実性のある計画とするように検討しておりまして,資金調達を初め,今回の概案の枠組み等に即して計画を進めれば採算性は確保されるものと考えておりますが。また,県としては,将来とも今回予定をしておる支援協力の範囲で事業が円滑に運営されますように,今回の概案をもとに県内外の企業へ協力要請を進めて,経営組織や財政基盤の強化を図り,経営環境の変動にも十分対応していくことのできる事業主体の体制の確立を図っていきたいと考えておるところであります。  それから,クラボウの資本参加についてですが,クラボウには事業の性格や内容等について理解をしていただきまして,土地利用について協力してもらうことになったわけでありますが,経営参加の問題につきましては,企業としての経営方針とも関連する問題でありまして,これまでの協議を通じまして地主としての立場で事業に協力する意向と聞いております。  倉敷市の出資でありますが,倉敷駅北口の駅前広場や街路など,この周辺整備についての協力を期待しておるところでありまして,かねてから積極的な対応をしてもらっておりますけれども,出資につきましては倉敷市で検討をしてもらう問題であると考えておりまして,県から出資を要請することは考えておりません。  それから,民間企業の資本参加ですが,チボリ公園事業は花と緑にあふれた環境の中で,子供からお年寄りまであらゆる世代の方々が憩い楽しめる新たなスタイルの都市型の公園としての整備を目指しておるものでありまして,今後,関係者との連携を密にいたしまして,このようなチボリ公園の意義,内容,魅力,また県の支援内容について説明しながら協力要請を行いまして,事業主体の体制の確立を図っていきたいと考えておるところであります。  次に,ゴルフ場問題でありますが,金甲山におけるこの違法開発は,開発者は都市計画法の開発許可を受けずにミニゴルフ場を開発しておるのでありますから,都市計画法第29条に違反をしておるものであります。このようなことから,許可権者である岡山市の指示によりまして,昨年の8月から使用を中止をしておるところであります。今後,ミニゴルフ場として使用することを認めるか否かについては,これは許可権者が岡山市でありますから,岡山市において慎重に検討されることになるわけでありますけれども,県としましても,岡山市の対応が適切になされるように,指導助言をしてまいりたいと考えております。  それから,金甲山ホテル横の林道の管理ですが,御指摘の林道は,岡山市が昭和39年から49年にかけて県単独補助事業によりまして整備を行ったものでありまして,岡山市が現在管理しておるものであります。  鎖のお話がありましたが,その撤去につきましては,公道としての機能が損なわれないように,管理者である岡山市を適切に指導してまいりたいと考えます。  それから,新岡山カントリー倶楽部の保安林の解除は,昭和56年1月30日付農林水産省告示第72号で決定告示をいたしております。  また,クラブハウスなどの用地でありますが,調査しましたところ,御指摘の2533番地1の土地は,クラブハウスから北約400メートルの位置に保安林指定されておる土地でありまして,クラブハウスなどが所在する土地は2533番地33でありまして,当該土地は保安林から除外されておることを確認をしております。  新岡山ゴルフ倶楽部のクラブハウスにつきましては,クラブハウスの部分の保安林は森林法に基づき適法に解除されております。また,建築基準法に関しましても,岡山市に対しまして適法な手続がなされた上で建築されておりますことを確認をいたしております。  それから,コースの増設でありますが,都市計画法の開発許可の手続をとらないまま増設されておりまして,現在,許可権者である岡山市におきまして実態把握中であり,その対応方法については,今後岡山市において検討される予定であります。  会員権のお話がありました。会員権の救済についてのお話でしたが,会員権の購入というのは,ゴルフクラブを経営する会社と購入者との契約でありまして,基本的には契約に基づいて,ゴルフ場経営者と会員との話し合いによりまして解決されるべきものと考えておりますので,御了解を賜りたいと思うのであります。  以上であります。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  回収ウランにつきまして専門家会議でございますが,回収ウラン転換実用化試験の審査に当たりましては,高度に専門的な事項にわたることから,内外の権威者で構成します専門家会議を設置しまして,その審議の中で原子力安全委員会が策定いたしました核燃料施設安全基本指針をもとにいたしまして,審査の項目と審査のポイントを決定しまして,これに従いまして動燃から対策等を提出させ,意見をいただいたものでございます。  審議に当たりましては,安全審査指針の審査項目だけではなく,県民が不安に感じているプルトニウムの挙動や環境に与える影響等についても意見,提言をいただいたものでありますので,御理解をいただきたいと思います。  次に,対照地域の設定でございますが,北半球には,お話にもございましたが,既に核実験等により,1平方キロメートリ当たり約20ミリグラムのプルトニウムが蓄積していると言われております。一方,回収ウラン600トンに含まれるプルトニウムの量を精密分析の結果をもとに算出いたしますと約3ミリグラムでございまして,これがすべて環境中に放出され,周辺1平方キロメートルにばらまかれたといたしましても,既に環境中に存在する量より1けた小さい量であって,測定を実施しても有為な値は検出されないという専門家の意見もございました。しかしながら,回収ウラン中のプルトニウムにつきましては,県民の不安も表明されておるところでもあり,対照地域を設定しまして評価を行うこととしたものでございます。このため,人形峠事業所から影響を受けない県内の他の地点と,事業所周辺の測定結果を比較することとしておりますので,御理解をいただきたいと考えております。  次に,第三者機関の関与についてでございますが,人形峠事業所に持ち込まれる回収ウランについては,搬入する都度その分析結果を県に報告させ,仕様が守られているかどうか厳重にチェックすることとしております。  回収ウランの分析につきましては,第三者機関が関与することとしておりまして,現在,動燃と協議をしておるところでございます。また,動燃の分析に県の環境保健センターの職員を立ち会わせることも考えているところでございます。  次に,事故に対応した訓練についてでございますが,想定される最大の事故は,パイプが破断し,六弗化ウランが室内に漏れる事故でございますが,これについて外部に与える影響を審査しましたが,周辺住民や環境に影響を与えるおそれはないと判断されたことから,流域住民を対象にしました防災訓練は考えておりません。したがって,訓練につきましては,従来行われていたものに加えまして,必要な訓練を義務づけるものでございます。  次に,専門家会議の審議についてでございますが,県民の安全と生活環境の保全を最優先する立場から,回収ウラン転換実用化試験の安全性について審議をし,意見を聴取したものでございますので,御理解いただきたいと存じます。  以上でございます。 ◎警察本部長(平沢勝栄君)  岡本議員の御質問にお答えいたします。  金甲山における無許可開発事件についてでございますけれども,この事件は,金甲山観光産業株式会社などが,金甲山一帯で無許可でゴルフ場の開発を進めていたというものでございまして,これにつきましては都市計画法違反や森林法違反などの容疑で3名を逮捕したところでございますけれども,この3名の中に暴力団白川組の関係者が含まれていたわけでございます。私どもといたしましては,今回の事件の関係会社を舞台にいたしまして,相当の資金が暴力団白川組に流れていたものと見ておりまして,現在,鋭意その実態解明を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆19番(岡本俊彦君)  先ほど,知事の方から,新岡山カントリー倶楽部の問題について答弁をいただきました。さもあろうと思って,これまで県の担当課といろいろ事前に打ち合わせをしておきました。私は,すべて法務局から資料を取り寄せております。したがって,私が言っておることが間違いということは法務局が間違いであるということを,前もってお伝えを申し上げておきたいと思います。  なお,この問題については,皆さん方も御承知のように,委員会においては,常任委員会の農林委員会では,新岡山カントリー倶楽部については61.5ヘクタールの,61町からの保安林を解除しておるということです。したがって,このチェックはどういうことになっておったかということは,これからの大きな課題の一つになるというように私は思っておるわけです。  なお,先ほど答弁がありました富吉町の新岡山カントリー倶楽部,2533の1は保安林です。保安林の土地へ,クラブハウスが実は建っておるということです。しかも,19年間にわたって税金を払っていないということが,今岡山市議会が開かれておるわけですが,岡山市議会はすべて認めました。違法をやっておりましたと。いうことですから,先ほど来の知事の答弁は,土地の台帳では2533の1,家を建てたところは2533の33になっておるわけです。場所は違うんですよ,位置が。これは,非常におかしいと私は思います,これは。私は,さらに法務局へ参りまして当時の図面を,建物図面を実はいただきました(図面を示す)。これも同じく2533の1なんです。しかも,3階建てがこれに建っとるわけです。しかも横には,小さな建物ですが,同時に建っておるわけです。しかもこの図面の中には,これだけの用地の中にこれだけの物が建っておりますよという法務局に登記をしておるわけですよ。それが間違いであったというようなことは,しかもこの本会議における答弁とすれば,私は理解ができんと思っております。  なお,岡山市議会の方も法務局へ行かれて調べたようです。すべて間違いがあったということを認めたようです。これまでの税金の滞納については,さらにさかのぼって取るということも明らかになったようでありますが,先ほどの知事さんの答弁では,私は理解ができません。私個人の意見を言っておるわけじゃないんですよ。法務局でとりあえず調べた資料で言っておるわけですから,私に間違いはない。しかも,専門家はこの問題を何回も見ております。これに間違いないということです。したがって,今回の新岡の問題は非常におかしいというように思いますし,これまで岡山県下41カ所のゴルフ場を岡山県社会党110番の電話情報によって,幾つかの情報をいただいております。現地も確認をいたしております。非常に不愉快なゴルフ場がたくさん出ております。したがって,このゴルフ場については明確にしていただきたい。これがやはり明確にならないと,本陣山にもこれが影響してくるというように実は思いますので,この点,さらに知事の先ほどの答弁が正しいのかどうかということを,はっきりしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  以上です。 ◎知事(長野士郎君)  岡本議員の再質問でございますが,私どもが今まで報告を受けておりますことについて御答弁申し上げましたんですが,具体的な問題が非常に込み入っておるようでございますので,担当部長でありますところの農林部長に,ひとつこれからは答弁をさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  まず,農林委員会でお答えしましたことの,いわゆる解除についての予定告示のお話がございましたので,それもあわせて調査しておる事柄で答えさせていただきますが。  まず,保安林の解除手続は,御承知のように提出されました申請書をもとにいたしまして,それを審査いたします。そして,その内容が適当ということになりましたものにつきまして,国の通知を受けまして,県広報で解除の予定告示を行うこととなっております。その告示後の30日間以内に異議の申し出なり意見書,意見,そういったものが提出されるということになっておりますが,その期間中に提出がない場合には,これを県が作業許可をするという手順でございます。したがいまして,作業許可をいたしました後に,工事が,いろんなその中での工事が行われるということになっております。これに基づきまして,事業が申請どおり──その中には防災施設,そういったものも含まれておりまして,そういった施工が完了したということを確認いたしました後に,この以前の申請されたものについて国が解除決定告示ということを官報でするということになっております。本件につきましては,この防災施設,そういったものの施工が申請どおり行われるということが時間が要したことで,解除決定告示というものが後になっておるということでございます。  そして,問題になります解除の予定告示と,それから後の決定告示の内容とは,その土地,先ほど御指摘ございましたが,61.5ヘクタールについては同一でございます。適法に処理されておったと思っておるところでございます。  そしてもう一点の,この土地の地番が違っておるという問題でございますが,私たちが今までに調べておる範囲でお答えさせていただきますが,県は土地の所在図,そして航空写真で持っております土地を確認するための図,そしてまた現地調査等によりまして実際の所在地というものを調べておりますが,それは岡山市富吉の2533番地の33であることを確認しておるわけでございます。この中のいきさつにつきましては,古いことでございますけれども,今までの私たちの調査では登記上の錯誤ではないかと思料しておるところでございまして,保安林のこのことは管理上からも好ましくないことでございまして,所有者に対しまして更正手続,そういったことについて指導しておるところでございます。  そしてまた,お話にもございましたが,この登記につきまして,私たちの担当で今日までに調べておることで申し上げますと,岡山の地方法務局は,その不動産,いわゆる建物登記に当たっては,建物登記の地目については確認していないということから言が発しておるかにも思えます。そしてまた,岡山市の固定資産台帳の取り扱いも調査しておりますが,これにつきましても,これは法務局から登記済み通知書ということが入ってまいります。それでもって処理しておるということでございまして,地目の確認はされてないという実情があるということを今日まで調べておるところでございます。  いずれにいたしましても,この問題につきましては,現在も続けて指導しておるところでございます。  以上でございます。
    ◆19番(岡本俊彦君)  先ほど農林部長の方からお話がありましたように,法務局が錯誤しておるということですから,法務局が間違いをしておるということをですね,いやしくもこの本会議場で議員の答弁に答えるというのは,ちょっと私は軽率ではないかということを,まず明らかにしておきたいと思いますが。  法務局へ登記をするということは,我々の財産をすべて明確にしておくということなんですよ。それなのにもかかわらず,とりあえず保安林の上に建物があった。しかも,保安林の解除されたところへ持っていって,保安林が解除されてない建物に33わざわざ持っていって1の登記簿を添えるというような,こんなに土地が飛び歩くというようなことはないんです。土地も建物も,大体同一敷地内になけにゃならんのです,万事。  したがって,今の答弁では了解ができません。したがって,市役所の方は時間をかけたようですけれども,すべてを認められたようです。したがって,このまま県の方が認めないと言われるんなら,それでよろしいんですよ。よろしいです,そりゃよろしい。私どもも,この問題については長い時間,実はかかりました,この問題は。これを調査をすることについて。しかも,事前に担当課には詳しく私も登記簿を添えて。すべて図面を添えて話をしておるわけですよ。それでも,岡本さん,あんたが言うてることが間違いであるということを,最後まで言い切ったらいいじゃないですか。  したがって,先ほどの答弁,よろしいですから。それを再度,知事,確認をしてください。 ◎知事(長野士郎君)  お話の趣旨は,今の県側の答弁で間違いはないかというお尋ねだというふうに理解をいたしまして,私は間違いがないものと信じております。  以上であります。 ◆27番(桑山博之君)  今議会なかなか難しいことが多いようでございますが,千秋楽になりましたから,スムーズにやりたいと思います。  さて,表題は難しいことを書いておるんですが,多少理屈っぽい話になりますけども,私が日ごろ考えておること,また最近特に痛切に感じておること等を含めまして,長野知事に県政執行の基本的なお考えと,こういうふうな意味合いで率直に御感想を伺いたいというのが本旨でございます。  質問の表題にも既に書いておりますが,一体,岡山県にとって県北というのは,これはどういうものなのか。こういうふうなことを,本県の歴史をいろいろと柄にもなくいろいろ調べたりしまして,ちょっとお話をお聞きいただきたい,お答えをいただきたいと,こう思っておるわけであります。  県北というのは,端的に言いまして単純に東西南北の単に北というふうな,そういうふうな単純なものではどうもないというふうに,まず思われるわけであります。岡山県は,その昔,これは弥生時代の後期までさかのぼってみますというと,今の岡山県の範囲よりもずうっと広い,いわゆる吉備文化圏というものを形成しておったようでありますが,六,七世紀になりますと吉備の国というふうに,次第に政治的なまとまりができ上がったというふうに言われております。701年,備前の国,備中の国,備後の国と,いわゆる吉備三国が誕生したわけでございますが,今日の県北というのは,その三国の誕生の13年後に,つまり今から1280年前に,備前の国の北の方の6郡が分離独立をされまして美作の国が誕生した。そこにルーツがあるというふうに本に書いてある。これは「岡山県史の近代Ⅰ」という本にも書いてありますし,郷土文化財団の「考古学から見た吉備」という,これは県立博物館の副館長の高橋さんという方の速記録みたいなもんですが,本にまとめてありました。また,「吉備の古代史」という門脇禎二さんの本にも,そういうことを書いてございます。  さて,当時の備後の国というのは,今の広島県の方にほとんど入っているわけですけれども,ここに備前,備中,美作という国が,政治的には一つの結集体になったということであります。ところが,政治的にはそうなんですが,他方文化的に見ますというと,吉備地方の中北部と,それから南部の平野部というのは,これは大変断絶がありまして,弥生時代,古墳時代以来ずうっとそれが続いておるということが実はわかるわけです。例えば,土師質亀甲形陶棺といういうような土器があるんですが──これは吉備地方の大きな特色だと専門家が言ってるそうなんですが,これなんかは南の方にはなくて北の方,県北美作地方だけしか出てこないということで,同じように吉備地方といいましても文化は北と南では大変違ってたということを,先ほどの本なんかに書いてございます。県南には全くないんだそうです。そのように,当時から,風習や文化というものが南部と北部では際立った違いを見せておったということは,これまず知っておかなきゃならん事実であろうと思うのであります。  おおよそ以上のように,今日でも備前,備中,美作ということが我々の意識の中にも残ってるわけでありますが,時代は下りまして明治の4年になりまして廃藩置県──藩が廃止されまして県が置かれたわけですが,そこで備前は今の岡山県,今使ってる岡山県と同じ名前,備前は岡山県になった。そして備中は深津県,後の小田県になった。美作は北条県へと,こういうふうに,3国が3県へと変わったわけであります。明治4年,1871年のことであります。歴史はちゃんと生きているわけですが,そのことをちょっと話してるわけですけども。そして,それがさらに四,五年の後に,今から117年ほど前,つまり明治の八,九年に,この3県が合併をいたしまして,今日いうところの岡山県になったわけであります。  以上のように,本県の歴史をたどってみますというと,単に,決して単純に県北ということが言われるんではなくて,いろんな歴史の重みといいますか,そういうものを持ってんだということを私は言おうとしているわけであります。  県北とは,単に,先ほど言いましたように東西南北の一つの北というようなことではなくて,ある地方独特の歴史や気風,文化というものを持った一つの地域であり,事実として,いい意味でも悪い意味でも際立った特色があるんだと,こういう地域ではないかというふうに言わざるを得ないのであります。  端的に言いますと,岡山県には,歴史的文化史的に見ますというと,南と北というものは意識されましたけども,それ以外は余り意識されてないということが言えるわけであります。これは,歴史上そういうことになるわけであります。この意味におきまして,美作地方,作州地方というところに振興局を3つ同じように置いてますけれども,これは私は若干疑問があるのではないかなと。また,県行政に県北の拠点性というものが,もう一つでんとある必要があると。そういうことが弱いんではないかというふうに私は思っているわけでございまして,日ごろ思っていることを申し上げるわけであります。  こういう意味におきましては,私は,津山振興局は,県北の振興局ということで副知事級を配置するというぐらいの発想が当たっておると思っておりますが,きょうはそれ以上触れません。知事は,南厚北薄というような言葉を大層嫌われるわけでありますけれども,私も知事以上に嫌いなんです。こういう言葉を早く死語にしたい,こう思って実は申し上げておるわけであります。要するに私は,今日なお生きているこの美作の国という意識について,知事は,県政執行の上で,一体本音としてどういうふうにこれを見ておられるんだろうか。南厚北薄などという嫌らしい言葉を,我々はこの時代に早くなくしたい,こう私は思うのでありますが,知事の率直な御意見を伺いたいと思うのであります。  歴史をこの時代に変えるというのは,なかなかこれは難しいわけでありますけれども,しかし,新しい時代に新しい発想で対処していく,これは大切なことではないか,こう言おうとしておるのであります。  さて次は,具体的に県北振興の課題と戦略について伺おうというわけであります。  まず,県北の実情についてでありますが,本県の人口は,国勢調査によりますと昭和25年に166万人余りおりましたが,平成2年の人口は192万余人であります。ざっと40年間に26万人増加をしておるわけであります。この増加率14%であります。わけても,岡山,倉敷両市合わせますと,昭和30年に62万人余,これが平成2年では100万人を突破。両市合わせて63%増の伸びなのであります。他方,県北の1市5郡,つまり津山市,苫田郡,久米郡,勝田郡,英田郡,真庭郡の人口は,昭和25年には35万人余りおった。これが,平成2年には何と26万人余りへと減っておるわけであります。逆に25%減っておる。ざっと言うならば,40年間にちょうど9万人ですから津山市が1つなくなったと,こういう勘定になっておるわけであります。地域振興の戦略とは,結局,具体的にこの人口の増を図る,いかに図るかということであると言ってもいいと思うのでありますが,県北の昨今の状況は必ずしも楽観を許せない実情,実態にございます。  例えば,もう済んだことでありますけれども,作陽音大の倉敷移転による約3,000人の減,日本原の自衛隊の関係で約1,000人の減,こういうことが目前に迫り,いろいろ言われておるわけであります。こういう実情にあるわけであります。  そこで,知事は,県北振興の具体的な戦略について,基本的にどういうお考えをお持ちであるのか,まず伺いたいと思うのであります。  また次に,具体的にお伺いをする諸問題について,県として抜本的積極的な姿勢をお示しを願いたい,そう期待するのであります。  次は,具体的に,国道53号線の地域高規格化構想についてであります。国道53号線は,今も昔も南北交通のかなめであります。この高規格化は,あの手この手を使って早く実現をしなければならない課題であります。国道53号線を第11次道路整備5カ年計画,いわゆる11次5計の中の地域高規格幹線道路に指定をぜひしてもらいたい,こう思うのであります。まあ国道でありますから,国でやればいいと。これは建前上そういうことが言えるわけでありますけれども,国の工事を一日も早く早めるために,逆に県の方から,積極果敢にいろんな手で支援をしていくというお考えはないか。県として具体的積極的な対応を考えてほしいと,私はそれを願っております。知事の所見を伺います。  次は,JR津山線の改善方策でありますが,JRの津山線は,私の知る限り最ものろい,時間のかかる鉄道でございます。スピード化のための調査結果も既に出ておるわけであります。一日も早く岡山―津山間は,せめて1時間圏内だと,こういうふうにしてもらいたいと思うのであります。ダイヤの改正時期ももう迫っておりまして,一番いいのはこれに間に合わせていただきたいと思うのでありますけれども,もし間に合わないとするならば,一体どういう戦略でこれを実現していくか。ひとつ,もういろいろの理屈だけではいかんもんですから,もう何が何でもやっていただきたい。知事の所見を伺いたいと思います。  さて次は,保健医療の拠点づくり構想であります。これは私,去年,平成4年の2月議会でかなり詳しく取り上げさせていただきましたが,国立療養所津山病院について,国は有利な移譲条件を既に提示をしております。しかし,地元はまだ体制整備をやっておりません。これを早くやって,県北の高度医療,3次救急の道を開かなければならないということであります。県北の健康増進中核拠点施設も知事の決断をしていただいておるわけでありますけれども,県北の保健医療の拠点づくりということを,ぜひとも国療の移譲問題の解決を早くして,この前進をさせたいと願っているわけであります。あくまで国立のままで存続をなどというようなことは,これは県北の医療水準を高めるために大変まずいことでありまして,そんなことはできないということはもう自明でありますから,早くこの移譲問題に決着をつけまして,適切につけまして,そして県北のためになることを早くやりたい,こう我々は願っておるわけであります。知事には,国療の移譲による県北の保健医療の拠点づくりについて大いに支援を願いたいのでありますが,改めまして知事の所見を伺いたいのであります。  次は,53号線の津山北バイパスでありますが,これはいつルートが発表になるのか。もう当初の予定では,発表あってしかるべしという時期なのでありますが,まだ発表がありません。これは津山の懐を広くし,近く決定されるであろう地方拠点都市の基本計画とも十分整合させることが必要でございます。また,総合グラウンド構想,とりわけ陸上競技場のグレードアップなどの施設との整合性ということも十分考えておかなきゃならん視点ではないかと思います。ルートの決定に当たりましては,そういう配慮を特にお願いをしたいのであります。知事の所見を伺います。  次は,総合グラウンド構想(陸上競技場のグレードアップ)と題してございますが,県北には,幸いスポーツ施設に見るべきものが幾つかございます。ただ,現在建設中の津山陸上競技場,これは第2種の公認グラウンドでございまして,このグレードアップ,つまり第1種の公認グラウンドにするということは,これは地域振興のために大変役立つはずでございます。地元の合意や補助グラウンド用地などの条件が整ったとき,ぜひ全国大会に使えるものにグレードアップをしていただきたいと思うのであります。知事の所見を伺います。  次は,教育問題に関してでありますけれども,当面の重要課題と題して質問の通告をいたしてございます。きょう,くしくも県立高校72校の入試の日でありますけれども,業者テストについて,文部省が中学校の業者テストの追放ということを大胆に提示をしてございます。この問題は,もともと偏差値がどうかという問題であります。人間,生徒の能力を数値であらわすということは,大変便利がいいといえば便利がいいわけでありますけれども,果たしてそれでよいのか,こういう基本的な問題であります。  中学の業者テストと高校のそれとがどう違うのかというようなこともありましょうけれども,教育長は,文部省通達は尊重すると,こういうふうに,当然のことでありますけれども答弁をされました。しかし他方で,生徒や父兄の不安の解消が必要であると,こういうことも言われたりしておりまして,これは一見常識的とも思える答弁でありますけれども,よく考えてみますと,これ逃げ口上とも受けとれかねない答弁であるということも言えるわけであります。一体こういうときの態度はそうあるわけではありませんで,追放をする気があるのかないのか,それとも逃げるのか,態度は3つしかないわけであります。ひとつ教育長の本音をお尋ねをいたします。  教育長は,岡山県は1学期は自粛するんだと,こういうふうにおっしゃったわけでありますが,1学期は自粛ということは,2学期から必ずやるんだと,追放するんだと,こういうふうにおっしゃっておるのか,当面まあ保留だといってずるずるっといってしまいたいのか,その辺は教育長のこれはもう決断にかかっている,こう思いますので,文部省通達の尊重ということと,果たしてこの実施の時期というのがどういうふうに絡んでくるのか,ひとつ明快に御答弁を願いたいと存じます。  さて次は,新しい教育観についてでありますが,偏差値がだめだといいましても,いろんな教育システムというものを同時に準備をしていくということでないと,単に偏差値がだめだだめだと言っても教育改革にならんと思う。私は,教育は子供の個性や適性を伸ばすというところに大きな意義があると思っておりますが,しかし長い間の悪弊もあるわけでありますから,これはよほどしっかり構えていきませんと,徐々にやりますとか意識の改革を待ってやりますとかというようなことを言っとったんではなかなかやれない,教育システムは変わらないと,こういうふうに思うんです。  そこで,先ほどの業者テストの問題も同じですが,ある程度しっかりした決断をまずやるということから教育システムの改革ということを考えていくのが,教育システムの改革には最も向いているんではないかというふうに思っているわけであります。新しい教育観学力観の創出をどう図っていくか,入試の改善をどうするか,また学校自体の個性化や多様化はどうするか,こういうことを真剣に考えて,そのシステムを提示して,勇敢果敢にやっていかないと,私はもういい加減なことで済んでしまうんじゃないかというふうに恐れておるのであります。  さて,知事にお尋ねをいたしますが,吉備高原学園高校の創設や倉敷の芸術科学大学への30億円助成など,そういう説明,お考えを推測をしてみますというと,新しい教育観や学力観の持ち主であると,こういうふうに思われるわけでありますけれども,この際,これらについてのひとつお考えを,もう一遍伺いたいのであります。  さて最後は,国旗,国歌についてであります。新学習指導要領は,国旗,国歌のいわゆる義務化ということをうたってございます。県教委の資料では,県下ほとんどの小中学校で,卒業式や入学式では国旗,国歌を実施しておる,100%実施しておるというふうに言われておるのでありますが,一津山市の中学校のみは,国歌については20%しか実施しておらない,こういうふうに聞いておりまして,私は胸が痛むわけであります。およそ教育の場において,公儀の社会規範,決まりということが守れない。一体これはどうしたことなんでしょう。子供に決まりは守りましょうと,こういうふうに先生も教えているわけでありますが,みずからが守れないと,それを守れないという人がいるんでしょうか。  なお,県教委の指導として,しばしば理解と協力を得て混乱なきよう実施しなさい,こういう,まことにわかったようなわからんような言い方で指導をされるわけでありまして,そういうことを言っておりますと,現実的に私は大きな欺瞞をあなたたちはやっておられるのではないかというふうに思うのでありまして,この点,特に心していただきたいと思うのであります。  これらのことについて教育長の所見をお伺いをいたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  桑山議員の御質問にお答えいたします。  第1番目には,岡山県にとって県北とは何かという,非常に歴史的典型的に大変なうんちくを傾けられたお話を伺ったわけですが。  今伺っておりますと,なるほど県北というのは確かに固有の独特の文化を持っておるということからスタートしたんだというお話がよくわかります。それと同時に,そういう意味では大変な重みを持っておるということになるんですが,しかし最近言われてる南厚北薄とはやや違うんですな,それは。南厚北薄なんちゅうのは,県北は重みを持っておるということから出てくるわけじゃなくて,その後の変化についてどういうふうな対応がしてあるかしてないかということの,いわば評価といいましょうか,ウエートが変わってきたという時代の変化に対する一種の,余り言うとしかられますからもうこの辺でやめますけれども,そういうものではないかと思うわけでございますが。しかし,確かに県議会におきましても,県北は別なんだという話をされるほど,県の東や県の西や県の南は,そういう発想というのがなかなかないわけですから,やはり県北は別なんでしょうね。そういうつもりでこれからも考えなきゃなりませんし,今も痛いほどそのことを実は感じておりながら,県政の上でいろいろ問題を考えておるところでございます。しかしまた同時に,それぞれの個性と活力というものを各地域において競い合いながら,やはり岡山県という中四国の中での一つの地域として発展をしていただきたいと思いますし,私がいつも言っておりますように,美作地域というのは中国地方で考えれば,何も北ではないんですね,真ん中なんですな,これは。北と考えるからいけないんです。だから,そこはその昔の県北の文化性の豊かさというものと,今言ってる県北とはちょっと違うんですね。常に県南を意識しての県北ということになり過ぎてる。それを意識しなければ,県北というのは,むしろ県北という言葉をやめて,津山というのは中国地方の中心だと,こういう胸を張ったこの発想で,これからのことを考えていくという方がいいのじゃないか。  いずれにいたしましても,中国縦貫道あるいは横断自動車道,そういう東西南北の方向の,我が国の大動脈の結節点を有しておる地域でありますから,この有利な条件を生かして大きく発展可能性を伸ばしていくということは当然に考えられるわけでありますから,その振興には積極的に我々も取り組んでまいらなきゃなりませんし,やはり皆さんの地域を興そうという力が,そこに実力を発揮していただくようになっていくと。これは一種のCIかもしれませんですな,共通の目標ですな──ということがいいと思うんですが。  そこで,この具体的な戦略ということで言いますというと,人口の減少というようなことは,あるいはまた高齢化が進展しておるというようなことは,やはり県土の均衡のある発展ということから考えますというと,その点について十分考えていって県北の振興を図らなきゃならないということは,当然のことだと私どもも思っております。  そこで,その地域の活性化の切り札として期待されておりますものの一つが蒜山美作リゾート構想でございますが,これはまあ近く国からの承認も得られる見込みでありますし,あるいはまた拠点都市,中核都市圏としての形成を図る見地から,津山地域を地方拠点法に基づく中核拠点都市としての指定をするというようなこと,これも近く事前協議が進められて近く正式に手続が開始されるということになると思っておりますから,今後は,地元の市町村と連携を図りながら,蒜山美作リゾート構想の具体化あるいは地方拠点法に基づく事業の推進,もちろん考えていかなきゃなりませんし,同時に,かねてから取り組んでおります,具体的には,お話もありましたが陸上競技場でありますとか酪農試験場跡地──これはいつまでも酪農試験場跡地と言ったんではおもしろくないから,何かいい言葉をひとつ津山の皆さんに考えていただくといいと思うんですがね,美作ラグビー・サッカー場,ファーマーズ・マーケット,県北流通センター等,いろんな拠点施設の整備を計画もし,これを急いでいかなきゃならんというふうに考えておるわけでございますし,また同時に,地域への産業の集積とか,先ほどお話もありました,道路でいいますと53号線あるいはまた岡山―美作間の道路でありますとか,あるいはまた津山線の近代化でありますとか,県南とのアクセスの整備を進めるということで,そういうことで県北地域が活力のある地域として発展をしていくようにと,我々も積極的に取り組んでまいらなきゃならないと考えておる次第であります。  53号の整備促進ですが,現在,岡山北バイパス金川局改,津山バイパスなどの整備が進められておりますけれども,お話もございましたように,どうも今までのテンポははかばかしくないというのは,私もそう思っております。したがいまして,今,建設省とも相談をいたしまして我々も協力すると。例えば,用地買収などについて,用地の先行取得を手伝おうというようなことを申し出をしておる最中でございまして,そういうことで先に用地を先行買収をして,したがって仕事をどんどんやってくれというようなことを今,話をしておるところでございますが,またそういう意味で,地元市町村等とも十分連絡をしながら,早期の整備に努めてまいりたいのであります。  それから,同時に53号の地域高規格化でありますけれども,これは特に質の高い道路として整備する必要がある区間につきましては,これはぜひとも今後,地域高規格道路への指定を国と協議をしてまいりたいと考えております。  その次に,津山線の高速化でございますけれども,高速化のための最も効果がありますのは新型車両の導入,それから途中駅の行き違い設備の新設,これらの早期事業化を目指すということになるわけでございまして,津山線高速化促進期成同盟会などと一体となってJR西日本に対しまして強力に働きかけをいたしておりますが,事業化に向けまして精力的に協議調整を続けておるところでございます。JR西日本としましては,採算性とか新型車両導入の基本方針とか,問題がいろいろあるというようなことをすぐ言いたがるんでございますけれども,とにかく真剣に検討してもらいたい。そして,早い時期に方向づけをしたいと考えておりまして,県としても,この沿線市町村との間で,事業費につきましては,これが一番問題ですが,JRへの助成を考えなきゃならない。この助成策等についても,協議を進めておるところであります。  今回のダイヤ改正には,そういう意味で間に合わせることは困難でございますけれども,今後,積極的にJR西日本との調整に努めまして,できるだけ早い時期に実現を図ってまいりたいのであります。  次に,保健医療の拠点づくり構想でありますが,県北におきましても,救急医療,高度特殊医療,僻地医療など,住民が安心して適切な保健医療サービスが受けられる体制の強化が必要であると考えておりまして,お話にもありましたけれども,そのために国立療養所津山病院の経営移譲を受けまして,その医療資源を県北全体の健康や医療の拠点づくりのために積極的に活用する。こういうことにつきまして,地元の市町村や関係者などで合意ができまして,地元で主体的な取り組みがなされるのであれば,これはまあ県としても必要な支援を検討してまいらなければならないと考えております。  それから,53号津山北バイパスは,現在,国で環境影響評価など都市計画決定に向けて調査が進められておりまして,本年秋ごろにはルートが地元関係者へ説明される予定と聞いております。ルート決定に当たりましては,周辺の開発計画や土地利用状況などに十分配慮されたものになりますように国に要請いたしますとともに,今後,地方拠点都市に関する基本計画が津山市などにおいて作成されるに当たりましても,本バイパス計画との整合性が十分図られますように,県としても指導してまいりたいと考えております。  次に,津山陸上競技場についてでありますが,お話のありましたように現在第2種公認競技場として整備を進めておるところであります。これを県北地域の振興に一層生かしていくために,第1種の公認陸上競技場にグレードアップしてほしいという御要望でございますが,この御要望につきましてのお気持ちはよくわかります。しかし,そのためには,まず近隣にどうしても400メートルトラックを持つ補助競技場を整備する必要があるわけでございまして,またその他の幾つかの条件が整うということになる必要があるわけでございますから,これらの条件が整うようであれば,今後検討するにやぶさかではございません。  それから,業者テストの関係でお尋ねがございましたが,これからの新しい時代について創造性豊かな個性のある子供の育成を図ることが大切でありますから,そこで新しい教育観とか学力観とか個性化多様化への対応という問題が起こってくるわけでございまして,そういう意味で,そういう社会の変化に対応して,みずから学ぶ意欲のある子供を育てる教育が推進されることが必要でございますから,そういう考え方を踏まえた入試改善など新しい取り組みがなされることが,ぜひ望ましいのではないかというふうに思っておるところでございます。どうぞ御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  桑山議員の質問にお答えをいたします。  まず,業者テストについてでございますが,中学校の業者テストと高等学校の業者テストはどう違うのかというふうなお尋ねでございますが,中学校の業者テストは,本人の学力水準を知ることや,中学浪人をできるだけ出したくないと,こういう配慮から,教育活動の一環として,授業時間中に,全員受検を原則として行われているものでございます。  一方,高等学校の業者テストは,大学進学を目指す者の中で希望する者につきまして,原則として土曜日の放課後であるとか,それから日曜日など授業時間外に教育活動外として行われておる実情でございます。みずからが進路を選択する資料として高校生が活用していると,こういうことでございます。  このように,中学校と高等学校の業者テストでは,受験者数や実施の形態が異なっておりますので一律には考えられないと,このように思っております。  それから次に,業者テストを追放するのかどうかと,こういうお尋ねでございますが,これはさきの代表質問の中でもお答えをさせていただきましたが,文部省から実施に関与することは厳に慎むこと。それから,授業時間中であるとか勤務時間中に実施をしてはならないと,こういうふうなことなど含めて4項目のことについて通知がございました。そして,私どもは,この通知を厳しく受けとめまして対処してまいりたい,このように考えておるわけでございます。  したがいまして,そのためにはやはり中学校における進路体制の一層の充実と,こういうものを図っていく必要もありますし,生徒や保護者の不安というふうなものの解消をすると,こういうこともございます。したがいまして,当面1学期はもう自粛させ,その間に,市町村委員会や中学校長会などと具体的な対応について協議をすると,こういうことでございます。御了解いただきたいと思います。  最後に,教育の中の国旗国歌の問題についてでございますが,新しい学習指導要領では「入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。」と,こういうふうに明確に示されたところでございます。県の教育委員会では,これまで各学校におきまして,今回の改訂の趣旨を正しく理解をし,適切に実施するよう指導をしてきておるところでございます。しかし,お話がありましたように,一部の学校で実施をされていないと,こういうところもございまして,極めて遺憾に思っておるところでございます。今後とも,新学習指導要領の趣旨の徹底に努めると,こういうこととともに,実施されていない学校に対しましては,市町村教育委員会を通して強く指導してまいりたい,このように考えております。  以上でございます。 ◆23番(近藤さち子君)  私は,日本共産党を代表して,議第1号平成5年度岡山県一般会計予算案外予算案件5件及び議第38号各種使用料等の改定に関する条例に反対し,また陳情第142号県立図書館の建設用地変更について,陳情第146号「チボリ」建設計画の白紙撤回を求めることについて,陳情第138号「吉備高原学園高等学校等の卒業生の進路保障確保に伴う倉敷芸術科学大学(仮称)の設置に対する助成」の撤回を求めることについて,の採択を求めるなど27の請願陳情について,委員長報告どおり採択することに反対して討論を行います。  平成5年度予算は,昨年の知事選後初めての本格予算ということにとどまらず,今後の県政の方針,性格,特徴を明らかにするものであります。昨年の知事選の結果は,長野知事に大変厳しいものであり,支持率は半数に達しませんでした。知事は,この結果を厳粛に受けとめ,県民の声に謙虚に耳を傾けると言われました。しかし,残念ながらその言葉が反映された予算案とは思えないのであります。新県立図書館建設170億円,倉敷芸術科学大学補助30億円,チボリ事業への直接県費負担100億円など,県民の血税をまるで知事のポケットマネーのように使っているというように,県民の批判が強いものであります。  新県立図書館の建設費は,県立美術館の50億円,シンフォニーホールの100億円と比べても著しく高く,最近建設された愛知県立図書館や徳島県立図書館の建設費1平方メートル当たり32万から36万円と比べても2倍以上の,82万円という異常に高いものです。これだけの予算を使うのなら,緑あふれる豊かな空間と静かな場所に,もっと利用しやすい内容の充実した,全国にも誇れ県民にも喜ばれる立派な図書館ができるはずだと図書館関係者や県民は批判しています。識者や県民の声に耳をかさず,全国の図書館関係者の批判にもそっぽを向いて,日銀跡地への建設のごり押しをすることはどうしても理解できません。文化的にも経済的にも問題がある図書館建設に170億円という支出をするのはまさに壮大なむだ遣いであり,認めることはできないものです。  チボリ事業についても同様であります。岡山市の市制100周年記念事業として成立しなかったチボリを,なぜ県が丸抱えしなければならないのでしょう。チボリに伴う県費負担の大きさは驚くべきものです。30億円の増資,70億円の低利融資,地代やNTT融資の損失補償,駐車場の建設,周辺整備などを含めると,県の負担は数百億円にも達するものです。さらに,損失補償という脱法行為までして,なぜ夜型レジャーランドの建設を県がしなければならないのでしょうか。建設予定地の倉敷市民もチボリ建設に賛成しておらず,これは知事選の結果でも明確に示されたではありませんか。何の公共性もなく,多額の後年度負担で県財政を圧迫するチボリ計画の推進を認めることができないのであります。  さらに,倉敷芸術科学大学(仮称)への30億円の補助も,常軌を逸したものであります。補助金支出の理由は,同じ加計学園が経営する吉備高原学園高校の生徒70人に,同大学への特別推薦枠を設けるためだとされています。それは,知事の言葉をかりますと「登校拒否児とか普通の学校ではついていけない子供で,ほっておくとほかのよからぬところへ転落する危険があるから,それを救済する」というのであります。また,同じく知事の言葉をかりれば「学業の方は余りできない子供たちで,学校の評価というのは5から1まであるうち全部1以下なんですから,救済しなければならない」というのです。そのために,高校と同じ系列の大学に30億円も出そうというのであります。登校拒否児や吉備高原学園高校の生徒に対する差別と偏見の上に立ったこの助成を,一体だれが喜ぶのでしょうか。また,一私学法人のみ特別扱いすること自体,私学関係者はもちろん,県民の合意も得られないものであります。このように,巨額の税金をまさにむだ遣いするとも言えるやり方で使いながら,一方では県立高校の授業料の大幅値上げなどで県民負担を増大させ,さらに県民の強い要望である乳幼児医療費の無料化や寝たきり老人の介護手当の創設などには冷たい態度をとっているのであります。  以上のような観点から,新年度一般会計予算案などに反対をし,討論を終わります。 ◆21番(元原敏治君)  議第1号平成5年度岡山県一般会計予算第2条第2表債務負担行為の中で,倉敷芸術科学大学(仮称)設置助成費に対し,我が党の態度を明確にしておきたいために討論を行うものであります。  この大学への助成に対しては,今議会において各議員の質問の中から多くの問題点が指摘されてまいりました。我が党も,最大の問題点として,この提案が余りにも唐突であり,大学の設置計画とその内容,知事の言われる建学の精神が,真に人間教育を目指すものであるのかどうか,教育の機会均等等は損なわれないか等,具体的に明示されないままに30億円の助成を認めてほしいと言われても,検討する資料あるいは時間的な余裕もないのであります。このような状態では,議会としての機能が果たせないということでもあり,したがって県民の納得が得られるまでは一時凍結をしてはと求めたのであります。  しかし,昨年の10月,知事選挙において,我が党はささやかではありますが知事の応援をさせていただき,御当選の喜びを分かち合った次第であります。しかし,このままでは選挙後の最初に組まれた平成5年度当初予算に反対することにもなり,結論を出すことに苦慮してきたのでありますが,各論議の中で,知事の答弁を詳細に検討し,何とか歩み寄れる項目を確認する中において,要望があるならば他の大学に対しても助成拡大の余地がある,あるいは新しい教育への道を開くなど,注目する点も多く,こうした知事の姿勢を評価する中で,倉敷芸術科学大学(仮称)への県費助成に対して,現段階では賛同することはできかねますが,厳しい県内情勢に対峙し,県勢発展のための当初予算に対しては,一体不可分の原則により,やむを得ず認めることといたしましたが,知事におかれましては画竜点睛を欠くことのないよう県政の推進を切に要望し,我が党の意見を披瀝し,討論を終わります。 ◆51番(蜂谷勝司君)  チボリ公園特別委員会に付託されております事件につきましては,9月定例会で中間報告を申し上げたところでありますが,その後の調査の概要を御報告申し上げます。 本委員会は,これまでに関係者及び参考人の出席を求め,クラボウとの工場跡地利用についての交渉経過,事業の全体構造,県のかかわり方等について調査を進めてきたところであります。 まず,クラボウとの交渉経過でありますが,昨年9月8日,事業主体の体制整備等を条件に,チボリ公園用地としての利用とその範囲等について基本的に了解をいただいておりましたが,本年2月,土地利用について大筋で合意が整ったところであります。これにより,クラボウへ土地利用を申し入れて以来,1年半ぶりにチボリ公園事業は具体化に向け大きく前進することになったのであります。 合意されました内容でありますが,クラボウは工場跡地等約14.8ヘクタールから周辺整備に必要な土地を減じた用地約12ヘクタールをチボリ・ジャパン社に賃貸する,借地期間は50年とし,その後の取り扱いは更新時に誠意を持って協議する,当初の地代については相続税評価額等を基礎に算定し,その後3年ごとに経済情勢の変動等を勘案して見直すことなどが骨子となっております。これにより,来年の着工時期までにクラボウとチボリ・ジャパン社との間で正式の賃貸契約が結ばれるわけでありますが,これに先立ち,クラボウと県の間で土地利用についての基本協定が,今春を目途に締結される運びとなったのであります。 このように,土地利用のめどがついたことから,先般,全体構想,資金調達の枠組み,施設の内容について具体的な案を県民の皆様に示すとともに,企業への協力要請を行うため,事業計画の概案が取りまとめられたところであります。 この概案によりますと,チボリ公園はデンマーク・チボリ公園のデザインとノウハウを導入し,あらゆる世代の方々が楽しむことのできるコンサートホール,野外劇場,レストラン,アミューズメント施設等を配置した文化性の高い公園の建設を目指したものであり,平成6年春から夏に着工し,平成8年夏から秋のオープンという建設スケジュールとなったのであります。 投資総額は440億円で,内訳は建設費310億円,開業前費用130億円であり,その資金は資本金150億円,特別協賛金100億円,借入金190億円とし,借り入れについてはNTT無利子融資50億円の導入のほか,県低利融資と市中銀行からの借り入れが各70億円の予定となっております。 なお,今回の資金計画には織り込まれていませんが,チボリ公園は公共性公益性の高い県民の公園であるとの考え方から,県民持ち株制度について建設の進捗を見ながらぜひとも導入していく必要があると考えられるのであります。 入り込み客数については,専門機関の意見,現在の経済情勢,他のテーマパークの状況等を踏まえ,着実性のある予測をして年間300万人程度とし,入園料についても採算性を勘案しながらも低廉なものになるよう大人2,000円,小人1,000円程度に設定するとともに,高齢者や障害のある方々につきましては大幅な割引を検討されております。 また,年間パスについても,入園料の3回分程度という他のテーマパークには見られない低水準に設定しております。 次に,県の事業へのかかわり方についてでありますが,事業費に充てる70億円を低利融資するほか,チボリ・ジャパン社への県の出資について,事業の採算性,チボリ公園の公共的性格の確保をするとともに,県の熱意を示すことで県内外の企業の協力が得られやすくなると考えられるため,今回増資分100億円のうち30億円の出資を予定されているのであります。 また,クラボウの要請に基づき,地代の損失補償を行うとともに,円滑な事業推進を図るため有利な資金導入が必要であることから,日本開発銀行からのNTT資金50億円の借り入れに対し,その損失補償を行うこととされております。 なお,デンマーク側との開園後のロイヤリティー等を取り決めるフェーズⅢの契約については,公園建設地が岡山市から倉敷市へ変更したことにより,マスタープランの見直しや事業計画の変更などに時間が必要なことから,昨年12月チボリ・ジャパン社の新下社長がデンマークを訪れカイサー社長と会談した結果,平成5年末までの1年間期限延長の了解が得られているところであります。 以上が,チボリ公園事業について調査を行いました経過の概要でありますが,チボリ公園事業の早期実現に向けては,事業の円滑な運営が確保できる計画づくりと事業主体の体制の確立に努めることが必要であると考えます。 今後,マスタープランの見直しについて,デンマーク側との調整を急ぎ,チボリ・ジャパン社,倉敷市,経済界等各関係者と連携をとりながら,県内外の企業への協力要請を進め,岡山の地にふさわしいチボリ公園が県民の理解と協力を得ながら早期に実現できるよう,全力を挙げて取り組むよう強く望むものであります。 以上,中間報告申し上げます。 ◆30番(小枝英勲君)  都市問題等特別委員会に付託されております事件について,調査の概要を中間報告申し上げます。 まず第1は,吉備高原都市に関する調査についてであります。 吉備高原都市では,昭和50年3月に建設基本構想を策定以来,新都市の水がめとなる鳴滝ダム,上下水道,公園,また岡山空港と直結する吉備新線を初めとするアクセス道路等各種の基盤整備事業が進められ,吉備高原総合リハビリテーションセンター,福祉関係施設,吉備高原学園高等学校や民間資本による研究施設など基幹施設の立地も順調に進み,住宅地もこれまでに前期計画期間内の394区画が完売されるなど,次第に町らしい姿を整えてきております。さらに,昨年4月にはセンター区に建設を進めてきた業務商業ビル「きびプラザ」やコリドールを中心とする「さんさん広場」がオープン,生活の利便性も高まるなど,本年度を目標とする前期計画事業は順調に進展しているのであります。 後期計画基本調査によれば,全体面積は1,900ヘクタール,完成時の人口は3万人で,広域高速交通網に恵まれた立地条件を生かし,前期計画の福祉機能にテクノポリス構想に基づく産業機能のほか,文化交流機能,さらにはスポーツ・レクリエーション機能などを加えることによって,アメニティーの高いにぎわいと活気のある明るいイメージの福祉・文化都市を建設しようとするものであります。時代を先取りした人間尊重,福祉優先の新しい都市の形成は,全国的に注目を集め高く評価されております。いよいよ前期計画事業が完了となるわけでありますが,引き続き後期計画事業を計画的に実施されたいのであります。 当委員会に付託されております請願第31号及び第33号は,いずれも吉備高原都市の建設について,既整備区域に隣接する地域180ヘクタールの整備が,地域振興整備公団の拡大変更事業として採択されるよう,同公団に対し要望されたいというものであります。 県当局は,かねてより後期計画事業について地域振興整備公団に要望を続けてきているところでありますが,一方,公団といたしましては,県当局のみならず,当議会の熱意の表明を強く要請されている現状であり,本委員会では,これら2件の請願はまことに適切と認め,賛成多数をもって採択すべきものと決したのであります。 後刻,両請願が議題となると思いますが,その際は,何とぞ皆様の御賛同を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。 第2は,児島湖の環境保全に関する調査についてであります。 県では,水質汚濁が著しい児島湖を,県民の潤いと安らぎの場として再生,創造するため,水質保全のみならず自然保護,景観形成等の諸施設を盛り込んだ児島湖環境保全条例を平成3年3月に制定し,この条例に基づき環境保全実践モデル地区の指定,合併処理浄化槽設置促進のための融資制度の創設,工場・事業場に対する排水規制など,総合的な施策を実施しております。また,児島湖流域人口は,岡山市,倉敷市など県人口の約3分の1にも及んでおり,水質汚濁原因の約60%が生活排水であることから,石けん使用推進運動や台所でのクリーンネット使用の実践活動などについても,県民運動として積極的に取り組んでいるところであります。こうした努力の結果,平成3年度公共用水域水質調査結果では,湖沼の有機汚濁の代表的指標である化学的酸素要求量が9.1ppmとなり,昭和49年以降最もよい数値になったことは大変喜ばしいことであります。 今後とも,児島湖の水質浄化のみでなく,流域全体の視点に立って,自然保護,景観形成,環境整備など総合的な環境保全施策を推進することを目標とする「児島湖流域の環境保全に関する基本方針」や流域下水道の整備促進と生活排水対策などを中心とする「第2期湖沼水質保全計画」に盛り込まれた諸施策を強力に推進されたいのであります。 また,児島湖の水質改善を図る上で,湖のしゅせつは必要不可欠の課題であります。平成3年度,国営総合農地防災事業が採択となり,中国四国農政局を中心として湖底に堆積した汚泥を取り除く試験工事を進め,昨年12月には現地に児島湖沿岸農地防災事業所を設置し,本格的に事業着手することになったのであります。総事業費280億円を投入し,12年間で東京ドームの1.9杯分に当たる230万立方メートルの汚泥しゅんせつを行うという全国初の一大事業に大いに期待するものであります。 第3は,児島湖流域下水道事業に関する調査についてであります。 児島湖流域下水道事業は,県南都市部の生活,産業排水対策と児島湖の浄化を目的に,昭和47年度に策定した児島湖流域別下水道整備総合計画に基づき,昭和53年11月都市計画決定,54年3月に事業認可を受け実施されております。 全体計画は,岡山市,倉敷市,玉野市の一部と早島町,灘崎町の市街地全域を対象に,面積約1万8,800ヘクタールで,処理人口は将来約84万人,処理水量は最大日量63万立方メートルを予定しております。そして,これらの汚水を第1号から第3号幹線管渠によって玉野市の児島湖流域下水道浄化センターへ集め,ここで高度に浄化した後,児島湖へ放流するものであります。 県では,全体計画のうち第1期事業認可済みの現行計画の整備が平成5年度までにほぼ完了するため,事業区域を追加する変更計画案を昨年5月建設大臣に申請,9月に国の認可を得たのであります。変更計画は,平成11年度までに処理面積を現行計画の2,240ヘクタールから7,382ヘクタールに,処理人口を9万8,000人から40万人に大幅拡大し,浄化センターの処理能力を1日当たり31万5,000立方メートルとするほか,玉野市八浜地区まで延びている第3号幹線管渠を岡山市方面に2キロ延長するものであります。 この事業は,県が実施する浄化センター工事,幹線管渠工事と流域関係市町が実施する関連公共下水道の整備が相まってその効果が発揮されるのであり,幹線管渠工事は,一部を除き現行計画でほぼ完了するため,今後は,関係市町に対し面的整備の促進を強く働きかけられたいのであります。 第4は,都市問題に関する調査についてであります。 都市問題については,当面課題となっております1,土地及び住宅政策について,2,廃棄物の処理について,3,下水道整備について,4,まちづくりについて,5,都市の景観について,6,都市交通問題についての6つの施策について調査いたしました。 まず,土地及び住宅政策についてでありますが,地価対策については,地価は鎮静化したものの,住宅地等では高騰前の水準に比べ依然として高水準にあることから,再指定された現行の監視区域において引き続き地価の適正化を図るとともに,新たに監視区域に指定された蒜山美作リゾート構想地域での地価の安定を図るなど,監視区域制度の厳正かつ的確な運用に努められたいのであります。 次に,廃棄物対策については,ごみ処理施設の整備促進に努めるとともに,ごみの減量化,再資源化の一層の促進を図るため,岡山県廃棄物減量化・再生利用推進協議会や産業廃棄物処理事業振興財団の活用を図るなど,総合的な対策を推進されたいのであります。 下水道整備については,本県の下水道普及率が平成3年度末で23%と全国平均を大きく下回っており,緊急の課題となっております。そこで,計画策定や末端管渠の整備について,市町村に対する補助制度を創設されたことは高く評価するものでありますが,今後とも,これら補助制度の効果的運用,市町村に対する強力な支援,指導を行われたいのであります。 まちづくりについては,地方拠点都市地域の整備は,地域の活性化にとって極めて有効な施策でありますので,津山地域の早期指定をされるとともに,関係市町村に対し基本計画の策定などを強力に支援されたいのであります。 都市の景観については,景観モデル地区の指定や歴史的文化的にすぐれた景観を有する施設等の背景の保全を図るため背景保全地区の指定を行うなど,親しみと潤いのある景観の形成に取り組まれておりますが,経済活動との調整に留意され,岡山らしい景観づくりに御尽力願いたいのであります。 都市交通問題については,都市間の交通問題としてJR津山線の時間短縮,吉備線の電化について精力的な調査を行うとともに,期成同盟会を設立せられるなど,御尽力をいただいておりますが,今後とも,JR西日本に強く働きかけられたいのであります。 以上,御報告を申し上げます。 ◆33番(竹藤太郎君)  広域交通対策特別委員会に付託されております事件について,調査の概要を中間報告申し上げます。 まず第1は,井原線及び智頭線の建設についてであります。 井原線については,平成7年4月1日の開業に向け,これまでに用地買収89%,路盤工事66%が完了しております。現在,残る用地買収や矢掛町第1川面高架橋,高梁川橋梁等の工事が鋭意進められております。 また,智頭線については,平成4年2月に国より高規格化事業として認可も受け,平成6年4月1日開業を目指して工事が進められているところであります。 進捗状況は,用地買収及び路盤工事が完了し,現在,蜂谷トンネルスラブ軌道工事やJR佐用駅との連絡設備等の工事が行われるとともに,車両の発注など開業のための諸準備が行われているところであります。しかし,両線とも残事業費から見ると予定どおりの開業は困難な状況であり,智頭線については平成5年度から新設される地方鉄道整備促進資金借入制度の適用を受け,早期開業を図ることとなりましたが,井原線についても関係機関と連携し,事業費の増額確保や同制度の導入を図るなど,早期開業に向けて最大限の努力が望まれるところであります。 第2は,新交通システムについてでありますが,県南部の交通渋滞の緩和と県中部地域の振興と活性化を図るため計画されている新交通システムの導入については,昨年6月建設推進本部を発足させ,岡山新交通システム導入検討調査結果に基づくガイドウエーバスシステム岡山空港線(仮称)基本スキームをベースとして事業化に取り組まれているところでありますが,今後,関係機関との具体的な調整を進めるなど,早期の事業化が望まれるところであります。 第3は,岡山空港及び岡南飛行場についてであります。 まず,岡山空港については,国内線,国際線を合わせた定期便の本年度の利用状況は,2月末現在,利用客総数54万8,000人,利用率61.9%,また国際チャーター便については,中国,香港,ニュージーランド等のほか,新たにロシア,ハンガリーも加え10カ国に運航されるなど,2月末現在で101便,1万4,000人という状況であります。 また,平成元年度から工事が進められておりました滑走路2,500メートル化及び国際線旅客ターミナルの増築工事も完成し,いよいよ今月25日には供用開始されるとともに,運用時間も近く延長されるなど,大幅な空港機能の強化が図られているところであります。これを契機として,今後さらに既存路線の利用率向上のため,増便や利用しやすいダイヤの設定など,航空輸送サービスの改善に取り組まれるとともに,貨物ターミナルや航空貨物基地,航空機整備基地など,空港機能の一層の充実整備に努められたいのであります。 また,香港,シンガポール,オーストラリア等への新たな国際定期路線の開設を目指して,引き続き岡山空港国際化推進期成会と一体となり,航空会社や相手国政府並びに日本国政府関係者へ粘り強く要請するとともに,税関,出入国管理,検疫体制等の充実など,受け入れ態勢の整備についても関係機関に強く働きかけられたいのであります。 なお,平成4年度から実施される予定であったコミューター事業については,本田航空から去る2月2日に,同社の経営状態の悪化により事業開始延期の申し出書が提出されたのでありますが,今後は他の航空会社の参入をも含めての検討が必要であると思われるのであります。 岡南飛行場については,現在の小型航空機の基地機能とするため,操縦士,整備士の養成などの機能を持った全国で初めてのゼネラルアビエーション空港として整備される計画であり,昨年10月スカイパーク岡山(仮称)の航空ふれあい施設及び教育施設の配置構想案が示されたところであります。今後,地元の理解を得るとともに,周辺の自然環境にも配慮しながら,県民の触れ合いの場としての機能をあわせ持つ,西日本の小型航空機の拠点として整備を進められたいのであります。 第4は,広域高速道路網の建設についてであります。 まず,中国横断自動車道岡山米子線については,県内ルートの落合ジャンクションから鳥取県江府インター間48.9キロメートルが関係者の努力によって予定より早く昨年12月18日に供用開始されたのであります。 また,岡山から北房間41.2キロメートルは,平成8年ないし9年の開通を目標に,現在地元設計協議や用地交渉が積極的に進められております。賀陽町や有漢町の一部では本線工事に着手しているところでありますが,早期の全線開通に向けて,今後とも用地買収及び工事の促進を図られたいのであります。 姫路鳥取線については,姫路市から鳥取市に至る約100キロメートルのうち佐用から大原間11キロメートルが平成3年12月に国土開発幹線自動車道建設審議会において整備計画区間に格上げされたましたが,今後は,早期に調査を完了するよう努力されたいのであります。 山陽自動車道については,県内総延長は98キロメートルでありますが,姫路東から備前間及び岡山ジャンクションから福山西間は既に供用開始しております。また,岡山ジャンクションから岡山インターチェンジ間7.1キロメートルは,今月31日に開通の運びとなり,残る県内未開通区間の備前インターチェンジから岡山インターチェンジ間38.1キロメートルについても,平成5年度中の県内全線開通を目指して工事の促進が図られているところであります。 次に,美作―岡山間道路計画については,本年度までに地域や交通の現況調査,路線整備に伴う効果,概算事業費及び事業手法の検討,一部区間の概略設計,環境現況調査等が行われてきたところでありますが,今後,ルートや道路構造,事業手法等について関係機関と十分に協議され,事業の早期着手に努められたいのであります。 最後は,国道53号の整備促進についてであります。 国道53号は,岡山市から津山市を経て鳥取に至る主要幹線道であり,交通渋滞の解消を図るためのバイパス等の整備が急がれるところであります。既に,一部供用開始されている岡山北バイパスや津山バイパスを初め,金川地区,勝北地区等において用地買収や工事促進が図られているところでありますが,今後とも,これらの整備促進に努められたいのであります。 以上,御報告申し上げます。 ◆28番(井手紘一郎君)  地域整備特別委員会に付託されております事件について,これまでの調査の概要を中間報告申し上げます。 まず第1は,総合保養地域の整備についてであります。 総合保養地域整備法に基づく地域指定を目指している蒜山美作リゾート構想については,平成2年3月に国の窓口である国土庁に基礎調査を提出して以来,国との協議を続けているのであります。本年度は,基礎調査,いわゆる事前協議の課題となっていた蒜山地域における草地の問題等の調整を終えたため,昨年4月には基本構想原案の提出を行い,8月には最終手続となる承認申請にこぎつけ,近く承認が得られる見込みとなっているのであります。当初の予定より相当おくれているのでありますが,今後は,地元市町村と一体となり,計画の具体化や県内外へのPRに積極的に努められたいのであります。 すぐれた農山村のたたずまいをそのまま利用した農村型リゾートについては,これまで9カ所が整備され,低廉で気楽に滞在でき,農山村の生活を体験しながら地域住民との触れ合いを深めることができることから好評を博しており,本年度は新たに哲西町干子地区,高梁市宇治地区が整備されることになったのであります。 このほか,本年度は地域の特色を生かした新たな観光・リゾート拠点の整備が打ち出され,西部アグリスポーツ公園を初め,倉敷市下津井地区拠点施設や津山酪農試験場跡地などの整備計画が明らかにされたのであります。 スペイン村については,昨年7月,株式会社スペイン村の資本金を増資し,事業体制を強化するとともに,9月には建設用地4.6ヘクタールを落札するなど,建設に向けて動き出したのでありますが,経済情勢の変化から事業計画の見直し作業が進められ,11月になって着工の1年以上の延期が発表され,本年2月には,当面の措置として従業員の5分の1削減の方針が決定されたのであります。 総合保養地域整備法が施行されてやがて6年,この間には自然破壊の問題やバブル経済の崩壊,景気の後退など,リゾート開発をめぐる環境はすっかりさま変わりし,国においても研究会が設けられ,先般最終報告がまとめられたところでありますが,この報告の中でも,余暇時間が増大する中で健康づくりやゆとり志向は社会の潮流であり,リゾート地域の整備は欠かせないとされております。とりわけ蒜山美作リゾート構想については,過疎化高齢化が進む県北地域の期待が大きいところでありますので,地域の特色を生かした多様なリゾート地づくりに今後とも努められたいのであります。 第2は,過疎地域の振興対策についてであります。 まず,阿新地域の振興拠点として地域の期待が大きい健康の森については,森全体を自然環境や活動内容によって4つのゾーンに分け,段階的に整備していく方針であります。これまで関連道路や地域内の基盤整備を進めるとともに,一昨年4月には「もやいの森」ゾーンの中心施設として健康の森学園が開園し,養護学校と授産施設の一体的な運営により,精神薄弱児者の自立と社会参加が進められているほか,昨年度からはレクリエーションの森ゾーンの整備に着手しているのであります。 レクリエーションの森ゾーンは,森全体のセンター的役割を担うものであり,本年度はふれあい広場,ニュースポーツの森などの施設整備のほか,テニスコート,乗馬施設等の構想づくりが行われるなど,訪れる人々が心身ともにリフレッシュできる森づくりが進んでいるのであります。 次は,過疎対策であります。 本県の過疎市町村は,平成2年国勢調査の結果を受けて,昨年4月新見市が追加指定されることに伴い40団体となったのであります。これは,県下78市町村の半数を超えるもので,しかも県南の1町を除きすべてが県中北部に位置しており,若者の流出による人口の減少,高齢化の進行等による地域活力の低下が懸念されているのであります。このため,第4次総合福祉計画では,地域間ネットワークの充実や地域の振興拠点となる施設の適正配置を進め,広域交通網の整備によってもたらされるよき効果を県下各地に及ぼすとともに,それぞれの地域の自主的な取り組みを促しながら,個性的で均衡のとれた地域づくりを進めるとしているのであります。そして,新過疎法に基づいて県及び市町村が策定した過疎地域活性化計画に沿って総合的計画的に諸施策を進めるとともに,県境町村等振興事業補助金等によって,地域みずからの創意工夫による意欲的な取り組みを促すなど,個性と特色ある地域づくりが進められているのであります。 本委員会では,昨年11月,世界演劇祭利賀フェスティバルの開催など,過疎を逆手にとった村おこしで成果を上げてきた富山県利賀村を視察したのでありますが,地域みずからの創意工夫による自主的主体的な取り組みの重要性を改めて実感したところであります。今後とも,地域の主体的な取り組みを一層促し,全庁を挙げて振興施策を進め,個性的で均衡のとれた県土づくりに全力を挙げられたいのであります。 県北地域活性化の起爆剤と期待されている県北流通センターについては,候補地内の調査結果をもとに基本構想図(案)を作成し,昨年6月から地元協議が続けられたのでありますが,難航していた久世町中原地区においても,先般おおむね理解が得られたところであります。今後,基本設計,環境アセスメント調査等を進めていくのでありますが,中国横断自動車道米子―落合間も開通したところであり,高速道の効果を現実のものにするためにも,一日も早い完成に向け,引き続き努力されたいのであります。 最後は,苫田ダム及び千屋ダムについてであります。 苫田ダムについては,一昨年8月,奥津町がダム建設を前提として独自に策定した奥津町地域総合振興計画(案)が建設省及び県に提出されたのでありますが,この内容が691項目にも上る膨大なものであったため,建設省,県,町の三者で構成する行政連絡協議会が設けられ,協議調整が進められたのであります。この作業は,当初,昨年3月末を目途としていたのでありますが,計画策定に必要な水没予定地内の公共物件等の調査同意の遅延,さらには生活安定対策の一部項目において3者に意見の相違が生じ,作業の一時中断などもあって,本年1月25日,行政連絡協議会調整案が示されたのであります。調整案は,町が独自に策定した計画案をもとに,90回を超える行政連絡協議会の協議調整を経て,過疎化が進む町の活性化と住民生活の向上のため緊急に必要な事業を選び出し,今後10年間で実施しようとするもので,306項目,約1,370億円に上るものであります。 町内をダム湖周辺地域,センター地域,奥津温泉地域,農業振興地域の4地域に分け,各地域の特性に応じて生活・産業の基盤となる道路交通網の整備,センター地域の公共施設整備,ダム湖の水質保全と上下水道整備,温泉とダム湖を生かした観光施設整備,農林業の基盤整備を重点に進めるとしているのであります。 現在,県議会を初め,町議会,町内の地域代表者,下流受益市町に説明協議が行われているところで,今後,これらの意見をもとに再調整の上,成案化が図られる予定であります。そして,別途調整中の鏡野町の振興計画とあわせて,可能な限り多くの事業が水特法による事業や起業者が行うダム関連事業に採択されるよう国との協議を進め,これらの見通しを見きわめた上で,県,下流受益市町の財源支援が検討されることになるのであります。 苫田ダムは,建設に向けて大きな山場を迎えているのであります。本委員会も4回にわたって開催し,振興計画の議論を深めたのでありますが,当局から提出された調整案については大筋において理解が示されましたが,奥津,鏡野両町との協議調整を早急かつ円満に進められることを期待し,手順に従って次の段階へ進むことを委員会として了承したところであります。 しかしながら,その中で「ダム本体に匹敵する事業費には敬意を表するが,目玉になる事業がなく,ダム問題の長い歴史を考えると寂しい。ダム建設のため急速に進んできた過疎化の現実を重視して,国,県独自の振興策を打ち出すべきである」「民間企業による300億円にも上る奥津リフレッシュリゾートの建設は,計画にはふさわしくない。計画に上げる以上,実現に向けた県の決意が必要である」などの意見があったのであります。 成案化に際しては,これら意見も十分尊重し検討されるとともに,犠牲を払う地元町民の要望には可能な限りこたえていただきたいのであります。そして,目途としていた本年3月末の成案化は現段階では厳しい状況でありますが,一日も早い事業化に向けて努力されたいのであります。 さらに,鏡野町についても,既に実施中の単県水特をさらに見直し,過去の経緯を十分考慮の上,適切な対応を願いたいのであります。 補償交渉については,今後建設省,町とともに相互に協力して誠心誠意話し合いを続け,早期に同意が得られるよう最善の努力を払われたいのであります。 千屋ダムにつきましては,昨年10月からRCD工法により,ダム本体へのコンクリート打設が始まり,本年度末で18%の打設を終える見込みであります。本年4月には定礎式が予定され,また地域の人々に愛され親しまれるダムとするための愛称も決まるなど,平成8年度の完成に向けておおむね順調に進んでいるのであります。 以上,御報告申し上げます。 ◆29番(高岡一郎君)  公社事業特別委員会に付託されております事件の審査経過について,その概況を中間報告申し上げます。 第1は,岡山県土地開発公社関係事業についてであります。 まず,公有地取得事業については,岡山空港用地,吉備高原都市用地,新野球場用地,苫田ダム用地等の先行取得を継続実施するとともに,新たにフルーツ・フラワーパーク用地の先行取得を実施しているところであります。なお,国立病院田益用地,県北流通センター用地など,取得の難航している案件については一層の努力を期待しています。 土地造成事業については,新勝央中核工業団地などにおいて,用地取得,造成工事など行っております。 関連施設整備事業については,健康の森整備事業,岡山リサーチパーク造成事業,県立大学造成事業などを実施しております。今後とも,これらの事業の推進により,地域の秩序ある整備と県民福祉の増進に寄与していただきたいのであります。 第2は,岡山県住宅供給公社関係事業についてであります。 吉備高原都市などにおいて,住宅宅地の分譲が進められたほか,県内の各団地においても宅地造成事業並びに維持管理事業が進められております。今後とも,住民の生活の安定のため,住居環境の良好な住宅,宅地の供給を図られたいのであります。 第3は,財団法人岡山県開発公社関係事業についてであります。 岡山市表町などにおいて,土地,建物等の管理を行う都市再開発事業,駐車場運営事業,保有地の維持管理及び用地の賃貸を継続実施しております。今後とも,地域の発展の根幹となる産業や生活基盤の整備を進めていただきたいのであります。 第4は,岡山県道路公社関係事業についてであります。 本年度の有料道路の利用は,平成5年2月末現在において,ブルーハイウエイでは,交通量で対前年度比104.4%,水玉ハイウエイでは交通量で対前年比101.1%となっております。平成6年春には山陽自動車道(備前インターチェンジ―岡山インターチェンジ間)が開通し,ブルーハイウエイの交通量の減少が懸念されます。利用者に対するサービスの向上,沿線観光地とのタイアップなど,積極的な利用促進対策を図っていただきたいのであります。また,昨年12月ブルーハイウエイにおいて大型トラックとワゴン車の正面衝突事故が起こり,長島愛生園の入園者6名が亡くなられました。今後,こうした痛ましい事故を未然に防ぐよう,名称の変更も含め,万全の交通安全対策をとっていただきたいのであります。 城下地下駐車場については,着実に利用拡大が図られておりますが,引き続き安全な維持管理,また利用しやすい駐車場への工夫を図られたいのであります。 岡南大橋については,昨年9月に開通し,本年3月末の見込みにおいて1日平均2,260台が利用している状況であります。開通当初としてはまずまずの利用状況でありますが,さらに利用拡大に向け努力していただきたいのであります。 昨今の交通事情にかんがみ,今後とも地方幹線道路の整備を促進し,交通の円滑化と均衡のとれた地域の発展に寄与していただきたいのであります。 第5は,社団法人岡山県林業公社関係事業についてであります。 公社造林長期計画と県及び企業局からの受託による新植,保育事業並びに森林公園管理事業等を実施しております。 最近の造林事業を取り巻く情勢は厳しく,その長期性,低収益性,担い手不足等から私営造林に対する造林意欲が低下し,分収造林への依存度が高まる傾向にあります。このような状況下において,林業公社の重要性はますます高まると考えられ,多様で質の高い森林整備を今後さらに進めていただきたいのであります。 第6は,社団法人岡山県畜産公社関係事業についてであります。 哲多肉用牛センターにおいては,和牛部門の繁殖牛を更新,増頭し,優良な岡山和牛による繁殖肥育一貫経営を推進するとともに,受精卵移植技術向上研修を実施しております。北海道桜野牧場からは,優良な乳雌育成牛及び肥育素牛を県内の畜産農家に安定的に供給するとともに,岡山和牛を飼育し,北海道での展示普及の役割を果たしております。また,温泉の利用方法について,現在,桜野牧場温泉利用基本計画策定検討会において検討中でありますが,牧場機能の強化並びに岡山県と北海道の交流促進基地として整備を図られたいのであります。また,畜産物の消費拡大を図るため,県民の憩いの場として開設されたまきばの館の管理を県より受託し,実施されております。 一昨年4月から牛肉の輸入自由化の影響により,畜産経営にとっては非常に厳しい状況にありますが,今後とも,高品質な家畜の生産と供給等,県内畜産農家の運営に役立つよう畜産機能の中核としてその発展に寄与していただきたいのであります。 第7は,社団法人岡山県農地開発公社関係事業についてであります。 農地保有合理化促進事業,農業基盤整備事業,農業構造改善事業等,本県の農業振興を目指した諸事業を総合的に実施しております。 笠岡湾干拓地の農地保有合理化促進事業については,経済情勢の変化,厳しい畜産情勢の中,干拓地の恵まれた自然条件を生かし,足腰の強い畜産団地の形成に適切な指導,支援が求められております。今後とも,公社の設置目的である農業経営の規模拡大と農業の生産性の向上等の事業を積極的に実施し,本県農業の近代化を進めていただきたいのであります。 以上,御報告申し上げます。 ◆56番(元浜貫一君)  本陣山ゴルフ場開発問題調査特別委員会に付託されました事件について,その調査の経過を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました事件は,ゴルフ場開発審査基準,環境影響評価指導要綱,農用地区域の解除に関する3事項でございます。 委員会は,これまで11回にわたり開催し,関係当局者の出席を求め,詳細な資料の提出に基づき説明を聴取するとともに,質疑応答を重ね,あるいは委員相互間に意見を交換し,また参考人の出席を要請し,意見を聴取するなどしながら,精力的に,しかも真摯に調査を進めたのであります。 本委員会の設置は,去る12月定例会の最終日,すなわち平成4年12月17日でありますが,当日の会議閉会後に第1回委員会を開き,当局の出席者と提出資料,傍聴の取り扱いなど委員会の運営に関する基本的事項を決定いたしました。 第2回委員会は,12月25日に開催し,当局から本陣山カントリークラブの開発許可問題に係る経緯など,調査事件に関する3事項について資料の提出を受け,説明を聴取し,質疑を行いました。 第3回委員会は,本年に入り1月13日に開催し,第2回委員会に引き続き質疑を行いました。 第4回委員会は,1月29日に開き,ゴルフ場開発審査基準について,第5回委員会は,2月12日に開き,農用地区域の解除について,第6回委員会は,2月16日に開き,環境影響評価指導要綱についてそれぞれ集中的に調査を行いました。 第7回委員会は,2月22日に開き,ゴルフ場開発に絡む吉備新線の拡幅工事について土木部の説明を受け,その後,これまでの問題について総括的な質疑を行いました。 第8回委員会は,2月23日に開き,参考人の出席要請について協議し,岡山県議会議員門木和郎君,株式会社光地所代表取締役柳光雄君,元株式会社光地所取締役清水豊美君,元岡山県岡山地方振興局長薬師寺理助君,前御津町長白髭勝彦君,御津町議会議員井戸宣夫君,足守町農業協同組合長河田利太君の7人の諸君の出席を求め,意見を聞くことに決定いたしました。 第9回委員会は,3月8日に開催し,参考人として門木和郎君,薬師寺理助君,河田利太君,白髭勝彦君の4人の出席を得,御意見を伺いました。柳光雄君,清水豊美君,井戸宣夫君の3人からは欠席の届けがありましたが,このうち清水豊美君からは,文書による意見書の提出がありました。 第10回委員会は,3月15日に開催し,吉備新線に関する用地の先行取得について質疑を行った後,付託事件の質疑を引き続き行いました。 第11回委員会は,3月17日に開催し,前回委員会に引き続き質疑を行った後,本委員会の今後における運営のあり方,委員会の報告書等について協議をいたしました。 なお,本年1月18日には,開発が予定されている現地の視察を行いました。 まず,本陣山カントリークラブ開発計画の概要について申し上げます。 場所は,御津郡御津町大字虎倉地内と岡山市真星・上高田地内であります。事業主は,岡山市下石井1丁目1番1号,株式会社光地所代表取締役柳光雄であります。面積は,約185ヘクタールであり,御津町分は,都市計画区域外における127ヘクタールであり,岡山市分は,都市計画区域における58ヘクタールであります。ホール数は27であります。 次に,本陣山カントリークラブ開発許可申請等の経緯についてであります。 開発行為の事前協議経緯でありますが,事前協議の申し出は,御津町受け付け,岡山市受け付けとも昭和62年9月14日であり,岡山地方振興局受け付けは昭和63年9月29日,土地対策課受け付けは昭和63年11月14日,県土地利用調整会議幹事会は昭和63年11月25日に開催し,県土地利用調整会議は昭和63年12月14日から21日にかけて開催し,事前協議結果通知は平成元年2月3日に行われました。 開発許可申請の経緯でありますが,御津町受け付けは平成3年2月25日,岡山地方振興局受け付けは平成4年9月21日,岡山地方振興局の土地利用調整会議は平成4年10月15日に開催し,土地対策課受け付けは平成4年11月10日,事業主よりの説明聴取は平成4年11月19日から20日にかけて行われました。なお,岡山市分は未提出であります。 次に,環境影響評価の経緯でありますが,事前指導申し出は昭和63年11月24日,評価調書の受理は平成2年12月17日,地元説明会は平成2年12月19日から20日にかけて開催,知事の審査意見は平成3年8月29日となっております。 次に,農用地区域からの除外等の経緯であります。 編入の経緯でありますが,岡山中部地域畜産主産地形成基本調査は,農林水産省において昭和52年度から昭和53年度にかけて行われ,岡山中部地域畜産基地建設調査は,農林水産省において昭和54年度から昭和55年度にかけて行われ,当該地の農用地区域への編入でありますが,岡山市農業振興地域整備計画変更認可は昭和55年3月14日,御津町農業振興地域整備計画変更認可は昭和55年3月31日であります。 除外の経緯でありますが,当該地における畜産基地建設事業断念は昭和56年3月30日,岡山市,御津町の農業振興地域を特別管理地域に指定されたのは昭和62年9月12日であります。当該地の農用地区域からの除外は,岡山市農業振興地域整備計画変更認可は昭和63年5月9日,御津町農業振興地域整備計画変更認可は昭和63年5月17日であります。 次に,企画部,環境保健部,農林部から,これまで調査した結果の説明がありましたが,その内容は次のとおりであります。★1☆ 本県では,乱開発を防止し,安全で良好な地域環境を確保するため,昭和48年5月に県土保全条例を施行し,民間開発の適正な規制に努めてきたところである。 ゴルフ場の開発については,民間企業によるゴルフ場開発計画が相次いだため,安全で良好な地域環境を確保し,調和のとれた県土の合理的利用を図るため,昭和49年4月から,当分の間,新規ゴルフ場の開発を規制することとし,新たな事前協議の申し出及び許可申請は受理しないこととした。 その後,国土利用計画法の制定,都市計画法,森林法の改正等法令の整備,地域開発に対する市町村の土地利用方向の位置づけの明確化,ゴルフ場利用人口の増加,土地投資の鎮静化等ゴルフ場をめぐる環境にも大きな変化が見られるようになったため,昭和60年5月から凍結を解除し,新規開発については既設ゴルフ場を含めゴルフ場の総面積が当該開発地の属する河川水系流域内の森林総面積の2%以内,かつ当該市町村総面積の2%以内であることとする総量規制を導入した。ゴルフ場開発審査基準に基づき,新規開発について審査できる道を開くこととした。 なお,ゴルフ場開発審査基準においては,総量規制の基準を超えるものについては「知事が特に必要と認めるものはこの限りでない」旨のただし書きを設け,個別審査により認めることとしていた。その後,昭和62年6月には,リゾート法が制定される等,余暇時間の増大,ゴルフ場人口の増加等を背景に,ゴルフ場開発計画が増加し,地域振興の観点から,市町村からもゴルフ場開発に対して強い要望が出てきたため,総量規制の基準を超えるものについて,従来の個別審査方式で対処していくのでは問題があることから,昭和63年10月に見直しを行い,ゴルフ場開発審査基準の「知事が特に必要と認めるもの」のただし書きの適用について基準の明確化を図ることとした。 すなわち,河川水系流域森林面積の2%枠は遵守して,市町村総面積の2%枠については,地域振興特別措置法により指定された市町村,総合保養地域整備法により指定された重点整備地区,新岡山空港影響圏等6項目で開発を行うものに限って,市町村総面積のおおむね3%を限度としてゴルフ場の開発を認めることとした。 また,この措置に伴い,その前提としてゴルフ場の開発をさらに適正に指導及び審査していくため,安全で良好な地域環境の確保を図ることを目的として,県土保全条例施行規則に定める技術的細目についてもあわせて改正し,従来の技術基準の上乗せを行うとともに,新しい項目を追加することとした。 基準の見直しに当たっては,市町村総面積のおおむね3%を限度として開発を認める対象として「新空港影響圏」の項目を設けている。 これは,昭和63年3月に新岡山空港が供用開始されており,これを核とする周辺開発,空路利用のレジャー客による空港の利用促進,新空港建設に伴う地元対策等の観点を踏まえ,また,当時の空港周辺におけるゴルフ場計画の状況を勘案して基準の一つとしたものである。 当時,ゴルフ場の開発については,地域振興の観点から,関係の市町村から開発の実現について多くの要望があった。また,県議会議員からもゴルフ場開発の実現についての要望があったことが確認されている。 その後,吉井川及び旭川両水系流域内では,総合保養地域整備法に基づく重点整備地区で開発を行うものなどを含め,河川水系流域内の森林面積に対するゴルフ場面積の割合が現行の総量規制枠に達する見込みとなったことから,平成2年6月からは新たな事前協議申し出書は市町村において受理しないこととし,総合保養地域整備法により指定された重点整備地区で開発を行うもので,蒜山美作リゾート構想基礎調査の中で計画されているもの及び過疎地域活性化特別措置法により指定された市町村のうち,ゴルフ場未設置市町村で1カ所に限り開発を行うものについてのみ,従前の例により個別審査の対象とすることとしたところである。 ゴルフ場の移動土量については,県土保全条例施行規則及び自然保護協定実施要綱により,18ホールを標準として,原則として開発区域の面積100ヘクタール当たり100万立方メートル程度を基準としているが,ただし書きにより,地形の状況その他特別の理由によりやむを得ずこれによりがたい場合は,自然の地形,植生等の保全に十分配慮して定めることとし,実情に合った指導を行っている。 本陣山ゴルフ場については,昭和63年2月,自然保護協定にかかわる最初の事前相談の段階では,移動土量は460万立方メートルであり,再三にわたり削減を指導した。 平成元年6月,自然保護協定締結のもう一方の当事者である御津町と協議し,地形が急峻であること及びホール数が27であることなどを勘案し,移動土量の目安をおおむね300万立方メートル以内として,指導することとした。現在の計画量は275万立方メートルとなっている。 なお,移動土量について県議会議員から要望があったことが確認されているが,これは御津町と協議をして目安を決めた後のことである。 農用地区域は,市町村が農業振興を図る観点から設定し,管理しているものであり,当該地は,当時ゴルフ場の開発計画もあったが,次の理由により農用地区域からの除外が農業振興地域の整備に関する法律その他関連通達等に照らし問題がないため,岡山市・御津町から農業振興地域整備計画変更認可申請に対し,認可を行ったものである。 山林であった場所が,当時,畜産基地建設事業の計画があったため,昭和54年度末に農用地区域に含まれていたものであるが,その計画が地元住民の環境問題等での反対により中止になっていたこと。一部登記簿上の農地についても,山間で現況が荒廃しており,また,農業投資も行われておらず,その後も農業利用の予定がなかったこと。これらの理由により,農用地区域に含めておく必要がなくなったものである。 なお,畜産基地建設の断念は昭和56年3月であるが,以後も継続して農業上の利用を検討していたこともあって,農用地区域からの除外時期は昭和63年5月となったものである。 農用地区域からの除外面積は,岡山市分が122.1ヘクタール,御津町分が32.3ヘクタールとなっている。なお,農用地区域からの除外に関して県議会議員からの働きかけは,確認されていない。 以上,総量規制の見直し,移動土量の指導,農用地区域からの除外のいずれについても,適正に処理されているものと考えられる。★0☆ このように,当局からの調査結果の報告があり,委員から,これらに対する質疑が行われたのであります。 各委員からは,本委員会の使命である実態究明と真相解明のため,多方面にわたり質疑が行われました。 各委員の質疑の主なものについて申し上げますと,総量規制の見直しに関しては,6項目のうちの新岡山空港影響圏についての基本的な考え方,全国的な状況,議員のかかわり方などについてであり,農振除外に関しては,畜産基地計画断念のいきさつ,解除の真の目的,議員の働きかけなどについてであります。移動土量に関しては,基準をオーバーする他の事例,業者指導のあり方,議員のかかわり方などであります。 これらの質疑に対し,当局からは,一貫して「本陣山ゴルフ場の計画をめぐる一連の県の対応等については,県議会議員からの一定の要望等はあったものの,総量規制の見直し,移動土量の指導,農振除外についての一連の県の対応には誤りはなく,それぞれ的確な理由をもって,また関係法令や基準に即して,厳正公平に進められてきたものと考えている」との答弁がなされたのであります。 次に,参考人から意見を聞いた状況について申し上げます。 4人の参考人からは,それぞれ約1時間にわたって御意見をお伺いしたのでありますが,設定した時間が不足し,委員に不満が残るほどでありました。質疑は,委員長が委員会を代表するとともに,自由民主党県議団所属委員をも代表する形でまず最初に行い,次いで他の会派に所属する委員が補充する形式をとりました。 まず,門木君に対する質疑の主なものを申し上げます。 本陣山ゴルフ場開発問題に関する農地転用,総量規制の緩和,移動土量について,開発業者からの依頼の有無とその内容,国,県,岡山市,御津町に対する働きかけの有無とその内容,開発業者から受けた献金の時期と理由,畜産基地計画へのかかわり,私邸での総量規制緩和に関する県幹部からの電話の有無,ゴルフ場建設に対する今後の考え方,議員辞職の求めに対する考えと社会的批判を受けるに至った責任のとり方などであります。 次に,薬師寺君に対する質疑の主なものを申し上げます。 本陣山ゴルフ場建設に当たって,農地転用,保安林の解除などについて,光地所及び議員からの働きかけの有無,ゴルフ場開発計画の審査の経過と問題点及び支障になった点,議員からの働きかけによって部下職員に指示した事柄,本庁との連絡の内容などであります。 次に,河田君に対する質疑の主なものを申し上げます。 足守町農業協同組合としての働きかけと本陣山ゴルフ場に対する期待の内容,畜産基地計画のいきさつ,地元対策の内容,議員邸での総量規制の緩和に関する県幹部からの電話の有無,ゴルフ場建設に対する今後の考え方などであります。 次に,白髭君に対する質疑の主なものを申し上げます。 本陣山ゴルフ場建設に当たって,県から総量規制の緩和について説明を受けた時期,移動土量に関する削減指導の内容と県に対する働きかけの内容,農事組合法人「みつ」と開発業者との関係,ゴルフ場立地に関する町長としての取り組み,ゴルフ場建設に対する今後の考え方,開発業者からの金品贈与の有無などであります。 これらの質疑に対する参考人の意見のうち,特に重要と思われるものを申し上げます。 献金について,門木君は「純粋な政治献金であり,県選挙管理委員会へも報告している。依頼を受けていないので,謝礼ではない」ことを強調されました。 議員邸での総量規制緩和に関する県幹部からの電話について,門木君と河田君は「関係者を呼びつけたことはない。県幹部と電話でやりとりした事実はない。話の内容は市の上水道計画についてであった。同時に,用地買収などの話もあったような気がする」というものであります。 現在,開発審査が凍結されているゴルフ場建設に対する今後について,門木君と河田君と白髭君は「地域の開発,雇用の場の確保などのため,あの地にゴルフ場建設は必要である」との見解を示されました。なお,欠席した井戸宣夫君に対しては,文書による意見書の提出を求めましたが,回答がありませんでした。 また,当局に対する質疑の中で,あるいは参考人の文書による意見書により,実名を挙げられた,本委員会の委員でもある山田俊夫君と,他の委員との間において質疑応答が行われる一幕もありましたが,その中心点は,平成2年7月26日における岡山市内の料亭での会談と金銭授受の有無,平成3年3月の県議会議員選挙告示の前日における山田後援会事務所での金銭授受の有無の2点でありました。 残念ながら,これら参考人等の意見の間には,食い違う点も散見せられたのであります。 本委員会といたしましては,現時点で可能な調査は一通り終えたところであります。最終的な調査結果を得るには,会社関係者の逮捕という事態もあり,当面,警察当局の捜査の推移を見きわめる必要があるとの認識で各委員の意見が一致した次第であります。 以上,調査の経過の概要を述べ,中間報告といたします。 ◆32番(久永茂君)  総務委員会に付託されました議案24件及び請願陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 まず,平成5年度関係議案についてであります。 議第1号平成5年度岡山県一般会計予算のうち,本委員会所管分について申し上げます。 歳入につきましては,県税収入は景気の動向,最近の課税実績の推移などから,また地方交付税は地方財政計画等を参考に,本県の法人関係税の動向などを勘案し,それぞれ,現段階で見込み得る限りの額を計上しております。地方譲与税については,国の地方財政計画の見通し等を参考として計上し,不足する財源は県債管理基金を取り崩すなどして,一般財源で4,082億2,200余万円を計上いたしております。特定財源では,国庫支出金及び県債等については,各種事業の実施に伴う見込み額を計上し,さらに長期投資準備基金を取り崩すなど,合わせて3,279億1,800余万円を計上いたしております。なお,使用料手数料は,法令の改正や施設の完成に伴い,この際改定を必要とするものについて行うものであり,その結果,一般会計予算の規模は7,361億4,000余万円で,前年度当初予算に対し4.3%の増となっております。 一方,歳出の主なものは,私学振興のための私学助成に要する経費,瀬戸大橋開通5周年記念事業に要する経費,南オーストラリア州や中国江西省との友好交流に要する経費,女性問題対策推進に要する経費,防災行政無線に要する経費などであります。 債務負担行為は,倉敷芸術科学大学(仮称)設置助成費など,新たに債務を負担するもの5件であります。 そのほか,地方債,一時借入金,歳出予算の流用に関してであります。 特別会計は,議第13号平成5年度岡山県公共用地等取得事業特別会計予算など4件。 企業会計は,議第20号平成5年度岡山県営電気事業会計予算など3件。 事件案件は議第24号当せん金付証票の発売についてなど4件。 条例案は,議第36号岡山県職員給与条例の一部を改正する条例など5件であります。 次は,平成4年度関係議案についてであります。 まず,議第143号平成4年度岡山県一般会計補正予算(第5号)について申し上げます。 歳入につきましては,景気の低迷により県税収入が大幅な落ち込みとなり,減となっております。これに伴い,減収補てん債など県債を発行し,財源振替を行うほか,国庫支出金についても減額するなど,それぞれ所要の補正措置を講ずるとともに,財政調整基金等の取り崩しを取りやめるなど,一般会計において,差し引き50億9,300余万円の減額補正措置が講ぜられているものであります。 歳出では,県債管理基金積立金に要する経費,吉備高原都市建設推進に要する経費などであります。人件費,公債費,国庫補助事業の確定に伴うものなどについては,それぞれ所要の補正措置を講ずるものであります。 このほか,繰越明許費の追加及び債務負担行為,地方債の補正に関してであります。 特別会計は,岡山県公共用地等取得事業特別会計など4会計。 企業会計は,岡山県営電気事業会計など2会計において所要の補正措置を行うものであります。 以上について,委員会は去る17日に開催し,関係当局者の出席を求め,説明を聴取するとともに,質疑応答を重ね,あるいは委員相互間に意見を交換し,また関係のある他の委員会の意見を聴取するなどしながら慎重に審査を行った結果,議第1号平成5年度岡山県一般会計予算につきましては,日本共産党所属委員を除く多数により原案を可決すべきものと決しました。 審査の過程において,倉敷芸術科学大学(仮称)への助成に関して,日本社会党・県民会議,日本共産党所属委員から「助成方針の説明が予算の提案と同時で,余りにも唐突過ぎる,教育の機会均等に反する等の理由により,助成には反対である」旨の発言があり,議論がなされたのであります。 採決に当たり,公明党所属委員から本予算に反対するわけではないとして「大学の教育内容が明らかになり,県民の了解等が得られるまで,予算の執行を凍結するよう,附帯決議を付してはどうか」との提案があり,これに民主クラブ所属一議員,日本社会党・県民会議所属委員も賛成であるとの意思を表明されたため,附帯決議を付することについて採決をしたのでありますが,賛成少数で否決されたのであります。 次に,議第20号平成5年度岡山県営電気事業会計予算,議第21号平成5年度岡山県営工業用水道事業会計予算,議第39号岡山県職員等定数条例の一部を改正する条例につきましては,一委員から反対の意思表明がありましたが,採決の結果,多数により原案を可決すべきものと決しました。 次に,議第38号各種使用料等の改定に関する条例について申し上げます。 本案は,県立施設の円滑な管理運営及び県の行う事務の円滑な推進を図るため,各種使用料などの額を適正な額に改めるなど,所要の改正を行うものであります。 本案につきましては,関係委員会の意見も聴取して審査したのであります。審査の過程におきまして,一委員から第1条,第3条,第9条,第10条,第11条について反対の意思表明がありましたが,採決の結果,第1条,第3条,第9条,第10条,第11条の5カ条は多数により,残余の部分は全会一致により原案を可決すべきものと決しました。 以上,申し上げた5議案を除く19議案につきましては,いずれも適切妥当,または必要やむを得ないものと認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 請願陳情については,お手元に配付いたしております審査結果報告書のとおり,それぞれ措置すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆11番(古山泰生君)  厚生環境委員会に付託されました議案のうち,岡山県明るい長寿社会財団への出捐に関する議第159号を除く議案15件及び請願陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 まず,平成5年度関係議案についてであります。 議第1号平成5年度岡山県一般会計予算は,環境保健部関係では,邑久保健所(仮称)の新設事業に要する経費4億2,500余万円,眼科,耳鼻科,歯科の巡回相談を行う健やか生活相談事業に要する経費700余万円,在宅寝たきり者歯科診療モデル事業に要する経費400余万円,県立看護研修センター(仮称)の整備事業に要する経費900余万円など,総額214億7,400余万円であります。 民生労働部関係では,地域への入浴サービスなど施設の地域開放活動を支援する民間社会福祉施設活性化事業対策に要する経費1億5,000万円,身体障害者・精神薄弱者の能力判定・能力開発のシステムづくりなど障害者能力開発促進プログラム事業に要する経費2,000万円,勤労者の憩いの場となる勤労者総合福祉施設の整備に要する経費1,500万円など,総額499億7,000余万円であります。 また,地方労働委員会関係は1億9,300余万円であります。 債務負担行為は,公衆浴場設備改善資金利子補給補助金など2件であります。 特別会計は,平成5年度岡山県母子福祉資金貸付金特別会計など3会計において,総額で4億7,200余万円。 企業会計は,平成5年度岡山県営病院事業会計において15億1,000余万円であります。 事件案件は,岡山県広域水道企業団に出資するものなど3件であります。 条例案は,水質汚濁防止法第3条第3項の規定に基づく排水基準を定める条例の一部を改正する条例など4件であります。 次に,平成4年度関係議案についてでありますが,議第143号平成4年度岡山県一般会計補正予算(第5号)のうち,本委員会関係では財団法人岡山県アイバンクへの助成金のほか,生活保護費など国庫補助の確定に伴う経費などについてそれぞれ所要の措置を講ずることにより,差し引き総額3億5,700余万円を追加補正するものであります。 繰越明許費は,健康増進中核拠点施設や老人福祉施設などの整備に係る事業について,総額10億5,400余万円をやむを得ず繰り越しするものであります。 特別会計は,平成4年度岡山県心身障害者扶養共済制度特別会計において,企業会計は平成4年度岡山県営病院事業会計において,それぞれ所要の措置を講ずるものであります。 本委員会は,去る17日に開催をし,関係当局者の出席を求め,質疑応答を重ね,また関係のあるほかの委員会の意見を聴取するなどし,慎重に審査を行いました結果,これら議案15件はいずれも必要あるいは妥当な措置と認め,全会一致,または多数をもって原案を可決すべきものと決しました。 請願陳情につきましては,お手元に配付いたしております審査結果報告書のとおり,それぞれ措置すべきものと決しました。 以上,御報告を申し上げます。 ◆6番(小田春人君)  厚生環境委員会に付託されました議第159号岡山県明るい長寿社会財団出捐については,委員長に除斥の規定が適用されましたので,私から審査の結果を御報告申し上げます。 本件は,明るく豊かで活力ある長寿社会の実現のための各種事業を実施するため設立された岡山県明るい長寿社会財団に対して,2,350万円の範囲内で出捐を行おうとするものであります。 本委員会は必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆12番(中塚正人君)  商工警察委員会に付託されました議案12件に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,平成5年度関係議案についてであります。 議第1号平成5年度岡山県一般会計予算は,商工部関係では現下の厳しい経済情勢を踏まえた中小企業金融対策費を初め,地場産地の活性化を図るための中小企業集積地域発展支援事業費,岡山リサーチパークの核施設として平成6年度完成を目指す新工業技術センター建設事業費,商店街整備などを図る商業活性化推進事業費,中国,東南アジア地域での活動拠点となる香港事務所設置事業費,観光面では'90年代大型観光キャンペーン推進事業費など,総額507億700余万円であります。 警察本部関係では,本年末のオープンを目指して建設が進められている運転免許センター建設費を初め,最終年次となる高梁警察署庁舎新築工事や岡山西警察署庁舎新築工事の基本設計などの施設整備費,交通信号機・標識等の新設や更新などの交通安全施設費,暴力団対策法施行経費,派出所にテレビ電話を設置する地域警察強化費など,総額450億1,500余万円であります。 債務負担行為は,中小企業者への融資に伴う岡山県信用保証協会に対する損失補償や岡山県警察職員住宅購入費に係るものなど11件であります。 特別会計は,高度化資金の貸し付けなどを行う平成5年度岡山県中小企業近代化資金貸付金特別会計において135億6,200余万円,工業団地やリサーチパーク,流通センターの造成等を行う平成5年度岡山県内陸工業団地及び流通業務団地造成事業特別会計において91億5,600余万円であります。 事件案件2件は,地方自治体の枠を超えた交流研究活動を支援し,地域の科学技術の振興を図るため設立された財団法人全日本地域研究交流協会に対する出捐についてのもの及び財団法人岡山県暴力追放運動推進センターに対する出捐についてであります。 次に,条例案は,警察官の階級別定員の改定などを図る岡山県警察職員定員条例の一部を改正する条例であります。 次に,平成4年度関係議案についてであります。 議第143号平成4年度岡山県一般会計補正予算(第5号)は,商工部関係では岡山県信用保証協会出捐金などを増額する一方,中小企業者向け特別融資制度貸付金等の減や高度化資金貸付金の減に伴う繰出金の減などにより,差し引き総額13億8,000余万円の減額補正,警察本部関係では,警察車両の更新に要する経費などを増額する一方,給料・職員手当等の自然残による減額などで,差し引き総額6,500余万円を減額補正するものであります。 債務負担行為補正は,岡山県信用保証協会に対する損失補償について限度額を変更するものなど2件であります。 特別会計は,平成4年度岡山県中小企業近代化資金貸付金特別会計など2会計において,総額21億5,400余万円を減額補正するものであります。 繰越明許費は,用地買収及び補償交渉の難航,また地質調査において,埋蔵文化財が発掘されたことに伴う起工の遅延などによりやむを得ず繰り越すものは,商工部関係で3件,30億7,200余万円,警察本部関係で2件,4億2,200余万円であります。 事件案件は,岡山県信用保証協会に対する出捐1件,岡山リサーチパーク用地造成工事において工期の延長及び工事費の減額が生じたために工事委託契約を変更するもの1件,御津工業団地第2期分に係る公有財産の処分についてのもの1件であります。 本委員会は,去る17日に開催し,関係当局者の出席を求め審査を行いました結果,これら議案12件はいずれも適切妥当または必要やむを得ない措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆25番(天野学君)  農林委員会に付託されました議案16件及び陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,平成5年度関係諸議案についてであります。 議第1号平成5年度岡山県一般会計予算でありますが,その主なものは農村総合整備モデル事業などの農村総合整備対策費,畜産活性化総合対策推進費,ファーマーズ・マーケット建設費,フルーツ・フラワー公園整備費,さらには新規就農を促進するためのニューファーマーズ確保対策費など,活力ある農林漁業を目指して,総額706億7,600余万円を計上するものであります。 債務負担行為は,おかやまファーマーズ・マーケット(仮称)建設事業調整池工事など,新たに債務を負担するもの26件であります。 特別会計は,岡山県農業改良資金貸付金特別会計など,6会計において総額22億4,900余万円を計上するものであります。 事件案件は,岡山県漁業信用基金協会に対し出資を行うものであります。 条例案は,岡山県中山間地域保全基金条例など2件であります。 次に,平成4年度関係諸議案についてであります。 議第143号平成4年度岡山県一般会計補正予算(第5号)は,国庫支出金等の確定に伴い,林道整備事業費など公共事業費5億9,400余万円を減額するなど,差し引き総額15億3,300余万円を減額補正するものであります。 繰越明許費は,地元関係者等との調整難航や国の総合経済対策関連などにより,やむを得ず繰り越しをするもの197件,32億8,500余万円であります。 債務負担行為補正は,国庫債務負担行為に基づき,ほ場整備事業費など新たに債務を負担するもの3件及び変更するもの1件であります。 特別会計は,岡山県農業改良資金貸付金特別会計など3会計において3億1,300余万円を減額補正するものであります。 事件案件は,国営及び県営土地改良事業に対する市町村負担金についてのもの2件であります。 本委員会は,去る17日に開催し,関係当局者の出席を求め,説明を聴取しながら慎重に審査を行いました結果,これら議案16件は,いずれも適切妥当または必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 また,陳情につきましては,お手元に配付しております審査結果報告書のとおり一部を採択すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆15番(千田博通君)  土木委員会に付託されました議案20件及び請願陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,平成5年度関係議案についてであります。 議第1号平成5年度岡山県一般会計予算は,本委員会関係分では単県公共事業費に239億円を計上するなど景気対策に配慮しながら,県民生活に直結する社会資本の整備や21世紀に向けた基盤づくり等,積極的に各種施策事業を推進しようとするもので,総額1,776億3,900余万円,前年度当初予算に対し13.4%の伸びであります。 その主なものは,地域間交通網の整備を図る道路整備特別対策事業費,千町川などの改修を行う河川緊急災害対策費,市町村にかわって県が根幹的施設の建設を行う過疎地域公共下水道代行事業費などのほか,岡山空港滑走路3,000メートル化調査費,岡南飛行場整備費,新野球場建設費,チボリ公園関連の昭和宮前線の整備など街路整備特別対策事業費,美作岡山間道路建設事業費,大佐山オートキャンプ場建設費,公共建設残土の土捨て場建設費などであります。 債務負担行為は,楢井ダム本体建設工事,倉敷スポーツ公園補助野球場本体建設工事などのため,新たに債務を負担するもの18件であります。 特別会計は,平成5年度岡山県公共用地等取得事業特別会計予算など,4特別会計において総額218億6,300余万円を計上するものであります。 次に,事件案件は,児島湖流域下水道の維持管理に係る収支計画の見直しに伴い,維持管理費用の市町負担額の一部を変更しようとするものであります。 条例案は,後楽園に外苑館を新設するのに伴い,その使用料の額を定めるための岡山県立都市公園条例の一部を改正する条例,駐車場需要の増大に対応するため,都市計画区域内の自動車車庫の設置に関する制限を緩和するなどの建物等の制限に関する条例の一部を改正する条例など5件であります。 次に,平成4年度関係議案について申し上げます。 議第143号平成4年度岡山県一般会計補正予算(第5号)は,国庫補助事業の確定に伴い,差し引き1,800余万円を補正するものであります。 繰越明許費は,用地買収・補償交渉の難航や国の総合経済対策補正予算の成立のおくれ等により,やむを得ず繰り越すもの61件,総額242億2,000余万円であります。 特別会計は,岡山県公共用地等取得事業特別会計など4特別会計において,総額11億5,600余万円を減額補正するものであります。 事件案件については,道路改良田益トンネル工事の工事請負契約を締結するもの,児島湖流域下水道浄化センターの地盤改良工事の工事委託契約を締結するもの,岡山空港の航空貨物基地の用地を取得しようとする公有財産の取得についてのもの,旭川水系高曽川,谷薮川の河川法に基づく1級河川への指定同意についてのもの各1件であります。 本委員会は,去る17日に開催し,関係当局者の出席を求め慎重に審査した結果,これら議案20件はいずれも適切妥当または必要やむを得ない措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 請願陳情につきましては,お手元に配付いたしております審査結果報告書のとおり,それぞれ採択すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆14番(三村峰夫君)  文教委員会に付託されました議案6件及び陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,平成5年度関係議案についてであります。 議第1号平成5年度岡山県一般会計予算は,生涯学習推進のため生涯学習推進センターを新たに設置する経費や県立図書館の建設費,学校不適応対策の推進など,心の教育の充実や新学習指導要領の趣旨徹底,国際理解教育の推進など教育内容の充実に要する経費,岡山養護学校旭川分校の独立校化や烏城高校の移転推進,時代の進展に対応した学科再編校の整備,県立学校施設整備など,教育体制の整備充実に要する経費,津山陸上競技場などスポーツ施設の整備に要する経費など,総額1,689億5,100余万円であります。 債務負担行為は,勝英スポーツ施設整備費など3件について債務を負担するものであります。 議第17号は,平成5年度岡山県立高等学校実習経営特別会計予算1億4,400余万円であります。 議第33号は,岡山県スポーツ振興財団に対し6,000万円を限度として出捐を行うものであります。 次に,平成4年度関係議案についてであります。 議第143号平成4年度岡山県一般会計補正予算(第5号)は,事業実施に伴う不用額,教職員給与費の減及び国庫補助金の確定に伴うものなど,総額10億4,900余万円を減額補正するものであります。 繰越明許費は,産業教育施設整備事業等において地元関係者等との調整難航に伴うものなど4件,総額17億6,000余万円であります。 議第163号は,岡山県美作ラグビー・サッカー場用地造成工事について,工事委託契約の締結をするものであります。 議第164号は,岡山県立笠岡工業高等学校危険校舎改築並びに産業教育施設整備工事費について,工事請負契約締結の変更をしようとするものであります。 本委員会は,去る17日に開催し,関係当局者の出席を求め慎重に審査を行いました結果,これら議案6件のうち,議第1号は,一委員から反対の意思表明がありましたが,採決の結果,多数により原案を可決すべきものと決し,それ以外の議案5件は,いずれも適切妥当または必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 また,陳情につきましては,お手元に配付の審査結果報告書のとおり,それぞれ措置すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆20番(日南香君)  決算特別委員会に付託されました議第132号平成3年度岡山県歳入歳出決算及び事業成果について審査を行いました経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会は,閉会中にもたびたび委員会を開催し,各部局別に関係者の出席と必要な関係資料の提出を求め詳細な説明を聴取するとともに,監査委員からも審査意見を聴取し,厳正な審査を行い,去る2月18日にその審査を終了したのであります。 まず,平成3年度予算の性格等についてであります。 当初予算は,4月に県議会議員選挙が行われたため,義務的経費,基準行政運営費などを中心に骨格予算として編成されたのであります。6月補正予算においては,第4次岡山県総合福祉計画を踏まえ,活力ある成熟社会の実現を目指すため,21世紀への基盤づくり,高齢化対策の推進,国際化への対応,豊かさとゆとりの創造など,新たな行政需要に積極的に取り組むとともに,地域間施策間の調整に留意しながら,限られた財源を重点的効率的に活用することとして肉づけがされたのであります。 その後の補正予算につきましては,地域の活性化を図るための単県公共事業費及び地方振興事業調整費,台風19号による災害復旧に要する経費など所要の補正措置が行われたほか,21世紀への基盤づくりを進めていくための長期投資準備基金等に積み立てが行われたのであります。 その結果,一般会計及び各特別会計の合計額を合わせた予算規模は7,888億3,994万円となり,前年度に対して309億1,294万余円4.08%の増加となっているのであります。 次に,この予算額に対する決算の状況でありますが,一般会計及び各特別会計の合計額を合わせた歳入決算額は7,849億8,826万余円,対前年度比4.71%の増加,歳出決算額は7,573億4,905万余円,対前年度比4.41%の増加,歳入歳出差し引き額は276億3,921万余円となり,前年度に比べ33億1,552万余円13.63%の増加となっているのであります。 実質収支の状況について見ると,歳入歳出決算差し引き額276億3,921万余円から翌年度へ繰り越すべき財源108億5,530万余円を差し引いた実質収支額は167億8,390万余円の黒字決算となっており,その内訳は,一般会計で11億154万余円,各特別会計合計額で156億8,236万余円の黒字でありました。また,これから前年度の実質収支額を差し引いた単年度収支額は,一般会計において6,961万余円の赤字,各特別会計合計額においては12億9,420万余円の黒字となっているのであります。 一般会計決算にあらわれた主な特徴点を見ますと,まず歳入面においては,基準財政需要額の伸びにより地方交付税が増加するとともに,バブル経済崩壊の影響があったものの,年度半ばまでの景気の持続等による個人県民税,法人事業税等の県税が伸びたことなどにより,一般会計歳入決算額は7,022億7,252万余円となり,前年度に比べ308億1,713万余円4.59%の増加となっております。 歳入における構成比は,県税が30.89%,地方交付税が24.97%,国庫支出金が18.6%を占め,また,自主財源比率は,県税が増加したものの地方交付税等の増加により前年度を0.80ポイント下回る44.73%となったのであります。 一方,歳出面においては,商工費,民生費などが減少したものの教育費,総務費,公債費などが増加したことにより,一般会計歳出決算額は6,908億5,446万余円となり,前年度に比べ286億9,579万余円4.33%の増加となっております。 本委員会は,この決算審査に当たり,予算は議決の趣旨に沿って適正に執行されたか,かつ各種事務事業は経済性効率性に留意して県民福祉の向上につながる行政効果を上げ得たか,財政の構造はどのように変化したか,財産の管理は適正に行われているか,基金は設置目的に沿って確実かつ効率的に運用されているかなどに主眼を置き,慎重に審査を行ったのであります。 その結果,平成3年度における行財政運営は,県債残高の増大など引き続き厳しい財政状況にはありましたが「岡山県における今後の行政改革の進め方」に基づき,行財政全般にわたって,事務事業の整理合理化及び組織の簡素化と効率化を進めるとともに,新たに策定された第4次岡山県総合福祉計画を踏まえ,活力ある成熟社会の実現を目指した21世紀への基盤づくりとして,岡山空港の拡充,高速道路の建設など,広域交通網の整備,さらには道路網の整備,河川の改修,流域下水道の整備など生活基盤整備の推進を初め,豊かな社会と人づくりのための高齢化社会対策の推進,健康づくりの推進,国際化の進展への対応,また美しく快適な環境づくりとして児島湖の環境保全対策,住みよい環境の整備,ゆとりあるくらしの基盤づくりとして勤労者対策の推進,農林漁業の振興,企業誘致や工業団地の整備等,商工業振興などの施策を計画的重点的に推進し,県勢発展と県民福祉の向上に寄与するための努力の跡がうかがえ,おおむね適正に予算の執行,事務処理がなされ,また,財産の管理もおおむね適正になされているものと認められたのでありまして,次に申し上げます要望,改善する事項を指摘し,議第132号平成3年度岡山県歳入歳出決算は,一委員から認定に反対の意思表明がありましたが,採決の結果多数をもって認定すべきものと決しました。 要望事項は,簡素で効率的な執行体制の整備と長期的視野に立った計画的効率的な財政運営についてであります。 県財政を取り巻く状況は,人件費等の義務的経費が引き続き増加すると見込まれるほか,多大の県債残高を抱え,その償還に充てる公債費は年々増加することが予想されます。 また,県税収入は,最近の経済情勢などから法人関係税の大幅な落ち込みも予測され,県税全体としては伸びが期待できない状況にあり,一段と厳しい財政状況が続くものと考えられます。 このようなときに,今後の行財政運営に当たっては,真の豊かさが実感できる県土づくり,急速に進んでいる高齢化に対応する健康で生き生きとした長寿社会づくり,国際化の進展に対応した世界に開かれた岡山づくり,高度技術・情報化への対策など多くの財政需要が予測されますが,これらの推進に当たっては,今後とも行財政全般にわたって見直しを行い,簡素で効率的な執行体制の整備を図られるとともに,歳入の確保に万全を期し,最小の経費で最大の効果を上げるよう計画的効率的な財政運営に努め,県民の期待と信頼にこたえられるよう一段の努力を要望いたします。 次に,歳入に関する指摘事項は,収入未済額についてであります。 歳入における収入未済額は,一般会計において50億9,484万余円,特別会計において16億100万余円,合計66億9,584万余円と,前年度に比べ7億395万余円11.75%の増加であり,依然として多額に上っております。調定額に対する収入未済額の比率も0.85%と,前年度に比べ0.06ポイント上回っており,今後とも,実態に即した抜本的な対策を講じ,徴収を促進するとともに的確な債権確保を図られたいのであります。 また,歳出に関する指摘事項は,繰越額及び不用額についてであります。 翌年度への繰越額は,一般会計において211億4,800万余円,特別会計において37億8,228万余円,合計249億3,029万余円で,前年度に比べ35億561万余円,12.33%と減少しております。これは,主に災害復旧事業の繰越額が減少したことによるものと思われますが,今後さらに執行体制の整備を図るなど,事業の計画的な執行により,年度内完了を目指し一層の努力を望むものであります。 不用額については,一般会計において36億3,929万余円,特別会計において29億2,129万余円,合計65億6,058万余円で,前年度に比べて24億3,969万余円59.20%増加しておりますが,今後とも,事務事業の計画的な執行に十分配意し,その効率的な執行を図るとともに,予算の補正等適切な措置を講じられたいのであります。 なお,事業成果の調査を行いました過程において,各委員から種々改善を要望する意見等が述べられたのでありまして,当局におかれましては,これらについても十分に留意して,適切な事務事業の執行に当たられるよう望むものであります。 以上,御報告を申し上げます。...